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48、これまでの事情
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その日、マティアスは久しぶりにブランシュのそばで過ごした。舞踏会は今日で終わりなのに出席しなくていいのかと尋ねたが、もともとあまり参加していなかったというから驚いた。
「でも、王宮にいたんでしょう?」
カウチにゆったりと腰掛け、隣にブランシュを座らせたマティアスはええと答える。
「自分の仕事をしたり、抜けたぶんの手伝いをしていました」
「そんなの、知らなかった」
「聞かれなかったので」
「……」
「貴女が早く帰ってきてほしいと言えば、そうするつもりでした」
「なによ、それ」
拗ねたように言っても、マティアスは素知らぬ顔だ。
「……ねぇ」
「はい」
「エレオノール様と……どんなお話をしたの」
何もなかったとはいえ、やはり気になる。ブランシュが教えてくれるよう頼むと、マティアスはゆるりと口元を上げた。
「それは秘密です」
「……」
詮索したい。でも、マティアスがそう言うなら……
「そんな泣きそうな顔しないでください」
散々泣いたでしょう、と言われても、知らないとブランシュはそっぽを向いた。
(どうせ、ずっと好きだったとか、遠く離れていても幸せを願っているとか、そういうことでしょう……)
別にそれくらい仕方がないと思っても、モヤモヤする心は止められなかった。
「ブランシュ。どうして辺境伯が自分の妻を元婚約者に会わせることを許したと思いますか」
「……彼女のことを、信頼していたからでしょう」
「もちろんそれもあるでしょうが……彼女のお腹に、自分の子どもがいるからです」
ブランシュは驚いてマティアスの顔を見た。
「二人目だそうですよ」
「二人目!?」
ではすでに一児の母親であるわけだ。
「知らなかったわ……」
会った時も、ゆったりとしたドレスを着ているとは思ったが、妊娠しているなんて全く気づかなかった。マティアスのことで気が動転していたこともある。
「でもそんな身体で、こちらへ来て大丈夫だったの?」
「もちろん安定期に入ってからの移動です。それに今回は里帰りも兼ねて、王都の実家で出産する予定だそうですから」
「そう……」
「目覚めたばかりの貴女はまだ信用できませんでしたので、あえて詳しい事情を話さなかったんです」
ようやく手に入れた平穏な環境で、エレオノールには幸せになってほしかった。マティアスのそうした考えはわかるが……
(あなたは、どんな気持ちだったの?)
愛した女性が他の男性と結婚して、子どもまで身ごもった。一方自分は変わらず王女に悩まされる日々……当時のマティアスの心境を思うと、ブランシュは複雑な気持ちになった。
「私のせいで、彼女には辛い思いをたくさんさせてしまった。だから辺境伯と家庭を築くことができて、幸せに過ごしていると聞いて、本当によかったと心から思いました」
「……ごめんなさい」
ブランシュの謝罪にマティアスはそっと手を撫でて、続ける。
「ですが彼女は、ずっと罪悪感を抱いていたようです。私が苦しんでいるのに置き去りにして、自分だけ逃げてしまった。一人だけ幸せになってしまったと……」
エレオノールがそう思う必要はないのに。
「彼女が私のことを心配していると辺境伯から伝えられ、妻の憂いを払ってほしいと頼まれました。私も、きみがそんなことを思う必要はないと伝えたかった」
だから今回の舞踏会でわざわざ王都まで来たのだ。そして話し合いの場を設けた。
「エレオノール様がわたくしに会いに来たの。あなたは知っていた?」
「ええ。手紙で事前に知らされていました」
「どうして……わたくしに会わせようと思ったの?」
また危害を加えるとは思わなかったのだろうか。
「貴女が記憶喪失になったと聞いて、どうしても確かめたいとおっしゃったので。……それに、私も貴女がどんな反応をするか知りたかった」
「わたくしが苦しむ姿を見て楽しみたかったということ?」
悪趣味だ、とブランシュは眉根を寄せた。
「安心したかったんです」
「安心?」
