39 / 56
39、怖いほどの
しおりを挟む
ある昼下がり。ブランシュはルメール家の図書室に籠って、熱心にとある一冊の本を読み耽っていた。
「――シュ、ブランシュ」
「きゃっ」
耳元で囁かれ、ブランシュは読んでいた本を落っことしそうになった。慌てて胸に抱きとめたものの、振り返って悪戯してきた相手を軽く睨んだ。
「マティアス。耳元で囁くのはやめてちょうだい」
「すみません。何度呼びかけても、聞こえていらっしゃらない様子でしたので」
耳元に手を当てて、頬を染める妻を見ながら、マティアスはしれっとした調子で答える。
「何をそんなに熱心に読んでいたのですか」
表紙を覗き込もうとするので、ブランシュはとっさに後ろに隠して見せないようにした。
「……」
「別に、たいした本ではないわ」
「たいした本ではないなら隠す必要はないのでは?」
「……」
今度はブランシュが沈黙する番であった。マティアスはなぜ隠すのかわからないと不思議そうにしていたが、やがてああ、と合点のいった顔をする。
「もしかして、人に見せられないような本でもお読みに?」
「違うわよ!」
なんでそんな本を真昼間から堂々と読むのだ。というかそんな本がこの屋敷にあるのか。
「隠されると、よけいに気になります」
「もう。わかったわよ……笑わないでね」
そう言っておずおずと見せた本は最近中流階級の女性に向けて出版された家政本であった。
料理や洗濯に関する家事だけでなく、茶会で人を招く際に注意することや使用人との付き合い方についてもこうした方がいい、という助言が書かれている。
「なぜ、これを?」
「……わたくしは知らないことが多いから、世間一般的にどういうのが正しいのか、知っておこうと思って勉強していたの」
考えてみると、ブランシュは王女というやんごとなき身分であり、もともとは公爵家に嫁ぐ予定もなかった。貴族の奥方としての身につけることも、知る必要はないと教えてくれなかったのではないか。
「貴女はこんなこと、なさらなくていいのに」
「だめよ」
ブランシュはきっぱりと言った。
「あなたの妻になったからには、きちんとその役目を果たしたいの」
「ブランシュ……」
マティアスはしばし驚いたように自分を見ていたが、やがて近寄って、そっと抱きしめてきた。
「な、なに?」
「……いいえ。頑張ろうとしている貴女が、すごく……」
「すごく?」
「なんでしょうね」
彼は誤魔化して、ブランシュの綺麗にまとめた髪の毛にちゅっとキスした。ごく自然にされたので彼女は遅れてどぎまぎする。
「でもたまには、息抜きも必要です」
「別に必要は……」
「ヴァネッサも心配していました」
怯えがなくなったせいか、以前のような派手な失敗をしなくなったメイドの顔を思い浮かべ、ブランシュは言葉に詰まる。
「わかったわ。少し、休みます」
「……」
「なぁに? 休むのだから、いいでしょう?」
「いえ。私の言葉には躊躇いが生じたのに、メイドの言葉には素直に従うのだな、と思いまして」
「あなたって……」
意外と面倒な性格なのね、と言いかけたがやめた。これはたぶん、やきもちとかそういうのとはまた違うだろうから。
「どこか、出かけますか」
「あなたは、どこか行きたいところある?」
「いいえ。私は特に……」
じゃあいいわ、とブランシュは本を片付けながら言った。
「家でゆっくりしましょう」
「……どこかに出かけたいと思わないのですか」
思わない……わけではない。いや、むしろ興味ならある。記憶を失う前のブランシュがマティアスと行きたかったという劇場や、庶民が出入りする喫茶店とやらにも足を運んでみたい。
朝の静かな公園をただ二人で散策するのでも、ブランシュはきっと大満足する。でも――
「いろいろ学んで疲れてしまったから、今日はお部屋でお休みするわ」
「……では、今度の機会に」
「ええ。そうしましょう」
