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15.義務と感情
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「――さま。メイベル様」
はっとメイベルが顔を上げると、すぐ近く、目と鼻の先にハウエルの整った顔があった。
「っ……!」
声をあげそうになって、神聖な場所だということですぐに口を押さえた自分は偉い。
「あ、すみません。声をかけても気づかれなかったので」
「いえ。私こそ夢中になって……ハウエル様はどうしてここに?」
「仕事が早く終わったのに屋敷のどこにもいないので、もしかしたらここではないかと……」
わざわざ探しに来てくれたらしい。忙しいのに申し訳ないことをした。
「そうだったんですか。すみません。一言言えばよかったですね。レイフと一緒に来たんですが……あれ、そう言えば彼はどこに?」
見渡しても、今いるのはメイベルとハウエルの二人だけであった。
「きっと退屈になって途中で抜け出したのでしょう。まったく……」
「まぁ、私ったらまったく気づかなかったわ……」
気にしないで下さいと彼は首を振り、メイベルの隣に腰を下ろした。最前列。二人してステンドグラスに描かれる聖女を見上げた。
「あなたのご先祖様に当たる方ですわよね」
「ええ。そういうことになりますね」
腰まで流れる銀色の髪に、伏し目がちに胸元に手を当てている乙女。かつてウィンラードの地を救ったという聖女がそこには美しく描かれていた。
(きっと慈悲深く、強い方だったんだわ……)
メイベルは尊敬の念をこめて聖女を見上げ、彼女の人生に思いを馳せた。そんな彼女の横で、同じくじっと見上げていたハウエルが口を開いた。
「聖女の持つ力というのは、受け継がれていくものではないんですね」
「ええ。その子が必ずしも同じ力を引き継ぐというわけではないようですわ」
だからこそ教会は躍起になって聖女を集めようとしていた。メイベルも孤児だった所を、不思議な力があるということで教会に報告され、引き取られたのだ。
「驚異的な治癒能力、でしたか? それはどうして女性にしか授けられないのでしょう」
「さぁ……大司教様たちの中には聖女というのは神の妻であり、夫である神が与えてくれた特別な力だ……なんておっしゃる方もいらっしゃいましたけど、本当のところはどうなんでしょうね」
メイベルの話にもなるほど、とハウエルは真面目腐った顔で頷いた。彼は冗談を言っても笑わない性質なのだろうとメイベルは思う。
「案外本当かもしれませんね」
「聖女は神の妻であると?」
ええ、とハウエルは聖女と同じ金色の目をスッと細める。
「彼女はウィンラードの地を救った後、領主と結婚したそうですが、しだいに治癒能力は失われていき、若くして亡くなったそうです。きっと、嫉妬した神が自分のもとへ戻るよう仕向けたのでしょう」
「なんだか……少し意外ですわ。ハウエル様がそんなふうにおっしゃるなんて」
「おかしいですか? 私がこう考えるのは」
「ええ」
彼はどこまでも現実主義者で、愛や嫉妬など馬鹿らしいと切り捨てる人間だと思っていた。
「そうですね。ですが、こう考えれば、納得もします。神は聖女が一人の女として生きていくことを許さなかった。彼女は多くの人を救うという役目を放棄し、男と結婚し、家族を作り、幸せになりたいという浅はかな欲を持ってしまった。だから、怒った神が彼女から力を奪い、もうこの世に生きている価値はないと彼女の寿命を縮めてしまったのです」
その言い方はどこか冷たく、ともすれば聖女という存在を侮辱しているようにも聞こえたが、メイベルは表情を変えずこう言った。
「あなたは聖女様が役目を放棄したと思うの?」
「いいえ。そこまでは……ただ、特別な能力を与えられた者は、自分の役目を最期まで全うしなければならないのではないか、と。ただのうのうと生き、権力を己が私欲のために使うのは許されないことだと思うだけです」
イヴァン教皇や大司教たち、そしてアクロイド公爵の顔がメイベルの頭には浮かんだ。彼らもハウエルからすれば地位にあった役目を果たしていないと言えるのかもしれない。