「記憶を失った貴女は私のことをさほど想っていないように見えましたから」
「そんなことないわ」
否定しても、マティアスは薄っすらと笑うだけだ。
「そう言われましても、自分の過去の償いのために私のそばにいるとしか、思えなかったんですよ」
「たしかにそれもあるけれど……でも、さっきも言ったけれど、一番はあなたが……好きだから。だから、そばにいることを決めたの」
「ええ。泣きながら愛の告白をしてくれたので、ようやくそう思い始めました」
しれっとまたブランシュの口から好きだと言わせ、マティアスは満足そうに納得した。ころっと変わった態度にしばし言葉を失うも、ブランシュはもういいやと思った。
「もう、聞きたいことはありませんか」
「ええ……」
いろんなことがいっぺんに起こって、マティアスやエレオノールの気持ちを知って、ブランシュはちょっと混乱していた。ゆっくり考える時間が欲しい。
「ブランシュ」
そう思っているのに、マティアスはブランシュに顔を近づけ、唇を押し当てた。あまりにも自然にされたので、彼女は一瞬何が起きたかわからない。戸惑う彼女をよそに、またマティアスがキスしてこようとするので、そこでようやく我に返って彼の唇を手で塞いだ。
「マティアス。ちょっと待って」
「何か」
不満げな目に、何かじゃないとブランシュは恥ずかしさで少し怒ったように返した。
「今は昼間よ」
「昼間にしたことも、以前あったでしょう」
「そ、それはそうだけど、今日はちょっと……」
「ちょっと?」
「いろいろあって、なんていうか、きゃっ」
突然マティアスはブランシュの身体を抱き上げる。向かう先は夫婦の寝室。寝台であり、下されると当然のように彼はブランシュに覆い被さってきた。
「マティアス……んっ」
ブランシュは心もとない面持ちでマティアスを見つめながら、彼の口づけに応えていいか迷っていた。
「ブランシュ。口を開いて」
「でも、んっ」
ぬるりと舌が入ってきて、ブランシュの舌と絡み合う。いつもの貪るようなものと違い、優しく、ブランシュをゆっくりと欲望に引きずり込んでいくキスであった。おかげで彼女は気づいたら陶然とした表情でマティアスを見上げていた。
彼はそんな彼女の顔を見て、満足そうに微笑む。
「ブランシュ。気持ちいいですか」
彼女はうっとりとした眼差しで頷き返しながら、ハッとする。
(いけない。つい流されてしまったわ)
「マティアス。わたくしは、ぁんっ」
今度は服の上から胸を揉まれながら首筋に吸い付かれた。熱い息を吹きかけられ、ぞくぞくしてしまう。
「マティアス。おねがい。ちょっと、まって……」
「ここしばらく、ずっと貴女を抱いていなかった」
「だからって」
「ブランシュ」
抵抗する妻の手を握り、シーツの上に縫い付けると、マティアスは言い聞かせるように告げた。
「私はもう、いろいろ考えるのが面倒になったんです。貴女に人生を狂わされて、一時は気がおかしくなるほど憎んで、今でも時々、腹が立ちます」
そうだろうと思っていても、いざ面と向かって言われると、やはり堪えた。思わず泣きそうになるブランシュにマティアスは彼女の手を取って、ちゅっと口づけした。
「でも貴女を誰にも渡したくないという気持ちも本当です」
「ほんとう?」
「ええ。貴女がだめだと思いながらも私に抱かれてうっとりとする様を見ると、一生自分の腕の中に閉じ込めて、誰にも見せたくないと思います」
「……そんなこと、思っていたの?」
「ええ。貴女が私から逃げようとするなら、鎖で繋いで、一生この屋敷から出さないようにしたい。私以外の異性の目に触れさせたくない。私ではない他の人間と幸せになるくらいなら、私が一生不幸にさせてやると思う時もありました」
マティアスの言葉はまさしくブランシュに執着している。彼女は目の前の男が本当にあのマティアスなのか、信じられなかった。
『つまりだな。マティアスはおまえを自分だけのものにしたいと独占欲を露わにしてこの屋敷に閉じ込めているんだ』
これでは兄の言う通りではないか。
「ブランシュ。貴女が私をこんなふうにしたんです。それでも貴女は私を捨てた方が、私の幸せになると思っているんですか」
