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アンナの秘密
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ベースから寮への距離は直線距離でおよそ2キロ。ゆっくり歩けばだいたい30分の道のりである。
アニマートの都市部分は高層ビル群が立ち並ぶが少し街を外れると『情報集約都市』らしからぬ昔ながらの街並みが広がっている。
ベースはギリギリ都市部に位置するが寮は郊外にありそこまでの街並みは活気の溢れた商店が立ち並ぶ。
畑で取れた新鮮な野菜、アニマート郊外の湖で取れた魚や近くの山林には野生の動物達が暮らしておりそこで狩られた新鮮な肉が色鮮やかに並べ売られている。霊界には『生肉』を主食とする人種もいるためこれらの人達のために生で食べられる状態で売られているのだ。
そんな道のりを義兄妹仲良く歩いていく。
「おっ、リナリーちゃん!今日は彼氏とデートかい?」
「おっちゃん!そう見えるー?そーなのー」
リナリーはクルスの腕に抱きつきとても嬉しそうにそう返した。
「(こいつまた適当なことを…)おm、」
言葉が出かけたが嬉しそうなリナリーを見ているとまぁいいかと口を閉ざした。
「いいねー!ほら、これおっちゃんからのプレゼントだ、彼氏と食べな」
果物屋のおじさんは大きなりんごをホイっとリナリーに投げた。
リナリーはトンと地面を蹴って少し高めの位置でりんごを掴み取り嬉しそうな笑顔で受け取った。
「おっちゃんありがとー!おっちゃんは相変わらずいい男だねぇ」
「リナリーちゃんこそ相変わらず口が上手いねぇー!また来な、安くしとくから」
「うん!ありがとね!」
クルスも軽く会釈をし、おじさんにお礼を言うと果物屋を後にした。
「おまえなぁ、彼氏ってなんだよ」
「ん?だって兄妹って言ってもほんとの兄妹じゃないし別にいいじゃん」
「いいじゃんって、おまえ…」
「もー、クルスは真面目すぎるんだよ、いいの!みんな楽しいんだから」
そう言うと先程貰ったリンゴを小さな口で器用にかじり、クルスにも食べるように手渡した。
そんなやり取りをしているうちに寄宿する宿に辿り着いた。
入口のドアを入ると少し広めの玄関になっており、左手に管理人室の小窓とカウンターがある。
「ただいまーアンナさん、アンナさんいるー?」
「リナリー?どうしたんだい、今日はもう終わりかい?」
管理人室の奥から力強くそれでいて優しさがうかがえるような声でアンナが返事を返してくる。そして小窓から二人を確認すると少し小走りに管理人室から玄関に飛び出してきた。
「おや、クルスじゃないかい!ずいぶん久しぶりだねぇ!」
「アンナさん、お久しぶりです」
「今日はどうしたんだい。」
「実は依頼で神界に行くのでリナリーの遠征許可をもらいに寄ったんです」
「そぉかい、神界にかい?」
「はい」
クルスは一瞬考え込んだアンナの表情が少し曇ったような気がした。
「リナリー、遠征許可書は出しといてあげるから先に準備しといで」
アンナがリナリーにそう伝えるとリナリーは元気よく返事をし自分の部屋に向かった。
「クルスちょっと入りな」
アンナはクルスを管理人室に招き入れる。
クルスは管理人室に入りソファに腰掛けた。
「神界からの依頼って言ったね。」
「はい、詳しくは言えないのですが…」
「極秘依頼かい」
「え、はい、そうですけど…なんでそれを」
「おや、父親から聞いてないかい。あたしも調律師だったんだよ。他人に話せないって事はそういう事だろう」
クルスの父親エドガーとアンナは旧知の親友なのだ。リナリーがこの寮に寄宿する事を決めたのもアンナの元なら安心出来ると父親が決めたのだ。
「そうだったんですね。知りませんでしたよ、アンナさんが調律師の先輩だったなんて」
「まぁあたしも口外してないからね、隠すことでもないんだけども調律師イコール時空間移動の能力を晒すことになるからね。」
この街にはベースがある事もあり時空間移動の能力者が結構な割合でいるように見えるが霊界全体で見ると実はこの『時空間移動』の能力者はごく僅かで貴重な存在なのだ。
