109 / 116
ディートハルト
32、繋がらないまま*
しおりを挟む
「――またギーゼラの所へ行くのか」
イレーネが寝台の縁に腰かけてちょうど下りようとしていた時、目が覚めたディートハルトは背中に声をかけた。
「ええ。ごめんなさい。起こしてしまって……」
むくりと起き上がったディートハルトにイレーネはすまなそうに謝る。彼女は起こしてしまうから別々に寝ることを提案したのだが、自分の方が却下したので、別に謝る必要はないと告げた。
「あの……」
手首を掴まれ、じっと見つめてくるディートハルトに、イレーネは困っている。彼は無言で彼女を後ろから抱きしめた。まるで行くなというように。
小さな身体が微かに揺れて、彼女の困惑が伝わってくる。振り解いて行ってしまえばいいのに、そうしない。以前なら――再会した時は、なりふり構わず逃げ去ったことを思い出す。小さな掌に傷をつけて……
「あ……」
ディートハルトはイレーネの手を取ると、掌にそっと唇を押し当てた。手の甲にも、手入れされた指先にも、長い口づけを落とし、イレーネを見つめる。
「きみを、抱きたい」
「えっ……」
正直にねだられるとは、思っていなかったのかもしれない。
「でも……」
「この頃は夜泣きもない。乳母も、そばにいる」
医者の許可も下りた。
「まだ、やりたくないか」
「わたしがやりたくないと言えば、やめてくれるんですか」
「いいや、やる」
彼女がまた困ったように自分を見つめる。じゃあどうして聞いたのだ、と言いたげな目でもあった。
「無理矢理は、なるべくならしたくない」
今さらかもしれないが、イレーネの許可を得たかった。彼女はディートハルトを見つめたまましばらく沈黙して、ふと俯いた。そしてわかりましたと小さな声で伝えた。でも久しぶりだから優しくしてほしいと言われ、ディートハルトはわかっていると言いながら彼女を寝台の上へ引っ張り上げ、口づけしながらそっと押し倒した。
一度触れれば我慢できない自信があったので、唇に触れることもしなかった。だからふっくらとした感触に、歯列をなぞって、赤い舌を絡ませあうことに、自分の荒い鼻息に、彼女の苦しそうな呼吸に、ぴちゃぴちゃと鳴る水音すべてに興奮して、何も考えず本能のまま抱き潰しそうになる。
「はぁ、はぁ……」
ようやく一度解放してやると、彼女の頬は薄暗い部屋でもわかるほど赤くなっていて、さらにディートハルトの情欲を煽った。互いの唾液で濡れた唇に再度かぶりつきながら、今度は掌で胸を弄ろうとして伸ばすと――
「ぁ……」
彼女がぱちっと目を開いて声を上げた。ディートハルトも自分の掌を見た。薄い夜着は、胸の先端あたりが濡れていた。
「ぁ、やだ、ごめんなさい……」
イレーネは急に恥ずかしくなったように起き上がって、胸元を隠そうとした。その腕を、ディートハルトは掴むと、シーツに縫い付け、夜着のリボンを手早くほどき、肌を露わにさせた。
赤子が吸って大きくなった乳首から白く透明な液体が零れ落ちている。母乳だ。
「ディートハルトさま、拭きますからどいて……あっ」
彼は口を寄せ、その先端にぱくりと吸いついた。そして赤子のようにちゅうちゅうと吸い始めた。
「んっ、だめっ、美味しく、ないですからっ……」
まるで誰かに――ハインツに飲ませたことのあるような台詞に、ディートハルトはカッとなってイレーネの制止も構わず溢れてくる乳汁を必死で飲み続けた。
「はぁ……んっ……いや……そんな吸わないで……」
たしかに美味しい味とはいえない。だがイレーネのものだと思えば、不思議と甘美な味に思えてきて、ディートハルトは夢中で吸い続けた。もう出ないとわかると、ちゅぷっと音を立てて口を離し、もう片方も平等に飲んでやろうとまた顔を寄せた。