にっこり笑って約束しても、マティアスはどこか探るような目つきでブランシュの後をついてくる。
「この後は、いかがなされますか」
「部屋でお昼寝でもしようかしら」
「貴女の部屋で?」
隣に並び、そっと手を絡まされる。先ほどのキスはもちろん、こうしたさりげない触れ合いでも気を抜くと動揺しそうになり、ブランシュは顔の筋肉に力を入れて耐えた。
「ええ。あなたも、せっかく久しぶりのお休みなのだから身体を休ませるといいわ」
溜まっていた分の仕事を片付けているのか、王宮からのマティアスの帰りは遅い。そしていつも眠そうに朝出かけて行く姿に、ブランシュは気がかりでもあったのだ。
だから自室で、ゆっくりと休んでほしいと言ったのだが――
「では、寝室で一緒に休みましょう」
前へつんのめりそうになり、ブランシュは夫の腕に支えられた。ありがとう、とお礼を言うのも忘れて、マティアスの顔をまじまじと見上げる。
「嫌ですか」
「い、一緒にお昼寝するの?」
「お昼寝、の前にしたいことがありますけれど……嫌ですか」
ブランシュは目を丸くして、やがてじわじわと頬を赤くさせ、ぱくぱくと口を開いた。
「ブランシュ」
夫の胸に頭を預け、彼女は「嫌じゃないわ……」と小さな声で呟いた。
「じゃあ、いきましょう」
優しい声で促され、手を繋いで夫婦の寝室へ導かれる。扉が閉まると同時にマティアスは腰を屈んでブランシュの唇を奪った。
彼女はせめて寝台まで待ってほしいとお願いしたかったが、息もつかせぬ接吻と巧みな舌使いに何も考えられなくなってしまう。
ぼうっと潤んだ目で自分を見つめる妻に、マティアスは満足そうに微笑み、軽々と彼女を抱き上げ、寝台の方へと連れて行く。
後ろで結んでいたリボンをしゅるりと解かれ、優しく寝かせられると、腰まであるストロベリーブロンドが波打つようにシーツに散らばった。片手でネクタイを緩めながら、自分を見下ろす瞳にぞくりとする。
(あぁ、もうだめだ……)
マティアスに求められている。そう思うと、ブランシュはもう逆らえなかった。彼にすべてを明け渡してしまう。
服を丁寧に脱がされ、気が狂うほどの愛撫を施され、ブランシュの中へ繋がりを求めてマティアスがゆっくりと入って来ても拒むことはできない。
「ん……」
「ブランシュ……」
彼に優しく口づけされ、愛おしむように名前を呼ばれると、ブランシュは泣きそうになる。気がついた彼に目元をそっと撫でられる。
「私にこうされるのは嫌ですか」
嫌じゃない。嫌なはずない。どうしようもなく気持ちよくて、もっと欲しくなる。
(こんなこと、思う資格ないのに……)
マティアスに抱かれる度、ブランシュは罪悪感で心が軋む。エレオノールやあの男性を不幸にして今自分は幸せを感じている。恐ろしい。怖い。
(いつか、彼がわたくしのもとから……)
考え事をするブランシュに、マティアスが彼女の弱い所を責める。
「ぁっ、ん、マティアス……!」
声を必死に抑えながら、ブランシュは夫の名前を繰り返した。マティアスはその度に苦しげな表情をしてブランシュを激しく揺さぶり、日が落ちて、夜が訪れてからも、彼女を手放さなかった。
「――シュ、ブランシュ」
「きゃっ」
耳元で囁かれ、ブランシュは読んでいた本を落っことしそうになった。慌てて胸に抱きとめたものの、振り返って悪戯してきた相手を軽く睨んだ。
「マティアス。耳元で囁くのはやめてちょうだい」
「すみません。何度呼びかけても、聞こえていらっしゃらない様子でしたので」
耳元に手を当てて、頬を染める妻を見ながら、マティアスはしれっとした調子で答える。
「何をそんなに熱心に読んでいたのですか」
表紙を覗き込もうとするので、ブランシュはとっさに後ろに隠して見せないようにした。
「……」
「別に、たいした本ではないわ」
「たいした本ではないなら隠す必要はないのでは?」
「……」
今度はブランシュが沈黙する番であった。マティアスはなぜ隠すのかわからないと不思議そうにしていたが、やがてああ、と合点のいった顔をする。