この時空間移動の能力はその希少性から周りに知られると思わぬ事件に巻き込まれることもある。出来れば知られない方が普通の生活は送りやすい。
「ベースの調律師に神界からの依頼はおいそれと回ってこないはずだけど、その依頼、霊界統括から回ってきたのかい?」
クルスは極秘依頼の縛りに口を噤む。それを察したアンナが口を開く。
「ここまでなら極秘依頼の口外にはならないから安心しな。どうなんだい?」
「チャージリクエストです」
「神界からのチャージリクエスト…なるほどね。その依頼少し気になるね」
そう言うとアンナはしばらく考え込み、クルスの目をじっと見つめながら話し出した。
「クルスはリナリーの能力に気づいているね」
「!!…なんでそれを」
クルスの表情が一瞬強ばった。
「その表情は理解しているようだね。リナリーの能力のことはエドガーから相談を受けていたんだよ。エドガーはあの子の能力に気づいた時から少しづつ準備を進めていたんだ。リナリーを『守る』準備をね」
「あたしの所に預けたのもそのひとつさ。あんたもきっとあの子を守るように言いつけられているんじゃないかい?」
「はい、その通りです」
このアンナの言葉でクルスは自分の感じていた推測通り父親が時空間破壊の能力を持ったリナリーを護る騎士に自分を育て上げた事に確信を持った。
クルス自身もリナリーが破壊神技の能力を持っていると知った時、この事を他人に知られる訳にはいかないと直感した。
破壊神技と言うのは人、モノ、空間などを『壊す』『消す』に特化した能力の事を言う。
時空間破壊以外にも破壊神技は存在するがこの霊界では破壊神技の発現はあまりいい意味を持たない。
破壊神技はその能力の特性からテロリスト等の反社会組織、武装組織からの勧誘、拉致などの対象になりやすい。中には能力の発現から好んでそのような組織に属するものもいるが一般的には能力の発現は隠すべきもの、クルスはそう認識している。
しかし、アンナの言葉、表情からリナリーの能力は自分が思っている以上に何か別の意味を持つ危険な能力なのかもしれないと感じとった。
「ここからはあたしの推測にはなるけどね…」
「今回の依頼、シヴァが絡んでいるような気がするんだよ」
「シヴァ?…シヴァってあの破壊神シヴァの事ですか?!」
「そうさ。時空間破壊は『破壊神 シヴァ』が扱う破壊神技のひとつ。クルスもそれは分かっているんだろ」
「はい。たしかに時空間破壊の能力についてはシヴァの能力に酷似しているので俺達はそう呼んでいます。でもそれで破壊神が関係しているというのは直接的すぎませんか?事が飛躍しすぎているというか。」
「他の神技ならそこまで大事には考えないんだけどね。時空間破壊神技は他の神技とは少し違うんだよ」
「と、言うと?」
クルスはアンナの言葉の意味を理解出来ずにいた。神技は基本的に神界人が扱う能力の総称で中には他の世界の者にも発現する事はある。
例えば、各世界を移動する事が出来る能力時空間移動や他の世界を覗くことが出来る能力、時空間干渉などこれらも神技である。
リナリーの時空間破壊は『時空間(実際に特定の場所があるわけではないが各世界の間にある時間の流れ、次元の狭間)』を壊す(消す)事が出来る能力。
破壊の範囲は扱える術者の力量にもよるが破壊神シヴァは世界そのものを消す事が出来る力を持っていると言われている。
「…時空間破壊を発現した者はシヴァ以外いないんだよ。一子相伝の能力なんだ」
「一子相伝…遺伝子の繋がり…ですか」
「そう。時空間破壊を扱える可能性のある者はシヴァの遺伝子を受け継いだ者のみという事さ」
クルスは多少混乱しながらも今までの話を一つ一つ繋ぎ合わせ思考を整理するように務めた。頭の後ろ辺りが熱くなるのを感じる。
「まさかリナリーはシヴァの子と言うことなんでしょうか?」
「…今はそこまではわからない」
アンナは首を左右に振りながら答えた。
「わからないが通常行われない『神界からのチャージリクエスト』と『時空間破壊』は無関係ではないだろうね」
「…ちょっとばかし調べてみるか」
アンナは独り言のようにそう呟く。
それと同時に準備を終えたリナリーが管理人室へと戻ってきたのだった。
アニマートの都市部分は高層ビル群が立ち並ぶが少し街を外れると『情報集約都市』らしからぬ昔ながらの街並みが広がっている。
ベースはギリギリ都市部に位置するが寮は郊外にありそこまでの街並みは活気の溢れた商店が立ち並ぶ。
畑で取れた新鮮な野菜、アニマート郊外の湖で取れた魚や近くの山林には野生の動物達が暮らしておりそこで狩られた新鮮な肉が色鮮やかに並べ売られている。霊界には『生肉』を主食とする人種もいるためこれらの人達のために生で食べられる状態で売られているのだ。
そんな道のりを義兄妹仲良く歩いていく。
「おっ、リナリーちゃん!今日は彼氏とデートかい?」
「おっちゃん!そう見えるー?そーなのー」
リナリーはクルスの腕に抱きつきとても嬉しそうにそう返した。
「(こいつまた適当なことを…)おm、」
言葉が出かけたが嬉しそうなリナリーを見ているとまぁいいかと口を閉ざした。
「いいねー!ほら、これおっちゃんからのプレゼントだ、彼氏と食べな」
果物屋のおじさんは大きなりんごをホイっとリナリーに投げた。
リナリーはトンと地面を蹴って少し高めの位置でりんごを掴み取り嬉しそうな笑顔で受け取った。
「おっちゃんありがとー!おっちゃんは相変わらずいい男だねぇ」
「リナリーちゃんこそ相変わらず口が上手いねぇー!また来な、安くしとくから」
「うん!ありがとね!」
クルスも軽く会釈をし、おじさんにお礼を言うと果物屋を後にした。
「おまえなぁ、彼氏ってなんだよ」
「ん?だって兄妹って言ってもほんとの兄妹じゃないし別にいいじゃん」
「いいじゃんって、おまえ…」
「もー、クルスは真面目すぎるんだよ、いいの!みんな楽しいんだから」
そう言うと先程貰ったリンゴを小さな口で器用にかじり、クルスにも食べるように手渡した。
そんなやり取りをしているうちに寄宿する宿に辿り着いた。
入口のドアを入ると少し広めの玄関になっており、左手に管理人室の小窓とカウンターがある。
「ただいまーアンナさん、アンナさんいるー?」
「リナリー?どうしたんだい、今日はもう終わりかい?」
管理人室の奥から力強くそれでいて優しさがうかがえるような声でアンナが返事を返してくる。そして小窓から二人を確認すると少し小走りに管理人室から玄関に飛び出してきた。
「おや、クルスじゃないかい!ずいぶん久しぶりだねぇ!」
「アンナさん、お久しぶりです」
「今日はどうしたんだい。」
「実は依頼で神界に行くのでリナリーの遠征許可をもらいに寄ったんです」
「そぉかい、神界にかい?」
「はい」
クルスは一瞬考え込んだアンナの表情が少し曇ったような気がした。
「リナリー、遠征許可書は出しといてあげるから先に準備しといで」
アンナがリナリーにそう伝えるとリナリーは元気よく返事をし自分の部屋に向かった。
「クルスちょっと入りな」
アンナはクルスを管理人室に招き入れる。
クルスは管理人室に入りソファに腰掛けた。
「神界からの依頼って言ったね。」
「はい、詳しくは言えないのですが…」
「極秘依頼かい」
「え、はい、そうですけど…なんでそれを」
「おや、父親から聞いてないかい。あたしも調律師だったんだよ。他人に話せないって事はそういう事だろう」
クルスの父親エドガーとアンナは旧知の親友なのだ。リナリーがこの寮に寄宿する事を決めたのもアンナの元なら安心出来ると父親が決めたのだ。
「そうだったんですね。知りませんでしたよ、アンナさんが調律師の先輩だったなんて」
「まぁあたしも口外してないからね、隠すことでもないんだけども調律師イコール時空間移動の能力を晒すことになるからね。」
この街にはベースがある事もあり時空間移動の能力者が結構な割合でいるように見えるが霊界全体で見ると実はこの『時空間移動』の能力者はごく僅かで貴重な存在なのだ。
この時空間移動の能力はその希少性から周りに知られると思わぬ事件に巻き込まれることもある。出来れば知られない方が普通の生活は送りやすい。
