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新スキル編
19 初めてのお買い物
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爺さんに別れを告げてから、早速、一仕事しようと露店市に足を運んだ。
「あっ!! そういえば、爺さんから名前を聞くのを忘れていたな。まぁいいか。すぐに再会できるんだから」
そんなことを考えながら、露天市の店を回っていく。何でも最初が肝心だよな。
「やっぱり、最初はこの店になっちゃうよなぁ」
「兄ちゃん。店先でブツブツと何を言っているんだ?」
八百屋の店主がわざわざ店先まで出てきてくれた。
「ああ。すみません。実は大量の食材を購入するように頼まれてしまって。ちょっと相談に乗ってくれないですか?」
さすがに商売をするから売ってくれとは言えない。
いくら世間知らずとはいえ、それくらいは分かっているつもりだ。
「ああ。もちろんだとも。それでどれくらい必要なんだ?」
失念していた。取引できる量を全く聞いていなかったな……どうしよう。
「そうですね……」
八百屋の品物に目を向ける。やはりこの店の野菜はかなりお買い得のようだ。
目の前が真っ赤な光に覆われている。
それでも一際光っているのが……やっぱりオレンジか。最初は、これにしよう!!
「そのオレンジを頂きたいです!! 昨日、食べてみてうまかったですから」
「おお!? 随分と威勢がいいな。へへっ。美味かったか!! ありがとうよ。それでいくつ必要なんだ?」
どれくらい? 手元には85万トルグある。爺さんに渡した五万が大きく響いてくるな。
宿代と食事代くらいは残しておかないといけないから……使えるのは50万トルグがいいところかな? ミーチャなら全力買いをしろって言ってきそうだけど。
「50万トルグ分、ください」
「おいおいおい。こんな店に50万分のオレンジがあると思ってるのか? 精々20万分だ。他にも何か買ってくれるのか?」
なるほど。大きくない店だから、置いている在庫数は少ないというわけだな。
いきなり買い占め状態になってしまった。
八百屋の店主は、こんなに一気に売れたことに驚くかと思ったが、頬を緩ませながら、喜んでいる。
すると、急に口調が変わり、商品の売り込みが始まった。
「兄ちゃん。これなんかオススメだぞ」
そう言ってきたが、無視をした。オススメは『買い物』スキルが教えてくれる。
他にはジャガイモを20万トルグ分。あとは変わったものとしてスイカというものを10万分購入した。
ホクホク顔の店主は、すぐに荷造りを始めてくれた。
荷造りしている間に情報収集だ
「店主。大量買いをする人は結構いるもんなの?」
「そうだな。お前さんみたいな人はそんなに珍しくないぞ。といっても、うちみたいな小さな店では扱っている量が少ないからな。大量に欲しかったら、大店の方に行っちまうな」
なるほど……どうやら、大店も調べておいたほうが良さそうだな。
ん? 買った分よりもちょっと多いような気がするんですけど? まさか……さりげなく商品を混ぜて、高値を?
「そんな訳無いだろ!! こんだけ大量に買ってくれたんだ。お前さんはお得意さんだ。サービスだよ。それでどうやって運ぶつもりなんだ?」
「えっ?」
考えてなかった……目の前には、オレンジとジャガイモの山が出来ていて、とても僕だけの力で運べそうにないな。
店主……見つめていると、店主が苦笑いをしていた。
「兄ちゃんも意外と抜けてるんだな。よし。店の荷車を貸してやる。夕方までに返してくれればいいからな!!」
「ありがとうございます!!」
思いがけない優しさについ店主に抱きつかんばかりに喜んでしまった。
「すみません。ちょっと興奮してしまいました」
「あ、ああ。いいってことよ。じゃあ、また寄ってくれよ。大量買いは大歓迎だ。今度はもっとサービスするからよ」
「ほ、本当ですか!? また来させてもらいます!!」
借りた荷車にオレンジとジャガイモ、スイカを乗せた。やっぱり、すごい量だ。
乗り出しは上々。この街の主要な道路は全て石畳になっているおかげで、荷車もスムーズに引っ張っていける。
これなら……全力で爺さんのところに向かった。
舗装されていても、ガタガタがすごかったな……。
爺さんの店に着いた。あいかわらず大きなお店だ……荷車を店先に置いてから、正面から入っていった。
「いらっしゅいませ。トワール商会にようこ……あっ、先程の。残念ながら、旦那様はあいにく不在で」
トワール商会? どっかで聞いたことが……そういえば、ナザール公国の御用商人にそんな商会の名があった気がするな。
