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ディートハルト
10、違和感
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グリゼルダの言葉に思うところがなかったわけではないが、だからといってマルガレーテとの婚約を解消する選択肢はディートハルトにはなかった。そんなこと今さら認められないし、あんなに苦労して手に入れたのにやっぱりやめるなど、馬鹿な人間がやることだと思った。
ディートハルトはマルガレーテとの幸せを噛みしめたかった。そしてそれは彼女も同じであった。
「ディートハルト。わたくし、街に行ってみたいわ」
王都へ連れ戻されて以来、マルガレーテはほぼ監禁状態で城から出たことがなかった。過保護な父親が何かあったらいけないと許さなかったのだ。だから彼女が外の景色を見てみたいと思うのは当然の願いであり、ディートハルトは何としてでも叶えてやりたいと思った。
彼は自分がついていること、そして他にも数名の護衛をつけることで国王を説得し、マルガレーテを外へ連れ出すことができた。
「わぁ、すてき!」
彼女は子どものように無邪気に喜んでくれた。そんな彼女が微笑ましいと、ディートハルトも頬を緩ます。
「あ、ディートハルト。あれは何かしら?」
「ああ。あれは――」
マルガレーテに近づくために夫人にあちこち連れ回されたことはある。だがそんなものはただの仕事で、愛しい人との逢瀬は初めてだった。――イレーネとも、しなかった。
風の噂で、というより噂好きの宮廷人たちから聞いた話によると、彼女はブレット伯爵の息子と婚約を結んだらしい。その名前はディートハルトも聴いたことがあった。遊び人の放蕩息子。ろくな人間ではない男が、イレーネの次の婚約相手。まさに自分とは何もかも劣る存在に、中には同情する者もいた。
ディートハルトも可哀想だと他人事のように思ったが、屑のような人間が相手であることに心が落ち着いていた。真面目で、善良な人間でなければいい。そう、ユリウスでなければ――
ふと、視線を遠くから感じた。顔を上げる。目を向けた先に、あっ、と言いたげな表情をした女が見えたかと思うと、すぐに視界から消えた。
(今のは……)
「姫。少し、ここでお待ちください」
「えっ、ディートハルト?」
待って、という声は聴こえていなかった。
ただ彼女を追いかけていた。捕まえなくてはと思った。
(どこだ。どこにいる)
自分は焦っていた。なぜこんなにも激しい焦燥感に突き動かされているのかもわからなかった。でも、早く、早くしないと彼女を――奪われてしまう。
「ディートハルト!」
しかし、彼女を見つけることはできなかった。その前にマルガレーテがディートハルトに追いついて、手を取ったから。
「どうしたの、急に?」
心配そうな顔で、自分を見上げるから。愛する人にそんな顔をさせてはいけなかった。愛しているのならば、彼女を優先しなければならない。自分が愛しているのはマルガレーテだから。
「……心配させて、申し訳ありません」
もう戻ろうと、マルガレーテを促した。彼女は理由を述べなかったディートハルトに納得がいかなそうであったが、彼が自分のもとへ帰ってきてくれたので、もう二度とどこへも行かないよう、身体を寄せて手を繋いだ。
恋人の真似事――実際婚約者だから何らおかしくないのに、どこか違和感を覚えつつ、ディートハルトは指を絡ませ、微笑んだ。ひどく名残惜しげな、引き返せという心の叫びを無視して、彼はマルガレーテとの逢瀬を楽しんだ。
「――ハインツ・ブレットのことを、調べてほしい」
気づけば、ディートハルトは信頼できる部下にそう頼んでいた。もちろん周りにもばれないようにだ。なぜここまで気になるかはわからなかった。深い意味はない。ただ、何となく気に入らないだけだ。
しかしハインツがブレット伯爵から勘当されたという話を聞くと、すぐに調査を打ち切った。メルツ男爵は役立たずの婿を大事にしてやるほど善良な性格はしていない。イレーネとの婚約も破談にするだろう。
父親に従順なイレーネも、言われた通りにするはずだ。自分の時だってそうだったから。二度も婚約が上手くいかなくて、しばらくは男爵も娘をそっとしておくかもしれない。いや、あの男のことだから、すぐ別の人間を用意するだろうか。
だが今度はそう簡単に相手は見つかるまい。処女ではない娘と知って、若い男は嫌厭するだろうし、そうなると年老いた男の後妻になるか……いずれにせよ、ろくな男に嫁ぐしかなくなるだろう。
さすがに男爵も娘をそんなところに嫁がせるのは渋るのではないか。いちおう彼女は愛しい女の一人娘であり、大事な駒の一つなのだから。
ディートハルトはイレーネがこの先辿るであろう未来をいろいろと考えていた。彼は自分でも気づいていなかった。もはや自分には関係のないことなのに、あれこれと思考を巡らせていることに。無駄な時間なのに考えてしまうのは、イレーネが自分のものになる未来を、無意識に求めて探していたから。
――後から振り返れば、自分はイレーネを手放したくなかったのだ。他の男などに渡したくないと思っていた。
でもこの時はまだ、その事実に気づこうとしなかった。
そしてある日、ふと城の自室で目が覚めた。まだ外は暗く、日も出ていない。もう一度寝ようと思っても、嫌な感じ――虫の知らせとでも言うべきか、何か急き立てられるような胸騒ぎを覚え、ディートハルトは着替え、外へ出た。
敵に寝床を襲われかけた時や、命の危機に瀕した時に感じる類の違和感とも言うべき直観を、ディートハルトは信じている。これのおかげで今まで自分は生きてこられたから。
馬に乗り、街へとおりて、外へと繋がる門へ走らせる。商人たちが他の街まで商品を運ぶための荷馬車がずらりと並んでおり、それを護衛するための騎士たちがそばについている。珍しい光景ではない。見慣れた光景だ。
だがディートハルトは護衛の中に、グリゼルダの騎士たちがいることが気になった。呼びとめ、質問する。相手は特段慌てた様子も見せず、淡々と受け答えした。
「これは内密にしてほしいのだが――近々、殿下の縁談を正式に決めるので、そのための贈り物でもあるそうだ」
なるほど、とディートハルトは国王の顔が思い浮かんだ。彼はマルガレーテに危害を加えるかもしれない娘を、何としてでも余所に引き取ってもらいたいと念には念を押しておく魂胆らしい。
グリゼルダの騎士に届けさせるのも、彼女が本気で縁談を望んでいることを相手に伝えるため……彼女の意思とは無関係に、国王が画策したこと。
そう考えれば、納得せざるを得なかった。だが最後まで、違和感は拭えなかった。いっそのこと強引にでも荷物を調べればよかったかもしれない。そう後悔しても、幌馬車はすでに遠くにあった。
ディートハルトはマルガレーテとの幸せを噛みしめたかった。そしてそれは彼女も同じであった。
「ディートハルト。わたくし、街に行ってみたいわ」
王都へ連れ戻されて以来、マルガレーテはほぼ監禁状態で城から出たことがなかった。過保護な父親が何かあったらいけないと許さなかったのだ。だから彼女が外の景色を見てみたいと思うのは当然の願いであり、ディートハルトは何としてでも叶えてやりたいと思った。
彼は自分がついていること、そして他にも数名の護衛をつけることで国王を説得し、マルガレーテを外へ連れ出すことができた。
「わぁ、すてき!」
彼女は子どものように無邪気に喜んでくれた。そんな彼女が微笑ましいと、ディートハルトも頬を緩ます。
「あ、ディートハルト。あれは何かしら?」
「ああ。あれは――」
マルガレーテに近づくために夫人にあちこち連れ回されたことはある。だがそんなものはただの仕事で、愛しい人との逢瀬は初めてだった。――イレーネとも、しなかった。
風の噂で、というより噂好きの宮廷人たちから聞いた話によると、彼女はブレット伯爵の息子と婚約を結んだらしい。その名前はディートハルトも聴いたことがあった。遊び人の放蕩息子。ろくな人間ではない男が、イレーネの次の婚約相手。まさに自分とは何もかも劣る存在に、中には同情する者もいた。
ディートハルトも可哀想だと他人事のように思ったが、屑のような人間が相手であることに心が落ち着いていた。真面目で、善良な人間でなければいい。そう、ユリウスでなければ――
