12 / 31
11 (終)
しおりを挟む
11●
「ふぁっ……」
ふたたび四つん這いの格好になったユートが身震いする。ユートの後ろから成吾が差し込んだ棒付きのスポンジが全て引き抜かれ、少し遅れて、スポンジに含まれていたらしいローションが股の間を伝って落ちていった。
「どこか痛いところはある?」
すぐには声が出ないので、代わりに首をぷるぷると振る。お仕置きの過激さに反し、痛みはどこにも残らなかった。
「良かった」
成吾の腕が伸びてきて正面から抱きしめられた。嬉しいけれど、少し違和感があった。成吾の体温が冷たいくらいに低いし、なによりもあんなに強かった匂いがすっかり消えている。
「大丈夫。さっきの薬のせいだよ。俺はちょっと興奮しすぎたし、ユートも俺のフェロモンにあてられて辛そうだったから、いったん抑えたんだ。少し楽になっただろ」
成吾が説明しながら、ユートの額に手のひらをあてる。たしかに、匂いと一緒に成吾から威圧感を感じない。出会ったときのように、清涼な空気をまとった好青年に戻っていた。それと反比例して、ユートの異常なほど熱くなっていた身体も酔っていた気分も、冷めたように感じられる。
ゆっくりとベッドに押し倒された。さっきそっぽを向いた成吾の唇のほうから、ユートの唇に近づいていく。
「ユート……もし俺のことが本当に好きなら、」
「好きです」
ユートが食い気味に答えると
「……ありがとう」
すっかり平静に戻った成吾に照れた顔を向けられる。
「じゃあ誓いのキスをしよう。さっき目を開けていろと言ったけど、このときばかりは目を閉じろよ」
「分かりました……」
成吾の切れ長の目が細められるのに合わせて、ユートもそっと目を閉じた。柔らかな感触。軽く唇を喰んだ後、すぐに離れていった。
「愛してる……」
ユートが目を開けた時、成吾が王子様のように見えた。
二人の初めてのキスはまるでおとぎ話のように甘かった。
ユートの望みで、成吾はユートを抱いた。小さないたわるように、優しく身体を揺らしたあと、ユートの体の奥に精を放った。疲れ切っていたユートは温かな幸福感の中で気を失った。
そして夢を見た。
成吾の腕の中で、ユートが卵を産み落とす夢。卵はほのかに青白く、金粉をまぶしたようにキラキラと輝いていた。
成吾は困った顔をして「孵化はしない」と言うけれど、ユートは胸に抱いて温めると決めた。
目が覚めると当然卵などどこにもなかった。だがその代わりに、絵の中の金の巣がまるでユートを祝福するかのように光り輝いていた。
(神様……どうか成吾さんと幸せになれますように)
胸の前で手を組んで祈る。
「おい……起きたならさっさと服を着ろ。こっちはこれから出勤なんだ」
すっかり身支度を済ませた成吾がやって来て、朝食だと急かされた。
「──なるべく早く帰る。俺がいない間にどこかに行ったりするなよ。ユートはこれからずっと、ここにいるんだよ」
成吾の出発前。鞄と車のキーを持ったあと、最終確認する成吾に、ユートは自信満々でうなずいた。
「はい。ちゃんと分かってます、外には決して出ません。しっかりお留守番しています」
「逃げたりしようものなら、どうなるか分かってるよな」
そんな脅し、するだけ時間の無駄だ。
「逃げるわけありません!…………あの。それより行ってきますのキスなんて……します?」
真剣に聞いたのに、成吾には目眩がするといわんばかりに頭を抱えられてしまった。
「ユートは無邪気なところが良いんだけど、その代わりなんか不安なんだよな」
玄関に立ったままかれこれ10分、成吾は何度もユートを振り返っては悩んでいる。
昨夜、ユートに恐ろしい顔で迫ってきたときとのあまりの違いに、実は成吾はもう一人いるんじゃないかと、部屋を探してみたくなった。
「大丈夫ですよ! いくら僕が馬鹿でも、こんなこと絶対に忘れません! だからそろそろ……時間は大丈夫ですか?」
成吾が腕時計のついている方の腕を上げ、時刻を確認する。
「そうだな……でも……」
「気をつけて行ってらっしゃいませ!」
自分のせいで遅刻なんていけないと、ユートは力いっぱい成吾の背中を押して送り出した。
「急げ、急げ……」
ドアが閉まると、すぐユートはリビングの大きな窓辺に駆け寄った。額をガラスにくっつけて、外を見下ろす。事前に成吾の愛車は白のポルシェだと聞いていた。出かけていくのを見つけたい。
