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自分のスタイル

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 マリアの魔法の才能に嫉妬を抱きながらも、この子はどこまで強くなることができるのだろうか楽しみにしている自分もいた。

「さすがマリアさんですね、これは私も負けていられません」

 ティナもマリアの成長速度に負けじと魔力を高め少しでも制御出来る魔力量を増やそうと頑張っている。

 そんな日々を過ごしながらついに獣王国手前までやってきたがここできな臭い噂話がよく聞こえるようになってきた。

 なんでも人気の無い路地裏や夜道で突然何者かに襲われて大怪我をしたり、中には今まで出来ていたことが急に出来なくなったりと不可思議なことが起こっていると

「今まで出来ていたことが出来なくなったりっというのは俺のスキルみたいだな。俺の場合は奪いはするが全てを奪うわけでは無かったし、レベルが上がった今なら奪うことも出来るけど」

「もしかしたらだけどマーケドックの持っている強欲スキルが、ナイト様のスキルに似た能力を持っているのかもしれないですね。つまり、マーケドックは獣王国にいる可能性が高いかもしれないってことですね」

 ティナが噂から可能性を積み上げていく。

「獣王国に着きましたら至急お母様にこのことをすぐ連絡して対応してもらいます」

 思っているより早く、もしかしたらまたマーケドックと出会うことになるかもだな。しかも、この国には強いものが集まっているからスキルを本当に奪っているのだとしたら更に強くなって俺達の前に現れてシルキーだけでなく他のみんなを………

 そんなことを考えているとティナがいつの間にか強く握りしめていた手に触れてくる。

「大丈夫ですよナイト様。私たちだって簡単にやられたりしませんし、何より今の私たちは成長中です。今日より強く明日は更に強くなって見せます」

 どうやらいつの間にか俺は、体に力が入ってしまっていたようだ。そんな俺に優しく触れてくるティナの手は力の入りきった体を解していった。

「そうだな、もしマーケドックが俺と同じような力を持っていて人々を襲って力を手に入れているとしたら、それに負けないくらい俺達も強くなればいいだけだ」

「その通りです、私たちならもっともっと強くなれるはずです」

「獣王国についたら修行の第二段階に進めるとするか、ここでなら戦う相手を探すのに苦労しないだろうし」

「修行の第二段階ですか?戦う相手に苦労しないということは実戦形式ですか?」

「そうだな、実戦で今までやってきたことを瞬時に判断して応用して更にそれを対人戦用に仕上げていくの繰り返しでようやく自分のスタイルを掴めていくはずだ」

「自分のスタイルの確立ですか?基礎修行での弾幕を実戦でどのくらい使えるか早く試したいです」

「私も魔力制御の上達で得た力を更に活かせる実戦を早く試してみたいですね」

 二人共、修行の効果を早く試したくてウズウズしているようだ。
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