「もうだめ……あの子のぶんがなくなってしまいます……」
イレーネが泣きそうな声で言うがディートハルトは無視した。ギーゼラには乳母がいる。イレーネのものまで分けてやる必要はない。これは自分のものだ。
大の大人が必死で乳を吸っている姿はひどく変態的で情けないだろうが、情交に耽る男の姿なんてこんなものだろう。外見や恥を捨ててイレーネの乳が吸えるならば、安いものだ、とさえ思った。
「ふぅ……ぁ、はぁ……」
あんまり強く吸うと痛いのか眉根を寄せるので、どれくらいがちょうどいいか、いろいろ試してみる。そのうち彼女が悩ましげに息を吐いて、もどかしげに太股を擦り合わせるのがわかった。
もう出なくなっても、ディートハルトはしばらく堪能し続け、ようやく厭らしい音を立てて唇を離すと、そのまま目元を赤くして顔を背けているイレーネに口づけした。舌を絡ませて、先ほど味わったものを彼女にも味わわせる。
「きみの味だ」
そう言うと、ますます顔を赤らめたのがわかって、ふっと微笑んだ。夜着をすべて脱がせ、掌全体で肌を感じるように撫でていく。柔らかで、以前よりも肉付きがあった。
脚の付け根に指をやると、不安そうな顔をした彼女がじっと見つめていることに気づき、大丈夫だと言いながら、そっと割れ目をなぞる。まだ花びらを割って奥へ進むことはせず、赤い突起をそっと突いたり、太股をマッサージするように愛撫した。
少しずつそういう気持ちになり始めたのか、イレーネが胸を上下させて身体をくねらせるので、ディートハルトは蕾と花芯を中心に弄り始めた。濡れるのに時間がかかったが、丁寧な愛撫のおかげでやがてとろとろと蜜が溢れてくる。彼は舐めたい誘惑に駆られたが、切なそうな、悩ましげな表情で耐えるイレーネの顔も見続けたくて、後者を選んだ。
「んっ……ふぅ、ぁ……」
くちゅりくちゅりと鳴る水音が彼女の吐息に混ざって、ディートハルトの指はますます濡れていく。中よりも陰核を弄ってやった方が気持ちよさそうなのでそちらを中心に可愛がってやれば、大きな乳房がふるりと震え、腰や尻が揺れる。宙を見ていたグレイの瞳がディートハルトの視線と絡み合い、恥ずかしそうに伏せられる姿にごくりと唾を飲み込んだ。
吸い寄せられるように顔を寄せ、また唇を重ねた。くぐもった声もいいが、彼女の甘い声も聴きたいと思って離して、目元や頬に口づけして、耳朶を代わりに甘噛みする。
そのうち切羽詰まったような表情を浮かべて腰を浮かし始めたので、そろそろいくのだろうとディートハルトは大きく膨らんだ淫芽を弄る指の動きを早めた。
「はぁ、ぁっ……んっ、んんっ――」
びくびくっと震えながら、イレーネは達した。その瞬間を見届けたディートハルトも射精しそうになった。急いで前を寛げさせ、痛いほど張りつめていた己のものを彼女の愛液で濡れた手で扱き始める。荒い息を吐くディートハルトを今度はイレーネがじっと見つめているのがわかり、視線を絡ませる。
本当は繋がりたいのに繋がっていなくて、欲しいものを与えられない飢餓感と、でも見られている興奮で、ディートハルトの男根は熱く膨れ上がった。イレーネの顔を見ながら何度も激しく擦って――
「はぁ、はぁ、くっ――」
彼女の腹に射精した。白い液体がたっぷりと出て、彼女の肌を汚してしまう。ひどく神聖なものを穢した気持ちになり、仄暗い悦びともっと穢してやりたいという欲望が湧き起るが、びっくりした彼女の表情にやめようと思い、清潔な布で綺麗に拭ってやった。
たった一回の射精であり、彼女と繋がったわけでもなかったが、ディートハルトは満足していた。イレーネの服を元通りに着せてやり、隣に横になれば、彼女は何か言いたげな表情をしていたが、達した疲労感から眠気の方が勝ったのか、やがて安らかな寝息を立てて眠りについた。