「もしかして、人に見せられないような本でもお読みに?」
「違うわよ!」
なんでそんな本を真昼間から堂々と読むのだ。というかそんな本がこの屋敷にあるのか。
「隠されると、よけいに気になります」
「もう。わかったわよ……笑わないでね」
そう言っておずおずと見せた本は最近中流階級の女性に向けて出版された家政本であった。
料理や洗濯に関する家事だけでなく、茶会で人を招く際に注意することや使用人との付き合い方についてもこうした方がいい、という助言が書かれている。
「なぜ、これを?」
「……わたくしは知らないことが多いから、世間一般的にどういうのが正しいのか、知っておこうと思って勉強していたの」
考えてみると、ブランシュは王女というやんごとなき身分であり、もともとは公爵家に嫁ぐ予定もなかった。貴族の奥方としての身につけることも、知る必要はないと教えてくれなかったのではないか。
「貴女はこんなこと、なさらなくていいのに」
「だめよ」
ブランシュはきっぱりと言った。
「あなたの妻になったからには、きちんとその役目を果たしたいの」
「ブランシュ……」
マティアスはしばし驚いたように自分を見ていたが、やがて近寄って、そっと抱きしめてきた。
「な、なに?」
「……いいえ。頑張ろうとしている貴女が、すごく……」
「すごく?」
「なんでしょうね」
彼は誤魔化して、ブランシュの綺麗にまとめた髪の毛にちゅっとキスした。ごく自然にされたので彼女は遅れてどぎまぎする。
「でもたまには、息抜きも必要です」
「別に必要は……」
「ヴァネッサも心配していました」
怯えがなくなったせいか、以前のような派手な失敗をしなくなったメイドの顔を思い浮かべ、ブランシュは言葉に詰まる。
「わかったわ。少し、休みます」
「……」
「なぁに? 休むのだから、いいでしょう?」
「いえ。私の言葉には躊躇いが生じたのに、メイドの言葉には素直に従うのだな、と思いまして」
「あなたって……」
意外と面倒な性格なのね、と言いかけたがやめた。これはたぶん、やきもちとかそういうのとはまた違うだろうから。
「どこか、出かけますか」
「あなたは、どこか行きたいところある?」
「いいえ。私は特に……」
じゃあいいわ、とブランシュは本を片付けながら言った。
「家でゆっくりしましょう」
「……どこかに出かけたいと思わないのですか」
思わない……わけではない。いや、むしろ興味ならある。記憶を失う前のブランシュがマティアスと行きたかったという劇場や、庶民が出入りする喫茶店とやらにも足を運んでみたい。
朝の静かな公園をただ二人で散策するのでも、ブランシュはきっと大満足する。でも――
「いろいろ学んで疲れてしまったから、今日はお部屋でお休みするわ」
「……では、今度の機会に」
「ええ。そうしましょう」
にっこり笑って約束しても、マティアスはどこか探るような目つきでブランシュの後をついてくる。
「この後は、いかがなされますか」
「部屋でお昼寝でもしようかしら」
「貴女の部屋で?」
隣に並び、そっと手を絡まされる。先ほどのキスはもちろん、こうしたさりげない触れ合いでも気を抜くと動揺しそうになり、ブランシュは顔の筋肉に力を入れて耐えた。
「ええ。あなたも、せっかく久しぶりのお休みなのだから身体を休ませるといいわ」
溜まっていた分の仕事を片付けているのか、王宮からのマティアスの帰りは遅い。そしていつも眠そうに朝出かけて行く姿に、ブランシュは気がかりでもあったのだ。
だから自室で、ゆっくりと休んでほしいと言ったのだが――
「では、寝室で一緒に休みましょう」
前へつんのめりそうになり、ブランシュは夫の腕に支えられた。ありがとう、とお礼を言うのも忘れて、マティアスの顔をまじまじと見上げる。
「嫌ですか」
「い、一緒にお昼寝するの?」
「お昼寝、の前にしたいことがありますけれど……嫌ですか」