「おかしいな、もう行っちゃったのかな……」
残念ながら、空に浮かんだこの部屋から地上は遥か遠く、車が小さすぎて判別がつかなかった。
好きに過ごせと言われていたが、何をするにも気分が落ちつかない。本能的にベッドに飛び込んで成吾の残り香を探した。脱いだ服から微かな香りを見つけて必死に吸い込む。でも、かえって恋しさが募った。
「…………成吾さん……成吾さぁん……」
ユートは延々と泣いた。うるさくしたってどうせ誰にも聞こえない。
静まり返っていた部屋に、チャイムが鳴った。事前に習ったとおりにインターホンを取ると、一階のコンシェルジュだった。
「綾宮夢斗(あやみや ゆうと)様へのお届け物です」
成吾に、サイズの合う部屋着を買ってもらったのを思い出し、涙を拭いて受け取りにでる。
ベージュのスーツと帽子姿の男性が一人、包みを持って立っていた。凛とした佇まいが信頼に足る雰囲気を醸し出している。
「こちらで間違いが無ければこちらにサインをお願いいたします。……ありがとうございます」
男は控えを胸ポケットに仕舞ってから、再びユートに向かって笑みを浮かべた。
「このあとすぐ、12時にランチサービスのお届けに参ります。他に御用がありましたら、いつでも申し付けくださいませ」
「………………」
成吾から口を利くなと言われていたので、ユートは頭を下げるだけで済ませた。男も気にする様子はなく、さっさと立ち去っていく。
リビングに戻ると、羽を休めていたらしい二羽の鳥と目が合った。きっと番だろう。ユートに気づくと仲良く羽ばたいていった。
「成吾さんはお昼は何を食べてるのかな……」
食欲が湧かなくて、せっかく届けてもらった食事もほとんど残してしまった。
罪悪感にかられながら、それでも食べなかったことを成吾に知られないようにゴミ箱の奥に隠した。
その後はずっと外を見ていた。いないと分かっていて地上に成吾の姿を探す。他には何もしたくなかった。
「成吾さん、まだかな……」
やっと夕日が見えてきた。早く夜になって下さいと空に向かってお願いする。
主人である成吾以外、誰も来られない塔の上。ユートはここで守られて、成吾の帰りだけを待っている。
end.
番外編もよろしくお願いいたします
「ふぁっ……」
ふたたび四つん這いの格好になったユートが身震いする。ユートの後ろから成吾が差し込んだ棒付きのスポンジが全て引き抜かれ、少し遅れて、スポンジに含まれていたらしいローションが股の間を伝って落ちていった。
「どこか痛いところはある?」
すぐには声が出ないので、代わりに首をぷるぷると振る。お仕置きの過激さに反し、痛みはどこにも残らなかった。
「良かった」
成吾の腕が伸びてきて正面から抱きしめられた。嬉しいけれど、少し違和感があった。成吾の体温が冷たいくらいに低いし、なによりもあんなに強かった匂いがすっかり消えている。
「大丈夫。さっきの薬のせいだよ。俺はちょっと興奮しすぎたし、ユートも俺のフェロモンにあてられて辛そうだったから、いったん抑えたんだ。少し楽になっただろ」
成吾が説明しながら、ユートの額に手のひらをあてる。たしかに、匂いと一緒に成吾から威圧感を感じない。出会ったときのように、清涼な空気をまとった好青年に戻っていた。それと反比例して、ユートの異常なほど熱くなっていた身体も酔っていた気分も、冷めたように感じられる。
ゆっくりとベッドに押し倒された。さっきそっぽを向いた成吾の唇のほうから、ユートの唇に近づいていく。
「ユート……もし俺のことが本当に好きなら、」
「好きです」
ユートが食い気味に答えると
「……ありがとう」
すっかり平静に戻った成吾に照れた顔を向けられる。
「じゃあ誓いのキスをしよう。さっき目を開けていろと言ったけど、このときばかりは目を閉じろよ」
「分かりました……」
成吾の切れ長の目が細められるのに合わせて、ユートもそっと目を閉じた。柔らかな感触。軽く唇を喰んだ後、すぐに離れていった。
「愛してる……」
ユートが目を開けた時、成吾が王子様のように見えた。
二人の初めてのキスはまるでおとぎ話のように甘かった。
ユートの望みで、成吾はユートを抱いた。小さないたわるように、優しく身体を揺らしたあと、ユートの体の奥に精を放った。疲れ切っていたユートは温かな幸福感の中で気を失った。
そして夢を見た。
