異世界転生したゲイが好みの男たちをおいしく頂くだけの話

たみしげ

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酒場の店主

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俺はかつてしがないゲイのサラリーマンだった。
残業続きの社畜として過ごす日々の合間を縫って一夜限りの相手と情を交わし合う日々は、大変でもあったが性に合っていてどうにかやっていけていた。

そんな俺が何故か不思議ファンタジー世界に転生して冒険者らしいものになってしまったらしい。
正直転生したという自覚はあまり無い。何故なら見た目も身体能力も特に変わりないからだ。
前世の最期の朧げな記憶は、目の前でトラックに轢かれそうになっていた猫を助けようと飛び込んだことだ。どう考えても致命傷だったろう。
しかし俺にはそこからの記憶が無く、気づいた時にはこのファンタジー世界にいた。
生まれるところからやり直しとかでもないそのままのスライド移動。こんなパターンもあるのか異世界転生。

元の世界にあまり未練が無いのは幸いだった。どちらかと言えば遊び人だったので残してきた恋人などもおらず、家族とも疎遠だったので然程心は痛まない。

そしてこの世界には既に勇者一行がいて、突然現れて何も目立った特技の無い俺は特に見向きもされない存在になっていた。

致し方なく、一般人に紛れて日銭を稼ぎながら日々を過ごすのが専らの生活だった。

大きな目標も無く生きていた俺にとって比較的のんびりとしたこの世界は、仕事に急かされる事がなく、残業も嫌な上司もおらず、それだけで万々歳と言えた。異世界万歳。

強いて難点を挙げるとすれば、男同士の出会いの場が無いことだった。
まずネットが無いし。匿名性のある出会いの場が知る限りでは無い。
ゆるりとしたスローライフを送っているからといって、ゲイをオープンにして良いものかは判断が難しく、性欲は溜まる一方だった。
ここに来て1ヶ月は経つがその間の出会いは0である。これでは遊び人の名が廃る。こんなに長い独寝の夜を過ごしたのはいつ以来か。良い加減ちんこが爆発しそうだ。

そんな俺が最近見つけた発散の場オアシスは部屋を借りている宿から10分は歩いたところにある酒場だった。

人の出入りが激しい酒場は何軒か目をつけていて、酒に酔いしれて紅潮し気の大きくなった男たちは大いに目の保養になる。ああ、行きつけだったゲイバーが懐かしい。
そんな中で、この酒場の若い店主は俺の好みに刺さった。
サラサラとした黒髪にオレンジがかった瞳を瞬かせる甘いマスク。
それが快活に笑う様は仕事の疲れを吹き飛ばしてくれる。
彼に出会ってからは仕事終わりは必ずと言って良いほど足繁く通っている。

「旦那!いつも贔屓にしてもらってありがとうございます!」

ニコッと笑顔を見せて酒を注がれた日にはチップを渡して「この後仕事終わりにどう?」なんて軽口を叩きたくなってしまう。
ここがそういう店だったらいくらでも誘いようはあったものの、俺にできるのはただ礼を述べてお行儀よくジョッキから冷えた炭酸を啜ることだけだった。

眩しい笑顔を振り撒きながらテキパキと店を回すその姿を肴に酒を煽るのも乙ではある。

初入店時から下世話なことは考えないようにしてきたがーー虚しくなるだけなのでーーしかし、あの可愛い顔とむっちりとした体でエッチなサービスとかしてもらえたら最高なのになぁ!

