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ロイド⑤ 告白、覚悟
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「う~~寒い!」
真冬の夕方。日はすでに沈みかけ、リディアはアルバイトからの帰りだった。食堂で客の食べた皿を朝からひたすら洗い続ける作業はこの時期拷問ともいえる辛さがあった。
(でも普段より時給が高いのは助かる)
身体は冷え切っていたが、心はほくほくしていた。いつもはもっと夜遅くまで働いているのだが、今日は久しぶりに早く帰ることができて、夕飯を家でゆっくり食べることができるのも、とっても嬉しい。せっかくなのでちょっといいものでも買って帰ろうか……。
「リディア!」
スキップしそうな勢いで道を歩いていたリディアは「え」と立ち止まる。前方から、誰かこちらへ駆け寄って来るではないか。しかもこの声は……
「ロイド!」
白い息を吐きながら、ロイドがリディアに手を振っている。寒さのためか頬が紅潮して、なぜかいつもより様子が違って見えた。
「どうしてここに……実家に帰ってたはずじゃ」
「うん。でも色々あって早く帰ってきた」
「いろいろって……」
まさか彼の祖父、ハウレス公爵と喧嘩でもしたのだろうか。リディアの考えていることがわかったのか、ロイドは「言っとくけど」と素早く誤解を解いた。
「別に家にいるのが気まずくて戻って来たとかじゃないから」
「……本当ですか?」
「本当だよ。そしたらこんな堂々と会いに来ない」
たしかに。ロイドの性格的に、家の者と喧嘩して家を出てきたなど、あまり他人に知られたくない出来事だろう。……でもそしたらなぜ?
「……リディアに」
「わたしに?」
「…………たかったから」
「え?」
肝心な所が聞こえず、リディアは聞き返した。ロイドはだからと怒ったように言った。
「リディアに会いたくなったから」
「え」
びっくりするリディアに、なにその反応と口をへの字に曲げるロイド。だって……と彼女は戸惑ってしまう。
「そんなこと、あなたの口から聞けるだなんて思いませんでしたから……」
「本当のことだから仕方ないでしょ」
やや開き直った口調で言うと、彼はなぜか自身のマフラーを外し、リディアの首に巻き付けた。
「てか、すっごい寒そうなんだけど。なんでそんな薄着なの」
「ああ、これは……朝ドタバタしていて、慌ててバイト先まで行ったから」
「風邪ひくよ」
手袋まで外そうとする彼に、リディアはいいですよと止める。じゃあ、とロイドはごく自然にリディアの手を繋ぎ、そのまま歩きだした。
「え、え、ちょっとロイド」
「なに」
「いや、手……」
「こっちがよかった?」
と今度は指を絡ませてきた。ますます動揺するリディアに、前を向いたままロイドはつっけんどんに答えた。
「あんたが手袋いらないって言ったからでしょ」
「だ、だからって……」
これではまるで恋人同士ではないか。
「ほんとに、どうしたんですか。向こうで何かあったんですか」
「あったといえばあった」
あ、やっぱり。だから突然こんなことをしたのだ。
「何があったのか、よかったら話してくれませんか」
「そんなたいしたことじゃないよ。ただ自分の気持ちを改めて自覚しただけ」
「自分の気持ち?」
ロイドは立ち止まり、くるりと振り返った。真剣な表情に、リディアはどきりとする。
「俺、リディアが好き」
それはリディアにとって、生まれて初めての異性からの告白で、しかもあまりにも突然のことだったので、頭が真っ白になった。
「……それは、その、友人としてではなく?」
「友人としてもだし、それ以上の関係になりたいって思ってる」
それ以上の関係。つまり、恋人になりたいということだろうか。
(わたしと、ロイドが?)