成吾の腕の中で、ユートが卵を産み落とす夢。卵はほのかに青白く、金粉をまぶしたようにキラキラと輝いていた。
成吾は困った顔をして「孵化はしない」と言うけれど、ユートは胸に抱いて温めると決めた。
目が覚めると当然卵などどこにもなかった。だがその代わりに、絵の中の金の巣がまるでユートを祝福するかのように光り輝いていた。
(神様……どうか成吾さんと幸せになれますように)
胸の前で手を組んで祈る。
「おい……起きたならさっさと服を着ろ。こっちはこれから出勤なんだ」
すっかり身支度を済ませた成吾がやって来て、朝食だと急かされた。
「──なるべく早く帰る。俺がいない間にどこかに行ったりするなよ。ユートはこれからずっと、ここにいるんだよ」
成吾の出発前。鞄と車のキーを持ったあと、最終確認する成吾に、ユートは自信満々でうなずいた。
「はい。ちゃんと分かってます、外には決して出ません。しっかりお留守番しています」
「逃げたりしようものなら、どうなるか分かってるよな」
そんな脅し、するだけ時間の無駄だ。
「逃げるわけありません!…………あの。それより行ってきますのキスなんて……します?」
真剣に聞いたのに、成吾には目眩がするといわんばかりに頭を抱えられてしまった。
「ユートは無邪気なところが良いんだけど、その代わりなんか不安なんだよな」
玄関に立ったままかれこれ10分、成吾は何度もユートを振り返っては悩んでいる。
昨夜、ユートに恐ろしい顔で迫ってきたときとのあまりの違いに、実は成吾はもう一人いるんじゃないかと、部屋を探してみたくなった。
「大丈夫ですよ! いくら僕が馬鹿でも、こんなこと絶対に忘れません! だからそろそろ……時間は大丈夫ですか?」
成吾が腕時計のついている方の腕を上げ、時刻を確認する。
「そうだな……でも……」
「気をつけて行ってらっしゃいませ!」
自分のせいで遅刻なんていけないと、ユートは力いっぱい成吾の背中を押して送り出した。
「急げ、急げ……」
ドアが閉まると、すぐユートはリビングの大きな窓辺に駆け寄った。額をガラスにくっつけて、外を見下ろす。事前に成吾の愛車は白のポルシェだと聞いていた。出かけていくのを見つけたい。
「おかしいな、もう行っちゃったのかな……」
残念ながら、空に浮かんだこの部屋から地上は遥か遠く、車が小さすぎて判別がつかなかった。
好きに過ごせと言われていたが、何をするにも気分が落ちつかない。本能的にベッドに飛び込んで成吾の残り香を探した。脱いだ服から微かな香りを見つけて必死に吸い込む。でも、かえって恋しさが募った。
「…………成吾さん……成吾さぁん……」
ユートは延々と泣いた。うるさくしたってどうせ誰にも聞こえない。
静まり返っていた部屋に、チャイムが鳴った。事前に習ったとおりにインターホンを取ると、一階のコンシェルジュだった。
「綾宮夢斗(あやみや ゆうと)様へのお届け物です」
成吾に、サイズの合う部屋着を買ってもらったのを思い出し、涙を拭いて受け取りにでる。
ベージュのスーツと帽子姿の男性が一人、包みを持って立っていた。凛とした佇まいが信頼に足る雰囲気を醸し出している。
「こちらで間違いが無ければこちらにサインをお願いいたします。……ありがとうございます」
男は控えを胸ポケットに仕舞ってから、再びユートに向かって笑みを浮かべた。
「このあとすぐ、12時にランチサービスのお届けに参ります。他に御用がありましたら、いつでも申し付けくださいませ」
「………………」
成吾から口を利くなと言われていたので、ユートは頭を下げるだけで済ませた。男も気にする様子はなく、さっさと立ち去っていく。
リビングに戻ると、羽を休めていたらしい二羽の鳥と目が合った。きっと番だろう。ユートに気づくと仲良く羽ばたいていった。
「成吾さんはお昼は何を食べてるのかな……」
食欲が湧かなくて、せっかく届けてもらった食事もほとんど残してしまった。
罪悪感にかられながら、それでも食べなかったことを成吾に知られないようにゴミ箱の奥に隠した。
その後はずっと外を見ていた。いないと分かっていて地上に成吾の姿を探す。他には何もしたくなかった。
「成吾さん、まだかな……」
やっと夕日が見えてきた。早く夜になって下さいと空に向かってお願いする。
主人である成吾以外、誰も来られない塔の上。ユートはここで守られて、成吾の帰りだけを待っている。
end.
番外編もよろしくお願いいたします
11
お気に入りに追加
555
あなたにおすすめの小説
変なαとΩに両脇を包囲されたβが、色々奪われながら頑張る話
ベポ田
BL
ヒトの性別が、雄と雌、さらにα、β、Ωの三種類のバース性に分類される世界。総人口の僅か5%しか存在しないαとΩは、フェロモンの分泌器官・受容体の発達度合いで、さらにI型、II型、Ⅲ型に分類される。
βである主人公・九条博人の通う私立帝高校高校は、αやΩ、さらにI型、II型が多く所属する伝統ある名門校だった。
そんな魔境のなかで、変なI型αとII型Ωに理不尽に執着されては、色々な物を奪われ、手に入れながら頑張る不憫なβの話。
イベントにて頒布予定の合同誌サンプルです。
3部構成のうち、1部まで公開予定です。
イラストは、漫画・イラスト担当のいぽいぽさんが描いたものです。
最新はTwitterに掲載しています。

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。


別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。
相性最高な最悪の男 ~ラブホで会った大嫌いな同僚に執着されて逃げられない~
柊 千鶴
BL
【執着攻め×強気受け】
人付き合いを好まず、常に周囲と一定の距離を置いてきた篠崎には、唯一激しく口論を交わす男がいた。
その仲の悪さから「天敵」と称される同期の男だ。
完璧人間と名高い男とは性格も意見も合わず、顔を合わせればいがみ合う日々を送っていた。
ところがある日。
篠崎が人肌恋しさを慰めるため、出会い系サイトで男を見繕いホテルに向かうと、部屋の中では件の「天敵」月島亮介が待っていた。
「ど、どうしてお前がここにいる⁉」「それはこちらの台詞だ…!」
一夜の過ちとして終わるかと思われた関係は、徐々にふたりの間に変化をもたらし、月島の秘められた執着心が明らかになっていく。
いつも嫌味を言い合っているライバルとマッチングしてしまい、一晩だけの関係で終わるには惜しいほど身体の相性は良く、抜け出せないまま囲われ執着され溺愛されていく話。小説家になろうに投稿した小説の改訂版です。
合わせて漫画もよろしくお願いします。(https://www.alphapolis.co.jp/manga/763604729/304424900)

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
中華マフィア若頭の寵愛が重すぎて頭を抱えています
橋本しら子
BL
あの時、あの場所に近づかなければ、変わらない日常の中にいることができたのかもしれない。居酒屋でアルバイトをしながら学費を稼ぐ苦学生の桃瀬朱兎(ももせあやと)は、バイト終わりに自宅近くの裏路地で怪我をしていた一人の男を助けた。その男こそ、朱龍会日本支部を取り仕切っている中華マフィアの若頭【鼬瓏(ゆうろん)】その人。彼に関わったことから事件に巻き込まれてしまい、気づけば闇オークションで人身売買に掛けられていた。偶然居合わせた鼬瓏に買われたことにより普通の日常から一変、非日常へ身を置くことになってしまったが……
想像していたような酷い扱いなどなく、ただ鼬瓏に甘やかされながら何時も通りの生活を送っていた。
※付きのお話は18指定になります。ご注意ください。
更新は不定期です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる