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本編(ノーマルエンド)
26、お悩み相談 ――回答編――
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「ご令嬢って、あ、女性?」
「そうですよ。何勝手に勘違いしているんですか」
「いえ、だって、嫌われたくない相手って言いましたから、ぼく、てっきり異性関係の相談かと思いまして……」
自分の勘違いだったとわかり、あせあせと言い訳を述べるキャスパーをリディアは冷めた目で見つめた。
「そうやってすぐに男女関係のいざこざに発展させるの、あまり好きじゃありません。だいたい今のわたしに恋愛している余裕なんかありませんよ」
「そ、そうですよね。あはは、ぼくってば本当、早とちりしちゃってダメですね。失礼しました。あなたに恋愛はまだ早かったですよね」
「……」
その言い方にも引っかかりを覚えたが、話が進まないので気にしないことにした。
「とにかく、困っているんですよ。相手は完全にこちらを敵視しているようですし、何かいい案ありませんか?」
「うーん。そうですねぇ……」
顎に手を当てて、熟考するキャスパー。
「ぼくの経験から言うとそういう場合……」
「そういう場合?」
「諦めた方がいいと思います」
「……な」
なんだその答えは。
「女性は一度抱いた恨みとか一生忘れないタイプでしょう? 嫌われてしまったリディアが今さら何を言おうが、嫌悪感を刺激する要因にしかなりません。せめて彼女の視界に入らないよう距離を置いて、絶対に近づかないようするのが賢明な判断だと思いますよ」
あまりにも残酷な解決策であった。だがキャスパーが提案したからこそ、説得力があった。
「……もしも向こうから何かしてこようとしたら」
「その時は全力で逃げるのみです」
「……」
逃げたら追いかけてくる気がする。グレンやメルヴィンとの関わりからリディアはそう直観した。だがまともに対峙したところで勝てる相手なのか……。
「大丈夫ですよ。リディア」
キャスパーがあれこれ思い悩むリディアの手を優しく包み込んだ。かつて父親に捨てられ、落ち込んでいたリディアを励ました表情を思い出す。
「あなたは今まで多くの女性問題に巻き込まれて、毎回死にそうな目に遭いながらも、きちんと解決して事なきを得ています。今回もきっとなんとかなりますよ」
なんとかなる。なんて根拠のない励ましなのだろうか。
「……というか、それぜんぶ師匠の問題ですよね。何、わたしが引き起こしたように言っているんですか」
キャスパーに泣かされた女性たちは決して彼のことを許したわけではない。リディアが間に入って平謝りしたから何とか引いてくれただけだ。
(だいたい一度恨んだ相手のことなんかそうそう許してくれるもんじゃないよね……)
「はぁ……いっそ魔法でなんとかなりませんかね。相手の誤解を解くとか」
「そんな便利な魔法があったら今頃ぼくが使っていますよ!」
「師匠の場合は誤魔化しようがない過ちでしょう」
自分は違う。マリアンはいろんなことを誤解しているだけだ。話し合えばきっとわかりあえる……はず。
「そもそもなぜそのようなことになってしまったんですか」
「それは……」
リディアは簡単に事の説明をした。グレンとメルヴィンのことを言い出すと面倒なので、そこは省いて、マリアンが仲良くなりたいと思う男子生徒と先に知りあい、話しているところを見られて誤解されてしまった、ということにした。
「うーん。普通それだけならあっさり解決しそうなものですけど……」
「そのご令嬢が並々ならぬ想いをとある男子生徒に抱いているようで、つい強い口調で問い質してしまったと言いますか……それにその男子生徒も性格に問題があって、結果的に手酷くご令嬢のことを振ってしまって……」
人差し指と親指を顎に当て、キャスパーはふむ、と相槌を打った。
「つまり自分が振られた行き場のない怒りと悲しみをリディアにぶつけている、ということですね」
「いや、まあ、そうなるんですかね……」
そんなばっさりと切り捨てるにはマリアンが可哀そうな気もしたが、キャスパーはにっこりと微笑んだ。
「安心しなさい。あなたに否は一切ありません。ただの逆恨みというものです」
「……」
自分は何も悪くないと誰かに言って欲しかったが、いざ口にされると本当だろうかとリディアは思ってしまった。
侯爵令嬢であるマリアンからすれば、ただの平民でしかない自分は身分も容姿も何もかも劣った格下の存在だ。そんな相手に意中の相手を奪われてしまった。リディアがもし逆の立場であれば、やっぱり許せない気がした。
(でもどうしようもないもんなあ……)
