Я side The Assassin

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少年隊入隊試験編

32.合格

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待機室内

緊張が張り詰める中、放送は室内で大きく響いていた

『上位30名!上から発表してくよ!』

すると、セツナの後ろからゴウとレナがタオルを肩にかけて現れた

「あ、2人とも」

レナはセツナの背中に抱きつく

「いえーい!発表始まったから髪乾かさないで来ちゃった」

「俺も」

3人がスピーカーに目を向けるゴウが静かに口を開く

「全員、合格してるといいな」

2人も共感して頷く

ヒイマは高らかに結果発表を始めた

『それじゃあ!まずは第1位!今年の受験者の希望の星はお前だ!』

続けて名指しされたのは、、

滝辰 龍馬タキタツ リュウマ!!得点61pt!』

リュウマは腰に手を当てて笑う

「はっwわかっとるやんけ」

合流していたランマルとシイナが小声で話す

「あいつ、30点も稼いでから来てたのね…」

「やっぱレベチだ」

ヒイマの声は発表を続ける

『第2位!焦寅 虎兎麻コイン コウマ!得点59pt!』

「けっ、リュウに僅差で負けてる…」

コウマは口を尖らせた

それを人混みの向こうで見ていたレナとセツナ

「上位2人ポイント高い、、どうしようセツナちゃーん、私たち置いてけぼりかもぉ」

「私はともかく、レナはそんなこと…」

セツナの言葉をかき消すように2人に並ぶ人物がスピーカーから響く

『第3位!美川 刹那ミカワ セツナ!得点49pt!』

「え、、」

ゴウとレナが唖然となってセツナの方を向いた

「せ、セツナちゃん!わ、私たちを裏切っ!」

「お前、まじか…」

「いや!ちょ、これは違くて…得点的に2位と離れすぎてたからまだだと…!」

言い訳をさせない放送

『第4位!大神 凱オオカミ ガイ!得点47pt!』

「お、俺か…」

まだ呼ばれると思っていなかったガイが少し驚く
隣にいるコスズは笑顔でガイを讃える

「おめでとう」

「あぁ、サンキュー」

『さらーに同一!広沼 剛ヒロヌマ ゴウ!』

レナのターゲットがセツナからゴウに移った

「ご、ゴウ、アンタ、、お兄ちゃん倒した後は何もしないって、、どこで7点も稼いだのよ!」

「いや、襲いかかって来たから…」

「言い訳すんな!!」

レナは1人置いてかれた気分になって指どうしをツンツンした

『第6位!新田 蘭丸ニッタ ランマル!得点46pt!』

「お、オレだ」

「確か、私とランマルの点数って…」

『同一橘高 椎名キッタカ シイナ!』

「あ、やっぱり」

『さらに同一!基山 麗奈キヤマ レナ!』

「はあ?」

シイナがムカついてレナの方を向くとレナとゴウ向き合っていた

「お前も稼ぎすぎだろ…つか1点差だし」

「あれ?点の数え間違いしてたかも、、」

とぼけるレナにゴウはコミカルに怒る

「幼稚園生かお前は!」

『第9位!架橋 疾風カケハシ ハヤテ!44pt』

茶色の長髪をストレートにおろした男がガオの肩を後ろから掴んだ

「先に行かせてもらうで」

少しつり目の瞳がガオに刺さる
その前にいるリュウマがおちゃらけに笑う

「おお、見らんと思たら案外点稼いどるやんけ」

「まぁなぁ~  てかガオ反応せいや」

「ワイはもう終わりや…」

自分の点が足りていないことを発表を聞く中で更に感じてしまい、ナーバスになっている
肩を掴んでいた手を背中に打ちつける

「デケェ背中が頼りなく見えてんで~」

リュウマとハヤテが落ち込むガオに適切な態度をとっているようにみえた

『第10位!赤上 愛咲美アカカミ アサミ!42pt』

肩まである赤色の髪の一部が耳辺りで外側に跳ねている少女が口元を抑えた

つ、つ、ついに!お兄様に!近づいた…!

同じく2次試験で逃げ役をやっていた人達の待機室で放送を聞いていたアカカミがため息をついた
それをキドウが横から見て不思議に思う

「どうしたー」

「あのブラコンが受かってしまった…」

そう、赤上 愛咲美は赤上 勝の実妹である


そして、、

このまま、派遣班の班員になってお兄様の膝元で夢を……!!いや、、いっその事!熱い口付けをぉぉぉお!

極度のブラコンである

見た目は微動だにしていないが、心中は妄想で埋め尽くされている

お兄様ァァァァァァア!!

兄の唇と自分の唇がついに重なるその瞬間、、妄想を打ち砕くが如く、ヒイマの声量が上がった

『今!呼ばれたTOP10人!今すぐにここから退室し、廊下の奥にあるもう1つの待機室に行って!有無は言わせないよ!!今すぐ!』

その放送を承知した上位10人が群の中から抜け出す

ハヤテとリュウマはガオの肩を叩いて並んで待機室の外に向かった

10人が廊下に出ると残された90人に対し、ヒイマの対応が逆転する

『さぁ残された雑魚ども』

「「「「…………!」」」」

冷たい声が刺さった

『今からは脱落生だ 素直に20点未満の奴は後ろに下がれ』

50人以上の受験生が悔しがりながら後ろに下がる
その中にはリクトやガオが含まれていた

『はい終わり 今、後ろに下がった奴が不合格で前に残ってる奴が30位以内 以上、おつかれ』

放送はぶつりと切れて、その場に何とも言えない空気を留まらせた

イチゴとコスズは30位以内に入っているようだが、ガオとリクトはそれを逃してしまったようだ

ガオは俯き、リクトはメガネを外して目を軽く擦っていた

それを見たイチゴは胸に手を当てる
自分は今、友達にかける言葉を持ち合わせていないと言葉を飲み込んだ


一方、廊下から他の待機室に行った10名の目の前にいるのはムラカミだった

「まずは合格おめでとう諸君…なぜお前たちだけここに送られたのか説明しよう」

合格で安心仕切っていた10名にまたしても緊張が沸く

「率直に言うと、お前らの初任務が決まった」

「「「「………!」」」」

Zゼット社代表取締役兼社長の娘の護衛だ」

レナとシイナがZ社について頭で整理する

Z社…試験会場の経営とかしてるんだっけ…

護衛…娘さんに何かあったのかしら

その疑問は即解決する

「このドームの経営、管理をしているZ社 その社長の元に娘を殺すという予告が届いたらしい ボディガードを嫌がっている娘に対し、こちらは学生として忍び込み、不自然なく殺害を阻止する それが今回の任務」

ガイが首を曲げる

社長令嬢の護衛を隠密にする…すげぇ難しいな

「しかし、10人は多い だからこの中から5人 潜入する人物を選ぶ それはこっちで考える 今回は命に関わる可能性があるから早めに伝えておこうという判断だ」

ムラカミが息を吸い直して、10人の気をそそらせる

「くれぐれも死ぬなよ 未来ある少年少女たち」


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