繁忙期でも週1は遊ぶことを忘れなかった男が1ヶ月も相手を見繕えず、好みの男を指を咥えて眺めながら酒を煽る仕事終わり、こんなことを考えてもしまうものだ。

はぁ、とため息をついて残った酒を飲み干した。
店主に向かって軽く手を挙げて、勘定の意を示す。店主は「まいどー!」と声をあげて会釈した。

もはや常連なので金をテーブルに置いておけばそれを回収してもらえる。いつものようにそうして立ち上がると店主がこちらに向かってまっすぐ歩いてくるのに気がついた。

こっちのテーブルでも片付けに行くのかな。

とりあえず避けて店の出口に向かおうとすると、俺は店主にぐっと腕を掴まれた。

「えっ」

店主はいつもと変わらずニコニコと笑顔を湛えている。だがその頬が少し上気しているように見えるのは目の錯覚か。

「ちょっとの間頼むよ~」
「はーい」

この酒場は店主が1人で営業しているわけでなく、たいてい手伝いが1人か2人は居る。
その1人に声をかけて、店主は俺の腕を引いて店のカウンターまで引っ張っていく。

「えっ。えっ?」

珍妙な光景を気にする客は誰もいない。この店の連中は酔っ払いすぎじゃないか?
されるがままに引っ張られた俺を、店主はカウンター奥の戸を開けて連れ込んだのだ。

突然の行動に俺の頭の中はハテナで埋め尽くされていた。

初めて見たがここは食材や調理、掃除に使う道具が並んだ裏の物置のような部屋らしい。
綺麗に掃除されているようで埃っぽくもない。店主のマメな性格が窺える。

ほんのりと橙色の明かりが灯っていて、扉の向こうから僅かに漏れ聞こえる酒場の喧騒が無ければ、再び違う世界に飛んできたと思うほどに落差のある空間だった。

なんとなく雰囲気のある部屋の空気に勝手に気分が浮つく。
たとえ相手にその気がなくとも、こんな手を伸ばせば届く距離、人の居ない密室に連れ込まれた高揚はゼロではない。

「あ、あの店主さん?何かありましたか?」

気を抑えつつ問いかけた。
こんなイベントが発生する数少ない心当たりは、前回の支払いが足りなかったか、自分の邪な視線がバレたか。
毎回お金はしっかり数えているし、邪念は自分では気をつけているつもりだった。
なんにせよ出禁になっては困る!俺のオアシスが!
なるべく低姿勢を心がけて様子を伺うも、店主の反応は無い。

薄明かりの中で自分より僅かに低い頭が俯いていては表情も窺えない。
ただ掴まれていた腕が改めて弱い力でギュッと握られ、その仕草にドキリとした。

「店主さん……」
「あ、あの……」

ようやく口を開いた店主がこちらを見上げて目と目が合った。

上気して潤んだ瞳に半開きの口元からはふ、と息を吐いてしなだれるように腕に体重をかけられると、あっという間に鼓動が速くなりあらぬところにまで血液が回っていくのを感じた。

「サービスを……しないと……」
「ええっ!?」

あらゆる勘違いの可能性に頭を巡らせる間もなく、店主のスラリとした指先が股間に触れた。

「ちょっ」
「あ、あの……触っても、良いですか」

既に暴発しそうな股間に遠慮がちに置かれた手と、爽やかの象徴のような店主が情欲に濡れてどこか恥じらいながらも能動的に触れようとしてくる様は、冷静な思考を奪っていく。

「……はい」

何が「はい」なのか分からないがとりあえず肯定する。
店主はごくりと唾を飲み込み、辿々しい手つきで人のズボンを寛げて怒張を取り出した。その指先が布越しに触れる感触と、この情景だけで暴発しそうだった。

「……」

店主は既に勃起してそそり立っているものに一瞬どうしたら良いか分からなそうに固まったが、俺の方を窺いながらそれに恐る恐る手を伸ばし包み込んだ。

「っ……くぅ……」

触って良いという許可はしたものの未だに状況を飲み込めていなかったが、ひとまず天を仰いで神に感謝した。

神様ありがとう!エッチすぎる!

店主はこういうサービスを日常的にしているのか?この酒場は実はそういう店だったのか?
その割に店主の手つきはどこか辿々しい。でもこんな風に誘われたならそういう対象で見ても良いか?

