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ディートハルト
17、交渉
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「――やはり最後にはおまえが障害となるのね」
腹の中ではどうかわからないが、グリゼルダは焦りなど微塵も見せず、堂々とした態度でディートハルトを迎え入れた。そしてまずは言葉で彼を説得しようとしてきた。
「このままあの無能な王に国を継がせてもいいと、おまえは本当に思っているの?」
「たとえどんな主でも最期まで忠義を尽くすのが、騎士というものですから」
「おまえが騎士道精神を語るなど、いよいよこの国もお終いかもしれないわね」
ディートハルトも自身が高潔な騎士とは微塵も思っていない。しかし今はそのことを議論している場合ではないだろう。
「それで、どうなさるおつもりですか」
「降伏しなさい」
「ではイレーネのいる場所を教えてください」
それが条件だと言えば、グリゼルダは黙り込んだ。
ここまできても、まだグリゼルダはイレーネの居場所を教えたくないらしい。
「ご自身の置かれた状況を、理解なさっているのですか」
「おまえをここで殺してしまえば、黒の騎士団に統率する能力はないわ」
たしかにあの無能な総長では自分の死にさらに動揺して、部下たちもやはりだめだと諦める可能性が高い。ディートハルトは自分が殺されるかもしれない状況だというのにひどく落ち着いていた。ただ冷静に、そうなった時のことを考えてみる。
「――もし、私を殺して黒の騎士団を追いつめたとしても、兄君は隣国へ亡命して、兵を募るかもしれません」
彼女が女王になるのを認めない国は多い。というより、外国人でも要職に就かせるヴィルヘルムの方が利が得られると考え、喜んで力を貸してくれるはずだ。そうして一度戦争が始まれば、簡単には終わらない。この国だけでなく、イレーネのいる国にも被害は及ぶかもしれない。
「貴女は聖戦が無駄な戦いであったと、後悔していらっしゃるのでしょう? それなのに今度は自分が王になるために国を疲弊させる戦いを引き起こすなど――どちらも同じくらい愚かだとは思いませんか」
グリゼルダの顔は変わらなかったが、纏う雰囲気に殺気が混じったのを感じた。
「あなたこそ、あの子のためにわざわざ戦争を起こしたがっているように見えるけれど?」
「できるなら起こしたくはありません。ですが他にそれしか方法がないというならば、致し方ありません」
平然と答えたディートハルトに、グリゼルダは無感動に返す。
「彼女はもうあなたではない、別の男と幸せに暮らしている。今さらあなたがのこのこ現れた所で、何もかも遅いだけだと思うけれど」
「別れなければならないようにするだけです」
「おまえみたいな男が地を這いつくばっている姿が見たかったのに」
蛆虫でも見るかのような目で彼女は言った。
「おまえの態度を見ていても、ちっとも後悔しているようには見えない。焦りも見えはしない。――マルガレーテと結婚して、もっとそういうのが見られると期待していたのに。興醒めよ」
「これでも後悔しております」
焦ってもいる。こうしてグリゼルダ相手に駆け引きしているのがその証拠だ。
「でも私に隙を見せれば一気に不利になる。そういうことを気にする余裕が未だにあるのが気に入らないの」
「余裕のなさを見せつけても、相手が聞き入れるとは限りません」
「そうかしら? 私は愛する人間のために力を貸してほしいと、なりふり構わず地に這いつくばった男には協力してやってもいいという気になったわよ」
ハインツはそうしたわよ、と告げられ、ディートハルトは押し黙った。その顔を見て、初めてグリゼルダは心からの笑みを浮かべた。そして聞いてもないのに男のことを話し始める。
「彼ね、私がイレーネのどこが好きかと尋ねれば、馬鹿正直にたくさん述べてくれたわ。他にも、俺はどうなってもいいからとか健気なことを言って、ああ、そうそう。犬の真似事をしてごらんなさいと言えば、何の躊躇いもなくしてみせたのよ。――おまえはそういうこと、できる?」
できないでしょう、と彼女は返事も聞かず決めつけた。
だがその通りだ。
「そんな相手の言うことを素直に聞いても、面白がってさらに無茶な命令を要求するだけです」
そして肝心の願いは聞き入れない。相手をつけ上がらせるだけだ。脅すか何なりかして役に立たなければ、始末した方が早い。ディートハルトにはハインツが愚かで馬鹿な男にしか思えなかった。
「――そうね。でも、馬鹿って愛嬌があるじゃない。イレーネも、彼のそういうところに絆されたのではなくて?」
