霧の如く 〜誰よりも強くなって好きに生きる〜

bowman

文字の大きさ
上 下
1 / 20

プロローグ1

しおりを挟む
 氷霧こおりぎり

 グオォォ

 と巨大なオーガが肺を凍らされて動きを止める。やがて苦しみ、次第と動きをとめる。

「おっまたレベルが上がったな。しかしレベルに上限ってないのか? もうレベル200ってヤバいよな」

 一流のハンターでもレベル100にもなればS級ハンターとして世界の国から一目置かれるのに、すっかり人外の域まできちゃったようだ。

「あれから10年かぁ~。そろそろ人の食べ物も恋しくなってきたし、そろそろどこかの街にでも出るか。たしか街に入るときにステータス確認されるし忘れないように偽装しとかないとな」

名前:ライム【人間/男】(偽装) 
年齢:18
レベル:200(30)
体力 :30000(1500)
魔力 :150000(2000)
攻撃力:9000(500)
防御力:6000(300)
俊敏性:10000(600)
特殊スキル:霧【霧化・濃霧・氷霧・雷霧】(霧)
通常スキル:鑑定、鑑定偽造、収納、調合、解体(鑑定、収納、調合、解体)
戦闘スキル:魔法【火、風、水、土、無、光、闇、空】(火、風、水、土、無)
      剣術、盾術、威圧、体術、テイム(剣術、体術、テイム)
従魔 :キリングモンキー(キリ)

 家庭教師に聞いた記憶ではレベル30だとこんな感じのステータスだったと思うけど、一般的にはCクラスのハンターの強さってとこだな。
 レベル100を超えた辺りから数値の上がり方が半端ないからインフレ気味だけど、自惚れ抜きにして恐らく最強に近いんじゃないかな。
 なぜこうなったかって? 話すと長いけど‥‥‥。その前に。

「キリ! そこのオーガから魔石抜いて持ってきてくれる?」

 この賢い可愛いお猿さんは俺がテイムした仲間だ。テイムしたからスキルが付いたのか、スキルがあったからテイム出来たのかは、今だにわからん。そんなに頻繁にステータスは確認しないから。
 このキリは、一般的には集団で行動しAランクの危険な魔物と言われてるが、何より賢いし肩の上にのって毛づくろいをしてくれる最高の相棒さ。

「さて、これで1週間分くらいの食料も集まったし、一旦家に帰って日記でも書いてから街に向かおう」

 キキーっと全て言葉を理解してくれたように返事をするキリ。可愛い。

 

 さて、久しぶりに日記を読む。読み返せば読み返す程、現実に起こったことなのか俺自身も疑うくらい信じられないことの連続だった。

 そこまで人を恨んだり嫌ったりしない性格だったが、今世で人間の嫌な部分を見すぎて、すっかり根暗な人間となってしまった。
 この10年で少しはマシになったと思うが、今でも胸が締め付けられる。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐


 俺の前世は、雨隠雷霧あまがくれらいむとして、日本の忍者が有名な地域に生まれ、普通の両親に育てられ、3流大学を卒業したのち、
思い出したくもないが、親戚の叔父に不意をつかれて‥‥‥。

 普通の家庭と言いたかったが、先祖は本物の忍者の家系のようで幼い時から父親に修行させられていた。にも関わらず殺された。理由は本家と分家の財産争いと。死んでからの事は

 とはいえ、大きな土地と財産を有していた本家である俺の父親とギャンブルで首が回らなくなった分家の叔父がよくケンカしていたことは知っている。
 俺しか子供がいなかった両親からすると跡継ぎがいなくなった雨隠家を存続させるためには弟である叔父に引き渡すしかなくなった訳だ。恐らく計画的な犯行なのだろう。そう思うと本当に申し訳ない気持ちになる。

 ここまで日記を読んで、改めて親不孝な自分を情けなく思い涙すると、キリが優しく抱きしめてくれる。
 しかし、こんな記憶があってまたしても今世でも計略にはまるとは、幼子であったとしても、もう少し警戒すべきだった。
 だからこそ次はない。そう思い研鑽に研鑽を重ね今に至る。
誰にも負けない力を持ち、自らの力で全てを取り戻す。


‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

「旦那様!! 待望のご長男がお生まれになりました!!」

「そうか!! 男か?! これで我が領も安泰だ! よくやったリリー」

「ありがとうございます。うっ!!」

「なっ! どうした?! まずい! 教会からヒーラーを呼べ!!」

 本当の母であるリリーは俺を生んでアッサリ亡くなってしまった。
生まれた瞬間から前世の記憶があれば立ち直れなかったかもしれないが、良くも悪くも3歳のスキル覚醒の儀式まで、普通の幼子として生きていた。


「ライム! 今日で3歳となる。知っての通り教会で神よりスキルを覚醒して頂く重要な日となる。陛下より辺境を預かる我がオズワルド家として何としても良いスキルを得るよう願うのだ! 我が先祖のような剣聖であれば英雄となれるかもしれんぞ」

「ふん。わたくしが見たところ難しいと思いますわ」

 そう。早くに妻を亡くした父は部下からの進言で即座に後妻を娶った。
メッキ男爵家の娘で、我がまま放題の浪費家。そして俺に対しては当たりがキツイ。
いや、キツイなんてもんじゃない。それは2つ下の義理の弟が生まれてから、顕著になった。父もそれがわかっているのに、すっかり骨抜きにされているようだった。