グレンやメルヴィンと関わらないよう慎ましく生きていくのが一番いいのだろうが、向こうから関わってくるのだ。逃げてもどこまでも追いかけてきて、リディアには打つ手がなかった。
(ほんと、なんでこんなことになったんだろ……)
はぁ、とリディアはもう一度ため息をついた。
「まあまあそんな悲観しないで」
「師匠が残酷な事実を突き付けたからですよ。というか、グレン・グラシアとメルヴィン・シトリーの時は容赦ない報復を申し出てくれたんですから、何かもっと有効な方法はないんですか」
「あの二人は例外です。あなたを留年まで追い込みましたし、何より! ぼくより女性の目を惹いたことが許せませんからね!」
「なんですか、それ……」
結局男の見苦しい嫉妬ではないか。自分よりも十二も下の相手に何を言っているんだとリディアは情けなく思った。
(その相談相手の女性が二人に惹かれているって言ったらどうなるんだろ……)
「それにぼくは、どんなに性格に問題があろうと、女性に酷いことはしない主義なんです」
えっへん、と誇らしげにキャスパーは胸を張った。
「いや、思いっきりしているじゃないですか」
むしろ酷いことしかしていない。キャスパーと付き合って幸せになった女性が果たして今までいただろうか。
「うっ、そ、それはいろんなすれ違いゆえの出来事です!」
「すれ違い、ねぇ……」
その原因を作っているのはキャスパーのせいではないだろうか。
「と、とにかく! ぼくがこの件で助言できることはできるだけ近づかないこと。接触しそうになったら迷わず逃げること。これに尽きます!」
「結局それしかないんですね……」
気が重かった。果たして自分は逃げ切れるのだろうか。リディアには自信がなかった。
「それより、あなたにも友人がいたんですね」
「ええ、もう過去の話になってしまいましたけど」
「どんな人だったんですか」
「可愛い人ですよ。優しくて気遣いもできましたし」
お昼ご飯を分けてくれたりもした。
(マリアン様が持ってきてくれたお肉、最高に美味しかったなぁ……)
もう食べられないのかと思うとやっぱり悲しかった。いや、高級なお肉がではなく彼女と一緒に食べられないことが。
「そんな優しいお嬢さんでも嫉妬で恐ろしく変わってしまうとは……恋とは怖いものです。よほど相手のことが好きだったんでしょうね」
「好きだった……」
たしかに相手一人だけだったらそう言えるのかもしれない。だがマリアンはグレンとメルヴィン両人に対して拘りがあるようだった。
(そういえば彼女、妙なこと言ってたな……)
「師匠。運命の相手って本当にいると思いますか」
「何ですか、突然。柄にもないこと言い出して」
たしかにリディアはそういった類のことは全く信じていなかった。なぜなら目の前の男がしょちゅうそう言っては女性と別れているからだ。
だがマリアンの言葉にはどこか確信めいた響きがあった。グレンやメルヴィンと結ばれるのは、まるで最初から決まっていたと言わんばかりの。
「そのご令嬢が相手の男性を運命の相手だ、って言ったんです」
「ほう。何を根拠に言ったかはわかりませんが、いるといえば、いるんじゃないでしょうか」
「すごく曖昧な答えですね」
「予知夢とか聞いたことがあるでしょう? 本当にそうなるかは置いておいて、そのお嬢さんが見た夢に相手の男性が出てきて、運命の相手だと思い込んだ、という話かもしれませんよ?」
そんなもので運命の相手だと納得するものなのか。リディアにはいまいちよくわからなかった。
(だけどマリアン様は復学なさるまでご病気で体調を崩されていたし、そういう危ない時に見た夢って特別意味があるように思っちゃうのかもしれないな……)
「魔法が使える人間の中には、未来を見通せる者もいると聞きますしね」
「へぇ……師匠はそういった類のものは使えないんですか?」
キャスパーの家も代々魔力持ちの魔術師だったそうで、彼はその中でもとりわけ優秀だったらしい。あくまでもキャスパーによると、だが。
「ぼくの祖先にはいたみたいですけど、ぼく自身は使えないみたいです」
「そっくりそのまま力が受け継がれていくわけじゃないんですね」
そう言えばセエレは魔力持ちだが、彼の父親であるローレンスやレナードにもあるといった話は聞いたことがない。まあ、あったとしても隠しているか、リディアのような人間が知る機会はまずないだろうが。
「それにたとえ未来がわかっていたとしても、その通りに事を運ぶのは案外難しいものかもしれません」
「不測の事態が起こるってことですか?」
「ええ。未来はいつだって、ほんのちょっとの出来事で変わってしまう。周囲にとってはほんのちょっとの変化でも、当人からすれば大きな変化に取って代わることもありますから」