ブランシュは目を丸くして、やがてじわじわと頬を赤くさせ、ぱくぱくと口を開いた。
「ブランシュ」
夫の胸に頭を預け、彼女は「嫌じゃないわ……」と小さな声で呟いた。
「じゃあ、いきましょう」
優しい声で促され、手を繋いで夫婦の寝室へ導かれる。扉が閉まると同時にマティアスは腰を屈んでブランシュの唇を奪った。
彼女はせめて寝台まで待ってほしいとお願いしたかったが、息もつかせぬ接吻と巧みな舌使いに何も考えられなくなってしまう。
ぼうっと潤んだ目で自分を見つめる妻に、マティアスは満足そうに微笑み、軽々と彼女を抱き上げ、寝台の方へと連れて行く。
後ろで結んでいたリボンをしゅるりと解かれ、優しく寝かせられると、腰まであるストロベリーブロンドが波打つようにシーツに散らばった。片手でネクタイを緩めながら、自分を見下ろす瞳にぞくりとする。
(あぁ、もうだめだ……)
マティアスに求められている。そう思うと、ブランシュはもう逆らえなかった。彼にすべてを明け渡してしまう。
服を丁寧に脱がされ、気が狂うほどの愛撫を施され、ブランシュの中へ繋がりを求めてマティアスがゆっくりと入って来ても拒むことはできない。
「ん……」
「ブランシュ……」
彼に優しく口づけされ、愛おしむように名前を呼ばれると、ブランシュは泣きそうになる。気がついた彼に目元をそっと撫でられる。
「私にこうされるのは嫌ですか」
嫌じゃない。嫌なはずない。どうしようもなく気持ちよくて、もっと欲しくなる。
(こんなこと、思う資格ないのに……)
マティアスに抱かれる度、ブランシュは罪悪感で心が軋む。エレオノールやあの男性を不幸にして今自分は幸せを感じている。恐ろしい。怖い。
(いつか、彼がわたくしのもとから……)
考え事をするブランシュに、マティアスが彼女の弱い所を責める。
「ぁっ、ん、マティアス……!」
声を必死に抑えながら、ブランシュは夫の名前を繰り返した。マティアスはその度に苦しげな表情をしてブランシュを激しく揺さぶり、日が落ちて、夜が訪れてからも、彼女を手放さなかった。
160
お気に入りに追加
4,281
あなたにおすすめの小説
大好きなあなたを忘れる方法
山田ランチ
恋愛
あらすじ
王子と婚約関係にある侯爵令嬢のメリベルは、訳あってずっと秘密の婚約者のままにされていた。学園へ入学してすぐ、メリベルの魔廻が(魔術を使う為の魔素を貯めておく器官)が限界を向かえようとしている事に気が付いた大魔術師は、魔廻を小さくする事を提案する。その方法は、魔素が好むという悲しい記憶を失くしていくものだった。悲しい記憶を引っ張り出しては消していくという日々を過ごすうち、徐々に王子との記憶を失くしていくメリベル。そんな中、魔廻を奪う謎の者達に大魔術師とメリベルが襲われてしまう。
魔廻を奪おうとする者達は何者なのか。王子との婚約が隠されている訳と、重大な秘密を抱える大魔術師の正体が、メリベルの記憶に導かれ、やがて世界の始まりへと繋がっていく。
登場人物
・メリベル・アークトュラス 17歳、アークトゥラス侯爵の一人娘。ジャスパーの婚約者。
・ジャスパー・オリオン 17歳、第一王子。メリベルの婚約者。
・イーライ 学園の園芸員。
クレイシー・クレリック 17歳、クレリック侯爵の一人娘。
・リーヴァイ・ブルーマー 18歳、ブルーマー子爵家の嫡男でジャスパーの側近。
・アイザック・スチュアート 17歳、スチュアート侯爵の嫡男でジャスパーの側近。
・ノア・ワード 18歳、ワード騎士団長の息子でジャスパーの従騎士。
・シア・ガイザー 17歳、ガイザー男爵の娘でメリベルの友人。
・マイロ 17歳、メリベルの友人。
魔素→世界に漂っている物質。触れれば精神を侵され、生き物は主に凶暴化し魔獣となる。
魔廻→体内にある魔廻(まかい)と呼ばれる器官、魔素を取り込み貯める事が出来る。魔術師はこの器官がある事が必須。
