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グレイスは窓を見る。カーテンは半分ほど開いている。山の中を走っており、列車のスピードを考えれば、自分たちがしていることはわからないだろうが、それでもこんな所で……という躊躇いは生じた。
(でも……)
「乗る際に乗車券は確認してもらったし、こちらから声をかけない限り、誰か来ることはない」
レイモンドの言葉に、恥じらいながらもグレイスはゆっくりと赤茶色のスカートの留め具に手をかけ、ペチコートも一緒に床へ落とした。フリルのついた、くすんだピンクのブラウスはまだ着ているが、靴下とレースのついた靴下留めが露わになり、レイモンドが息を呑むのが伝わってくる。
「下着がいつもと違う……」
スリップより丈が短めのキャミソールを着用しているため、下穿きも丸見えだった。
ドロワースではなく、脚の付け根をくっきりと見せた、今までのと比べれば実に煽情的なデザインの下着である。
「まさかアンドリューに着けられたのか?」
「違います! あの、これは先せ……お世話になった女性にいただいたもので……」
こちらへ滞在していることを聞いたエステラが結婚祝いに贈り物を届けてくれたのだ。
『グレイス様はとても真面目な方で、私もいろいろと教え甲斐がありました。これはささやかなものですが、よかったら使ってください。きっと旦那様も喜ばれるでしょうから』
そう言って渡された過激な下着に――近々こういうのが流行ると言われつつ――、グレイスは戸惑いながらも、受け取ってしまった。
「黒、なんだな……」
色を指摘され、グレイスは真っ赤になる。靴下は白なのに下着は黒で、ちぐはぐな印象であることは彼女も十分理解していた。だが、仕方がなかったのだ。
「もらったのが、黒と赤しかなくて……」
「赤!?」
「っ……はい。黒と赤なら、黒の方がまだ、いいかなと思って……、靴下の色はその、黒にすると昼間のドレスと合わなくて……」
いや、合わないこともないかもしれないが、やはり揃えて穿くと、妙に意識してしまうというか……とにかくグレイスも恥ずかしかったのだ。
「白と黒を穿いて、孤児院へ行ったんだな」
(うう……改めて言われると、すごく恥ずかしい)
グレイスは火照る頬を掌で押さえながら、言い訳する。
「破廉恥なのは、承知していますわ。でも、メイドから涼しそうですね、って言われて、天気も熱くなると聞いて……せっかくもらったのに、捨てるのももったいなくて……。レイモンド様も、喜ぶかなと思って……」
「グレイス……」
妻の告白に、レイモンドの身体がよろめく。そのまま飛びかかってくるかと思ったが、彼は口元を押さえ、はぁはぁと危なげな呼吸を整えようとする。
「えろいし、可愛すぎる……だが、まだだ……グレイスの気遣いを無駄にしてはいけないし、俺は今……」というぶつぶつと己を納得させる? 葛藤に満ちた呟きも聞こえてくる。
グレイスが心もとない気持ちで見守っていると、やがてレイモンドは理性を取り戻し、靴下では覆い隠しきれていない、むき出しの肌へ手を伸ばした。そのまま指先を上へと滑らせ、面積の少ない布地の感触を味わい、とうとう秘部へたどり着いた時――
「っ……ここ、穴が空いているじゃないか」
そう。レースで覆われているものの、前開きの服のように左右に開くことができ、一番大事な部分は一切守られておらず、簡単に丸見えになってしまう作りをしていた。
グレイスは顔を伏せ、消え入りそうな声で説明する。
「……このまま、繋がることができるようになっているんです」
目元を染めて俯くグレイスの顔を凝視したレイモンドは、再び彼女の下着に視線を注ぎ、不意にしゃがみ込んだ。
「レイモンド様? 何を……」
「何って、ここも当然、調べるんだ」
そう言ってレイモンドはまずグレイスの秘部をじっくりと眺め、隠されているレース部分をそっと開いた。