彼はしばらくその寝顔を見ていたが、自分もうつらうつらし始めたので、彼女を抱き寄せ、同じように目を閉じた。
イレーネが寝台の縁に腰かけてちょうど下りようとしていた時、目が覚めたディートハルトは背中に声をかけた。
「ええ。ごめんなさい。起こしてしまって……」
むくりと起き上がったディートハルトにイレーネはすまなそうに謝る。彼女は起こしてしまうから別々に寝ることを提案したのだが、自分の方が却下したので、別に謝る必要はないと告げた。
「あの……」
手首を掴まれ、じっと見つめてくるディートハルトに、イレーネは困っている。彼は無言で彼女を後ろから抱きしめた。まるで行くなというように。
小さな身体が微かに揺れて、彼女の困惑が伝わってくる。振り解いて行ってしまえばいいのに、そうしない。以前なら――再会した時は、なりふり構わず逃げ去ったことを思い出す。小さな掌に傷をつけて……
「あ……」
ディートハルトはイレーネの手を取ると、掌にそっと唇を押し当てた。手の甲にも、手入れされた指先にも、長い口づけを落とし、イレーネを見つめる。
「きみを、抱きたい」
「えっ……」
正直にねだられるとは、思っていなかったのかもしれない。
「でも……」
「この頃は夜泣きもない。乳母も、そばにいる」
医者の許可も下りた。
「まだ、やりたくないか」
「わたしがやりたくないと言えば、やめてくれるんですか」
「いいや、やる」
彼女がまた困ったように自分を見つめる。じゃあどうして聞いたのだ、と言いたげな目でもあった。
「無理矢理は、なるべくならしたくない」
今さらかもしれないが、イレーネの許可を得たかった。彼女はディートハルトを見つめたまましばらく沈黙して、ふと俯いた。そしてわかりましたと小さな声で伝えた。でも久しぶりだから優しくしてほしいと言われ、ディートハルトはわかっていると言いながら彼女を寝台の上へ引っ張り上げ、口づけしながらそっと押し倒した。
一度触れれば我慢できない自信があったので、唇に触れることもしなかった。だからふっくらとした感触に、歯列をなぞって、赤い舌を絡ませあうことに、自分の荒い鼻息に、彼女の苦しそうな呼吸に、ぴちゃぴちゃと鳴る水音すべてに興奮して、何も考えず本能のまま抱き潰しそうになる。
「はぁ、はぁ……」
ようやく一度解放してやると、彼女の頬は薄暗い部屋でもわかるほど赤くなっていて、さらにディートハルトの情欲を煽った。互いの唾液で濡れた唇に再度かぶりつきながら、今度は掌で胸を弄ろうとして伸ばすと――
「ぁ……」
彼女がぱちっと目を開いて声を上げた。ディートハルトも自分の掌を見た。薄い夜着は、胸の先端あたりが濡れていた。
「ぁ、やだ、ごめんなさい……」
イレーネは急に恥ずかしくなったように起き上がって、胸元を隠そうとした。その腕を、ディートハルトは掴むと、シーツに縫い付け、夜着のリボンを手早くほどき、肌を露わにさせた。
赤子が吸って大きくなった乳首から白く透明な液体が零れ落ちている。母乳だ。
「ディートハルトさま、拭きますからどいて……あっ」
彼は口を寄せ、その先端にぱくりと吸いついた。そして赤子のようにちゅうちゅうと吸い始めた。
「んっ、だめっ、美味しく、ないですからっ……」
まるで誰かに――ハインツに飲ませたことのあるような台詞に、ディートハルトはカッとなってイレーネの制止も構わず溢れてくる乳汁を必死で飲み続けた。
「はぁ……んっ……いや……そんな吸わないで……」
たしかに美味しい味とはいえない。だがイレーネのものだと思えば、不思議と甘美な味に思えてきて、ディートハルトは夢中で吸い続けた。もう出ないとわかると、ちゅぷっと音を立てて口を離し、もう片方も平等に飲んでやろうとまた顔を寄せた。