自分にはないものをハインツは持っている。だからイレーネは駆け落ちするほどの愛を彼に捧げたのだ。
「おまえがイレーネを無理矢理取り戻したところで、きっとハインツには勝てないわよ。それでも望むというの?」
ディートハルトはグリゼルダの質問には答えず、代わりにこう言った。
「殿下。貴女も、俺と同じでしょう」
自分でも意図せず切って捨てるような強い口調になったのは、何か癇に障るものがあったからだろうか。わからない。だがこれ以上、無駄なやり取りに時間を割くつもりはなかった。
「同じですって?」
しかしグリゼルダはディートハルトの言葉が癪に障ったようで、整った眉を歪な形にした。
「私があなたと同じ? 性根が腐っているという意味ではたしかに同じかもしれないけれど、私は尽くしてくれた相手にはそれなりの温情をもって、接しているつもりよ」
おまえと一緒にするなと、彼女の目は告げていた。
「そうですね。同じではないかもしれません」
似ているようだが、彼女の根底には情が通っているように見える。あれほど苛烈な感情を肉親へ向けるのも、並大抵なことではない。失ってしまった誰かのことを忘れられないから、ここまで上りつめたのだ。
――いや、それともやはり、そんな立派な思いもいつしか消えて、ただどうしようもないほど真っ暗な、底の見えないどろどろとした感情に足元から浸かって抜け出せないだけなのか。自分と同じように。
「おまえは結局、何が言いたいの」
「貴女は私にいろいろとおっしゃいましたが、要は自分の嫌いな人間を徹底的に虐げ、排除したいだけでしょう?」
この国のため、と言いながらも、本当は吐き気がするほど嫌っている父親に報復したいだけ。自分が女王になるのに邪魔な兄を消したいだけだ。
「その者たちに思う存分復讐できるんですよ」
「そのためにあなたを利用しろと?」
馬鹿にしたように笑われる。
「一度裏切った人間を――おまえみたいなクズをそばにおいておく方が、何よりも危険だわ」
「あなたが俺の願いを聞き入れてくださるならば、決して裏切りません」
「信用できないわ」
ならばもう仕方ない。
ディートハルトは立ち上がり、失礼することを告げた。
「このまま帰ることができると思っているの?」
「いいえ。思っていません」
ちょうど扉が開き、騎士がグリゼルダに素早く何かを伝える。意外にも、彼女は落ち着いた様子で指示を出していた。
そして冷めた目でまたディートハルトを見やる。
「おまえは人間の言うことなど聞かない獣の類だものね」
「こういう時は、待ってはいけないんです」
交渉が決裂しようが上手くいこうが、ディートハルトは夜明けと共に城に突撃することを部下に命じていた。ただの無血で済んだとあれば、自分が敵に寝返ったと思われて後々責任問題にもなりかねない。
「――そう。でもここで死ぬのなら、何の意味もないのではなくて?」
グリゼルダのゾッとするほど冷たい眼差しがディートハルトを捕えた時――
ガタン、ともう一度扉を開けて騎士が入ってくる。先ほどよりも慌てた様子だ。彼の報告を聞いたグリゼルダが、今度こそ忌々しそうにディートハルトを睨みつけた。ディートハルトは悠然と答えた。
「敵は見えているものだけとは限りませんよ」
神に仕える戦士だと言いながらも、結局は薄汚れた欲を持った人間の一員だ。金や女、そして敗けた後の末路を聞かせてやれば、白から黒へと堕ちてくれる者は一定数いた。
城の外ではなく、中から――しかも味方から剣を向けられれば、混乱して、グリゼルダの身も危なくなる。もっとも、自分と対面することを選んだ時点で彼女の敗北は決まっていたのかもしれない。
その決定を覆すためには、ディートハルトの要求を呑むしかない。
「さぁ、グリゼルダ様。選んでください。このまま殿下で終わるか、陛下として突き進むか」
グリゼルダはおよそ王族とは思えない、民衆ですら顔を顰めるような品のない言葉でディートハルトを無表情のまま小さく罵ると、やがて諦めたようにため息をついて、固く目をつぶった。
腹の中ではどうかわからないが、グリゼルダは焦りなど微塵も見せず、堂々とした態度でディートハルトを迎え入れた。そしてまずは言葉で彼を説得しようとしてきた。
「このままあの無能な王に国を継がせてもいいと、おまえは本当に思っているの?」
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「貴女は聖戦が無駄な戦いであったと、後悔していらっしゃるのでしょう? それなのに今度は自分が王になるために国を疲弊させる戦いを引き起こすなど――どちらも同じくらい愚かだとは思いませんか」
グリゼルダの顔は変わらなかったが、纏う雰囲気に殺気が混じったのを感じた。