「でも、ロイドは……」
「うん。俺は貴族で、ゆくゆくはハウレス公爵家の跡を継がないといけない」
だから、と先を続けようとする彼の言葉は寒さのためか、それとも緊張のせいか、わずかに震えていた。
「俺と一緒になって欲しいってことは、公爵夫人になって欲しいって意味にもなる」
「そんなの、無理ですよ」
深く考えるより先に、リディアは否定してしまった。
「わたしは平民ですし、あなたの家柄とはどうしたって吊り合いません。貴族のご令嬢が学んできた礼儀作法や心構えも、まったく知らないんですよ?」
何より、周りが絶対に許してくれない。
「……家柄が吊り合わないのは、リディアがどこかの貴族の養子になれば解決できるし、結婚は当人たちの問題でしょ。周りが何と言おうが、関係ない。出自よりも、中身が大切だと俺は思ってる」
「でも!」
「将来誰かと歩むなら、リディアがいい」
己を真っすぐと見つめる目に、ああ、彼は本気なんだとリディアは悟った。だからといって、彼への気持ちを受けとめることはできなかったけれど。
「ロイドの気持ちは、嬉しいです。でもお受けすることはできません」
「……俺のこと、嫌い?」
ふるふると首を振る。
「嫌い、じゃありません」
同じクラスになって、たまたま隣の席になって、学園生活でおそらく初めてまともにできた大切な友人だ。冷たいように見えて、実はいろいろと気にかけてくれる優しい人だということも、今はよくわかっている。
「たぶん、わたしもあなたのこと、好きです」
このままずっと一緒にいれば、ロイドのことを確実に特別な男性として意識するだろう。今だって、たまにドキドキすることがあるくらいなのだから。
「じゃあ、なんで?」
「……結婚は、あなたが思うよりずっと大変なことです。いくら当人同士の問題だといっても、どうしたって周囲にも影響を与えます」
いや、こんなことは結局言い訳に過ぎないかもしれない。本当は――
「わたしは、怖いんです。自信がないんです」
周囲が反対しても、ロイドだけは味方でいてくれる。でもそれは裏を返せば、彼しか頼る者がいないということだ。
もし、ロイドが他に好きな人ができてしまったり、愛人を作ってしまったら――彼は決してそんなことをしないとわかっていても、キャスパーの連れてくる女性の様々な事情を見聞きしてきたリディアにとって、楽観した未来を描くことは難しかった。
「それに、以前ロイドには話したかもしれませんが、わたしの父は病気の母を放って自身はやりたい放題でした。わたしの中で、それがけっこうトラウマになっていて、結婚に対してあまり良いイメージがないんです」
誰かと一緒になって人生をめちゃくちゃにされるくらいなら、一生独りでいた方がマシだ。リディアの中で、ずっと蓄積されてきた思いだ。
「だから、どうか考え直して下さい」
「それは諦めろってこと?」
「はい」
辛かったが、はっきりと断った。
(そうだ。今まで特に何も気にせず彼と接してきたけれど、彼ももう十六だ。公爵家の跡取りで、婚約者がいてもおかしくない……)
付き合い方を改めなければならない。距離を、おかなければならない。それが彼のためでもあり、リディア自身のためでもあった。
「ロイド。これからは他人として――」
「やだ」
ロイドはリディアの言葉を遮り、はっきりと答えた。呆気にとられ、リディアは目を瞬く。
「いや、やだと言われましても……」
「嫌なもんは嫌だから。そんな無理ですって断られて、はいわかりましたってすんなり認められることができるほど、俺の想いは小さくない」
「それはそうかもしれませんけど……」
あまりにも堂々と答えるので、リディアもなぜか圧されてしまう。
(いやいや、ここは流さちゃいけない所でしょう)
「今は辛くても、時が経てば解決してくれるはずです」
「いいや、無理だね。きっと後悔する。結婚しても、あんたのこと忘れられないで、奥さんないがしろにして、仮面夫婦になる未来がはっきり見えるね」
はぁとため息交じりに言われても、困る。ならないよう、努力して欲しい。
「だいたい、リディアも俺が好きなんでしょ。そんなこと言われたら、なおさら諦めきれるわけないじゃん」
「ロイド。だからわたしは――」
「待つから」
リディアの手を取り、ロイドはめったに見せない柔らかな表情で言った。
「いきなり受け入れてもらえるなんて思ってないよ。あんたの葛藤も、わかるから……」
ロイドの家庭環境も、自分とは違うけれど、また複雑だということを思い出し、彼も彼なりの迷いや悩みが結婚に対してあるのだとリディアは気づいた。
それでも彼はこうしてリディアと一緒に将来を歩みたいと告白してくれた。
嬉しいと思う。彼の想いに報いたいとも思う。けれど……
「迷いがあるってことは、リディアの俺に対する想いは結局それだけなんだと思う」
「そんなことは――」
「だから、頑張るよ。どれだけ面倒なことが待ち構えていても、俺と一緒になりたいってリディアが考えてくれるまで」
今日はそれを伝えたかったんだとロイドは目を細めた。
(こういう時、どうすればいいんだろ……)
無理だと思って、首を横に振った。でも断っても、待つと言われた。その後の正しい振る舞いを、リディアは知らなかった。
「長々と、ごめん。もう遅いから、帰ろう。送ってく」
呆然とするリディアの手を、ロイドは先ほどと同じようにして繋いだ。本来なら振りほどかなければならないのに、決して離さないというように彼の力は強かった。
真冬の夕方。日はすでに沈みかけ、リディアはアルバイトからの帰りだった。食堂で客の食べた皿を朝からひたすら洗い続ける作業はこの時期拷問ともいえる辛さがあった。
(でも普段より時給が高いのは助かる)
身体は冷え切っていたが、心はほくほくしていた。いつもはもっと夜遅くまで働いているのだが、今日は久しぶりに早く帰ることができて、夕飯を家でゆっくり食べることができるのも、とっても嬉しい。せっかくなのでちょっといいものでも買って帰ろうか……。
「リディア!」
スキップしそうな勢いで道を歩いていたリディアは「え」と立ち止まる。前方から、誰かこちらへ駆け寄って来るではないか。しかもこの声は……
「ロイド!」
白い息を吐きながら、ロイドがリディアに手を振っている。寒さのためか頬が紅潮して、なぜかいつもより様子が違って見えた。
「どうしてここに……実家に帰ってたはずじゃ」
「うん。でも色々あって早く帰ってきた」
「いろいろって……」
まさか彼の祖父、ハウレス公爵と喧嘩でもしたのだろうか。リディアの考えていることがわかったのか、ロイドは「言っとくけど」と素早く誤解を解いた。
「別に家にいるのが気まずくて戻って来たとかじゃないから」
「……本当ですか?」
「本当だよ。そしたらこんな堂々と会いに来ない」
たしかに。ロイドの性格的に、家の者と喧嘩して家を出てきたなど、あまり他人に知られたくない出来事だろう。……でもそしたらなぜ?
「……リディアに」
「わたしに?」
「…………たかったから」
「え?」
肝心な所が聞こえず、リディアは聞き返した。ロイドはだからと怒ったように言った。
「リディアに会いたくなったから」
「え」
びっくりするリディアに、なにその反応と口をへの字に曲げるロイド。だって……と彼女は戸惑ってしまう。
「そんなこと、あなたの口から聞けるだなんて思いませんでしたから……」
「本当のことだから仕方ないでしょ」
やや開き直った口調で言うと、彼はなぜか自身のマフラーを外し、リディアの首に巻き付けた。
「てか、すっごい寒そうなんだけど。なんでそんな薄着なの」
「ああ、これは……朝ドタバタしていて、慌ててバイト先まで行ったから」
「風邪ひくよ」
手袋まで外そうとする彼に、リディアはいいですよと止める。じゃあ、とロイドはごく自然にリディアの手を繋ぎ、そのまま歩きだした。
「え、え、ちょっとロイド」
「なに」
「いや、手……」
「こっちがよかった?」
と今度は指を絡ませてきた。ますます動揺するリディアに、前を向いたままロイドはつっけんどんに答えた。
「あんたが手袋いらないって言ったからでしょ」
「だ、だからって……」
これではまるで恋人同士ではないか。
「ほんとに、どうしたんですか。向こうで何かあったんですか」
「あったといえばあった」
あ、やっぱり。だから突然こんなことをしたのだ。
「何があったのか、よかったら話してくれませんか」
「そんなたいしたことじゃないよ。ただ自分の気持ちを改めて自覚しただけ」
「自分の気持ち?」
ロイドは立ち止まり、くるりと振り返った。真剣な表情に、リディアはどきりとする。
「俺、リディアが好き」
それはリディアにとって、生まれて初めての異性からの告白で、しかもあまりにも突然のことだったので、頭が真っ白になった。
「……それは、その、友人としてではなく?」
「友人としてもだし、それ以上の関係になりたいって思ってる」
それ以上の関係。つまり、恋人になりたいということだろうか。
(わたしと、ロイドが?)