目まぐるしく回る邪念と疑問に思考がまとまらない。
顔を真っ赤にして両手で肉棒を撫でる動きは拙いが、それだけでもう射精しそうだ。
念願の人との触れ合い、あまりに良いシチュエーション。

「ねぇ、俺も触って良い?」
「へぇ!?」

大胆なやり方と裏腹に初心な反応で戸惑う店主は「あの、その」と肌を紅潮させて言葉に詰まった。

「サービスの一環でだめ?嫌になったら止めるから。何ならお金も払うから。ずっと触りたかったからもう限界なんですお願いします」

人生で最も情けない迫り方をしている。興奮のままに畳みかける最低な誘い文句を、店主は濡れた瞳で戸惑いの表情と共に受け止めていた。そしてしばし逡巡したかと思うと、恥じらうように目を伏せて、こくりと頷いた。
高揚で体が熱くなるのを感じ、勢いのままに店主の股間に手を這わせ揉み込んだ。

「あっ……うぁぁ……あぁぁぁっ」

店主は腰をカクカクと揺すりながらも懸命に震える指先で男の肉棒を辿って刺激を与えようとする。
蕩けた表情で熱っぽく喘いで、濡れた目で時折こちらの様子を伺って目線が合う。

「う、たまんねぇ」
「ああぁっ♡は、げし、っ♡ですっ♡っ~~♡」

竿の裏筋を優しく撫でて焦らし、もどかしそうに腰を振らせたところで掌で包んで上下にシゴく。プルプルと震える先からドプ、と精液が吐き出されると、店主は色づいた頬を男の胸元に預けてしなだれかかってきた。
脱力した体は息をする度に上下して、触れたところから熱が伝わってくる。

「っ……♡はぁ……♡だん、な……♡」
「………はぁ、やばい」

久しぶりの性行為に満たされていく。触れて良い好みの男が目の前にいることのなんと幸せなことか。
しかしなまじ軽いエロ行為に及んだことで問題が浮上していた。

「気持ち良かった?」
「っ……♡……は、い……♡でも、おれ……♡」
「ごめん1つお願いがあって」

店主が疑問符を浮かべてこちらを見る。その表情すらエロくて可愛い。

「俺、イケてないんだよね」
「あっ、っ……♡……あ、の」
「後生だからお尻を触らせてくれないか。妄想しながら抜くから!」
「っ……♡お、しり……♡」

駄目だったらせめて兜合わせを……!と思っていると店主は何と恐る恐る首を縦に振った。

「え?良いの?」
「は、はい……♡」
「……お尻の穴もちょっと弄って良い?」
「!?……あ、っ♡あな……っ♡」

店主は顔を赤くして口元に手を当ててしばし黙り込んだかと思うと、上目遣いに一瞬こちらを覗ってから目を伏せて、ぎこちなく頷いた。

俺は血が上った頭を回転させて近くの棚に目をやった。
木の実のオイルと近くの椅子の上のクッションを取って近くに置くと、「後で弁償するから!なんでもするから!」と喚きながら店主の尻を抱く。

「店主さん、いつもこういうことしてるの?」
「し、してない……です……」

様々な疑問が湧きつつも興奮には勝てない。店主に四つん這いになってもらうよう促すと、恥ずかしそうにしながらタオルを敷いた地面に伏せてくれた。
ズボンを脱がせると「あまり、見ないでっ♡」と言いながらふるふると頭を振っていて愛らしい。

「何で急に俺を誘ってきたの?」
「わ、わかんなっ……♡でも、そうしなきゃ、いけなくてぇっ♡」
「まさか義務?誰かに無理矢理やらされてる?」
「ちがっ……ぁっ♡ちがいますぅっ♡」

じゃあ店主さんの意思でエッチなサービスをしてるのか?エッチすぎないか?

「はぁ、可愛い。締まってるけどモチモチ弾力があって。エッチなお尻で最高」
「っ……♡ぅ……♡あぅ……♡」

自分の棒をシゴきながら店主の尻を揉んでいると、店主は尻を突き出す体勢になった。無意識か分からないが差し出された尻に興奮を抑えられず、鷲掴んだ尻たぶを親指でぐい、と開いてアナルを露出させた。

「あっ♡あぁ♡や、やめっ♡」

アナルは慎ましく窄まっていたが、外気に触れてヒクヒク震えている。
男は穴にオイルをたっぷり垂らすと、親指の腹を当てスリスリと撫で、中には挿れずグニグニと表面を押した。

「んいぃぃっ♡ぁっ♡っ♡あぅ♡くっ♡っ♡うん♡」

穴はくぱくぱと開いて男の指に弄ばれる。
店主は悩ましい声をあげて身を捩りお尻を揺すった。白いシャツ1枚は汗でじっとり湿って透けていて、悶える後ろ姿はいやらしく艶かしかった。
もう開発済かというくらいに悦がってくれる。
いっそう激しく己の肉棒をシゴキながら親指の腹をやや埋めてアナルを虐めると店主は犯されているように背を反らして悦がった。

「んっ♡ふぅっ♡あぅ、ぅ♡はぁっ♡あぁぁっ♡♡」
「お尻の穴緩んでるけど、ほんとに初めてなの?」
「んうぅっ♡し、らなっ、こんなっ、しらないぃっ♡♡」

親指の腹側だけ浅くアナルにぬぽぬぽと出し挿れすると、頭を左右に振って悶える。

「はぁっ♡♡あぅぅ♡くぅ、ん♡♡」

ぎゅっ♡ぎゅっ♡ぎゅっ♡、と肉穴が何度も指に食いついて、離すまいとする動きに逆らって指を抜く。

「んおぉっ♡ぉっ♡っ♡」
「可愛いなぁ、この穴。抜き挿しきもちよさそ」
「くっ♡うぅ、ん♡おかしくっ、なる♡おしり、やめてぇっ♡」
「なんで?きもちよくない?」
「んんっ♡なかが、じんじん、しますぅっ♡ゆびだめれすぅっ♡なでないでぇっ♡」

人差し指でアナルの縁をぐるりと撫でると痙攣しながら入口が僅かに緩む。穴に指を挿れると「っっ♡っ♡」と声にならない喘ぎを漏らして足がちょっとずつ開いていくのが堪らなくえろい。
この健気さとエロさに応えなくては遊び人が廃る。

人差し指を挿れたまま親指でアナルを広げ、開いた隙間からオイルを注ぎ足した。
それにも気持ちよさそうに「んっ♡っ、んふっ♡」と啼いて頭をクッションに押しつけてふるふると振っているのが唆られる。
ぬるぬるとした中を撫でながら指を深く挿れるとぷっくりとした膨らみに指が当たる。

「ここぎゅーって押したら気持ちいいよ。1回だけ押してあげる。その後はもうしないよ」
「んっ♡んっ♡や、ぁ」

ここを押すよ、と分からせるように膨らみの回りをスリスリ撫でるとそれだけで気持ち良いのかアナルが締まった。焦らしていると、そこに当てようとお尻を揺らしてしまっている。
咎めるように膨らみの手前をグリグリ押すときゅぅぅっとアナルが締まったのでそれに合わせて膨らみに触れてぐいっ、ぐいっ、と何度も押した。

「んんっっっ♡♡♡っ♡♡♡くぅ♡♡♡」

ぐちゅぐちゅっとアナルが痙攣して、カクカクと腰が振られる。そしてすぐに店主のちんぽからとぷとぷと精液が流れ出した。

もう片方の手で俺も自分のちんぽをしごいて射精し、店主のアナルにちょっとかけた。

ダメ押しで膨らみをぎゅーーっと押してから指を引き抜くと「ひぁぁぁんっっ」と啼いてお尻を切なそうにモジモジ揺らしてくれた。

「っ……ぁっ……♡だん、なっ……♡」
「ごめん……1回は嘘だった……ついいっぱい押しちゃった」

ぐっと持ち上がった尻たぶを合わせるようにぎゅっと揉むと「んふぅっ」と甘い声で悶える。

「最後に1回だけしごかせて」
「はぁっ♡っ……ぁっ♡」

ぴくぴくと震えている可愛いアナルに熱く滾った凶悪な肉棒を乗せる。
裏筋にちゅっ、ちゅっ、と控えめに吸いつくのが堪らない。
尻たぶを掴んで肉棒を挟み込むように揉みながらズリズリと擦り上げる。