「濡れてる……」
はぁ、と息がかかったと思えば、レイモンドの顔がグッと近づき、舌先が蜜を舐めとった。
「あ、んっ……」
グレイスの口から甘い声が合図となったかのように、レイモンドはぺろぺろと舐め始める。もうすでに何度も口淫されているせいか、グレイスの身体は淫らに躾けられ、従順に愛液を蜜壺から溢れさせる。
レイモンドもどこを舐めればグレイスが悦ぶが熟知しており、激しく舐めるよりも、ゆっくりと焦らすような舌戯で彼女を追いつめていく。
「だめ……そんな、いっぱい舐められたら……」
与えられる快感にぶるぶると身体を震わせ、ついレイモンドの頭を支えにしてしまう。彼は気にせず、空いた自分の手をグレイスの尻へ回し、やわやわと揉んでくる。彼女の目に涙が溜まり、必死で声を殺しながら、背中が丸まっていく。
「んっ、んっ、……っ、あ、だめ……、もう、いっちゃ――……」
莢に隠れた小さな蕾を舌で丹念に舐められてきつく吸われると、グレイスの限界は達した。どっと最奥から蜜が溢れ出し、それもまたレイモンドの舌で掻き出される。
余すところなく蜜を啜った彼は、ようやく少し顔を離し、頬を紅潮させて達したばかりのグレイスを上目遣いで見た。その表情に何を思ったのか、また濡れそぼった秘所に顔を埋めようとしたので、グレイスはとっさに手で隠す。
「もう、だめ……」
「どうして?」
「だって……まだ、調べ終わってないもの」
グレイスの返答にレイモンドは目を丸くし、笑った。
「そうだな。まだ、上を調べていなかった」
彼は立ち上がり、腰の立たないグレイスを肩に寄りかかせて上着を脱がしていく。果てた余韻のせいで、彼に触れられるだけでびくびくと反応してしまう。
ぱさりとフリルのついたブラウスとキャミソールが寝台の縁に落とされ、火照った肌がひんやりとした空気に晒される。
「上も、黒なんだな……」
レイモンドの呟きに、グレイスは肩口に額を押しつけてこくりと頷いた。
「もっとよく見せて」
グレイスの身体を離し、レイモンドがまじまじと見てくる。
エステラがくれたのは、下だけでなく上の下着とセットになったものだった。
ビスチェと言われるもので、胸の膨らみを下から支え、腰も覆って美しいくびれを作り出してくれる下着だ。
しかしこれも下と同様、妙に頼りなく、わざとなのかサイズが合わなかったのか、グレイスの胸の飾りを隠す程度で、豊満な膨らみは全てを覆い隠してはくれず、窮屈そうにはみ出している。
また生地が薄く、繊細な模様で肌を透けさせて、妖しくも淫猥な光景を生み出していた。
「すごく、いいな……。俺の他には、誰にも見せていない?」
「着替えを手伝ってくれたメイド以外は誰も……レイモンド様だけです」
「よかった……」
服の下に上下黒の下着を穿いて、何食わぬ顔で孤児院へ出向いた自分が今更ながら豪胆と言うか、破廉恥に思えてくる。
「もし今の貴女をあの男が見ていたら、俺は貴女に止められても間違いなく殺していた」
そう言って、レイモンドは胸の谷間に指を引っ掛け、窮屈そうに収まっていた乳房をすべて零れさせた。顔を寄せ、当然のごとく口づけを落とし、先端を赤子のようにしゃぶってくる。
「ん、っ……ふ……」
舐められていない下の口からまた蜜が溢れ、太股を伝っていくのがわかる。腰や尻を誘うようにくねくねと動かし、手の甲を唇に押し当てて必死に声を我慢した。
(わたし、胸だけでいってしまいそう……)
「いきそう?」
素直に頷けば、彼が笑ったのがわかる。
「いいよ。何度でも気持ちよくなって」
ちゅぷっ、と淫らな音を立てながら何度も吸われ、突然歯で優しく噛まれた時、グレイスはびくびくっと身体を震わせ、レイモンドの頭を自分の胸に押しつけながら二度目の絶頂を味わった。
はぁはぁと呼吸を荒らげ、慌ててレイモンドの頭を押さえていた力を緩める。なんとか姿勢を正し、彼に見下ろされる。