といっても、今は無名の僕に何か関係があるわけではないけど。しかし、爺さんがいないのは困ったな。荷車で物を持ってきてしまったし……どうしよう。
「ああ。もしかして、買い取りのことでしょうか? その話でしたら私が承っておりますよ。早速、商品を見せていただけますか?」
なんと、ぬかりがないとは……さすがだな、爺さん。
「もちろんです!!」
店員を店先に置いてある荷車まで案内した。荷車に山のような野菜が積まれていても、全く動じることがない。さすが、大店の店員は違うんだな。
「野菜……ですか。まぁ、旦那様からはどんな商品でも、と言われていますが……とにかく、ここでは何ですから、裏まで持ってきてもらえませんか?」
どうやら取引は裏口を利用するようだ。たしかに表に置いておくのは失礼だったかも知れないな。
「あ、はい」
再び荷車を引っ張り、裏口に向かった。
店員は荷物の数を調べてから、一枚の紙とにらめっこをしながら、計算機を取り出し、ものすごい勢いで数字を打ち込んでいく。
「ふぅ。計算が終わりました。一応、旦那様から言われた通り、王都の相場から手数料を引いた額で買い取らせていただきます。私は専門が宝石なもので野菜は全くの素人なのですが、若干キズが多いように見られます。新鮮な感じがしますが、これはどうしたんでしょうか?」
野菜をよくよく見てみると、確かに傷が付いている。特にジャガイモの皮が擦れているのが多かった。
思い返してみると八百屋の時は傷はなかった。ということは移動中しかないな……
「あっ!! ガタガタのせいか!!」
「理由がわかったようですね。次回からはなるべく傷を無くしていただけると助かります」
「承知しました」
「それではこれらを60万トルグで買い取らせていただきます。よろしいでしょうか?」
50万で買って、60万で売れる、だと? こんな一瞬で10万も稼いでしまったのか……。
人生で初めて、金を稼ぐことが出来た。しかも、スキルを使って、だ。なんとも不思議な気もするけど、正直に言って……凄く楽しい!!
「あっ!! そういえば、爺さんから名前を聞くのを忘れていたな。まぁいいか。すぐに再会できるんだから」
そんなことを考えながら、露天市の店を回っていく。何でも最初が肝心だよな。
「やっぱり、最初はこの店になっちゃうよなぁ」
「兄ちゃん。店先でブツブツと何を言っているんだ?」
八百屋の店主がわざわざ店先まで出てきてくれた。
「ああ。すみません。実は大量の食材を購入するように頼まれてしまって。ちょっと相談に乗ってくれないですか?」
さすがに商売をするから売ってくれとは言えない。
いくら世間知らずとはいえ、それくらいは分かっているつもりだ。
「ああ。もちろんだとも。それでどれくらい必要なんだ?」
失念していた。取引できる量を全く聞いていなかったな……どうしよう。
「そうですね……」
八百屋の品物に目を向ける。やはりこの店の野菜はかなりお買い得のようだ。
目の前が真っ赤な光に覆われている。
それでも一際光っているのが……やっぱりオレンジか。最初は、これにしよう!!
「そのオレンジを頂きたいです!! 昨日、食べてみてうまかったですから」
「おお!? 随分と威勢がいいな。へへっ。美味かったか!! ありがとうよ。それでいくつ必要なんだ?」
どれくらい? 手元には85万トルグある。爺さんに渡した五万が大きく響いてくるな。
宿代と食事代くらいは残しておかないといけないから……使えるのは50万トルグがいいところかな? ミーチャなら全力買いをしろって言ってきそうだけど。
「50万トルグ分、ください」
「おいおいおい。こんな店に50万分のオレンジがあると思ってるのか? 精々20万分だ。他にも何か買ってくれるのか?」
なるほど。大きくない店だから、置いている在庫数は少ないというわけだな。
いきなり買い占め状態になってしまった。
八百屋の店主は、こんなに一気に売れたことに驚くかと思ったが、頬を緩ませながら、喜んでいる。
すると、急に口調が変わり、商品の売り込みが始まった。
「兄ちゃん。これなんかオススメだぞ」
そう言ってきたが、無視をした。オススメは『買い物』スキルが教えてくれる。
他にはジャガイモを20万トルグ分。あとは変わったものとしてスイカというものを10万分購入した。
ホクホク顔の店主は、すぐに荷造りを始めてくれた。
荷造りしている間に情報収集だ
「店主。大量買いをする人は結構いるもんなの?」
「そうだな。お前さんみたいな人はそんなに珍しくないぞ。といっても、うちみたいな小さな店では扱っている量が少ないからな。大量に欲しかったら、大店の方に行っちまうな」
なるほど……どうやら、大店も調べておいたほうが良さそうだな。
ん? 買った分よりもちょっと多いような気がするんですけど? まさか……さりげなく商品を混ぜて、高値を?
「そんな訳無いだろ!! こんだけ大量に買ってくれたんだ。お前さんはお得意さんだ。サービスだよ。それでどうやって運ぶつもりなんだ?」
「えっ?」
考えてなかった……目の前には、オレンジとジャガイモの山が出来ていて、とても僕だけの力で運べそうにないな。
店主……見つめていると、店主が苦笑いをしていた。
「兄ちゃんも意外と抜けてるんだな。よし。店の荷車を貸してやる。夕方までに返してくれればいいからな!!」
「ありがとうございます!!」
思いがけない優しさについ店主に抱きつかんばかりに喜んでしまった。
「すみません。ちょっと興奮してしまいました」
「あ、ああ。いいってことよ。じゃあ、また寄ってくれよ。大量買いは大歓迎だ。今度はもっとサービスするからよ」
「ほ、本当ですか!? また来させてもらいます!!」
借りた荷車にオレンジとジャガイモ、スイカを乗せた。やっぱり、すごい量だ。
乗り出しは上々。この街の主要な道路は全て石畳になっているおかげで、荷車もスムーズに引っ張っていける。
これなら……全力で爺さんのところに向かった。
舗装されていても、ガタガタがすごかったな……。
爺さんの店に着いた。あいかわらず大きなお店だ……荷車を店先に置いてから、正面から入っていった。
「いらっしゅいませ。トワール商会にようこ……あっ、先程の。残念ながら、旦那様はあいにく不在で」
トワール商会? どっかで聞いたことが……そういえば、ナザール公国の御用商人にそんな商会の名があった気がするな。
といっても、今は無名の僕に何か関係があるわけではないけど。しかし、爺さんがいないのは困ったな。荷車で物を持ってきてしまったし……どうしよう。
「ああ。もしかして、買い取りのことでしょうか? その話でしたら私が承っておりますよ。早速、商品を見せていただけますか?」
なんと、ぬかりがないとは……さすがだな、爺さん。
「もちろんです!!」
店員を店先に置いてある荷車まで案内した。荷車に山のような野菜が積まれていても、全く動じることがない。さすが、大店の店員は違うんだな。
「野菜……ですか。まぁ、旦那様からはどんな商品でも、と言われていますが……とにかく、ここでは何ですから、裏まで持ってきてもらえませんか?」
どうやら取引は裏口を利用するようだ。たしかに表に置いておくのは失礼だったかも知れないな。
「あ、はい」
再び荷車を引っ張り、裏口に向かった。
店員は荷物の数を調べてから、一枚の紙とにらめっこをしながら、計算機を取り出し、ものすごい勢いで数字を打ち込んでいく。
「ふぅ。計算が終わりました。一応、旦那様から言われた通り、王都の相場から手数料を引いた額で買い取らせていただきます。私は専門が宝石なもので野菜は全くの素人なのですが、若干キズが多いように見られます。新鮮な感じがしますが、これはどうしたんでしょうか?」
野菜をよくよく見てみると、確かに傷が付いている。特にジャガイモの皮が擦れているのが多かった。
思い返してみると八百屋の時は傷はなかった。ということは移動中しかないな……
「あっ!! ガタガタのせいか!!」
「理由がわかったようですね。次回からはなるべく傷を無くしていただけると助かります」
「承知しました」
「それではこれらを60万トルグで買い取らせていただきます。よろしいでしょうか?」
50万で買って、60万で売れる、だと? こんな一瞬で10万も稼いでしまったのか……。
人生で初めて、金を稼ぐことが出来た。しかも、スキルを使って、だ。なんとも不思議な気もするけど、正直に言って……凄く楽しい!!
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