(でも――)
「ハウエル様。私がサイラス殿下に婚約を解消された理由をご存知ですか?」
突然そう切り出したメイベルに、ハウエルが怪訝な視線を向ける。
「たしか、クライン卿の娘であるシャーロット嬢と結婚するために婚約を解消されたとか」
「そう。彼は彼女と幼い頃に出会っていて、本当に愛する人だから、私とは結婚できないと告げられたんです」
「愚かですね」
淡々と、だが切り捨てるようにハウエルは呟いた。
「感情で未来の王妃を選ぶなんて、私にはとても考えられない」
「ええ。そうでしょうね」
メイベルも、同じだ。その点では自分はハウエルとよく似ている。
「でもね、ハウエル様。殿下はその後、父である陛下を説得し、宰相であるエヴァレット公爵を味方につけ、教会の反対を押し切り、結果的にはシャーロット嬢と結婚することを認めさせましたわ」
「……何が言いたいんですか?」
「つまり、それだけ人の気持ちや感情には大きな力を持っているということです。誰か一人の人間を好きになって、その人と結婚したい。ずっと一緒にいたい。幸せになりたい。……そういう誰もが持つ当たり前の願望が、前へ進む力になる。ウィンラードの聖女様だって、私たちと同じ存在だったと思いますわ」
メイベルはそう言って、微笑んだ。
「彼女はきっと、最初は義務感のようなものから人々を救っていたのだと思います。でも、この地に住んで、多くの人々と話して、そのうち年頃の娘らしく一人の男性を好きになって……誰かにそうしろと命じられるのではなく、自分の意思で、ウィンラードの人々や愛する人がいる地を守りたいと思うようになったのではないかしら」
自分から何かをしたいと思う気持ちは、とても大事なことだとメイベルは思う。
「だから、守ることができたと?」
「あなたからすれば、役目を放棄したように見えるかもしれない。結果的に彼女が若くして亡くなったことには変わりないから。もっと救うべき命があったかもしれないから……でも、それでも私は、彼女は最期まで役目を果たし、自分の人生に満足していたと思うわ」
メイベルがそう締めくくると、二人の間にはしばし沈黙が流れた。ハウエルはじっと何を考えているかわからない表情でメイベルを見つめた。
「以前から思っていましたが、貴女は人の感情、というのを大切にする方なんですね」
難しい本を読み終え、それに対する意見を述べるようなハウエルの言葉。メイベルは少し面食らうも、そうかもしれないと気づいた。
(サイラスのことも、腹は立ったけど、本当に愛する人なら仕方がないって思ったし、ハウエル様の時も……)
愛していなくても貴女を抱けると言われた時、メイベルは自分でも驚くほど嫌だと思った。冷静になってみれば、そんなこと貴族の夫婦にはよくあることだ。それなのにメイベルは許せなかった。だからハウエルを拒絶した。
「……あなたの言う通り、かもしれません」
自分の新たな一面、というか今まで気づかなかった点を指摘され、メイベルは戸惑ったように答えた。
「今まで誰かにそう言われたことはなかったのですか?」
「はい。どちらかというと、理性的というか、感情で何かを決める人間ではないと……」
――おまえは教会や議会とか、とにかく周囲に気を遣い過ぎだ。もっと自分がしたいようにやれよ。
サイラスにはよくそんなことを言われ、その度にあんたはもう少し周りに目をやりなさいと文句を言ったのだった。
(今思えば、サイラスがあんな調子だったからよけいに私がしっかりしなくちゃって思ったのかも……)
メイベルがそんなことを思っていると、なぜかハウエルが立ち上がり、メイベルのすぐ目の前にやってきた。腰を屈め、じっと自分を見つめるハウエルの顔。
「えっと、ハウエル様?」
「では、私が初めてメイベル様の新たな一面を知ったということになりますね」
「そう、ですね……?」
「それはよかった」
スッと背筋を伸ばし、そろそろ戻りましょうかとハウエルは手を差し出した。
「あ、はい。そうですね……」
機械的に手を重ね、メイベルはハウエルに立たせてもらう。
「今日の夕食はなんでしょうね」
「楽しみですね」
そんな会話をしながらも、先ほどの言葉は一体どんなつもりで言ったのだろうとメイベルは気になって仕方がなかった。
はっとメイベルが顔を上げると、すぐ近く、目と鼻の先にハウエルの整った顔があった。
「っ……!」
声をあげそうになって、神聖な場所だということですぐに口を押さえた自分は偉い。
「あ、すみません。声をかけても気づかれなかったので」
「いえ。私こそ夢中になって……ハウエル様はどうしてここに?」
「仕事が早く終わったのに屋敷のどこにもいないので、もしかしたらここではないかと……」
わざわざ探しに来てくれたらしい。忙しいのに申し訳ないことをした。
「そうだったんですか。すみません。一言言えばよかったですね。レイフと一緒に来たんですが……あれ、そう言えば彼はどこに?」
見渡しても、今いるのはメイベルとハウエルの二人だけであった。
「きっと退屈になって途中で抜け出したのでしょう。まったく……」
「まぁ、私ったらまったく気づかなかったわ……」
気にしないで下さいと彼は首を振り、メイベルの隣に腰を下ろした。最前列。二人してステンドグラスに描かれる聖女を見上げた。
「あなたのご先祖様に当たる方ですわよね」
「ええ。そういうことになりますね」
腰まで流れる銀色の髪に、伏し目がちに胸元に手を当てている乙女。かつてウィンラードの地を救ったという聖女がそこには美しく描かれていた。
(きっと慈悲深く、強い方だったんだわ……)
メイベルは尊敬の念をこめて聖女を見上げ、彼女の人生に思いを馳せた。そんな彼女の横で、同じくじっと見上げていたハウエルが口を開いた。
「聖女の持つ力というのは、受け継がれていくものではないんですね」
「ええ。その子が必ずしも同じ力を引き継ぐというわけではないようですわ」
だからこそ教会は躍起になって聖女を集めようとしていた。メイベルも孤児だった所を、不思議な力があるということで教会に報告され、引き取られたのだ。
「驚異的な治癒能力、でしたか? それはどうして女性にしか授けられないのでしょう」
「さぁ……大司教様たちの中には聖女というのは神の妻であり、夫である神が与えてくれた特別な力だ……なんておっしゃる方もいらっしゃいましたけど、本当のところはどうなんでしょうね」
メイベルの話にもなるほど、とハウエルは真面目腐った顔で頷いた。彼は冗談を言っても笑わない性質なのだろうとメイベルは思う。
「案外本当かもしれませんね」
「聖女は神の妻であると?」
ええ、とハウエルは聖女と同じ金色の目をスッと細める。
「彼女はウィンラードの地を救った後、領主と結婚したそうですが、しだいに治癒能力は失われていき、若くして亡くなったそうです。きっと、嫉妬した神が自分のもとへ戻るよう仕向けたのでしょう」
「なんだか……少し意外ですわ。ハウエル様がそんなふうにおっしゃるなんて」
「おかしいですか? 私がこう考えるのは」
「ええ」
彼はどこまでも現実主義者で、愛や嫉妬など馬鹿らしいと切り捨てる人間だと思っていた。
「そうですね。ですが、こう考えれば、納得もします。神は聖女が一人の女として生きていくことを許さなかった。彼女は多くの人を救うという役目を放棄し、男と結婚し、家族を作り、幸せになりたいという浅はかな欲を持ってしまった。だから、怒った神が彼女から力を奪い、もうこの世に生きている価値はないと彼女の寿命を縮めてしまったのです」
その言い方はどこか冷たく、ともすれば聖女という存在を侮辱しているようにも聞こえたが、メイベルは表情を変えずこう言った。
「あなたは聖女様が役目を放棄したと思うの?」
「いいえ。そこまでは……ただ、特別な能力を与えられた者は、自分の役目を最期まで全うしなければならないのではないか、と。ただのうのうと生き、権力を己が私欲のために使うのは許されないことだと思うだけです」
イヴァン教皇や大司教たち、そしてアクロイド公爵の顔がメイベルの頭には浮かんだ。彼らもハウエルからすれば地位にあった役目を果たしていないと言えるのかもしれない。
(でも――)
