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2話 家族へようこそ
しおりを挟む君が家族になった日は僕にとって大切な日です。
さぁ僕のお母さんはなんて言うだろうか。
君を抱きかかえて玄関の前に立つ。
僕の家は僕とお母さんの2人で暮らしている。
「わんちゃん泥だらけだねぇ·····」
泥だらけの君を家に入れたらお母さんは怒るだろう。
そう悩んだ挙句、僕は怒られる覚悟で家へ招いた。
「ママー!ただいまー!」
大きな声で僕の帰りを伝えると、お母さんはおかえりなさーい!とキッチンで答える。
「ママー!来て!!お腹がすいてそうだったから連れて来ちゃった!」
というとお母さんは玄関に歩いてきた。
そして僕のお母さんは初めの一言に
「あら子犬のぬいぐるみ??」
と聞いてきた。
怒られると思っていたが予想は外れた。
「ぬ、ぬいぐるみじゃないよー!本物のわんちゃんだよー!」
「····················へ?」
今思えばそりゃそうだ。
今どき外に野良犬なんているんだなって思いますよね。
「外で僕についてきたんだよ!」
お母さんは困るしか無かった。
僕が住んでいたのは団地だった。
動物は基本禁止。でも隣のおばさんは大量の猫を飼ってるという噂。
「わ、分かった小太郎。まずはお風呂に一緒に入りなさい?」
お母さんはそう言うと急ぎでタオルやらドライヤーと準備を始めた。
ひとまず家に入ることは出来た。
なんて言って飼いたいと言おうか考える。
お風呂の温かさは暑過ぎず冷た過ぎずちょうど良い
君にとって初めてのお風呂。
怖がるかなと思ったけど水に興味津々でお風呂は君のお気に入りになった。
「もうでてきなさーい」
お母さんの声が聞こえ、お風呂のドアを開ける。
「ほら出ておいでー!」
とお母さんは子犬の上にタオルを乗せた。
しっかりと拭き、ドライヤーで丁寧に乾かした。
「ねぇママ·····この子飼っちゃだめ?」
そう僕が聞くと
「そうね·····小太郎、ちゃんと世話できる?」
と聞き返してきた。
僕は迷わず
「ちゃんと世話をする!!」
と言った。
君は小さい体で思いっきり尻尾を振った。
お母さんが微笑みながら名前はどうする?と言った。
この時僕は既に決めていた。
「君の名前は○○だ。」
君はさらに激しく尻尾を振って喜んだ。
ねぇ、家族に来てくれた日の事を君は覚えてますか?
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