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エピローグ

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翌日、燃え尽きた尖塔に兵士たちが向かった。尖塔そのものの構造に影響はなかったが、ミシュアの遺体や指輪は見つからなかった。
 
ソイメル兵士長は一命を取り留めた。しかし、これまでの業務に復帰できる見込みは立たずにいる。

ロイスとエアリーの結婚式は半年後に延期となった。ロイスが王国の平穏を取り戻す事を優先したからだ。


半年後、ロイスとエアリーは結婚式を挙げた。町人たちはミシュアの件はもう忘れてしまったかのように二人を祝福した。二人は新しく作成した指輪を交換した。


ある日の昼下がり、ロイスはおもむろにエアリーに話しかける。

「指輪の力の件なんだが」

「ええ」

エアリーが緊張した面持ちで返事をする。

「あれから少し調べてみたんだ。そうすると、かつて俺の先祖とミシュアの先祖との間に子どもが生まれたんだが、俺の先祖は子どもが生まれて間もなく死んでしまったらしい。ミシュアの先祖は生涯相手のことだけを死ぬまで想い続けたそうだ。子供には構わずに」

「そんなことが……」

エアリーが呟いた。

「もしかしたら、ミシュアはその先祖の怨念を引き寄せてしまったのかもしれないな」

「でも、気持ちはよくわかります。私だってそうなってしまうかも」

「お互いに強く生きねばならないな。この子の未来のためにも」

ロイスはエアリーの大きく突き出した腹を摩った。
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