「ハウエル様。私がサイラス殿下に婚約を解消された理由をご存知ですか?」
突然そう切り出したメイベルに、ハウエルが怪訝な視線を向ける。
「たしか、クライン卿の娘であるシャーロット嬢と結婚するために婚約を解消されたとか」
「そう。彼は彼女と幼い頃に出会っていて、本当に愛する人だから、私とは結婚できないと告げられたんです」
「愚かですね」
淡々と、だが切り捨てるようにハウエルは呟いた。
「感情で未来の王妃を選ぶなんて、私にはとても考えられない」
「ええ。そうでしょうね」
メイベルも、同じだ。その点では自分はハウエルとよく似ている。
「でもね、ハウエル様。殿下はその後、父である陛下を説得し、宰相であるエヴァレット公爵を味方につけ、教会の反対を押し切り、結果的にはシャーロット嬢と結婚することを認めさせましたわ」
「……何が言いたいんですか?」
「つまり、それだけ人の気持ちや感情には大きな力を持っているということです。誰か一人の人間を好きになって、その人と結婚したい。ずっと一緒にいたい。幸せになりたい。……そういう誰もが持つ当たり前の願望が、前へ進む力になる。ウィンラードの聖女様だって、私たちと同じ存在だったと思いますわ」
メイベルはそう言って、微笑んだ。
「彼女はきっと、最初は義務感のようなものから人々を救っていたのだと思います。でも、この地に住んで、多くの人々と話して、そのうち年頃の娘らしく一人の男性を好きになって……誰かにそうしろと命じられるのではなく、自分の意思で、ウィンラードの人々や愛する人がいる地を守りたいと思うようになったのではないかしら」
自分から何かをしたいと思う気持ちは、とても大事なことだとメイベルは思う。
「だから、守ることができたと?」
「あなたからすれば、役目を放棄したように見えるかもしれない。結果的に彼女が若くして亡くなったことには変わりないから。もっと救うべき命があったかもしれないから……でも、それでも私は、彼女は最期まで役目を果たし、自分の人生に満足していたと思うわ」
メイベルがそう締めくくると、二人の間にはしばし沈黙が流れた。ハウエルはじっと何を考えているかわからない表情でメイベルを見つめた。
「以前から思っていましたが、貴女は人の感情、というのを大切にする方なんですね」
難しい本を読み終え、それに対する意見を述べるようなハウエルの言葉。メイベルは少し面食らうも、そうかもしれないと気づいた。
(サイラスのことも、腹は立ったけど、本当に愛する人なら仕方がないって思ったし、ハウエル様の時も……)
愛していなくても貴女を抱けると言われた時、メイベルは自分でも驚くほど嫌だと思った。冷静になってみれば、そんなこと貴族の夫婦にはよくあることだ。それなのにメイベルは許せなかった。だからハウエルを拒絶した。
「……あなたの言う通り、かもしれません」
自分の新たな一面、というか今まで気づかなかった点を指摘され、メイベルは戸惑ったように答えた。
「今まで誰かにそう言われたことはなかったのですか?」
「はい。どちらかというと、理性的というか、感情で何かを決める人間ではないと……」
――おまえは教会や議会とか、とにかく周囲に気を遣い過ぎだ。もっと自分がしたいようにやれよ。
サイラスにはよくそんなことを言われ、その度にあんたはもう少し周りに目をやりなさいと文句を言ったのだった。
(今思えば、サイラスがあんな調子だったからよけいに私がしっかりしなくちゃって思ったのかも……)
メイベルがそんなことを思っていると、なぜかハウエルが立ち上がり、メイベルのすぐ目の前にやってきた。腰を屈め、じっと自分を見つめるハウエルの顔。
「えっと、ハウエル様?」
「では、私が初めてメイベル様の新たな一面を知ったということになりますね」
「そう、ですね……?」
「それはよかった」
スッと背筋を伸ばし、そろそろ戻りましょうかとハウエルは手を差し出した。
「あ、はい。そうですね……」
機械的に手を重ね、メイベルはハウエルに立たせてもらう。
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