「でも、ロイドは……」
「うん。俺は貴族で、ゆくゆくはハウレス公爵家の跡を継がないといけない」
だから、と先を続けようとする彼の言葉は寒さのためか、それとも緊張のせいか、わずかに震えていた。
「俺と一緒になって欲しいってことは、公爵夫人になって欲しいって意味にもなる」
「そんなの、無理ですよ」
深く考えるより先に、リディアは否定してしまった。
「わたしは平民ですし、あなたの家柄とはどうしたって吊り合いません。貴族のご令嬢が学んできた礼儀作法や心構えも、まったく知らないんですよ?」
何より、周りが絶対に許してくれない。
「……家柄が吊り合わないのは、リディアがどこかの貴族の養子になれば解決できるし、結婚は当人たちの問題でしょ。周りが何と言おうが、関係ない。出自よりも、中身が大切だと俺は思ってる」
「でも!」
「将来誰かと歩むなら、リディアがいい」
己を真っすぐと見つめる目に、ああ、彼は本気なんだとリディアは悟った。だからといって、彼への気持ちを受けとめることはできなかったけれど。
「ロイドの気持ちは、嬉しいです。でもお受けすることはできません」
「……俺のこと、嫌い?」
ふるふると首を振る。
「嫌い、じゃありません」
同じクラスになって、たまたま隣の席になって、学園生活でおそらく初めてまともにできた大切な友人だ。冷たいように見えて、実はいろいろと気にかけてくれる優しい人だということも、今はよくわかっている。
「たぶん、わたしもあなたのこと、好きです」
このままずっと一緒にいれば、ロイドのことを確実に特別な男性として意識するだろう。今だって、たまにドキドキすることがあるくらいなのだから。
「じゃあ、なんで?」
「……結婚は、あなたが思うよりずっと大変なことです。いくら当人同士の問題だといっても、どうしたって周囲にも影響を与えます」
いや、こんなことは結局言い訳に過ぎないかもしれない。本当は――
「わたしは、怖いんです。自信がないんです」
周囲が反対しても、ロイドだけは味方でいてくれる。でもそれは裏を返せば、彼しか頼る者がいないということだ。
もし、ロイドが他に好きな人ができてしまったり、愛人を作ってしまったら――彼は決してそんなことをしないとわかっていても、キャスパーの連れてくる女性の様々な事情を見聞きしてきたリディアにとって、楽観した未来を描くことは難しかった。
「それに、以前ロイドには話したかもしれませんが、わたしの父は病気の母を放って自身はやりたい放題でした。わたしの中で、それがけっこうトラウマになっていて、結婚に対してあまり良いイメージがないんです」
誰かと一緒になって人生をめちゃくちゃにされるくらいなら、一生独りでいた方がマシだ。リディアの中で、ずっと蓄積されてきた思いだ。
「だから、どうか考え直して下さい」
「それは諦めろってこと?」
「はい」
辛かったが、はっきりと断った。
(そうだ。今まで特に何も気にせず彼と接してきたけれど、彼ももう十六だ。公爵家の跡取りで、婚約者がいてもおかしくない……)
付き合い方を改めなければならない。距離を、おかなければならない。それが彼のためでもあり、リディア自身のためでもあった。
「ロイド。これからは他人として――」
「やだ」
ロイドはリディアの言葉を遮り、はっきりと答えた。呆気にとられ、リディアは目を瞬く。
「いや、やだと言われましても……」
「嫌なもんは嫌だから。そんな無理ですって断られて、はいわかりましたってすんなり認められることができるほど、俺の想いは小さくない」
「それはそうかもしれませんけど……」
あまりにも堂々と答えるので、リディアもなぜか圧されてしまう。
(いやいや、ここは流さちゃいけない所でしょう)
「今は辛くても、時が経てば解決してくれるはずです」
「いいや、無理だね。きっと後悔する。結婚しても、あんたのこと忘れられないで、奥さんないがしろにして、仮面夫婦になる未来がはっきり見えるね」
はぁとため息交じりに言われても、困る。ならないよう、努力して欲しい。
「だいたい、リディアも俺が好きなんでしょ。そんなこと言われたら、なおさら諦めきれるわけないじゃん」
「ロイド。だからわたしは――」
「待つから」
リディアの手を取り、ロイドはめったに見せない柔らかな表情で言った。
「いきなり受け入れてもらえるなんて思ってないよ。あんたの葛藤も、わかるから……」
ロイドの家庭環境も、自分とは違うけれど、また複雑だということを思い出し、彼も彼なりの迷いや悩みが結婚に対してあるのだとリディアは気づいた。
それでも彼はこうしてリディアと一緒に将来を歩みたいと告白してくれた。
嬉しいと思う。彼の想いに報いたいとも思う。けれど……
「迷いがあるってことは、リディアの俺に対する想いは結局それだけなんだと思う」
「そんなことは――」
「だから、頑張るよ。どれだけ面倒なことが待ち構えていても、俺と一緒になりたいってリディアが考えてくれるまで」
今日はそれを伝えたかったんだとロイドは目を細めた。
(こういう時、どうすればいいんだろ……)
無理だと思って、首を横に振った。でも断っても、待つと言われた。その後の正しい振る舞いを、リディアは知らなかった。
「長々と、ごめん。もう遅いから、帰ろう。送ってく」
呆然とするリディアの手を、ロイドは先ほどと同じようにして繋いだ。本来なら振りほどかなければならないのに、決して離さないというように彼の力は強かった。
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