灯台と怪物

「今でも灯台の中で怪物が眠っている、なんて言えば……おかしいかしら?」

 幼い頃に訊いた、曾祖母の言葉。
 その意味はずっと解らなかったけれど、知ることになった夏の出来事。

 ―――口づけひとつ下さらない貴方を慕う私も、愚かで醜悪な怪物なのでしょう。
 ―――貴方は私の灯台です。


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