君がくれた勇気

神之家さき

文字の大きさ
上 下
1 / 4

1話 初めまして幼き命

しおりを挟む

君と会ったのはまだ僕が小学1年生の頃だったね。


学校に不慣れで1人も友達なんていなかった。
学校なんて行きたくない。
毎日のようにそう思ってた。

「おい!小太郎。お前を俺の家来にしてやるぅ!」

「·····ふぇ!?」

僕が弱いせいで登下校は通称『いじめっ子君』のランドセルをもつ係に任命された。
言わば荷物係。
小学1年生にして早く卒業したいと思った。

ある日の事だった
いじめっ子君が風邪で学校を休んだ。
帰りはとても手持ちが軽く小刻みにスキップでもして嬉しさを表した。

「ワンっ!」

ふと、犬の鳴き声が聞こえた。
僕は足を止め、後ろを振り返る。
柴犬の子犬が僕の後ろをついてきていた。

「わぁ!!わんちゃんだぁ!」

動物は元々大好きで特に犬はトップレベルを争うくらい大好きだった。

「どーしたの?迷子?」

と聞くと君は首を振った。
お腹すいたの?と聞くと君は

「ワン!」

と鳴いた。
だから僕は君を抱きかかえ家に連れて帰った。


ねぇ、君はこの事を覚えてますか?
しおりを挟む

処理中です...