ソル神とルナ神→太陽と月の男女神が魔素で満ちた混沌の大地に現れ、世界を二つに分けて浄化した。ソル神は昼間を、ルナ神は夜を受け持った。
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。

【完結】私を忘れてしまった貴方に、憎まれています
高瀬船
恋愛
夜会会場で突然意識を失うように倒れてしまった自分の旦那であるアーヴィング様を急いで邸へ連れて戻った。
そうして、医者の診察が終わり、体に異常は無い、と言われて安心したのも束の間。
最愛の旦那様は、目が覚めると綺麗さっぱりと私の事を忘れてしまっており、私と結婚した事も、お互い愛を育んだ事を忘れ。
何故か、私を憎しみの籠った瞳で見つめるのです。
優しかったアーヴィング様が、突然見知らぬ男性になってしまったかのようで、冷たくあしらわれ、憎まれ、私の心は日が経つにつれて疲弊して行く一方となってしまったのです。

【完結】記憶喪失になってから、あなたの本当の気持ちを知りました
Rohdea
恋愛
誰かが、自分を呼ぶ声で目が覚めた。
必死に“私”を呼んでいたのは見知らぬ男性だった。
──目を覚まして気付く。
私は誰なの? ここはどこ。 あなたは誰?
“私”は馬車に轢かれそうになり頭を打って気絶し、起きたら記憶喪失になっていた。
こうして私……リリアはこれまでの記憶を失くしてしまった。
だけど、なぜか目覚めた時に傍らで私を必死に呼んでいた男性──ロベルトが私の元に毎日のようにやって来る。
彼はただの幼馴染らしいのに、なんで!?
そんな彼に私はどんどん惹かれていくのだけど……

【完結】記憶を失くした旦那さま
山葵
恋愛
副騎士団長として働く旦那さまが部下を庇い頭を打ってしまう。
目が覚めた時には、私との結婚生活も全て忘れていた。
彼は愛しているのはリターナだと言った。
そんな時、離縁したリターナさんが戻って来たと知らせが来る…。

殿下、今回も遠慮申し上げます
cyaru
恋愛
結婚目前で婚約を解消されてしまった侯爵令嬢ヴィオレッタ。
相手は平民で既に子もいると言われ、その上「側妃となって公務をしてくれ」と微笑まれる。
静かに怒り沈黙をするヴィオレッタ。反対に日を追うごとに窮地に追い込まれる王子レオン。
側近も去り、資金も尽き、事も有ろうか恋人の教育をヴィオレッタに命令をするのだった。
前半は一度目の人生です。
※作品の都合上、うわぁと思うようなシーンがございます。
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

【完】愛人に王妃の座を奪い取られました。
112
恋愛
クインツ国の王妃アンは、王レイナルドの命を受け廃妃となった。
愛人であったリディア嬢が新しい王妃となり、アンはその日のうちに王宮を出ていく。
実家の伯爵家の屋敷へ帰るが、継母のダーナによって身を寄せることも敵わない。
アンは動じることなく、継母に一つの提案をする。
「私に娼館を紹介してください」
娼婦になると思った継母は喜んでアンを娼館へと送り出して──
王太子妃は離婚したい
凛江
恋愛
アルゴン国の第二王女フレイアは、婚約者であり、幼い頃より想いを寄せていた隣国テルルの王太子セレンに嫁ぐ。
だが、期待を胸に臨んだ婚姻の日、待っていたのは夫セレンの冷たい瞳だった。
※この作品は、読んでいただいた皆さまのおかげで書籍化することができました。
綺麗なイラストまでつけていただき感無量です。
これまで応援いただき、本当にありがとうございました。
レジーナのサイトで番外編が読めますので、そちらものぞいていただけると嬉しいです。
https://www.regina-books.com/extra/login
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる