塔の上の番つがい~(Domα×SubΩ)天性の苛められっ子がエリート外科医に拾われて。タワーマンションの最上階で溺愛され支配されていく~

nuka

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おまけSS「幸せの予報」

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 明るくなり始めた空に、教会の鐘のような高い音が響き渡る。こんな音色はユートが成吾の部屋に住んでから初めて聞いた。

 音に驚いたのか鳥たちが一斉に羽ばたいてユートを通り越していった。百羽以上が猛烈なスピードで去っていくのを、ユートはシャツを頭に被り、しゃがみこんでやり過ごした。

 (な、なんで部屋の中に鳥の群れなんかいるの……?) 

 窓から入ってきたとしても数が多すぎる。ともかく静かになったので、ユートはおそるおそる目を開けた。

 今度は目の前に長い脚があった。紺のパンツに黒の革靴を履いている。

「……………」

 ユートは床に膝をついたまま、たどるようにして視線を上げていった。シャツにネクタイを締め白衣を羽織っている背の高い男の人。引き締まったウエストに手を当て、仁王立ちしてこちらを見下ろしているのは──……。

「おいユート」

 成吾だ。

「ふぁっ!? あぁぁぁぁぁっ!? あああああ!?!?!?!?」

 大声を上げ、床に尻餅をついたユートにさらに一歩近づいてくる。

「どうして勝手に外に出てる。いつもより遅くなるけど部屋でいい子で待ってろって手紙に書いておいただろう。また迷子になって、首輪と鎖で繋がれたいのかよ」

「ご、ごめんなさい!! 今すぐ戻ります!!!!」

 ほとんど条件反射で頭を低くして謝る。──ものの、ユートは自分がいつ外に出たかさっぱり分からない。

 成吾を追いかけたい気持ちにかられても、海外に出るためのパスポートもなければ自力でたどり着ける自信もなく、なにより成吾の言いつけ、『勝手に外に出ない』を破ってはいけないと、必ず玄関でUターンした。それがどうして成吾の元に到着したのか。いや。理由を考えるより先にとにかく帰ろう。

 成吾がいた部屋は机と本棚、それにソファだけが置かれているだけのこじんまりとした個室で、ドアはユートのすぐ後ろにあった。

「お、お邪魔しました」

「待てよ」

 外に出てタクシーで帰りたいのに、後ろから成吾にえりを掴まれて、足が滑って一歩も進めない。

「なんでユートが俺のシャツを着てる」

「ももも、戻ったら返しますから許して」

「しかも下は生足……どころかノーパンだね。夏とはいえこんな格好じゃ風邪引くよ」

 ユートのシャツを引っ張り上げた成吾が、お尻を発見して吹き出した。まさかと思いながらユートも下を見る。前では、ユートのコンプレックスである小さなおちんちんが顔を出していた。

「やっ、やだ僕……こんな格好で出て来ちゃったなんて……っ」

 顔から火を噴きながらシャツの裾を引っ張った。なんとか下が隠れたのにまた成吾にめくられる。じっと見られて、もじもじしたユートのお尻に、チュ。──かがんだ成吾が音を立ててキスをした。

「へぁっ!?」

「だめな子だね。でも今は怒らないでいてあげる」

 そう言って、くすぐるような手付きでユートのお尻を撫で回す。ユートは背筋を震わせ、足から力が抜けていくのを、目の前のドアに手をついて耐えた。

「……ぁ、ん……あんっ♡♡」

「そんな甘い声を出すなよ。ここは俺の仕事場でこれは診察。今からユートのお尻の中を見てあげるんだ」

「は、はいっ、ごめんなさい……」

 ユートは自分の口を手で抑えた。でもそんな我慢とは裏腹に、割れ目をぐいと開かれて指先で入り口をスリスリされたら、愛液がじわじわと滲み出て、お尻がどんどん濡れていく。

「はうっっ♡♡」

 成吾の指が中に入って、ピチャッと水音が部屋に響いた。内壁の感触を確かめるように中を擦っている。医療用の手袋を付けているので、締め付けているところでは皮膚ではないすべすべとした感触を感じる。

「いいよ。とても柔らかいしヒクヒクとよく収縮してる。色もきれいなピンクで、どこも問題ないね」

 指が抜けて、お尻の中で溜まっていた愛液がどっと溢れ出した。床に落ちて、成吾を誘う濃厚なフェロモンが立ち上る。

「あ……あ…」

 ユートはがくがくと震えだした。身体の奥が開いていく。魂が吸い取られるように理性がきかない。

「ど、どうしよう、ぼく……久しぶりの成吾さんが嬉しくて、アレが来ちゃったみたいっ、ああ……っ、はやくっ、一番奥に成吾さんの大きいの挿れて……僕の中に出して♡♡♡っ」

「俺はいま仕事中なんだけどね……、まぁ仕方ないか……」

 手袋を外してこちらを見る成吾は少し困った顔をしているが、発情期がおとずれたユートに我慢なんて無理な話だ。一刻も早く成吾に触ってもらえないと欲求不満で、身体が爆発してしまいそう。

「お願い、早くしてっ! 僕ずっと待ってたんですからっ」

 理性を失って喚いたユートを、成吾の力強い腕が抱きとめてくれた。

「大丈夫だからソファへ行こう。ほら、あわてて転ばないように抱っこしてあげるよ」
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