怖いですねぇ、とキャスパーは意味ありげな笑みで微笑んだのだった。
「そうですよ。何勝手に勘違いしているんですか」
「いえ、だって、嫌われたくない相手って言いましたから、ぼく、てっきり異性関係の相談かと思いまして……」
自分の勘違いだったとわかり、あせあせと言い訳を述べるキャスパーをリディアは冷めた目で見つめた。
「そうやってすぐに男女関係のいざこざに発展させるの、あまり好きじゃありません。だいたい今のわたしに恋愛している余裕なんかありませんよ」
「そ、そうですよね。あはは、ぼくってば本当、早とちりしちゃってダメですね。失礼しました。あなたに恋愛はまだ早かったですよね」
「……」
その言い方にも引っかかりを覚えたが、話が進まないので気にしないことにした。
「とにかく、困っているんですよ。相手は完全にこちらを敵視しているようですし、何かいい案ありませんか?」
「うーん。そうですねぇ……」
顎に手を当てて、熟考するキャスパー。
「ぼくの経験から言うとそういう場合……」
「そういう場合?」
「諦めた方がいいと思います」
「……な」
なんだその答えは。
「女性は一度抱いた恨みとか一生忘れないタイプでしょう? 嫌われてしまったリディアが今さら何を言おうが、嫌悪感を刺激する要因にしかなりません。せめて彼女の視界に入らないよう距離を置いて、絶対に近づかないようするのが賢明な判断だと思いますよ」
あまりにも残酷な解決策であった。だがキャスパーが提案したからこそ、説得力があった。
「……もしも向こうから何かしてこようとしたら」
「その時は全力で逃げるのみです」
「……」
逃げたら追いかけてくる気がする。グレンやメルヴィンとの関わりからリディアはそう直観した。だがまともに対峙したところで勝てる相手なのか……。
「大丈夫ですよ。リディア」
キャスパーがあれこれ思い悩むリディアの手を優しく包み込んだ。かつて父親に捨てられ、落ち込んでいたリディアを励ました表情を思い出す。
「あなたは今まで多くの女性問題に巻き込まれて、毎回死にそうな目に遭いながらも、きちんと解決して事なきを得ています。今回もきっとなんとかなりますよ」
なんとかなる。なんて根拠のない励ましなのだろうか。
「……というか、それぜんぶ師匠の問題ですよね。何、わたしが引き起こしたように言っているんですか」
キャスパーに泣かされた女性たちは決して彼のことを許したわけではない。リディアが間に入って平謝りしたから何とか引いてくれただけだ。
(だいたい一度恨んだ相手のことなんかそうそう許してくれるもんじゃないよね……)
「はぁ……いっそ魔法でなんとかなりませんかね。相手の誤解を解くとか」
「そんな便利な魔法があったら今頃ぼくが使っていますよ!」
「師匠の場合は誤魔化しようがない過ちでしょう」
自分は違う。マリアンはいろんなことを誤解しているだけだ。話し合えばきっとわかりあえる……はず。
「そもそもなぜそのようなことになってしまったんですか」
「それは……」
リディアは簡単に事の説明をした。グレンとメルヴィンのことを言い出すと面倒なので、そこは省いて、マリアンが仲良くなりたいと思う男子生徒と先に知りあい、話しているところを見られて誤解されてしまった、ということにした。
「うーん。普通それだけならあっさり解決しそうなものですけど……」
「そのご令嬢が並々ならぬ想いをとある男子生徒に抱いているようで、つい強い口調で問い質してしまったと言いますか……それにその男子生徒も性格に問題があって、結果的に手酷くご令嬢のことを振ってしまって……」
人差し指と親指を顎に当て、キャスパーはふむ、と相槌を打った。
「つまり自分が振られた行き場のない怒りと悲しみをリディアにぶつけている、ということですね」
「いや、まあ、そうなるんですかね……」
そんなばっさりと切り捨てるにはマリアンが可哀そうな気もしたが、キャスパーはにっこりと微笑んだ。
「安心しなさい。あなたに否は一切ありません。ただの逆恨みというものです」
「……」
自分は何も悪くないと誰かに言って欲しかったが、いざ口にされると本当だろうかとリディアは思ってしまった。
侯爵令嬢であるマリアンからすれば、ただの平民でしかない自分は身分も容姿も何もかも劣った格下の存在だ。そんな相手に意中の相手を奪われてしまった。リディアがもし逆の立場であれば、やっぱり許せない気がした。
(でもどうしようもないもんなあ……)
グレンやメルヴィンと関わらないよう慎ましく生きていくのが一番いいのだろうが、向こうから関わってくるのだ。逃げてもどこまでも追いかけてきて、リディアには打つ手がなかった。
(ほんと、なんでこんなことになったんだろ……)
はぁ、とリディアはもう一度ため息をついた。
「まあまあそんな悲観しないで」
「師匠が残酷な事実を突き付けたからですよ。というか、グレン・グラシアとメルヴィン・シトリーの時は容赦ない報復を申し出てくれたんですから、何かもっと有効な方法はないんですか」
「あの二人は例外です。あなたを留年まで追い込みましたし、何より! ぼくより女性の目を惹いたことが許せませんからね!」
「なんですか、それ……」
結局男の見苦しい嫉妬ではないか。自分よりも十二も下の相手に何を言っているんだとリディアは情けなく思った。
(その相談相手の女性が二人に惹かれているって言ったらどうなるんだろ……)
「それにぼくは、どんなに性格に問題があろうと、女性に酷いことはしない主義なんです」
えっへん、と誇らしげにキャスパーは胸を張った。
「いや、思いっきりしているじゃないですか」
むしろ酷いことしかしていない。キャスパーと付き合って幸せになった女性が果たして今までいただろうか。
「うっ、そ、それはいろんなすれ違いゆえの出来事です!」
「すれ違い、ねぇ……」
その原因を作っているのはキャスパーのせいではないだろうか。
「と、とにかく! ぼくがこの件で助言できることはできるだけ近づかないこと。接触しそうになったら迷わず逃げること。これに尽きます!」
「結局それしかないんですね……」
気が重かった。果たして自分は逃げ切れるのだろうか。リディアには自信がなかった。
「それより、あなたにも友人がいたんですね」
「ええ、もう過去の話になってしまいましたけど」
「どんな人だったんですか」
「可愛い人ですよ。優しくて気遣いもできましたし」
お昼ご飯を分けてくれたりもした。
(マリアン様が持ってきてくれたお肉、最高に美味しかったなぁ……)
もう食べられないのかと思うとやっぱり悲しかった。いや、高級なお肉がではなく彼女と一緒に食べられないことが。
「そんな優しいお嬢さんでも嫉妬で恐ろしく変わってしまうとは……恋とは怖いものです。よほど相手のことが好きだったんでしょうね」
「好きだった……」
たしかに相手一人だけだったらそう言えるのかもしれない。だがマリアンはグレンとメルヴィン両人に対して拘りがあるようだった。
(そういえば彼女、妙なこと言ってたな……)
「師匠。運命の相手って本当にいると思いますか」
「何ですか、突然。柄にもないこと言い出して」
たしかにリディアはそういった類のことは全く信じていなかった。なぜなら目の前の男がしょちゅうそう言っては女性と別れているからだ。
だがマリアンの言葉にはどこか確信めいた響きがあった。グレンやメルヴィンと結ばれるのは、まるで最初から決まっていたと言わんばかりの。
「そのご令嬢が相手の男性を運命の相手だ、って言ったんです」
「ほう。何を根拠に言ったかはわかりませんが、いるといえば、いるんじゃないでしょうか」
「すごく曖昧な答えですね」
「予知夢とか聞いたことがあるでしょう? 本当にそうなるかは置いておいて、そのお嬢さんが見た夢に相手の男性が出てきて、運命の相手だと思い込んだ、という話かもしれませんよ?」
そんなもので運命の相手だと納得するものなのか。リディアにはいまいちよくわからなかった。
(だけどマリアン様は復学なさるまでご病気で体調を崩されていたし、そういう危ない時に見た夢って特別意味があるように思っちゃうのかもしれないな……)
「魔法が使える人間の中には、未来を見通せる者もいると聞きますしね」
「へぇ……師匠はそういった類のものは使えないんですか?」
キャスパーの家も代々魔力持ちの魔術師だったそうで、彼はその中でもとりわけ優秀だったらしい。あくまでもキャスパーによると、だが。
「ぼくの祖先にはいたみたいですけど、ぼく自身は使えないみたいです」
「そっくりそのまま力が受け継がれていくわけじゃないんですね」
そう言えばセエレは魔力持ちだが、彼の父親であるローレンスやレナードにもあるといった話は聞いたことがない。まあ、あったとしても隠しているか、リディアのような人間が知る機会はまずないだろうが。
「それにたとえ未来がわかっていたとしても、その通りに事を運ぶのは案外難しいものかもしれません」
「不測の事態が起こるってことですか?」
「ええ。未来はいつだって、ほんのちょっとの出来事で変わってしまう。周囲にとってはほんのちょっとの変化でも、当人からすれば大きな変化に取って代わることもありますから」
怖いですねぇ、とキャスパーは意味ありげな笑みで微笑んだのだった。
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