レイモンドの目はぎらぎらと情欲の炎が漲っており、このまま一つに繋がることを渇望していた。だから彼女は背を向けて、自ら寝台に上がった。
(でも……)
「乗る際に乗車券は確認してもらったし、こちらから声をかけない限り、誰か来ることはない」
レイモンドの言葉に、恥じらいながらもグレイスはゆっくりと赤茶色のスカートの留め具に手をかけ、ペチコートも一緒に床へ落とした。フリルのついた、くすんだピンクのブラウスはまだ着ているが、靴下とレースのついた靴下留めが露わになり、レイモンドが息を呑むのが伝わってくる。
「下着がいつもと違う……」
スリップより丈が短めのキャミソールを着用しているため、下穿きも丸見えだった。
ドロワースではなく、脚の付け根をくっきりと見せた、今までのと比べれば実に煽情的なデザインの下着である。
「まさかアンドリューに着けられたのか?」
「違います! あの、これは先せ……お世話になった女性にいただいたもので……」
こちらへ滞在していることを聞いたエステラが結婚祝いに贈り物を届けてくれたのだ。
『グレイス様はとても真面目な方で、私もいろいろと教え甲斐がありました。これはささやかなものですが、よかったら使ってください。きっと旦那様も喜ばれるでしょうから』
そう言って渡された過激な下着に――近々こういうのが流行ると言われつつ――、グレイスは戸惑いながらも、受け取ってしまった。
「黒、なんだな……」
色を指摘され、グレイスは真っ赤になる。靴下は白なのに下着は黒で、ちぐはぐな印象であることは彼女も十分理解していた。だが、仕方がなかったのだ。
「もらったのが、黒と赤しかなくて……」
「赤!?」
「っ……はい。黒と赤なら、黒の方がまだ、いいかなと思って……、靴下の色はその、黒にすると昼間のドレスと合わなくて……」
いや、合わないこともないかもしれないが、やはり揃えて穿くと、妙に意識してしまうというか……とにかくグレイスも恥ずかしかったのだ。
「白と黒を穿いて、孤児院へ行ったんだな」
(うう……改めて言われると、すごく恥ずかしい)
グレイスは火照る頬を掌で押さえながら、言い訳する。
「破廉恥なのは、承知していますわ。でも、メイドから涼しそうですね、って言われて、天気も熱くなると聞いて……せっかくもらったのに、捨てるのももったいなくて……。レイモンド様も、喜ぶかなと思って……」
「グレイス……」
妻の告白に、レイモンドの身体がよろめく。そのまま飛びかかってくるかと思ったが、彼は口元を押さえ、はぁはぁと危なげな呼吸を整えようとする。
「えろいし、可愛すぎる……だが、まだだ……グレイスの気遣いを無駄にしてはいけないし、俺は今……」というぶつぶつと己を納得させる? 葛藤に満ちた呟きも聞こえてくる。
グレイスが心もとない気持ちで見守っていると、やがてレイモンドは理性を取り戻し、靴下では覆い隠しきれていない、むき出しの肌へ手を伸ばした。そのまま指先を上へと滑らせ、面積の少ない布地の感触を味わい、とうとう秘部へたどり着いた時――
「っ……ここ、穴が空いているじゃないか」
そう。レースで覆われているものの、前開きの服のように左右に開くことができ、一番大事な部分は一切守られておらず、簡単に丸見えになってしまう作りをしていた。
グレイスは顔を伏せ、消え入りそうな声で説明する。
「……このまま、繋がることができるようになっているんです」
目元を染めて俯くグレイスの顔を凝視したレイモンドは、再び彼女の下着に視線を注ぎ、不意にしゃがみ込んだ。
「レイモンド様? 何を……」
「何って、ここも当然、調べるんだ」
そう言ってレイモンドはまずグレイスの秘部をじっくりと眺め、隠されているレース部分をそっと開いた。
「濡れてる……」
はぁ、と息がかかったと思えば、レイモンドの顔がグッと近づき、舌先が蜜を舐めとった。
「あ、んっ……」
グレイスの口から甘い声が合図となったかのように、レイモンドはぺろぺろと舐め始める。もうすでに何度も口淫されているせいか、グレイスの身体は淫らに躾けられ、従順に愛液を蜜壺から溢れさせる。
レイモンドもどこを舐めればグレイスが悦ぶが熟知しており、激しく舐めるよりも、ゆっくりと焦らすような舌戯で彼女を追いつめていく。
「だめ……そんな、いっぱい舐められたら……」
与えられる快感にぶるぶると身体を震わせ、ついレイモンドの頭を支えにしてしまう。彼は気にせず、空いた自分の手をグレイスの尻へ回し、やわやわと揉んでくる。彼女の目に涙が溜まり、必死で声を殺しながら、背中が丸まっていく。
「んっ、んっ、……っ、あ、だめ……、もう、いっちゃ――……」
莢に隠れた小さな蕾を舌で丹念に舐められてきつく吸われると、グレイスの限界は達した。どっと最奥から蜜が溢れ出し、それもまたレイモンドの舌で掻き出される。
余すところなく蜜を啜った彼は、ようやく少し顔を離し、頬を紅潮させて達したばかりのグレイスを上目遣いで見た。その表情に何を思ったのか、また濡れそぼった秘所に顔を埋めようとしたので、グレイスはとっさに手で隠す。
「もう、だめ……」
「どうして?」
「だって……まだ、調べ終わってないもの」
グレイスの返答にレイモンドは目を丸くし、笑った。
「そうだな。まだ、上を調べていなかった」
彼は立ち上がり、腰の立たないグレイスを肩に寄りかかせて上着を脱がしていく。果てた余韻のせいで、彼に触れられるだけでびくびくと反応してしまう。
ぱさりとフリルのついたブラウスとキャミソールが寝台の縁に落とされ、火照った肌がひんやりとした空気に晒される。
「上も、黒なんだな……」
レイモンドの呟きに、グレイスは肩口に額を押しつけてこくりと頷いた。
「もっとよく見せて」
グレイスの身体を離し、レイモンドがまじまじと見てくる。
エステラがくれたのは、下だけでなく上の下着とセットになったものだった。
ビスチェと言われるもので、胸の膨らみを下から支え、腰も覆って美しいくびれを作り出してくれる下着だ。
しかしこれも下と同様、妙に頼りなく、わざとなのかサイズが合わなかったのか、グレイスの胸の飾りを隠す程度で、豊満な膨らみは全てを覆い隠してはくれず、窮屈そうにはみ出している。
また生地が薄く、繊細な模様で肌を透けさせて、妖しくも淫猥な光景を生み出していた。
「すごく、いいな……。俺の他には、誰にも見せていない?」
「着替えを手伝ってくれたメイド以外は誰も……レイモンド様だけです」
「よかった……」
服の下に上下黒の下着を穿いて、何食わぬ顔で孤児院へ出向いた自分が今更ながら豪胆と言うか、破廉恥に思えてくる。
「もし今の貴女をあの男が見ていたら、俺は貴女に止められても間違いなく殺していた」
そう言って、レイモンドは胸の谷間に指を引っ掛け、窮屈そうに収まっていた乳房をすべて零れさせた。顔を寄せ、当然のごとく口づけを落とし、先端を赤子のようにしゃぶってくる。
「ん、っ……ふ……」
舐められていない下の口からまた蜜が溢れ、太股を伝っていくのがわかる。腰や尻を誘うようにくねくねと動かし、手の甲を唇に押し当てて必死に声を我慢した。
(わたし、胸だけでいってしまいそう……)
「いきそう?」
素直に頷けば、彼が笑ったのがわかる。
「いいよ。何度でも気持ちよくなって」
ちゅぷっ、と淫らな音を立てながら何度も吸われ、突然歯で優しく噛まれた時、グレイスはびくびくっと身体を震わせ、レイモンドの頭を自分の胸に押しつけながら二度目の絶頂を味わった。
はぁはぁと呼吸を荒らげ、慌ててレイモンドの頭を押さえていた力を緩める。なんとか姿勢を正し、彼に見下ろされる。
レイモンドの目はぎらぎらと情欲の炎が漲っており、このまま一つに繋がることを渇望していた。だから彼女は背を向けて、自ら寝台に上がった。
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