「もうだめ……あの子のぶんがなくなってしまいます……」
イレーネが泣きそうな声で言うがディートハルトは無視した。ギーゼラには乳母がいる。イレーネのものまで分けてやる必要はない。これは自分のものだ。
大の大人が必死で乳を吸っている姿はひどく変態的で情けないだろうが、情交に耽る男の姿なんてこんなものだろう。外見や恥を捨ててイレーネの乳が吸えるならば、安いものだ、とさえ思った。
「ふぅ……ぁ、はぁ……」
あんまり強く吸うと痛いのか眉根を寄せるので、どれくらいがちょうどいいか、いろいろ試してみる。そのうち彼女が悩ましげに息を吐いて、もどかしげに太股を擦り合わせるのがわかった。
もう出なくなっても、ディートハルトはしばらく堪能し続け、ようやく厭らしい音を立てて唇を離すと、そのまま目元を赤くして顔を背けているイレーネに口づけした。舌を絡ませて、先ほど味わったものを彼女にも味わわせる。
「きみの味だ」
そう言うと、ますます顔を赤らめたのがわかって、ふっと微笑んだ。夜着をすべて脱がせ、掌全体で肌を感じるように撫でていく。柔らかで、以前よりも肉付きがあった。
脚の付け根に指をやると、不安そうな顔をした彼女がじっと見つめていることに気づき、大丈夫だと言いながら、そっと割れ目をなぞる。まだ花びらを割って奥へ進むことはせず、赤い突起をそっと突いたり、太股をマッサージするように愛撫した。
少しずつそういう気持ちになり始めたのか、イレーネが胸を上下させて身体をくねらせるので、ディートハルトは蕾と花芯を中心に弄り始めた。濡れるのに時間がかかったが、丁寧な愛撫のおかげでやがてとろとろと蜜が溢れてくる。彼は舐めたい誘惑に駆られたが、切なそうな、悩ましげな表情で耐えるイレーネの顔も見続けたくて、後者を選んだ。
「んっ……ふぅ、ぁ……」
くちゅりくちゅりと鳴る水音が彼女の吐息に混ざって、ディートハルトの指はますます濡れていく。中よりも陰核を弄ってやった方が気持ちよさそうなのでそちらを中心に可愛がってやれば、大きな乳房がふるりと震え、腰や尻が揺れる。宙を見ていたグレイの瞳がディートハルトの視線と絡み合い、恥ずかしそうに伏せられる姿にごくりと唾を飲み込んだ。
吸い寄せられるように顔を寄せ、また唇を重ねた。くぐもった声もいいが、彼女の甘い声も聴きたいと思って離して、目元や頬に口づけして、耳朶を代わりに甘噛みする。
そのうち切羽詰まったような表情を浮かべて腰を浮かし始めたので、そろそろいくのだろうとディートハルトは大きく膨らんだ淫芽を弄る指の動きを早めた。
「はぁ、ぁっ……んっ、んんっ――」
びくびくっと震えながら、イレーネは達した。その瞬間を見届けたディートハルトも射精しそうになった。急いで前を寛げさせ、痛いほど張りつめていた己のものを彼女の愛液で濡れた手で扱き始める。荒い息を吐くディートハルトを今度はイレーネがじっと見つめているのがわかり、視線を絡ませる。
本当は繋がりたいのに繋がっていなくて、欲しいものを与えられない飢餓感と、でも見られている興奮で、ディートハルトの男根は熱く膨れ上がった。イレーネの顔を見ながら何度も激しく擦って――
「はぁ、はぁ、くっ――」
彼女の腹に射精した。白い液体がたっぷりと出て、彼女の肌を汚してしまう。ひどく神聖なものを穢した気持ちになり、仄暗い悦びともっと穢してやりたいという欲望が湧き起るが、びっくりした彼女の表情にやめようと思い、清潔な布で綺麗に拭ってやった。
たった一回の射精であり、彼女と繋がったわけでもなかったが、ディートハルトは満足していた。イレーネの服を元通りに着せてやり、隣に横になれば、彼女は何か言いたげな表情をしていたが、達した疲労感から眠気の方が勝ったのか、やがて安らかな寝息を立てて眠りについた。
彼はしばらくその寝顔を見ていたが、自分もうつらうつらし始めたので、彼女を抱き寄せ、同じように目を閉じた。
359
お気に入りに追加
4,937
あなたにおすすめの小説
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
記憶を失くした彼女の手紙 消えてしまった完璧な令嬢と、王子の遅すぎた後悔の話
甘糖むい
恋愛
婚約者であるシェルニア公爵令嬢が記憶喪失となった。
王子はひっそりと喜んだ。これで愛するクロエ男爵令嬢と堂々と結婚できると。
その時、王子の元に一通の手紙が届いた。
そこに書かれていたのは3つの願いと1つの真実。
王子は絶望感に苛まれ後悔をする。
【完結】365日後の花言葉
Ringo
恋愛
許せなかった。
幼い頃からの婚約者でもあり、誰よりも大好きで愛していたあなただからこそ。
あなたの裏切りを知った翌朝、私の元に届いたのはゼラニウムの花束。
“ごめんなさい”
言い訳もせず、拒絶し続ける私の元に通い続けるあなたの愛情を、私はもう一度信じてもいいの?
※勢いよく本編完結しまして、番外編ではイチャイチャするふたりのその後をお届けします。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
筆頭婚約者候補は「一抜け」を叫んでさっさと逃げ出した
基本二度寝
恋愛
王太子には婚約者候補が二十名ほどいた。
その中でも筆頭にいたのは、顔よし頭良し、すべての条件を持っていた公爵家の令嬢。
王太子を立てることも忘れない彼女に、ひとつだけ不満があった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
姉の婚約者であるはずの第一王子に「お前はとても優秀だそうだから、婚約者にしてやってもいい」と言われました。
ふまさ
恋愛
「お前はとても優秀だそうだから、婚約者にしてやってもいい」
ある日の休日。家族に疎まれ、蔑まれながら育ったマイラに、第一王子であり、姉の婚約者であるはずのヘイデンがそう告げた。その隣で、姉のパメラが偉そうにふんぞりかえる。
「ぞんぶんに感謝してよ、マイラ。あたしがヘイデン殿下に口添えしたんだから!」
一方的に条件を押し付けられ、望まぬまま、第一王子の婚約者となったマイラは、それでもつかの間の安らぎを手に入れ、歓喜する。
だって。
──これ以上の幸せがあるなんて、知らなかったから。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
婚約者を想うのをやめました
かぐや
恋愛
女性を侍らしてばかりの婚約者に私は宣言した。
「もうあなたを愛するのをやめますので、どうぞご自由に」
最初は婚約者も頷くが、彼女が自分の側にいることがなくなってから初めて色々なことに気づき始める。
*書籍化しました。応援してくださった読者様、ありがとうございます。
不遇な王妃は国王の愛を望まない
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。
※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり。ハピエン🩷
※稚拙ながらも投稿初日からHOTランキング(2024.11.21)に入れて頂き、ありがとうございます🙂 今回初めて最高ランキング5位(11/23)✨ まさに感無量です🥲
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる