96 / 408
第95話 色綿糸
しおりを挟む
スタシャに改めて染料液の作成を依頼してから、しばらく経った頃、ホムンクルスが屋敷にやってきて、染料液の入ったカゴを持参してきた。前の染料液と同じように見えるが……ホムンクルスは何も言わずに去ろうとしていた。僕は、ホムンクルスを止め、スタシャの様子を聞いた。
「スタシャ様、忙しい。ミスリル手に入って興奮。今も実験中」
僕が頷くと、ホムンクルスは足早に去っていった。ミスリルを手渡してから、スタシャの様子を見ることがなかったので少し心配していたが、杞憂だったようだ。とりあえず、染料液が使えるかどうかを僕が判断できるわけではないので、魔牛牧場に行くことにした。ミヤも同行してくれるようだ。
魔牛牧場に到着すると、ミヤに染色ができる彼女を呼んでもらうことにした。今回は、ミヤに引っ張られてくることはなく、自分の足で来て、僕に挨拶をしてきた。彼女の変化に少し戸惑いを思えながら、染料液を鑑定をお願いした。彼女は、僕から手渡された染料液の瓶を大事そうに一つずつ確認をしていく。その手際はプロのようで、緊張感のようなものが漂う。横では、トマトジュースを浴びるように飲んでいるので、緊張感が一瞬で薄れてしまうんだけど。
「ロッシュ様。この染料液は魔界でも手に入らないと思われるほど、高品質のようです。これならば、要望にお答えできると思います」
僕は、とりあえず安堵した。これでダメだったら本当に途方に暮れるところだった。僕は、さっと綿糸の束をいくつか取り出し、彼女に差し出した。彼女も僕の意図するところがすぐにわかったようで、早速染色作業に入った。通常、綿糸の不純物を取り除き後、染色液に浸け、乾燥させ、また染色液に浸け、乾燥させるを繰り返し、希望の色に近づけていく工程をたどる。そのため、場合によっては一ヶ月以上もの長い期間を必要とするのが染色工程である。
しかし、彼女は染料液の入った瓶と綿糸を並べ、魔法陣を展開すると、綿糸が淡く光り、徐々に青色に染色されていく。数秒で、キレイに青く染色された綿糸がそこにはあった。瓶の中を覗くと、いくらか液が減っていた。綿糸を触ってみるとサラサラとした肌触りで乾燥しているのが分かった。すごいな。こんな短時間で染色を終わらせることが出来るなんて。待てよ。
「これって、使っている内に色が無くなっていくことはないか? 以前、魔力切れで魔力糸が消えたことがあったんだ。それと同じことは起きないか?」
彼女は、少し黙ってからニコっと笑った。
「それはないですよ。というか、ありえないと言ったほうが良いですかね。私が出来るのは、特性の改変のみです。もともと特性があったものを変えることが出来るだけで、追加やないものに特性を付与することは出来ないんです。この綿糸には特性はないですから。ただ、経年劣化で色褪せはあるかもしれませんけど」
それは良かった。着た途端、色が落ちたのでは意味がないからな。すると、トマトジュースを飲んでいたミヤが割り込んできた。
「どうやら話はついたみたいね。これからは、彼女に染色の仕事をお願いするということでいいの?」
僕は、頷き、彼女に意向を聞くと、是非やらせてくださいといってくれた。
「そう。それじゃあ、名前を彼女に与えてくれないかしら?」
いつものが来たか。彼女には、エマルと名付けた。
「じゃあ、エマル。残りの綿糸を各色で染色してもらえないか?」
エマルは、はい!! と元気よく答えて、黙々と綿糸に色を付けていった。僕は、エマルの仕事を見ながら、トマトジュースを飲んで時間を潰していた。しばらくして、色とりどりのキレイな綿糸が、テーブルの上に山のように積また。一つ一つ手に取ってみたが、本当にキレイだな。エマルに、七色以外の色は出来るのかと聞くと、各色を配合すれば出来ると答えたので、試しに、橙色をお願いすると、エマルはすぐに仕上げてくれた。素晴らしい技術だ。
エマルには、今後も綿糸を持ってくるから、染色をしてもらうように頼み、僕は色綿糸を持って服飾店のメトレーを訪ねた。色綿糸を手渡すと、メトレーの顔色が変わり、興奮をしている様子だ。生地にしてもらうように頼もうとしたが、言う前に色綿糸を持って機織り機の前に座り始めた。しばらくすると、リズミカルな音が店の中に響いてくる。メトレーはかなり集中しているため、夫のトールに服の試作をお願いした。
「ロッシュ村長。今回はどのような服にいたしましょうか?」
そうだな。せっかくだから屋敷の女性陣全員に服を送ろう。夏服が良いだろう。
「うちの屋敷の女性に送りたいのだ。寸法はトールに任せるぞ。夏服がいいな。デザイン等はトールに任せてもいいか?」