思っている。だって彼は半ば壊れているから。――でも、ブランシュはそのことは言わなかった。ただマティアスの手をぎゅっと握り返し、緩んだ指先を伸ばして彼の頬を撫でた。
「わかった。あなたのそばにずっといる」
責任をとらせて、とブランシュは呟いた。
「でも、王宮にいたんでしょう?」
カウチにゆったりと腰掛け、隣にブランシュを座らせたマティアスはええと答える。
「自分の仕事をしたり、抜けたぶんの手伝いをしていました」
「そんなの、知らなかった」
「聞かれなかったので」
「……」
「貴女が早く帰ってきてほしいと言えば、そうするつもりでした」
「なによ、それ」
拗ねたように言っても、マティアスは素知らぬ顔だ。
「……ねぇ」
「はい」
「エレオノール様と……どんなお話をしたの」
何もなかったとはいえ、やはり気になる。ブランシュが教えてくれるよう頼むと、マティアスはゆるりと口元を上げた。
「それは秘密です」
「……」
詮索したい。でも、マティアスがそう言うなら……
「そんな泣きそうな顔しないでください」
散々泣いたでしょう、と言われても、知らないとブランシュはそっぽを向いた。
(どうせ、ずっと好きだったとか、遠く離れていても幸せを願っているとか、そういうことでしょう……)
別にそれくらい仕方がないと思っても、モヤモヤする心は止められなかった。
「ブランシュ。どうして辺境伯が自分の妻を元婚約者に会わせることを許したと思いますか」
「……彼女のことを、信頼していたからでしょう」
「もちろんそれもあるでしょうが……彼女のお腹に、自分の子どもがいるからです」
ブランシュは驚いてマティアスの顔を見た。
「二人目だそうですよ」
「二人目!?」
ではすでに一児の母親であるわけだ。
「知らなかったわ……」
会った時も、ゆったりとしたドレスを着ているとは思ったが、妊娠しているなんて全く気づかなかった。マティアスのことで気が動転していたこともある。
「でもそんな身体で、こちらへ来て大丈夫だったの?」
「もちろん安定期に入ってからの移動です。それに今回は里帰りも兼ねて、王都の実家で出産する予定だそうですから」
「そう……」
「目覚めたばかりの貴女はまだ信用できませんでしたので、あえて詳しい事情を話さなかったんです」
ようやく手に入れた平穏な環境で、エレオノールには幸せになってほしかった。マティアスのそうした考えはわかるが……
(あなたは、どんな気持ちだったの?)
愛した女性が他の男性と結婚して、子どもまで身ごもった。一方自分は変わらず王女に悩まされる日々……当時のマティアスの心境を思うと、ブランシュは複雑な気持ちになった。
「私のせいで、彼女には辛い思いをたくさんさせてしまった。だから辺境伯と家庭を築くことができて、幸せに過ごしていると聞いて、本当によかったと心から思いました」
「……ごめんなさい」
ブランシュの謝罪にマティアスはそっと手を撫でて、続ける。
「ですが彼女は、ずっと罪悪感を抱いていたようです。私が苦しんでいるのに置き去りにして、自分だけ逃げてしまった。一人だけ幸せになってしまったと……」
エレオノールがそう思う必要はないのに。
「彼女が私のことを心配していると辺境伯から伝えられ、妻の憂いを払ってほしいと頼まれました。私も、きみがそんなことを思う必要はないと伝えたかった」
だから今回の舞踏会でわざわざ王都まで来たのだ。そして話し合いの場を設けた。
「エレオノール様がわたくしに会いに来たの。あなたは知っていた?」
「ええ。手紙で事前に知らされていました」
「どうして……わたくしに会わせようと思ったの?」
また危害を加えるとは思わなかったのだろうか。
「貴女が記憶喪失になったと聞いて、どうしても確かめたいとおっしゃったので。……それに、私も貴女がどんな反応をするか知りたかった」
「わたくしが苦しむ姿を見て楽しみたかったということ?」
悪趣味だ、とブランシュは眉根を寄せた。
「安心したかったんです」
「安心?」
「記憶を失った貴女は私のことをさほど想っていないように見えましたから」
「そんなことないわ」
否定しても、マティアスは薄っすらと笑うだけだ。
「そう言われましても、自分の過去の償いのために私のそばにいるとしか、思えなかったんですよ」
「たしかにそれもあるけれど……でも、さっきも言ったけれど、一番はあなたが……好きだから。だから、そばにいることを決めたの」
「ええ。泣きながら愛の告白をしてくれたので、ようやくそう思い始めました」
しれっとまたブランシュの口から好きだと言わせ、マティアスは満足そうに納得した。ころっと変わった態度にしばし言葉を失うも、ブランシュはもういいやと思った。
「もう、聞きたいことはありませんか」
「ええ……」
いろんなことがいっぺんに起こって、マティアスやエレオノールの気持ちを知って、ブランシュはちょっと混乱していた。ゆっくり考える時間が欲しい。
「ブランシュ」
そう思っているのに、マティアスはブランシュに顔を近づけ、唇を押し当てた。あまりにも自然にされたので、彼女は一瞬何が起きたかわからない。戸惑う彼女をよそに、またマティアスがキスしてこようとするので、そこでようやく我に返って彼の唇を手で塞いだ。
「マティアス。ちょっと待って」
「何か」
不満げな目に、何かじゃないとブランシュは恥ずかしさで少し怒ったように返した。
「今は昼間よ」
「昼間にしたことも、以前あったでしょう」
「そ、それはそうだけど、今日はちょっと……」
「ちょっと?」
「いろいろあって、なんていうか、きゃっ」
突然マティアスはブランシュの身体を抱き上げる。向かう先は夫婦の寝室。寝台であり、下されると当然のように彼はブランシュに覆い被さってきた。
「マティアス……んっ」
ブランシュは心もとない面持ちでマティアスを見つめながら、彼の口づけに応えていいか迷っていた。
「ブランシュ。口を開いて」
「でも、んっ」
ぬるりと舌が入ってきて、ブランシュの舌と絡み合う。いつもの貪るようなものと違い、優しく、ブランシュをゆっくりと欲望に引きずり込んでいくキスであった。おかげで彼女は気づいたら陶然とした表情でマティアスを見上げていた。
彼はそんな彼女の顔を見て、満足そうに微笑む。
「ブランシュ。気持ちいいですか」
彼女はうっとりとした眼差しで頷き返しながら、ハッとする。
(いけない。つい流されてしまったわ)
「マティアス。わたくしは、ぁんっ」
今度は服の上から胸を揉まれながら首筋に吸い付かれた。熱い息を吹きかけられ、ぞくぞくしてしまう。
「マティアス。おねがい。ちょっと、まって……」
「ここしばらく、ずっと貴女を抱いていなかった」
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「私はもう、いろいろ考えるのが面倒になったんです。貴女に人生を狂わされて、一時は気がおかしくなるほど憎んで、今でも時々、腹が立ちます」
そうだろうと思っていても、いざ面と向かって言われると、やはり堪えた。思わず泣きそうになるブランシュにマティアスは彼女の手を取って、ちゅっと口づけした。
「でも貴女を誰にも渡したくないという気持ちも本当です」
「ほんとう?」
「ええ。貴女がだめだと思いながらも私に抱かれてうっとりとする様を見ると、一生自分の腕の中に閉じ込めて、誰にも見せたくないと思います」
「……そんなこと、思っていたの?」
「ええ。貴女が私から逃げようとするなら、鎖で繋いで、一生この屋敷から出さないようにしたい。私以外の異性の目に触れさせたくない。私ではない他の人間と幸せになるくらいなら、私が一生不幸にさせてやると思う時もありました」
マティアスの言葉はまさしくブランシュに執着している。彼女は目の前の男が本当にあのマティアスなのか、信じられなかった。
『つまりだな。マティアスはおまえを自分だけのものにしたいと独占欲を露わにしてこの屋敷に閉じ込めているんだ』
これでは兄の言う通りではないか。
「ブランシュ。貴女が私をこんなふうにしたんです。それでも貴女は私を捨てた方が、私の幸せになると思っているんですか」
思っている。だって彼は半ば壊れているから。――でも、ブランシュはそのことは言わなかった。ただマティアスの手をぎゅっと握り返し、緩んだ指先を伸ばして彼の頬を撫でた。
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