「あなたこそ、あの子のためにわざわざ戦争を起こしたがっているように見えるけれど?」
「できるなら起こしたくはありません。ですが他にそれしか方法がないというならば、致し方ありません」
平然と答えたディートハルトに、グリゼルダは無感動に返す。
「彼女はもうあなたではない、別の男と幸せに暮らしている。今さらあなたがのこのこ現れた所で、何もかも遅いだけだと思うけれど」
「別れなければならないようにするだけです」
「おまえみたいな男が地を這いつくばっている姿が見たかったのに」
蛆虫でも見るかのような目で彼女は言った。
「おまえの態度を見ていても、ちっとも後悔しているようには見えない。焦りも見えはしない。――マルガレーテと結婚して、もっとそういうのが見られると期待していたのに。興醒めよ」
「これでも後悔しております」
焦ってもいる。こうしてグリゼルダ相手に駆け引きしているのがその証拠だ。
「でも私に隙を見せれば一気に不利になる。そういうことを気にする余裕が未だにあるのが気に入らないの」
「余裕のなさを見せつけても、相手が聞き入れるとは限りません」
「そうかしら? 私は愛する人間のために力を貸してほしいと、なりふり構わず地に這いつくばった男には協力してやってもいいという気になったわよ」
ハインツはそうしたわよ、と告げられ、ディートハルトは押し黙った。その顔を見て、初めてグリゼルダは心からの笑みを浮かべた。そして聞いてもないのに男のことを話し始める。
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できないでしょう、と彼女は返事も聞かず決めつけた。
だがその通りだ。
「そんな相手の言うことを素直に聞いても、面白がってさらに無茶な命令を要求するだけです」
そして肝心の願いは聞き入れない。相手をつけ上がらせるだけだ。脅すか何なりかして役に立たなければ、始末した方が早い。ディートハルトにはハインツが愚かで馬鹿な男にしか思えなかった。
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「同じですって?」
しかしグリゼルダはディートハルトの言葉が癪に障ったようで、整った眉を歪な形にした。
「私があなたと同じ? 性根が腐っているという意味ではたしかに同じかもしれないけれど、私は尽くしてくれた相手にはそれなりの温情をもって、接しているつもりよ」
おまえと一緒にするなと、彼女の目は告げていた。
「そうですね。同じではないかもしれません」
似ているようだが、彼女の根底には情が通っているように見える。あれほど苛烈な感情を肉親へ向けるのも、並大抵なことではない。失ってしまった誰かのことを忘れられないから、ここまで上りつめたのだ。
――いや、それともやはり、そんな立派な思いもいつしか消えて、ただどうしようもないほど真っ暗な、底の見えないどろどろとした感情に足元から浸かって抜け出せないだけなのか。自分と同じように。
「おまえは結局、何が言いたいの」
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この国のため、と言いながらも、本当は吐き気がするほど嫌っている父親に報復したいだけ。自分が女王になるのに邪魔な兄を消したいだけだ。
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馬鹿にしたように笑われる。
「一度裏切った人間を――おまえみたいなクズをそばにおいておく方が、何よりも危険だわ」
「あなたが俺の願いを聞き入れてくださるならば、決して裏切りません」
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ならばもう仕方ない。
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「――そう。でもここで死ぬのなら、何の意味もないのではなくて?」
グリゼルダのゾッとするほど冷たい眼差しがディートハルトを捕えた時――
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「敵は見えているものだけとは限りませんよ」
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「さぁ、グリゼルダ様。選んでください。このまま殿下で終わるか、陛下として突き進むか」
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