85 / 115
第6章
求め合う心(2)
しおりを挟む
「桃華、信じてないって顔してる」
拓人は桃華の顔を見てプッと笑った。
「だ、だって……」
(拓人、絶対モテるのに……)
拓人は桃華を胸に抱き寄せる。
「本当だからさ、だから桃華はもっと自信持てよ。
俺が生涯こんなに夢中になれる女性は桃華だけだから。変なこと考えてんじゃねぇよ」
拓人の言葉に、桃華は少し恥ずかしそうに唇を突き出した。
「へ、変なことって……」
拓人はその様子をおかしそうに笑うと、桃華の突き出た唇を覆うように深いキスを落とした。
「ん……、拓人……?」
桃華は恥ずかしそうに拓人から唇を離す。
「桃華、逃げるなよ」
桃華の頭を手で引き寄せ、再び唇を重ねようとする拓人。
「だって、ここ……外だし……」
(もしも万が一、リナさんや他の人が見てたら……)
ロッジの目の前まで帰って来てたこともあり、そっとロッジの入り口を指さす桃華。
「そうだな。こんなとこ、誰かに撮られても困るしな……」
拓人は少し困ったように笑うと、桃華をひょいっと抱き上げ、そのままロッジに連れて入った。
そして、ドアからすぐ傍にあったソファーに桃華を寝かせるなり、上から覆いかぶさるようにして再び深いキスを繰り返した。
熱い吐息と舌が激しく絡み合う。
「拓人ぉ……」
お互いに熱を持つ身体を離しながら桃華が呼ぶ。
「どうした? まだ足りないか?」
「いや、そうじゃなくて……」
桃華の言葉は、再び拓人の口により掻き消される。
拓人の甘い唇が、温かくて柔らかい舌が、桃華の中に生まれた不安を掻き出すかのように、深いキスは何度も何度も繰り返された。
しばらくそうしているうちに、次第に桃華の下着の中に入る拓人の手。
桃華がそれにピクンと微かに反応して、それに気づいた拓人はそっと桃華を抱き寄せ、耳元で囁いた。
「ごめん……俺、止まらなくなりそう……先に風呂入ろ?」
「う、うん」
拓人にそう言われ、桃華は頬を赤く染めて一緒に浴室へと向かう。
拓人とお泊りの時は必ずと言っていいほど一緒にお風呂に入るのに、さっきのキスの後だからか、やけに桃華は緊張していた。
そのせいもあり、浴室内も異常な緊張感に包まれ、いつもより湯の音が大きく響いた。
身体を流し終え、桃華を後ろから抱きしめるようにして湯舟に浸かる拓人。
「桃華? もしかして、まだ怒ってる?」
桃華があまりにしゃべらないので、拓人は桃華がまだ機嫌を損ねているように感じたのだ。
「えっ!? ち、違うよっ!! 怒ってなんか、ない……」
桃華は鼻の頭まで湯に潜りブクブクとさせる。
「なら良いんだけど、今日はごめんな」
「えっ!?」
突然謝る拓人に、桃華はバッと顔を上げて拓人の方を向く。
「俺さ、今日河原で桃華が寝てる時、桃華と出会った頃のこと思い出してたんだ。そしたらな、今がどれだけ幸せかって分かって、すごく泣けてきた」
拓人は桃華を前に向かせるようにクルリと桃華の身体を回転させ、再び後ろからぎゅっと抱きしめた。
「こんなこと言ったら桃華に怒られるかもしれねぇけど、俺、リナさんに嫉妬してる桃華を見て、すごく嬉しかった」
拓人はそっと桃華の肩に顎を乗せる。
「だってさ、今まで俺が桃華の周りに居る男に嫉妬して怒り狂うことはあってもさ、桃華は全然そんなことなかったじゃねぇか。
だから、桃華があんなに取り乱す姿見れて、すごく嬉しかった」
「べ、別に嫉妬なんか……」
「違った?」
拓人が覗き込むように桃華を見つめ、桃華は「違わない」と小さく漏らした。
拓人は桃華の顔を見てプッと笑った。
「だ、だって……」
(拓人、絶対モテるのに……)
拓人は桃華を胸に抱き寄せる。
「本当だからさ、だから桃華はもっと自信持てよ。
俺が生涯こんなに夢中になれる女性は桃華だけだから。変なこと考えてんじゃねぇよ」
拓人の言葉に、桃華は少し恥ずかしそうに唇を突き出した。
「へ、変なことって……」
拓人はその様子をおかしそうに笑うと、桃華の突き出た唇を覆うように深いキスを落とした。
「ん……、拓人……?」
桃華は恥ずかしそうに拓人から唇を離す。
「桃華、逃げるなよ」
桃華の頭を手で引き寄せ、再び唇を重ねようとする拓人。
「だって、ここ……外だし……」
(もしも万が一、リナさんや他の人が見てたら……)
ロッジの目の前まで帰って来てたこともあり、そっとロッジの入り口を指さす桃華。
「そうだな。こんなとこ、誰かに撮られても困るしな……」
拓人は少し困ったように笑うと、桃華をひょいっと抱き上げ、そのままロッジに連れて入った。
そして、ドアからすぐ傍にあったソファーに桃華を寝かせるなり、上から覆いかぶさるようにして再び深いキスを繰り返した。
熱い吐息と舌が激しく絡み合う。
「拓人ぉ……」
お互いに熱を持つ身体を離しながら桃華が呼ぶ。
「どうした? まだ足りないか?」
「いや、そうじゃなくて……」
桃華の言葉は、再び拓人の口により掻き消される。
拓人の甘い唇が、温かくて柔らかい舌が、桃華の中に生まれた不安を掻き出すかのように、深いキスは何度も何度も繰り返された。
しばらくそうしているうちに、次第に桃華の下着の中に入る拓人の手。
桃華がそれにピクンと微かに反応して、それに気づいた拓人はそっと桃華を抱き寄せ、耳元で囁いた。
「ごめん……俺、止まらなくなりそう……先に風呂入ろ?」
「う、うん」
拓人にそう言われ、桃華は頬を赤く染めて一緒に浴室へと向かう。
拓人とお泊りの時は必ずと言っていいほど一緒にお風呂に入るのに、さっきのキスの後だからか、やけに桃華は緊張していた。
そのせいもあり、浴室内も異常な緊張感に包まれ、いつもより湯の音が大きく響いた。
身体を流し終え、桃華を後ろから抱きしめるようにして湯舟に浸かる拓人。
「桃華? もしかして、まだ怒ってる?」
桃華があまりにしゃべらないので、拓人は桃華がまだ機嫌を損ねているように感じたのだ。
「えっ!? ち、違うよっ!! 怒ってなんか、ない……」
桃華は鼻の頭まで湯に潜りブクブクとさせる。
「なら良いんだけど、今日はごめんな」
「えっ!?」
突然謝る拓人に、桃華はバッと顔を上げて拓人の方を向く。
「俺さ、今日河原で桃華が寝てる時、桃華と出会った頃のこと思い出してたんだ。そしたらな、今がどれだけ幸せかって分かって、すごく泣けてきた」
拓人は桃華を前に向かせるようにクルリと桃華の身体を回転させ、再び後ろからぎゅっと抱きしめた。
「こんなこと言ったら桃華に怒られるかもしれねぇけど、俺、リナさんに嫉妬してる桃華を見て、すごく嬉しかった」
拓人はそっと桃華の肩に顎を乗せる。
「だってさ、今まで俺が桃華の周りに居る男に嫉妬して怒り狂うことはあってもさ、桃華は全然そんなことなかったじゃねぇか。
だから、桃華があんなに取り乱す姿見れて、すごく嬉しかった」
「べ、別に嫉妬なんか……」
「違った?」
拓人が覗き込むように桃華を見つめ、桃華は「違わない」と小さく漏らした。
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
選ばれたのは美人の親友
杉本凪咲
恋愛
侯爵令息ルドガーの妻となったエルは、良き妻になろうと奮闘していた。しかし突然にルドガーはエルに離婚を宣言し、あろうことかエルの親友であるレベッカと関係を持った。悔しさと怒りで泣き叫ぶエルだが、最後には離婚を決意して縁を切る。程なくして、そんな彼女に新しい縁談が舞い込んできたが、縁を切ったはずのレベッカが現れる。
【完結】やさしい嘘のその先に
鷹槻れん
恋愛
妊娠初期でつわり真っ只中の永田美千花(ながたみちか・24歳)は、街で偶然夫の律顕(りつあき・28歳)が、会社の元先輩で律顕の同期の女性・西園稀更(にしぞのきさら・28歳)と仲睦まじくデートしている姿を見かけてしまい。
妊娠してから律顕に冷たくあたっていた自覚があった美千花は、自分に優しく接してくれる律顕に真相を問う事ができなくて、一人悶々と悩みを抱えてしまう。
※30,000字程度で完結します。
(執筆期間:2022/05/03〜05/24)
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
2022/05/30、エタニティブックスにて一位、本当に有難うございます!
✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
---------------------
○表紙絵は市瀬雪さまに依頼しました。
(作品シェア以外での無断転載など固くお断りします)
○雪さま
(Twitter)https://twitter.com/yukiyukisnow7?s=21
(pixiv)https://www.pixiv.net/users/2362274
---------------------
極上の一夜で懐妊したらエリートパイロットの溺愛新婚生活がはじまりました
白妙スイ@書籍&電子書籍発刊!
恋愛
早瀬 果歩はごく普通のOL。
あるとき、元カレに酷く振られて、1人でハワイへ傷心旅行をすることに。
そこで逢見 翔というパイロットと知り合った。
翔は果歩に素敵な時間をくれて、やがて2人は一夜を過ごす。
しかし翌朝、翔は果歩の前から消えてしまって……。
**********
●早瀬 果歩(はやせ かほ)
25歳、OL
元カレに酷く振られた傷心旅行先のハワイで、翔と運命的に出会う。
●逢見 翔(おうみ しょう)
28歳、パイロット
世界を飛び回るエリートパイロット。
ハワイへのフライト後、果歩と出会い、一夜を過ごすがその後、消えてしまう。
翌朝いなくなってしまったことには、なにか理由があるようで……?
●航(わたる)
1歳半
果歩と翔の息子。飛行機が好き。
※表記年齢は初登場です
**********
webコンテンツ大賞【恋愛小説大賞】にエントリー中です!
完結しました!
【完結】お飾りではなかった王妃の実力
鏑木 うりこ
恋愛
王妃アイリーンは国王エルファードに離婚を告げられる。
「お前のような醜い女はいらん!今すぐに出て行け!」
しかしアイリーンは追い出していい人物ではなかった。アイリーンが去った国と迎え入れた国の明暗。
完結致しました(2022/06/28完結表記)
GWだから見切り発車した作品ですが、完結まで辿り着きました。
★お礼★
たくさんのご感想、お気に入り登録、しおり等ありがとうございます!
中々、感想にお返事を書くことが出来なくてとても心苦しく思っています(;´Д`)全部読ませていただいており、とても嬉しいです!!内容に反映したりしなかったりあると思います。ありがとうございます~!
殿下には既に奥様がいらっしゃる様なので私は消える事にします
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のアナスタシアは、毒を盛られて3年間眠り続けていた。そして3年後目を覚ますと、婚約者で王太子のルイスは親友のマルモットと結婚していた。さらに自分を毒殺した犯人は、家族以上に信頼していた、専属メイドのリーナだと聞かされる。
真実を知ったアナスタシアは、深いショックを受ける。追い打ちをかける様に、家族からは役立たずと罵られ、ルイスからは側室として迎える準備をしていると告げられた。
そして輿入れ前日、マルモットから恐ろしい真実を聞かされたアナスタシアは、生きる希望を失い、着の身着のまま屋敷から逃げ出したのだが…
7万文字くらいのお話です。
よろしくお願いいたしますm(__)m
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。
しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。
私たち夫婦には娘が1人。
愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。
だけど娘が選んだのは夫の方だった。
失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。
事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。
再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる