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 そこは、薄暗く目を凝らしてようやく人影が確認出来る部屋に一人の男がはいる。

「遅くなりすいません。色々ありまして報告が遅くなりました。」

 フーと息が聞こえると同時に煙が体に巻き付くかのように体のそばを吹き抜ける。

「これだけ遅くなったんだから悪い報告なら容赦しないわよ。」

 ゴクッと息を飲む音が聞こえる。

「申し訳ありません。件の魔道具屋ですが、妙に強いガキと連れの錬金術師に邪魔されてしまい追い出しに失敗してしまいました」

「聞き間違いかしら?私は、悪い報告なら容赦しないと言ったはずよ。」

「はい、ですが、必ずや貴方様に良き報告をお持ちするために新たな策を講じているところです」

「私は、嘘をつくのは好きだけど嘘をつかれるのが大嫌いなの。言ってる意味わかるわよね?もしまた失敗するようなことがあれば」フーと先程は吹き抜けた煙が体を締め付けながら宙に上がっていく。

「失敗した後空から落とされるのと体をバラバラにされるのどちらかを選ばせてあげるわ。」瞬間煙がまた吹き抜け地面に落下してしまう。

「必ずや次は良き報告をお持ちします。」

「分かったのなら周りの連中にもしっかり伝えなさい 次は無いとね、用はそれだけならさっさと出ていきなさい。私は、暇じゃないの」

 男が去り再び暗く静かな部屋になったと感じたが

「姉様、よかったの?あんなクズに任せちゃってどうせまた失敗しちゃうわよ。」気配もなにもなく、いつの間にかその女は部屋にいた。

「あらっいつ来たの?来るなら来ると連絡したら良かったのに。いいのよ、失敗しても成功してもどちらにしても私には、得があるのだから、フフッフッフフハハハこれでのこのこあの女が出てくれば一緒に始末してやるわ」

「もし失敗したらあのクズ達食べちゃってもいい?あんなのでも私に食べられるなら国の役に立てるんだもの。名誉なことでしょ?」

「食べてもいいけど、食べるなら骨までしっかり食べなさい。貴方たくさん食べるのはいいけど片付けが大変なんだから。」

「だって数はいて食べ放題はいいけど弱いくせに暴れるのもいるから食べる前に壊してしまって片付けが面倒になってしまって」

「なら仕方ないわね。国の役に立てるのに暴れるなんて不敬だわ。そうだ、その時は私が空から落として動けなくしてあげるからゆっくり食べなさい。それならきれいに食べ切れるわね?」

「姉様賢いわ。さすが第一後継者ね、姉様がいるならこの国は安心して暮らせるわ。早くあの邪魔なブスをこの国から出さないと姉様が安心して寝れないわ」

 暗闇の中、お互い気配がないまましばらく話が続いた。
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