生徒会長は僕の嫁

僕と会長の朝

「ん？いい匂いがする」

甘く、花のような心地よい匂いが僕の鼻を通り抜けた。
目を開けるとそこには彼女がいる。

「おはよう、旦那さま」

彼女と目が合うと挨拶をしてくれた。

「おはよう、雫」　

僕は挨拶を返して彼女を抱きしめた。
僕の目の前にいる美少女の名前は雨宮あまみや雫しずく僕のお嫁さんだ。といっても、まだ学生の僕たちは結婚をしているわけではない。簡単に説明すると、両家両親公認の婚約者だ。
もちろん僕たちはそれを了承しているし、互いに好きあっている。
じゃなきゃ、両親達が僕たちが2人で暮らすためにマンションを用意するはずもない。そもそも同じベットで毎日寝ることもないだろ
う。

「ふふっ、旦那さまは私のことが大好きだな」

それもそうだろう、彼女は才色兼備でさらに性格も良いときた。
少し、心配性なところもあるがそれは彼女が優しいが故だ。そんな彼女が好きだ。
ただ、少し難があるとするならば、学校での性格だけだ。まぁ、それは後々わかることだから言わないでおこう。

「当たり前だよ、僕にとって雫が1番だからね」

そう言って僕は彼女の頬にキスをする。

「んぁ、旦那さま......足りない！」

彼女は布団から出て僕に覆い被さり唇にキスをしてきた。

「ん、んぁっ、んっ、はぁ」

彼女は満足したのか唇を離した。

「どうしたの？いつもはほっぺなのに」

彼女とは毎朝互いの頬にキスをしてから起きるのだが、今日は珍しく唇にキスをしてきた。

「旦那さまがいけないんだ、あんな可愛い顔して私の方を見るから」

「僕からしたら雫の方が可愛い顔をしていると思うけどなぁ」

僕がそう言うと彼女は顔を少し赤らめた。

「そ、そうやって正面からだな、その、言うのは反則なんじゃないのか？」

「じゃあ、横からならいい？」

僕は上に覆い被さっている彼女の耳元まで顔を持っていった。

「雫今日もかわいいよ」

そう言って彼女の顔を見ると、完熟したリンゴより顔を赤らめていた。

「顔赤くなってる」

「う、うう、うるさい！そんな意地悪ばかりしてくる奴にはこうだ！」

彼女は僕を思いっきり引っ張り抱きしめ、そのまま横になった。
彼女のいい匂いが僕の脳を溶かしてゆく、ああ、ずっとここに居続けたい。だけど、そんな思いは長くは続かなかった。
彼女の豊満な胸の中にいた結果息ができなくなるのだ。
僕は彼女の背中を軽く叩きギブアップの合図を送った。
だけど今の彼女にそれは届かなかった。

「ふんっ、旦那さまが悪いんだぞ、私を揶揄って遊んで」

そんなこんなしている間に僕の方の呼吸が続かなくなった。
僕の手は徐々に力弱めた。

「ん？だ、旦那さま！ご、ごめんなさい」

彼女の胸から解放された僕は目一杯空気を吸った。

「はぁはぁはぁはぁはぁ、し、死ぬかと思った」

「旦那さまごめんなさい、苦しかったですよね」

まぁ、別にあれで死ぬなら本望だけど未練もなく死ねるわ。
いや、未練はあるな。彼女を幸せにできなくなるわ。
うん、死ねないわ。

「とりあえず布団から出て学校の準備しようか」

「うん、そうだな」

僕と彼女は布団から出て学校の準備をし始めた。
各々着替えて準備をする。
彼女も女の子なのでやはりそれなりに時間がかかる。
僕はその間にお弁当を作りつつちゃちゃっと朝ごはんを作っていった。

「んーいい匂いがする。さすが私の旦那さまだ」

支度の終わった彼女がそう言いながら部屋から出できた。

「はい、ミルクと砂糖たっぷりのコーヒー牛乳」

彼女の大好きなミルクと砂糖たっぷりのコーヒー牛乳を手渡した。
このコーヒー牛乳のポイントはコーヒーと砂糖を熱々の少量のお湯で溶かして原液みたいな状態にし、大量の牛乳を入れる。そうすると彼女の大好きなコーヒー牛乳が出来上がる。
ただし、冬場はそれだと寒くなってしまうので牛乳は温めて入れている。今は春の終わり頃のちょうど暖かい時期なので特に何もしていない。

「んー美味しい！やっぱり旦那さまのコーヒー牛乳が1番美味しいよ」

「そりゃどうも、じゃあご飯食べるか」

「そうだね」　

ちなみに今日のお弁当の中身はおにぎり２つとおかずに卵焼き、作り置きのほうれん草の胡麻和え、ミニトマトにタコさんウィンナー、唐揚げを入れてデザートに小さめのカップのゼリーを入れておいた。彼女は女子の方でも食べる方なのかおにぎりのサイズは僕のものと一緒だ。

「「ごちそうさまでした」」

朝食を食べ終えた僕と彼女は鍵を締め家を出た。