54 / 142
冒険者編
54 討伐出発
しおりを挟む
ミーチャが差し出したカードを受け取らないことにした。
瀕死の危険性があるのは、僕よりもミーチャのような気がするし。
それに、守られている時は大丈夫だと思うけど……。
ミーチャは意外と行動が読めないところがあるから。
もしかしたら、モンスターのど真ん中に飛び出す……。
なんてことがあるかも知れない。いや、ありそう……。
「それにしても、ミーチャはなんでダンジョンに拘るんだ?」
「だって、冒険者になったんだもん。ダンジョン攻略は冒険者の夢じゃない!」
本当かなぁ?
なんか、胡散臭いんだよなぁ。
だったら、薬草採取だけやってるなんて事はないと思うんだけど。
あれこれ言っていたら、ようやく真実を語りだした。
「私、王城の図書館で読んだの。ダンジョンの最奥には……」
不老の薬があるらしい。
一切、歳を取らない秘薬らしい。
「女として生まれたからには、絶対に追い求めるものよ!!」
……これに僕は何を言ったら良いだろうか?
勝手にしろ? それとも向上心を褒める?
「ふふふっ。それにね、伝説の聖剣だってあるのよ」
乗った!!
なにその単語。
凄い気になる。
いや、欲しい!!
腰に帯びて、伝説の聖剣使いを自称したい。
「ロスティなら食いつくと思っていたわ。これがダンジョンを目指す理由よ。もっと早くに伝えておけばよかったわね」
財宝って言われると、ピンとこないけど、具体的に言われるとやる気が不思議と起きてくる。
だけど、その前にガルーダの作戦を確実に達成しないとな。
「ガルーダさん。作戦を教えて下さい」
「ちょっと待て。部隊が集まってからな」
ガルーダ部隊……ガルーダ隊と呼ぼう。
総勢20人。
ガルーダのパーティの他にC級が多数を占める。
D級は数人。E、F級に至っては僕とミーチャだけだ。
「これから作戦を言う。俺たちはここからダンジョンの外縁部をなぞるように移動する。前衛は……」
それぞれの配置を発表していく。基本的にはパーティ単位での行動だ。
やっぱり連携が取れている者で組んだほうが良いという判断のようだ。
僕とミーチャはガルーダのパーティーと行動を共にする。
「そして、今回の作戦の要は……」
僕とミーチャを指差してきた。
「あの二人だ。小僧はF級ながらに実力は俺が保証する。確実にA級に匹敵するだろう」
あれ? B級以上とは言っていたけど……
話が膨らんでいることに若干の不安を感じる。
「そして、嬢ちゃんは幻影を得意とする魔法使いだ。これで敵を撹乱する。モンスターの足はかなり遅くなるはずだ」
幻影魔法と聞いたせいか、周りから感嘆の声が上がる。
「強敵が出現した時は小僧にやらせる。皆はそのサポートをしてくれ」
どう考えても、いきなりやってきた僕を信頼できるわけがない。
異論が噴出してもいい場面のはずだが……
それだけ、ガルーダが信頼されている証拠なんだろうな。
なんだか、急に緊張してきたぞ。
そこには、「カードいる?」みたいな顔をしたミーチャがいた。
もちろん、お断りだ。
「よぉし! じゃあ、出発だ。いいか、絶対に死ぬなよ。生き残って、旨い酒を飲もうじゃねぇか。きっとギルマスが奢ってくれるぜ」
今日一番の盛り上がりを見せた。
やっぱり、こういう掛け声があるのはいいな。
自然とやる気が溢れてくる。
通り過ぎていく冒険者からは「頼むぞ」と声を掛けられた。
やっぱり、緊張が……。
だから、ミーチャ、要らないって言っているだろ?
「小僧。行くか。とりあえず、目の前の敵に集中しておけばいい。嬢ちゃんは基本的に小僧のサポートをしておいてくれ。必要があれば、俺から声を掛けるぜ」
あとは、行動あるのみ。
木聖剣を一度撫でる。
どんな激戦がこれから待っているか分からない。
頼れる武器はこの木聖剣だけだ。
しばらくすると、ジャイアントウルフの群れと遭遇した。
「いきなりかよ。ついてねぇな」
ガルーダがぼやいたていたが、ガルーダ隊の連携は相当なものだ。
十数匹いたにも拘わらず、瞬く間に追い返すことに成功した。
僕も数匹を仕留めることに成功した。
実戦では初めてミーチャの闇魔法を見たけど、かなり役立った。
ジャイアントウルフに近づいても、向こうは全く気づかないんだ。
これって、凄くない?