「っ~~~♡くぅ、っん♡」
「はぁっ……♡はぁ、きもちいい」

引き締まって弾力がありつつも柔らかいお尻にサンドされながら濡れた穴を裏筋で擦り上げる快感に肉棒も大きさを増す。

「らめっ……れしゅっ♡い、ぐっ……♡もうっ♡いぎましゅっ……っ♡♡っ……♡♡♡」
「はぁっ、くっ……うぅ」

揉み込んで擦り上げ、精を吐き出した。店主の尻たぶの隙間から背中にかけてドプドプと白い液体がかかっていく。
ポタポタと床に垂れる液体を見て、店主も射精していることに気がついた。

ずり、と尻を伝って肉棒を降ろすと、擦れて刺激になったのか、ぴくっ、とお尻を浮かせるのがえっちだった。
性器として使われて仄かに色づいたお尻に白い液体が伝って、もどかしそうにお尻をムズムズと揺すっている。ぴくぴくとアナルが締まる様にまた臨戦体制になりそうな息子をどうにか宥め、手近にあったタオルで2人の身体を急いで綺麗にした。

悩ましい息を吐いている店主の色づいた体に触れるとどうしてもムラつきそうで危ない。
なるべく意識しないように布で秘部を擦ると、店主が頭を伏せて息を呑むのが伝わってきて俺は実戦で初めて素数を数えた。

その場を整えて店主を起き上がらせつつ様子を伺うと、まだぼんやりとしていて覚束ない。

そういえば店主は「サービス」と言っていた。ヤった後にすぐ金の話をするのは情緒が無いが、これが店の新しい商売だとすれば可能な限り課金したい。
俺は良客になる!

「ありがとう。すごく良かった。ちなみに値段はいくらくらい?」
「えっ……値段……?」
「うん」

店主は少し考え込んで首を傾げた。

「えっと、代金はもう、お支払い頂いてるんで……」
「えっ!?」

まさか、飲み代に含まれる、のか?

「良くない!ちゃんと金は取らないと」
「えっ、えっと、でも」

意気込んだところでいったん気を落ち着ける。いや待て、店の方針に外野が強く口を出すのも良くないか。店主困ってるし。

「分かった。俺、いっそうこの店に通うよ!元々好きで通ってたけど良くしてもらった分金を落とすよ!」
「あ、本当ですか」

「それは嬉しいです」とまだ熱っぽい表情ではにかむ店主を腕に閉じ込めてお持ち帰りしたらこの世界では罪に問われるんだろうか。

俺はせいぜい冷静なフリを装って引き際を弁えている客としてその場を後にした。
寝るまでに何度も思い返し、困惑と興奮のままにおかずにさせてもらった。



翌日、仕事を終えた俺はフラフラといつもの酒場に向かっていた。
昨日のことは何度思い出してもあまりにも都合が良すぎて夢ではないかと疑っていた。記憶の中の質感だけがあれは現実だったと訴えている。

あるいは俺にーーーそういう幻想を見る力が目覚めたとか?

店の扉を開けると店主はいつもの笑顔で「旦那いらっしゃい!」と出迎えてくれた。

拍子抜けして、「やっぱり夢だったのかなぁ、いやそれにしては」と悶々としながらとりあえず酒を注文する。

昨日はそんなに飲んだだろうか。いやしかし良い夢を見せてもらったとしても最高だったが。

冷えた酒を煽りながらあくせくと働く店主を眺めて目の保養にする。
しかしそうしていると昨日までは現れなかった卑猥なイメージが蘇ってきて、慌てて頭を振って煩悩を払う。

柔らかくも弾力のあるお尻の感触、濡れて蕩けた中、この手で責めると顔を真っ赤にして喘ぎながら快感を受け止める仕草。

「…………」

少しずつ飲んでいた酒を一気に飲み干すと勘定をテーブルに置く。前世では一気飲みは危険だがこの世界の酒は特別なのでこれくらいは平気であった。

勃起しかけている前を隠そうとして、いや出る前にトイレを借りた方が良いか?と逡巡していると、店主が目敏く見つけて俺の方へと向かってきた。

その光景にデジャヴを覚える。

平然とした表情で近づいてきて、進退を考えている俺の腕をそっと掴んだ時、スイッチが入ったかのように店主の頬が赤く染まっていった。

「あの、今日は……サービス……」

「していかれますか?」と消え入りそうな声で問われ、俺は昨日の何もかもが夢ではなかったことを悟った。
少し声を潜めて「お願いします」と囁くと、店主は悩ましげに眉を寄せ、腰を揺らめかせ、潤んだ瞳でこちらを見た。