ふと、視線を遠くから感じた。顔を上げる。目を向けた先に、あっ、と言いたげな表情をした女が見えたかと思うと、すぐに視界から消えた。
(今のは……)
「姫。少し、ここでお待ちください」
「えっ、ディートハルト?」
待って、という声は聴こえていなかった。
ただ彼女を追いかけていた。捕まえなくてはと思った。
(どこだ。どこにいる)
自分は焦っていた。なぜこんなにも激しい焦燥感に突き動かされているのかもわからなかった。でも、早く、早くしないと彼女を――奪われてしまう。
「ディートハルト!」
しかし、彼女を見つけることはできなかった。その前にマルガレーテがディートハルトに追いついて、手を取ったから。
「どうしたの、急に?」
心配そうな顔で、自分を見上げるから。愛する人にそんな顔をさせてはいけなかった。愛しているのならば、彼女を優先しなければならない。自分が愛しているのはマルガレーテだから。
「……心配させて、申し訳ありません」
もう戻ろうと、マルガレーテを促した。彼女は理由を述べなかったディートハルトに納得がいかなそうであったが、彼が自分のもとへ帰ってきてくれたので、もう二度とどこへも行かないよう、身体を寄せて手を繋いだ。
恋人の真似事――実際婚約者だから何らおかしくないのに、どこか違和感を覚えつつ、ディートハルトは指を絡ませ、微笑んだ。ひどく名残惜しげな、引き返せという心の叫びを無視して、彼はマルガレーテとの逢瀬を楽しんだ。
「――ハインツ・ブレットのことを、調べてほしい」
気づけば、ディートハルトは信頼できる部下にそう頼んでいた。もちろん周りにもばれないようにだ。なぜここまで気になるかはわからなかった。深い意味はない。ただ、何となく気に入らないだけだ。
しかしハインツがブレット伯爵から勘当されたという話を聞くと、すぐに調査を打ち切った。メルツ男爵は役立たずの婿を大事にしてやるほど善良な性格はしていない。イレーネとの婚約も破談にするだろう。
父親に従順なイレーネも、言われた通りにするはずだ。自分の時だってそうだったから。二度も婚約が上手くいかなくて、しばらくは男爵も娘をそっとしておくかもしれない。いや、あの男のことだから、すぐ別の人間を用意するだろうか。
だが今度はそう簡単に相手は見つかるまい。処女ではない娘と知って、若い男は嫌厭するだろうし、そうなると年老いた男の後妻になるか……いずれにせよ、ろくな男に嫁ぐしかなくなるだろう。
さすがに男爵も娘をそんなところに嫁がせるのは渋るのではないか。いちおう彼女は愛しい女の一人娘であり、大事な駒の一つなのだから。
ディートハルトはイレーネがこの先辿るであろう未来をいろいろと考えていた。彼は自分でも気づいていなかった。もはや自分には関係のないことなのに、あれこれと思考を巡らせていることに。無駄な時間なのに考えてしまうのは、イレーネが自分のものになる未来を、無意識に求めて探していたから。
――後から振り返れば、自分はイレーネを手放したくなかったのだ。他の男などに渡したくないと思っていた。
でもこの時はまだ、その事実に気づこうとしなかった。
そしてある日、ふと城の自室で目が覚めた。まだ外は暗く、日も出ていない。もう一度寝ようと思っても、嫌な感じ――虫の知らせとでも言うべきか、何か急き立てられるような胸騒ぎを覚え、ディートハルトは着替え、外へ出た。
敵に寝床を襲われかけた時や、命の危機に瀕した時に感じる類の違和感とも言うべき直観を、ディートハルトは信じている。これのおかげで今まで自分は生きてこられたから。
馬に乗り、街へとおりて、外へと繋がる門へ走らせる。商人たちが他の街まで商品を運ぶための荷馬車がずらりと並んでおり、それを護衛するための騎士たちがそばについている。珍しい光景ではない。見慣れた光景だ。
だがディートハルトは護衛の中に、グリゼルダの騎士たちがいることが気になった。呼びとめ、質問する。相手は特段慌てた様子も見せず、淡々と受け答えした。
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