ただ、この戦闘で数人が離脱することになった。
ポーションはあるけど、この先のために温存しておきたいというのがガルーダの判断だった。
離脱する人に対して、皆が握手をしていく。
なんか、すごい一体感と言うか、仲間を強く感じる瞬間だった。
「頑張れよ」
そんな言葉をかけられた時は、嬉しくなってしまった。
……それからも度々、モンスターに襲われた。
というか、百メートル進む度にモンスターという具合の高いエンカウント率。
連携のとれたガルーダ隊でも、消耗がどんどん増していく。
「ポーションもこれで最後だ」
ついに支給されたポーションが底を尽き、あとは回復なしの戦闘が続くことになる。
その事態はさすがに想定していなかったみたいで、ガルーダにも焦りの色が濃くなっていた。
「小僧、まだいけるか?」
「大丈夫です」
「やっぱり、小僧は大したものだな」
そんなつもりはないけど、不思議と疲れを感じない。
むしろ、体のキレが良くなっていって、ジャイアントウルフも簡単に屠れるほどになっていた。
でも驚くべきは、それに耐えている木聖剣だ。
冒険者の多くは常に予備の武器を所持している。
そして、今使っているのが、予備の武器だ。
冒険者は想像以上に武器の消耗が激しい。
そんな中で一番先に壊れそうな木聖剣が長持ちしているという変な状況が生まれていた。
ほんと……これ、何? って思うほどに。
「そろそろ潮時だな。一旦、撤退するぞ!!」
ガルーダがついに決断をした。
もちろん、異論を唱える者はいない。
満身創痍な冒険者も少なくないからだ。
元気なのは僕とミーチャ、それとガルーダくらい。
「不思議よね。魔法って使えば使うほど、魔力が減るはずなのに、増えていく感覚があるのよ」
ミーチャは自分の変化に戸惑っているみたいだ。
不思議なことだ。
でも、この状況では頼もしい。
といっても撤収。戦闘終了。
ガルーダ隊は安全な経路を探しながら、慎重に外縁部から脱出を試みた。
しかし、その先に見た光景は……
全滅しかかっている赤き翼隊の面々だった。
「なんで、あんなのがここにいるんだよ」
ガルーダのつぶやきが聞こえてきた。
視線の先で立っているのは、満身創痍のレオン一人。
そこには巨大なモンスターがいた。
瀕死の危険性があるのは、僕よりもミーチャのような気がするし。
それに、守られている時は大丈夫だと思うけど……。
ミーチャは意外と行動が読めないところがあるから。
もしかしたら、モンスターのど真ん中に飛び出す……。
なんてことがあるかも知れない。いや、ありそう……。
「それにしても、ミーチャはなんでダンジョンに拘るんだ?」
「だって、冒険者になったんだもん。ダンジョン攻略は冒険者の夢じゃない!」
本当かなぁ?
なんか、胡散臭いんだよなぁ。
だったら、薬草採取だけやってるなんて事はないと思うんだけど。
あれこれ言っていたら、ようやく真実を語りだした。
「私、王城の図書館で読んだの。ダンジョンの最奥には……」
不老の薬があるらしい。
一切、歳を取らない秘薬らしい。
「女として生まれたからには、絶対に追い求めるものよ!!」
……これに僕は何を言ったら良いだろうか?
勝手にしろ? それとも向上心を褒める?
「ふふふっ。それにね、伝説の聖剣だってあるのよ」
乗った!!
なにその単語。
凄い気になる。
いや、欲しい!!
腰に帯びて、伝説の聖剣使いを自称したい。
「ロスティなら食いつくと思っていたわ。これがダンジョンを目指す理由よ。もっと早くに伝えておけばよかったわね」
財宝って言われると、ピンとこないけど、具体的に言われるとやる気が不思議と起きてくる。
だけど、その前にガルーダの作戦を確実に達成しないとな。
「ガルーダさん。作戦を教えて下さい」
「ちょっと待て。部隊が集まってからな」
ガルーダ部隊……ガルーダ隊と呼ぼう。
総勢20人。
ガルーダのパーティの他にC級が多数を占める。
D級は数人。E、F級に至っては僕とミーチャだけだ。
「これから作戦を言う。俺たちはここからダンジョンの外縁部をなぞるように移動する。前衛は……」
それぞれの配置を発表していく。基本的にはパーティ単位での行動だ。
やっぱり連携が取れている者で組んだほうが良いという判断のようだ。
僕とミーチャはガルーダのパーティーと行動を共にする。
「そして、今回の作戦の要は……」
僕とミーチャを指差してきた。
「あの二人だ。小僧はF級ながらに実力は俺が保証する。確実にA級に匹敵するだろう」
あれ? B級以上とは言っていたけど……
話が膨らんでいることに若干の不安を感じる。
「そして、嬢ちゃんは幻影を得意とする魔法使いだ。これで敵を撹乱する。モンスターの足はかなり遅くなるはずだ」
幻影魔法と聞いたせいか、周りから感嘆の声が上がる。
「強敵が出現した時は小僧にやらせる。皆はそのサポートをしてくれ」
どう考えても、いきなりやってきた僕を信頼できるわけがない。
異論が噴出してもいい場面のはずだが……
それだけ、ガルーダが信頼されている証拠なんだろうな。
なんだか、急に緊張してきたぞ。
そこには、「カードいる?」みたいな顔をしたミーチャがいた。
もちろん、お断りだ。
「よぉし! じゃあ、出発だ。いいか、絶対に死ぬなよ。生き残って、旨い酒を飲もうじゃねぇか。きっとギルマスが奢ってくれるぜ」
今日一番の盛り上がりを見せた。
やっぱり、こういう掛け声があるのはいいな。
自然とやる気が溢れてくる。
通り過ぎていく冒険者からは「頼むぞ」と声を掛けられた。
やっぱり、緊張が……。
だから、ミーチャ、要らないって言っているだろ?
「小僧。行くか。とりあえず、目の前の敵に集中しておけばいい。嬢ちゃんは基本的に小僧のサポートをしておいてくれ。必要があれば、俺から声を掛けるぜ」
あとは、行動あるのみ。
木聖剣を一度撫でる。
どんな激戦がこれから待っているか分からない。
頼れる武器はこの木聖剣だけだ。
しばらくすると、ジャイアントウルフの群れと遭遇した。
「いきなりかよ。ついてねぇな」
ガルーダがぼやいたていたが、ガルーダ隊の連携は相当なものだ。
十数匹いたにも拘わらず、瞬く間に追い返すことに成功した。
僕も数匹を仕留めることに成功した。
実戦では初めてミーチャの闇魔法を見たけど、かなり役立った。
ジャイアントウルフに近づいても、向こうは全く気づかないんだ。
これって、凄くない?
ただ、この戦闘で数人が離脱することになった。
ポーションはあるけど、この先のために温存しておきたいというのがガルーダの判断だった。
離脱する人に対して、皆が握手をしていく。
なんか、すごい一体感と言うか、仲間を強く感じる瞬間だった。
「頑張れよ」
そんな言葉をかけられた時は、嬉しくなってしまった。
……それからも度々、モンスターに襲われた。
というか、百メートル進む度にモンスターという具合の高いエンカウント率。
連携のとれたガルーダ隊でも、消耗がどんどん増していく。
「ポーションもこれで最後だ」
ついに支給されたポーションが底を尽き、あとは回復なしの戦闘が続くことになる。
その事態はさすがに想定していなかったみたいで、ガルーダにも焦りの色が濃くなっていた。
「小僧、まだいけるか?」
「大丈夫です」
「やっぱり、小僧は大したものだな」
そんなつもりはないけど、不思議と疲れを感じない。
むしろ、体のキレが良くなっていって、ジャイアントウルフも簡単に屠れるほどになっていた。
でも驚くべきは、それに耐えている木聖剣だ。
冒険者の多くは常に予備の武器を所持している。
そして、今使っているのが、予備の武器だ。
冒険者は想像以上に武器の消耗が激しい。
そんな中で一番先に壊れそうな木聖剣が長持ちしているという変な状況が生まれていた。
ほんと……これ、何? って思うほどに。
「そろそろ潮時だな。一旦、撤退するぞ!!」
ガルーダがついに決断をした。
もちろん、異論を唱える者はいない。
満身創痍な冒険者も少なくないからだ。
元気なのは僕とミーチャ、それとガルーダくらい。
「不思議よね。魔法って使えば使うほど、魔力が減るはずなのに、増えていく感覚があるのよ」
ミーチャは自分の変化に戸惑っているみたいだ。
不思議なことだ。
でも、この状況では頼もしい。
といっても撤収。戦闘終了。
ガルーダ隊は安全な経路を探しながら、慎重に外縁部から脱出を試みた。
しかし、その先に見た光景は……
全滅しかかっている赤き翼隊の面々だった。
「なんで、あんなのがここにいるんだよ」
ガルーダのつぶやきが聞こえてきた。
視線の先で立っているのは、満身創痍のレオン一人。
そこには巨大なモンスターがいた。
14
お気に入りに追加
2,461
あなたにおすすめの小説
裏切られ追放という名の処刑宣告を受けた俺が、人族を助けるために勇者になるはずないだろ
井藤 美樹
ファンタジー
初代勇者が建国したエルヴァン聖王国で双子の王子が生まれた。
一人には勇者の証が。
もう片方には証がなかった。
人々は勇者の誕生を心から喜ぶ。人と魔族との争いが漸く終結すると――。
しかし、勇者の証を持つ王子は魔力がなかった。それに比べ、持たない王子は莫大な魔力を有していた。
それが判明したのは五歳の誕生日。
証を奪って生まれてきた大罪人として、王子は右手を斬り落とされ魔獣が棲む森へと捨てられた。
これは、俺と仲間の復讐の物語だ――
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
国外追放者、聖女の護衛となって祖国に舞い戻る
はにわ
ファンタジー
ランドール王国最東端のルード地方。そこは敵国や魔族領と隣接する危険区域。
そのルードを治めるルーデル辺境伯家の嫡男ショウは、一年後に成人を迎えるとともに先立った父の跡を継ぎ、辺境伯の椅子に就くことが決定していた。幼い頃からランドール最強とされる『黒の騎士団』こと辺境騎士団に混ざり生活し、団員からの支持も厚く、若大将として武勇を轟かせるショウは、若くして国の英雄扱いであった。
幼馴染の婚約者もおり、将来は約束された身だった。
だが、ショウと不仲だった王太子と実兄達の謀略により冤罪をかけられ、彼は廃嫡と婚約者との婚約破棄、そして国外追放を余儀なくされてしまう。彼の将来は真っ暗になった。
はずだったが、2年後・・・ショウは隣国で得意の剣術で日銭を稼ぎ、自由気ままに暮らしていた。だが、そんな彼はひょんなことから、旅をしている聖女と呼ばれる世界的要人である少女の命を助けることになる。
彼女の目的地は祖国のランドール王国であり、またその命を狙ったのもランドールの手の者であることを悟ったショウ。
いつの間にか彼は聖女の護衛をさせられることになり、それについて思うこともあったが、祖国の現状について気になることもあり、再び祖国ランドールの地に足を踏み入れることを決意した。
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
復讐完遂者は吸収スキルを駆使して成り上がる 〜さあ、自分を裏切った初恋の相手へ復讐を始めよう〜
サイダーボウイ
ファンタジー
「気安く私の名前を呼ばないで! そうやってこれまでも私に付きまとって……ずっと鬱陶しかったのよ!」
孤児院出身のナードは、初恋の相手セシリアからそう吐き捨てられ、パーティーを追放されてしまう。
淡い恋心を粉々に打ち砕かれたナードは失意のどん底に。
だが、ナードには、病弱な妹ノエルの生活費を稼ぐために、冒険者を続けなければならないという理由があった。
1人決死の覚悟でダンジョンに挑むナード。
スライム相手に死にかけるも、その最中、ユニークスキル【アブソープション】が覚醒する。
それは、敵のLPを吸収できるという世界の掟すらも変えてしまうスキルだった。
それからナードは毎日ダンジョンへ入り、敵のLPを吸収し続けた。
増やしたLPを消費して、魔法やスキルを習得しつつ、ナードはどんどん強くなっていく。
一方その頃、セシリアのパーティーでは仲間割れが起こっていた。
冒険者ギルドでの評判も地に落ち、セシリアは徐々に追いつめられていくことに……。
これは、やがて勇者と呼ばれる青年が、チートスキルを駆使して最強へと成り上がり、自分を裏切った初恋の相手に復讐を果たすまでの物語である。
レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした
桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる