上 下
8 / 10

教えてください

しおりを挟む
「リックお兄ちゃん頼みたいことがあるんだけどいいかな?」イリスが不安そうな声で話しかけてきた。最近は色々なとこで手伝いをしたり、習いに行っていて忙しそうにしていたがどうしたのだろう。

「イリスの頼み事なんだから聞いてあげるよどうしたんだ?」

「私にリックお兄ちゃんの剣での戦い方を教えてください。お兄ちゃんが裏庭で訓練しているの見てとってもキレイな剣だと思ったの」

「俺の剣がきれい?あ~昔団長からもらったお下がりだけど大切に使ってるからな。なんでも刀って武器らしい、これは切れ味が鋭く達人になれば目に見えない速さで敵を切ることがらしいし、美術品としても有名なんだ。」

「私がきれいって言ったのはリックお兄ちゃんのその刀を使う時の動きだよ?確かにその刀きれいだけど」

「えっ俺の動き!!あっそっちのほうか、あっそうかそうかいやなんか照れるな、まさか俺のことを言ってくれるなんて。しかし、どうして戦い方なんかを」

「教会に子供を亡くしたお母さんやお父さんがたまに来てあの子にもう少し早く教えてやっておけばとか後悔とか懺悔に来る人も中にはいて、そんな話を聞いている内に私も習おうと思ったんだけど、イリスにはまだ早いとか言われて相手にされなかったの」

「なるほどな、俺もイリスにはまだ早いと思う人達と同意見だ。それでも俺に習いたいか?」

「うん、リックお兄ちゃんみたいに動けるようになりたい」

「なら、最初の試験だな。体を動かすにはすぐには無理だからまずは体を作らないといけない。おっと勘違いするなよ、体が出来るまで教えないとかじゃないからな。だから、まずは五キロを止まらず動けるように毎日少しでも走るようにして体力をつけろ、戦いでは何事も体力のあったやつが有利になるからな、次に体の柔軟だなどれくらい体が柔らかいか見せてみろ」

 私はリックお兄ちゃんに色々な体勢で体の柔らかさを見せていった。

「女の子だけあって体の柔らかさは十分だな。でも刀を使う時はこの柔軟さに速い動きをしても大丈夫なしなやかな筋肉も必要になるからこれからは速い動きもくわえて体を鍛えていこう。これは動きを覚えてもすぐできるわけじゃないからな」

 リックお兄ちゃんは、私のことをしっかり見て無理がないように教えてくれようとしてくれている。やっぱりリックお兄ちゃんに頼って良かったな。

「最後にもう一つこれは昔俺が使っていた木刀だ、練習用と本番用の2つがある。持ってみろ」

 私は、リックお兄ちゃんに言われたように木刀を二本持とうとするとその重さに驚いた。練習用は予想通りの重さだったが本番用のは見た目は同じなのに全く重さが違った。

「驚いたか?本当の刀はものにもよるがもっと重いのもある。それを高速で動かせるようになるにはそれ相応の訓練が必要だ。先ずは練習用の方でゆっくり型を体に教えながら100本の素振りをする。そこまでやって体が出来てきたら本格的に教えてやる。イリスは物覚えがいいから暇な時は俺の型をよく見ればいい。だけど勝手にやらないようにな、変な癖がついたら直すのが大変だから逆に1から教えるほうが俺も成長を見れて楽しいから」

 私は、この日からリックお兄ちゃんとの訓練も日課にいれた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男女比がおかしい世界に来たのでVtuberになろうかと思う

月乃糸
大衆娯楽
男女比が1:720という世界に転生主人公、都道幸一改め天野大知。 男に生まれたという事で悠々自適な生活を送ろうとしていたが、ふとVtuberを思い出しVtuberになろうと考えだす。 ブラコンの姉妹に囲まれながら楽しく活動!

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

強奪系触手おじさん

兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

処理中です...