目に見えて発情している店主の腕を引いてカウンターまで連れて行くと、店主は裏に通じる扉を開いて俺を連れ込んだ。
扉が閉まった瞬間に我慢できず「触って良い?」と尋ねると何とも訊かずに店主はコクコクと頷いた。

「他の男ともこういうサービスしてる?」

店主は大胆な真似をする割に初心な反応を見せる。
誰も居ない薄暗い部屋に堂々と男を招いておきながら、その体を後ろから抱きすくめるとどうして良いか分からないように弱々しく首を振る。

「し、ませんっ、他の、人とっ、ぃんっ」

臀部に股間を押しつけ昨夜の行為を思い出す。店主は腰が引けてしまうかと思ったが意外にもお尻をぎゅっと押しつけ返してきた。
むっちりとした肉に布越しで挟まれて心地良い快感がちんぽを包む。

「じゃあ何で俺は?」
「それ、はっ……♡っ……♡」

コスコスとお尻に擦りつけると足がピンと立ってギュッ、ギュッと何度も尻たぶで揉み込まれた。この仕草も俺が教えたんだろうかと思うと股間が熱くなっていく。

「だんな、にはっ♡さー、ビス、っ♡れしゅっ♡」

はぁ♡はぁ♡と息を吐きながら、こちらを振り返る濡れた瞳と目が合う。

これが、こんなエッチなのが
全部サービス??そんな、そんなの

最高だーーー!

猛る欲望のままに、挿入しているかのようにちんぽを目の前の尻に擦りつけ、店主の股間にも手で触れるとしっかり勃起していて更に興奮した。
自分のちんぽを服から取り出し、店主の前を寛げて後ろと同時に責めると頭を振り乱して悦がる。

「あぁぁっ♡だん、なっ♡おれがっ♡ひぃっ♡しな、きゃ、っ♡」
「はぁ、っ、じゃあお尻でこれしごいてくれる?」

教え込むように尻たぶでちんぽを挟んで押しつけてみた。店主はうなじまでじんわりと染めて今にも泣きそうな、それでいて物欲しそうな表情でこちらを見る。拒否られるかと思いきや、おずおずと尻をちんぽに押し当てると、素直に「んっ、んっ」と上下に揺らし始めた。
この光景と刺激だけで当分おかずに困らない。
そのサービス精神に応えるべく、俺は空いた手で店主のちんぽをしごきながらむっちりとした胸をやわやわと揉んだ。

「んぁぁっ♡ら、めっ♡それぇっ……♡いぐっ……♡♡」
「くっ、……はぁ、やば……きもちいー」
「ひぃっ♡ぃっ♡うぁぁぁっ♡♡」

店主が背をのけ反らせて甘イキしている間も胸を揉みながら腰を振って尻でちんぽをしごき続けた。
「あぁぁっ♡」と啼きながら快感を逃すように身を捩るのがエロくて興奮する。

ぽたぽたと残滓を垂らしている陰茎の下、たまを揉むと「んぃぃぃっ♡♡」と声を上げて、逃げるようにお尻がちんぽに押しつけられる。

店主の反応を楽しみながらラストスパートでちんぽをしごいて、グリグリと尻肉に押し当てながら射精した。

「はぁっ♡、っ、はぁー」
「ひっ……♡ん……♡っ……♡」

ようやく下半身を離して、ふと下を見ると店主のちんぽからトプトプと精液が吐き出されていた。

蕩けた表情で射精して息をついている店主はこの上なくエロかった。
焦点の合わなかった視線が段々とこちらを捉えてくる。
息が少しずつ整ってくると、店主は何かを言い淀んで、恥ずかしそうに手で口元を隠しながら問いかけた。

「サービス……もっと、しますか……?……っ……♡」

一も二もなく俺が頷いたことは言うまでもない。





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