男の子だと思って拾ったガキが実は女の子で数年ぶりに再会したら団を仕切っていた

みんなの呼び方

「さっここが私の部屋よ好きに使って大丈夫だからね。遠慮しないで入って入って」メルさんにうながされるまま部屋に入る。まっメルさんが腕を握っているので遠慮もなにもないんだが

「は～いいわね。私にもついに妹が出来たわ、私本当に妹が欲しかったのよ。ほらっリックはうるさいし汚いでしょ？それにレンもミトさんのことに夢中だし。そんなところにイリスちゃんあなたがやってきたのよ。これからは、私があなたを守ってみせるからいくらでも頼ってね。」メルさんは、若干強引なとこあるけど本当に優しい人だってことが伝わってきた

「めっメルおっお姉ちゃんあっありが・と・う」

　んっメルお姉ちゃんが固まってしまった。一体なにが起きてしまったんだろう？

「キャーッもうイリスちゃんったらもーこれは正式に私の妹にするしかないわ♥イリスちゃん私があなたのお姉ちゃんになっていい？なっていいわよね」メルお姉ちゃんが凄いことになってしまったどうしたらいいんだろうか？

　ドドドンと部屋が激しくノックされリックさんがドアを開けて入ってきた。「一体どうしたんだ？こっちにまで悲鳴が聞こえてきたぞ」

　メルお姉ちゃんがリックさんの登場で落ち着きを取り戻し冷たい表情で「何でもないわよ。乙女の部屋に入ってこないで、ミトさんに覗かれたって訴えるわよ」とリックさんになんとも理不尽なことを告げてリックさんは静かに部屋を去っていった。

　今度リックさんと話す時は優しくしてあげよう。流石に今のは理不尽過ぎて可愛そうだ。そのあとは落ち着きを取り戻したメルお姉ちゃんが、ここでの生活について色々教えてくれて気づけば外は暗くなっていてミトさん達に呼ばれるまで話に夢中になっていた。

「さっ色々作ったからみんな仲良く食べましょうね。そして、まずはイリスちゃん私達傭兵団ギルド天の矛へようこそ。これから、色々なことがあると思うけどみんなで楽しくやっていきましょう。私達は今日から家族同然なんだから」

「はいはいはーい、今日から私はイリスちゃんのお姉ちゃんよ。イリスちゃんからちゃんとメルお姉ちゃんって言ってもらえたんだからね」

「あらあらそうなの？なら私はなんて呼んでくれるかしら？」ミトさんが期待に満ちた目でこちらをみてくる。

「みっミトお姉さん、メルお姉ちゃん、リックお兄ちゃん、レンお兄さん今日から、お世話になります」

　みんなから歓声が響き渡る。「ま～いいわねっミトお姉さんかっ♥」みんな呼び方一つでこんなに喜んでくれるんだ、なんか嬉しいな。

　その日のご飯は賑やかで楽しいご飯になった。