「はい。まいにち神しゃまにおねがいしたので、いいスキルをもらえるとおもいましゅ。いってきましゅ」





「では、ライム・オズワルド様。こちらの水晶に手を置いて神に祈ってください」

「あい!」

 教会の部屋内が光に包まれて水晶に文字が浮かびあがる。

「出ました。うん? 霧? 聞いたことが無い特殊スキルですね」

「牧師! キリ? とはもしかすると良いスキルなのか?」

「ダメス様。聞いたことないスキルでございますので、一度広場で使用して頂きましょう」

「うむ。そうしよう。ライム。そのスキルを使ってみよ!」

「あい! きりぃー! うっ!」

 手のひらから少しばかりの≪霧≫が発生した。

 その瞬間、
 
 そこからの記憶はない。次に気づいた時には自室のベッドに寝かされていた。
まずは前世の自分と今の自分の置かれている状況を整理した。

「俺、殺されて転生したのか? くっ! あの叔父め。いやすでに今はライムとなったようだ。これが前世でよく読んだ転生ってことか。特殊スキルが霧。うわーどう考えてもまずいパターンだよな」

 なんて軽く思った事を今となっては、自分で自分を馬鹿だなって思うが‥‥‥

 コンコンっ

「ライム様お気づきになられましたら、ダメス様がお呼びでございます」

 独り言を聞かれたのか、扉越しにメイドが話しかにてくる。

「わかった。顔を洗ってすぐにいく」

 顔を洗うのに鏡を見て我ながら整った顔をしている。
メイドが言うには、金色に整った髪と青みがかかった瞳は母親に似ているようだ。
父親は赤身のかかった茶色と目も黒に近い茶色だ。







 さっきのスキルの事だと思うけど、父さんの執務室に向かう。
なんとか交渉して挽回のチャンスを貰おう。

コンコンッ

「はいれ」

「失礼します。あの。すいません。気絶してしまったようで」

「うん? 急に話し方が大人びたな。まぁいい。それよりお前のスキルで我が家は恥をかいた。ローズに至ってはカンカンに怒っておる。そのスキルは役に立ちそうにない。まだわからんがスキルによっては弟のボンズに領主を任せることになるだろう。せめて家の役に立つように今後は文官となれるよう文学に励め。以上だ」

 それだけ伝えて書類に目を落とし黙々と処理をしている。

「わかりました。失礼します」

 終わった。いやそんなことはない筈だ。
この世界は、3歳で神に与えられる覚醒スキルと通常スキルがある。
通常スキルは研鑽で得られる物と、で得られる物がある。
また、魔法に至っては基本の魔力さえあれば誰でもイメージで使える。
もちろん魔力量とスキル化するには修練が必要だが、流石は辺境伯といったところか、今までは家庭教師から学んで3歳になるまでにそれなりに基本属性は取得出来ている。
とにかく修練を積んで特殊スキルに負けない力を付ければ何とかなる筈だ。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。

玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!? 成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに! 故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。 この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。 持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。 主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。 期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。 その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。 仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!? 美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。 この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

クラス召喚に巻き込まれてしまいました…… ~隣のクラスがクラス召喚されたけど俺は別のクラスなのでお呼びじゃないみたいです~

はなとすず
ファンタジー
俺は佐藤 響(さとう ひびき)だ。今年、高校一年になって高校生活を楽しんでいる。 俺が通う高校はクラスが4クラスある。俺はその中で2組だ。高校には仲のいい友達もいないしもしかしたらこのままボッチかもしれない……コミュニケーション能力ゼロだからな。 ある日の昼休み……高校で事は起こった。 俺はたまたま、隣のクラス…1組に行くと突然教室の床に白く光る模様が現れ、その場にいた1組の生徒とたまたま教室にいた俺は異世界に召喚されてしまった。 しかも、召喚した人のは1組だけで違うクラスの俺はお呼びじゃないらしい。だから俺は、一人で異世界を旅することにした。 ……この物語は一人旅を楽しむ俺の物語……のはずなんだけどなぁ……色々、トラブルに巻き込まれながら俺は異世界生活を謳歌します!

黄金蒐覇のグリード 〜力と財貨を欲しても、理性と対価は忘れずに〜

黒城白爵
ファンタジー
 とある異世界を救い、元の世界へと帰還した玄鐘理音は、その後の人生を平凡に送った末に病でこの世を去った。  死後、不可思議な空間にいた謎の神性存在から、異世界を救った報酬として全盛期の肉体と変質したかつての力である〈強欲〉を受け取り、以前とは別の異世界にて第二の人生をはじめる。  自由気儘に人を救い、スキルやアイテムを集め、敵を滅する日々は、リオンの空虚だった心を満たしていく。  黄金と力を蒐集し目指すは世界最高ランクの冒険者。  使命も宿命も無き救世の勇者は、今日も欲望と理性を秤にかけて我が道を往く。 ※ 更新予定日は【月曜日】と【金曜日】です。 ※第301話から更新時間を朝5時からに変更します。

ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。 パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。 車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。 ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!! 相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム! けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!! パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。

大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった! でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、 他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう! 主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!? はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!? いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。 色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。 *** 作品について *** この作品は、真面目なチート物ではありません。 コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております 重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、 この作品をスルーして下さい。 *カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

彼女は予想の斜め上を行く

ケポリ星人
ファンタジー
仕事人間な女性医師、結城 慶は自宅で患者のカルテを書いている途中、疲れて寝ってしまう。 彼女が次に目を覚ますと、そこは…… 現代医学の申し子がいきなり剣と魔法の世界に! ゲーム?ファンタジー?なにそれ美味しいの?な彼女は、果たして異世界で無事生き抜くことが出来るのか?! 「Oh……マホーデスカナルホドネ……」 〈筆者より、以下若干のネタバレ注意〉 魔法あり、ドラゴンあり、冒険あり、恋愛あり、妖精あり、頭脳戦あり、シリアスあり、コメディーあり、ほのぼのあり。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...