「ベースの調律師に神界からの依頼はおいそれと回ってこないはずだけど、その依頼、霊界統括から回ってきたのかい?」
クルスは極秘依頼の縛りに口を噤む。それを察したアンナが口を開く。
「ここまでなら極秘依頼の口外にはならないから安心しな。どうなんだい?」
「チャージリクエストです」
「神界からのチャージリクエスト…なるほどね。その依頼少し気になるね」
そう言うとアンナはしばらく考え込み、クルスの目をじっと見つめながら話し出した。
「クルスはリナリーの能力に気づいているね」
「!!…なんでそれを」
クルスの表情が一瞬強ばった。
「その表情は理解しているようだね。リナリーの能力のことはエドガーから相談を受けていたんだよ。エドガーはあの子の能力に気づいた時から少しづつ準備を進めていたんだ。リナリーを『守る』準備をね」
「あたしの所に預けたのもそのひとつさ。あんたもきっとあの子を守るように言いつけられているんじゃないかい?」
「はい、その通りです」
このアンナの言葉でクルスは自分の感じていた推測通り父親が時空間破壊の能力を持ったリナリーを護る騎士に自分を育て上げた事に確信を持った。
クルス自身もリナリーが破壊神技の能力を持っていると知った時、この事を他人に知られる訳にはいかないと直感した。
破壊神技と言うのは人、モノ、空間などを『壊す』『消す』に特化した能力の事を言う。
時空間破壊以外にも破壊神技は存在するがこの霊界では破壊神技の発現はあまりいい意味を持たない。
破壊神技はその能力の特性からテロリスト等の反社会組織、武装組織からの勧誘、拉致などの対象になりやすい。中には能力の発現から好んでそのような組織に属するものもいるが一般的には能力の発現は隠すべきもの、クルスはそう認識している。
しかし、アンナの言葉、表情からリナリーの能力は自分が思っている以上に何か別の意味を持つ危険な能力なのかもしれないと感じとった。
「ここからはあたしの推測にはなるけどね…」
「今回の依頼、シヴァが絡んでいるような気がするんだよ」
「シヴァ?…シヴァってあの破壊神シヴァの事ですか?!」
「そうさ。時空間破壊は『破壊神 シヴァ』が扱う破壊神技のひとつ。クルスもそれは分かっているんだろ」
「はい。たしかに時空間破壊の能力についてはシヴァの能力に酷似しているので俺達はそう呼んでいます。でもそれで破壊神が関係しているというのは直接的すぎませんか?事が飛躍しすぎているというか。」
「他の神技ならそこまで大事には考えないんだけどね。時空間破壊神技は他の神技とは少し違うんだよ」
「と、言うと?」
クルスはアンナの言葉の意味を理解出来ずにいた。神技は基本的に神界人が扱う能力の総称で中には他の世界の者にも発現する事はある。
例えば、各世界を移動する事が出来る能力時空間移動や他の世界を覗くことが出来る能力、時空間干渉などこれらも神技である。
リナリーの時空間破壊は『時空間(実際に特定の場所があるわけではないが各世界の間にある時間の流れ、次元の狭間)』を壊す(消す)事が出来る能力。
破壊の範囲は扱える術者の力量にもよるが破壊神シヴァは世界そのものを消す事が出来る力を持っていると言われている。
「…時空間破壊を発現した者はシヴァ以外いないんだよ。一子相伝の能力なんだ」
「一子相伝…遺伝子の繋がり…ですか」
「そう。時空間破壊を扱える可能性のある者はシヴァの遺伝子を受け継いだ者のみという事さ」
クルスは多少混乱しながらも今までの話を一つ一つ繋ぎ合わせ思考を整理するように務めた。頭の後ろ辺りが熱くなるのを感じる。
「まさかリナリーはシヴァの子と言うことなんでしょうか?」
「…今はそこまではわからない」
アンナは首を左右に振りながら答えた。
「わからないが通常行われない『神界からのチャージリクエスト』と『時空間破壊』は無関係ではないだろうね」
「…ちょっとばかし調べてみるか」
アンナは独り言のようにそう呟く。
それと同時に準備を終えたリナリーが管理人室へと戻ってきたのだった。
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