もちろんですとも、とトールが快諾してくれたので、僕はミヤと一緒に屋敷に戻ることにした。ミヤもその場にいいたので、自分のために服を作ってもらえることを知って嬉しそうだった。
「随分、うれしそうだな。ミヤ。前は、自分の服は自分で作った方って言ってたじゃないか。今回だって、そんなに嬉しくないと思っていたんだが」
「あのね。ロッシュ。好きな人から貰ったら何でも嬉しいのよ。それに、その服はロッシュが頑張ったから作れるんじゃない。それで嬉しくない女性なんていないとおもうわ」
僕は、ミヤから非常識人だと罵られた気分になった。もう少し気を付けて発言することにしよう。
しばらく経った時、トールが新作を持って屋敷にやってきた。すぐに居間に通して、屋敷の女子たちを集めた。トールは、色綿糸で作った生地をまず取り出した。各色の色がついた生地に女子たちは、すこし興奮の色を隠せないでいた。中には、グラデーションの生地などあり、メトレーの技術と遊び心を感じることが出来た。
続いてトールは五つの包を取り出し、それぞれを女性たちに配った。
「ロッシュ村長。夏と言うので、ワンピースを拵えさせていただきました。一応、色を変えてあり各服には色綿糸で刺繍を施してあります」
そういってから、女性たちは思い思いに包を開け、服を自分に当てて、お互いに見せあっていた。基本的には、髪の色に合わせているようで、刺繍がとてもキレイに出来ている。トールがこんな技術を持っていたなんて……隠していたな。トールを賞賛して、これを村人にも提供してほしいと頼むと、トールは難しいそうな顔をした。
「正直、この刺繍は一着作るだけでも数日を要します。今回は特別に作らせてもらいましたが、村人に提供するのは少し難しいです。もう少し、職人が増えてくれれば出来るんですが……」
もう少し職人が欲しいところだな。そろそろトールたちには弟子を養成してもらいたいところだな。一応打診だけはしておこう。それにしても、染色が入っただけで、服が持つイメージがこうも変わるとは思わなかった。女性たちも喜んでいるようで、本当に良かった。マグ姉も気に入ってくれたみたいで、何か考え事をしているようだ。
「ロッシュ。ちょっと相談なんだけど。成人式の時に着る服は、この色綿糸を使って新調するのはどうかしら。今年は、成人式をするのは、数人しか居ないから、村からのプレゼントということで。どうかしら?」
僕はもちろん、と了承し、トールにも聞くと、時間を貰えれば、と言うので、マグ姉の計画通りにすることにした。
「スタシャ様、忙しい。ミスリル手に入って興奮。今も実験中」
僕が頷くと、ホムンクルスは足早に去っていった。ミスリルを手渡してから、スタシャの様子を見ることがなかったので少し心配していたが、杞憂だったようだ。とりあえず、染料液が使えるかどうかを僕が判断できるわけではないので、魔牛牧場に行くことにした。ミヤも同行してくれるようだ。
魔牛牧場に到着すると、ミヤに染色ができる彼女を呼んでもらうことにした。今回は、ミヤに引っ張られてくることはなく、自分の足で来て、僕に挨拶をしてきた。彼女の変化に少し戸惑いを思えながら、染料液を鑑定をお願いした。彼女は、僕から手渡された染料液の瓶を大事そうに一つずつ確認をしていく。その手際はプロのようで、緊張感のようなものが漂う。横では、トマトジュースを浴びるように飲んでいるので、緊張感が一瞬で薄れてしまうんだけど。
「ロッシュ様。この染料液は魔界でも手に入らないと思われるほど、高品質のようです。これならば、要望にお答えできると思います」
僕は、とりあえず安堵した。これでダメだったら本当に途方に暮れるところだった。僕は、さっと綿糸の束をいくつか取り出し、彼女に差し出した。彼女も僕の意図するところがすぐにわかったようで、早速染色作業に入った。通常、綿糸の不純物を取り除き後、染色液に浸け、乾燥させ、また染色液に浸け、乾燥させるを繰り返し、希望の色に近づけていく工程をたどる。そのため、場合によっては一ヶ月以上もの長い期間を必要とするのが染色工程である。
しかし、彼女は染料液の入った瓶と綿糸を並べ、魔法陣を展開すると、綿糸が淡く光り、徐々に青色に染色されていく。数秒で、キレイに青く染色された綿糸がそこにはあった。瓶の中を覗くと、いくらか液が減っていた。綿糸を触ってみるとサラサラとした肌触りで乾燥しているのが分かった。すごいな。こんな短時間で染色を終わらせることが出来るなんて。待てよ。
「これって、使っている内に色が無くなっていくことはないか? 以前、魔力切れで魔力糸が消えたことがあったんだ。それと同じことは起きないか?」
彼女は、少し黙ってからニコっと笑った。
「それはないですよ。というか、ありえないと言ったほうが良いですかね。私が出来るのは、特性の改変のみです。もともと特性があったものを変えることが出来るだけで、追加やないものに特性を付与することは出来ないんです。この綿糸には特性はないですから。ただ、経年劣化で色褪せはあるかもしれませんけど」
それは良かった。着た途端、色が落ちたのでは意味がないからな。すると、トマトジュースを飲んでいたミヤが割り込んできた。
「どうやら話はついたみたいね。これからは、彼女に染色の仕事をお願いするということでいいの?」
僕は、頷き、彼女に意向を聞くと、是非やらせてくださいといってくれた。
「そう。それじゃあ、名前を彼女に与えてくれないかしら?」
いつものが来たか。彼女には、エマルと名付けた。
「じゃあ、エマル。残りの綿糸を各色で染色してもらえないか?」
エマルは、はい!! と元気よく答えて、黙々と綿糸に色を付けていった。僕は、エマルの仕事を見ながら、トマトジュースを飲んで時間を潰していた。しばらくして、色とりどりのキレイな綿糸が、テーブルの上に山のように積また。一つ一つ手に取ってみたが、本当にキレイだな。エマルに、七色以外の色は出来るのかと聞くと、各色を配合すれば出来ると答えたので、試しに、橙色をお願いすると、エマルはすぐに仕上げてくれた。素晴らしい技術だ。
エマルには、今後も綿糸を持ってくるから、染色をしてもらうように頼み、僕は色綿糸を持って服飾店のメトレーを訪ねた。色綿糸を手渡すと、メトレーの顔色が変わり、興奮をしている様子だ。生地にしてもらうように頼もうとしたが、言う前に色綿糸を持って機織り機の前に座り始めた。しばらくすると、リズミカルな音が店の中に響いてくる。メトレーはかなり集中しているため、夫のトールに服の試作をお願いした。
「ロッシュ村長。今回はどのような服にいたしましょうか?」
そうだな。せっかくだから屋敷の女性陣全員に服を送ろう。夏服が良いだろう。
「うちの屋敷の女性に送りたいのだ。寸法はトールに任せるぞ。夏服がいいな。デザイン等はトールに任せてもいいか?」
もちろんですとも、とトールが快諾してくれたので、僕はミヤと一緒に屋敷に戻ることにした。ミヤもその場にいいたので、自分のために服を作ってもらえることを知って嬉しそうだった。
「随分、うれしそうだな。ミヤ。前は、自分の服は自分で作った方って言ってたじゃないか。今回だって、そんなに嬉しくないと思っていたんだが」
「あのね。ロッシュ。好きな人から貰ったら何でも嬉しいのよ。それに、その服はロッシュが頑張ったから作れるんじゃない。それで嬉しくない女性なんていないとおもうわ」
僕は、ミヤから非常識人だと罵られた気分になった。もう少し気を付けて発言することにしよう。
しばらく経った時、トールが新作を持って屋敷にやってきた。すぐに居間に通して、屋敷の女子たちを集めた。トールは、色綿糸で作った生地をまず取り出した。各色の色がついた生地に女子たちは、すこし興奮の色を隠せないでいた。中には、グラデーションの生地などあり、メトレーの技術と遊び心を感じることが出来た。
続いてトールは五つの包を取り出し、それぞれを女性たちに配った。
「ロッシュ村長。夏と言うので、ワンピースを拵えさせていただきました。一応、色を変えてあり各服には色綿糸で刺繍を施してあります」
そういってから、女性たちは思い思いに包を開け、服を自分に当てて、お互いに見せあっていた。基本的には、髪の色に合わせているようで、刺繍がとてもキレイに出来ている。トールがこんな技術を持っていたなんて……隠していたな。トールを賞賛して、これを村人にも提供してほしいと頼むと、トールは難しいそうな顔をした。
「正直、この刺繍は一着作るだけでも数日を要します。今回は特別に作らせてもらいましたが、村人に提供するのは少し難しいです。もう少し、職人が増えてくれれば出来るんですが……」
もう少し職人が欲しいところだな。そろそろトールたちには弟子を養成してもらいたいところだな。一応打診だけはしておこう。それにしても、染色が入っただけで、服が持つイメージがこうも変わるとは思わなかった。女性たちも喜んでいるようで、本当に良かった。マグ姉も気に入ってくれたみたいで、何か考え事をしているようだ。
「ロッシュ。ちょっと相談なんだけど。成人式の時に着る服は、この色綿糸を使って新調するのはどうかしら。今年は、成人式をするのは、数人しか居ないから、村からのプレゼントということで。どうかしら?」
僕はもちろん、と了承し、トールにも聞くと、時間を貰えれば、と言うので、マグ姉の計画通りにすることにした。
10
お気に入りに追加
2,660
あなたにおすすめの小説
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
異世界で穴掘ってます!
KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語
僕のギフトは規格外!?〜大好きなもふもふたちと異世界で品質開拓を始めます〜
犬社護
ファンタジー
5歳の誕生日、アキトは不思議な夢を見た。舞台は日本、自分は小学生6年生の子供、様々なシーンが走馬灯のように進んでいき、突然の交通事故で終幕となり、そこでの経験と知識の一部を引き継いだまま目を覚ます。それが前世の記憶で、自分が異世界へと転生していることに気付かないまま日常生活を送るある日、父親の職場見学のため、街中にある遺跡へと出かけ、そこで出会った貴族の幼女と話し合っている時に誘拐されてしまい、大ピンチ! 目隠しされ不安の中でどうしようかと思案していると、小さなもふもふ精霊-白虎が救いの手を差し伸べて、アキトの秘めたる力が解放される。
この小さき白虎との出会いにより、アキトの運命が思わぬ方向へと動き出す。
これは、アキトと訳ありモフモフたちの起こす品質開拓物語。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜
霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!!
「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」
回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。
フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。
しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを……
途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。
フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。
フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった……
これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である!
(160話で完結予定)
元タイトル
「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」
元勇者は魔力無限の闇属性使い ~世界の中心に理想郷を作り上げて無双します~
桜井正宗
ファンタジー
魔王を倒した(和解)した元勇者・ユメは、平和になった異世界を満喫していた。しかしある日、風の帝王に呼び出されるといきなり『追放』を言い渡された。絶望したユメは、魔法使い、聖女、超初心者の仲間と共に、理想郷を作ることを決意。
帝国に負けない【防衛値】を極めることにした。
信頼できる仲間と共に守備を固めていれば、どんなモンスターに襲われてもビクともしないほどに国は盤石となった。
そうしてある日、今度は魔神が復活。各地で暴れまわり、その魔の手は帝国にも襲い掛かった。すると、帝王から帝国防衛に戻れと言われた。だが、もう遅い。
すでに理想郷を築き上げたユメは、自分の国を守ることだけに全力を尽くしていく。
おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる
シンギョウ ガク
ファンタジー
※2019年7月下旬に第二巻発売しました。
※12/11書籍化のため『Sランクパーティーから追放されたおっさん商人、真の仲間を気ままに最強SSランクハーレムパーティーへ育てる。』から『おっさん商人、仲間を気ままに最強SSランクパーティーへ育てる』に改題を実施しました。
※第十一回アルファポリスファンタジー大賞において優秀賞を頂きました。
俺の名はグレイズ。
鳶色の眼と茶色い髪、ちょっとした無精ひげがワイルドさを醸し出す、四十路の(自称ワイルド系イケオジ)おっさん。
ジョブは商人だ。
そう、戦闘スキルを全く習得しない商人なんだ。おかげで戦えない俺はパーティーの雑用係。
だが、ステータスはMAX。これは呪いのせいだが、仲間には黙っていた。
そんな俺がメンバーと探索から戻ると、リーダーのムエルから『パーティー追放』を言い渡された。
理由は『巷で流行している』かららしい。
そんなこと言いつつ、次のメンバー候補が可愛い魔術士の子だって知ってるんだぜ。
まぁ、言い争っても仕方ないので、装備品全部返して、パーティーを脱退し、次の仲間を探して暇していた。
まぁ、ステータスMAXの力を以ってすれば、Sランク冒険者は余裕だが、あくまで俺は『商人』なんだ。前衛に立って戦うなんて野蛮なことはしたくない。
表向き戦力にならない『商人』の俺を受け入れてくれるメンバーを探していたが、火力重視の冒険者たちからは相手にされない。
そんな、ある日、冒険者ギルドでは流行している、『パーティー追放』の餌食になった問題児二人とひょんなことからパーティーを組むことになった。
一人は『武闘家』ファーマ。もう一人は『精霊術士』カーラ。ともになぜか上級職から始まっていて、成長できず仲間から追放された女冒険者だ。
俺はそんな追放された二人とともに冒険者パーティー『追放者《アウトキャスト》』を結成する。
その後、前のパーティーとのひと悶着があって、『魔術師』アウリースも参加することとなった。
本当は彼女らが成長し、他のパーティーに入れるまでの暫定パーティーのつもりだったが、俺の指導でメキメキと実力を伸ばしていき、いつの間にか『追放者《アウトキャスト》』が最強のハーレムパーティーと言われるSSランクを得るまでの話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる