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ディートハルト
3、捨てられる女
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ディートハルトは最初、イレーネが父親に告げ口するか、または避妊薬を飲まないのではないかと目を光らせていたが、ちっともその素振りを見せず、とても従順であったので、次第に彼女に対する警戒心を解いていき、あの時本当に怯えて逆らえなかっただけなのだと知った。
文句も言わず大人しく身を委ねられると、ろくに愛撫もせず貫いた最初の交合を気の毒に思い、またどうせやるなら互いに気持ちよくなった方が苦痛を与えるよりはいいだろうとディートハルトはそれまでの女たちと同じように――彼女たちよりも幾分丁寧にイレーネを抱いてやった。
もともと感じやすい身体なのか、それとも自分との相性がいいからか、苦痛の表情を浮かべていたイレーネも次第に快感を拾い始め、悩ましげな表情で抑えきれない嬌声を出して腰をくねらせ、中を弄ってでも達することができるようになった。
普段慎ましく、何かに我慢しているような女ほど乱れて達する瞬間は興奮を煽る。恍惚とした表情を浮かべさせたのは他でもないこの自分なのだという達成感、征服感に満たされる。
ディートハルトはイレーネの身体を気に入っていた。だがそれはあくまで普段の性欲を発散するための都合のいい捌け口であり、結婚して生涯を歩もうと考えるほどの特別な女性ではなかった。
自分にとってその相手はマルガレーテしかいなかったから。
彼女以外の女はみんな同じだった。どんなに抱いても、快感を得ていても、それは身体の反応で、頭はどこか冷静に相手のことを見ている。終わってしまえば虚しさが襲う。あなたが好き、愛しているからずっとそばにいてくれと強請られても心は冷めており、なぜ自分のような相手にそんなこと言えるのだろうと興醒めする。
ディートハルトは彼女たちからこうした愛の言葉を聞く度、父と母のやり取りを思い出す。
まだ病気で屋敷から追い出される前のことだ。母はディートハルトのことを蛇蝎のごとく嫌っていたが、父には淡々と接していた。
余所の女にディートハルトを産ませて憎んでいるだろうに、客人などの前では仲の良い夫婦を演じており、それ以外は必要最低限の会話で済ませる。実に冷えきった家庭、夫婦愛だった。あれでよく子どもができたものだと感心する。
あの両親の、血の通っていないような冷え冷えとした関係を見て育ったディートハルトには、本当は愛していない彼らの姿と愛していると言った女たちの顔が重なる。実態のつかめない、気味が悪い感覚に襲われる。
ディートハルトが信じられるのはマルガレーテだけだった。幼い頃、母に虐げられて傷ついた心を癒してくれた少女。あの子だけが、自分を見てくれた。微笑んでくれた。彼女を愛したい。彼女なら愛せる。これからも、自分を救い続けてくれる。
だから、それ以外は全部意味がない、切り捨てるものだった。
「だめ……もう、だめ……」
目に涙をいっぱい溜めて自分を見つめていたイレーネは疲れたように目を閉じると、そのまま意識を失うようにすうっと眠りについた。ディートハルトはイレーネと自分の身体を綺麗にして、避妊薬も口移しで飲ませると、彼女の隣で横になった。
見舞いに来たつもりが彼女を抱く羽目になった。さすがに今回は男爵の命令ではなく、ディートハルト自身の意思であった。理由は自分でもよくわからなかった。ただ前回抱いた時の、怯えながらも縋りつくような眼差しや態度が気になったからだろうか。
(いや――)
風邪かと思い、様子を見に行っても部屋にいなかったので他の侍女に話を聞いて、それがグリゼルダにまで伝わってしまい呼び出された時、第三王女は甚振るような目つきでディートハルトに微笑んだ。
「数日前、お兄様が手を出そうとして、それがショックだったんでしょうね」
さらにその前にも黒の騎士団員から囲まれて危ういところだったと教えられた。
「その時は、勇敢で優しい騎士様が助けてくれたそうよ」
おまえはその時、何をしていたの。
グリゼルダの目はそう告げていたが、ディートハルトは別にどうでもよかった。だが、優しい騎士というのは誰か気になった。
(あの男だろうか……)
かつてイレーネが本を運ぶのを手伝っていた青年、ユリウスの顔が思い浮かぶ。時々彼と彼女が廊下で話す姿を目にしていた。何かの偶然でイレーネが絡まれている現場に出くわした可能性は十分あった。
ディートハルトはユリウスのような人間がどちらかといえば苦手であった。いかにも誠実そうな雰囲気、間違ったことを許さないという潔癖さも、自然と息がつまる窮屈さがある。しかし彼と一緒に見かけるイレーネは、ディートハルトには見せない穏やかな表情をしていた。
イレーネは騎士や王太子に絡まれたことも、ユリウスに助けられたことも、一言もディートハルトには話さなかった。何かあったのか、という問いかけにも誤魔化して、正直に答えなかった。
『おまえは信用されていないのね、ディートハルト』
グリゼルダの言う通りだろう。別に否定するつもりはなかった。自分でも、そういう態度をとってきたのだからイレーネの反応は至極当然だ。
(それなのに――)
ディートハルトはぐったりとした様子で眠るイレーネの腰を引き寄せ、その寝顔をじっと見つめた。
放っておけばいいのにわざわざ足を運んだのは、どうしてなのか。抱くつもりなどなかったのに抱いたのはどうしてなのか。もう用は済んだのだから帰ればいいのにまだ居座って、しかも隣に横になっているのはなぜなのか。マルガレーテの顔でもないのにじっと見つめてしまうのはなぜなのか。
ディートハルトにはわからなかった。答えのでないことを考えているのに飽きて、イレーネの寝顔を見ているうちにいつしか目を閉じて、眠ってしまっていた。
誰かのそばで眠りに落ちるなど、今まで一度もなかったというのに。
目覚めた事後は、ひどく気まずいものだった。だが自分よりもイレーネの方がずっとそういった空気を出していたので、かえって落ち着いた。朝食も一緒にとり、彼女の両親についても聞かされた。ディートハルトはあの男爵が妻を大事に囲っていることよりも、本当に愛している女をみすみす取り逃がした愚かさを腹の中で嘲笑した。自分なら絶対にそんな愚行はしない。
(あと少しで、彼女が手に入る……)
その時、今目の前にいる女は捨てられる。彼女のその後の事情を想像すれば可哀想にも思ったが、自分の欲しいものが手に入るならば仕方がないと思った。
文句も言わず大人しく身を委ねられると、ろくに愛撫もせず貫いた最初の交合を気の毒に思い、またどうせやるなら互いに気持ちよくなった方が苦痛を与えるよりはいいだろうとディートハルトはそれまでの女たちと同じように――彼女たちよりも幾分丁寧にイレーネを抱いてやった。
もともと感じやすい身体なのか、それとも自分との相性がいいからか、苦痛の表情を浮かべていたイレーネも次第に快感を拾い始め、悩ましげな表情で抑えきれない嬌声を出して腰をくねらせ、中を弄ってでも達することができるようになった。
普段慎ましく、何かに我慢しているような女ほど乱れて達する瞬間は興奮を煽る。恍惚とした表情を浮かべさせたのは他でもないこの自分なのだという達成感、征服感に満たされる。
ディートハルトはイレーネの身体を気に入っていた。だがそれはあくまで普段の性欲を発散するための都合のいい捌け口であり、結婚して生涯を歩もうと考えるほどの特別な女性ではなかった。
自分にとってその相手はマルガレーテしかいなかったから。
彼女以外の女はみんな同じだった。どんなに抱いても、快感を得ていても、それは身体の反応で、頭はどこか冷静に相手のことを見ている。終わってしまえば虚しさが襲う。あなたが好き、愛しているからずっとそばにいてくれと強請られても心は冷めており、なぜ自分のような相手にそんなこと言えるのだろうと興醒めする。
ディートハルトは彼女たちからこうした愛の言葉を聞く度、父と母のやり取りを思い出す。
まだ病気で屋敷から追い出される前のことだ。母はディートハルトのことを蛇蝎のごとく嫌っていたが、父には淡々と接していた。
余所の女にディートハルトを産ませて憎んでいるだろうに、客人などの前では仲の良い夫婦を演じており、それ以外は必要最低限の会話で済ませる。実に冷えきった家庭、夫婦愛だった。あれでよく子どもができたものだと感心する。
あの両親の、血の通っていないような冷え冷えとした関係を見て育ったディートハルトには、本当は愛していない彼らの姿と愛していると言った女たちの顔が重なる。実態のつかめない、気味が悪い感覚に襲われる。
ディートハルトが信じられるのはマルガレーテだけだった。幼い頃、母に虐げられて傷ついた心を癒してくれた少女。あの子だけが、自分を見てくれた。微笑んでくれた。彼女を愛したい。彼女なら愛せる。これからも、自分を救い続けてくれる。
だから、それ以外は全部意味がない、切り捨てるものだった。
「だめ……もう、だめ……」
目に涙をいっぱい溜めて自分を見つめていたイレーネは疲れたように目を閉じると、そのまま意識を失うようにすうっと眠りについた。ディートハルトはイレーネと自分の身体を綺麗にして、避妊薬も口移しで飲ませると、彼女の隣で横になった。
見舞いに来たつもりが彼女を抱く羽目になった。さすがに今回は男爵の命令ではなく、ディートハルト自身の意思であった。理由は自分でもよくわからなかった。ただ前回抱いた時の、怯えながらも縋りつくような眼差しや態度が気になったからだろうか。
(いや――)
風邪かと思い、様子を見に行っても部屋にいなかったので他の侍女に話を聞いて、それがグリゼルダにまで伝わってしまい呼び出された時、第三王女は甚振るような目つきでディートハルトに微笑んだ。
「数日前、お兄様が手を出そうとして、それがショックだったんでしょうね」
さらにその前にも黒の騎士団員から囲まれて危ういところだったと教えられた。
「その時は、勇敢で優しい騎士様が助けてくれたそうよ」
おまえはその時、何をしていたの。
グリゼルダの目はそう告げていたが、ディートハルトは別にどうでもよかった。だが、優しい騎士というのは誰か気になった。
(あの男だろうか……)
かつてイレーネが本を運ぶのを手伝っていた青年、ユリウスの顔が思い浮かぶ。時々彼と彼女が廊下で話す姿を目にしていた。何かの偶然でイレーネが絡まれている現場に出くわした可能性は十分あった。
ディートハルトはユリウスのような人間がどちらかといえば苦手であった。いかにも誠実そうな雰囲気、間違ったことを許さないという潔癖さも、自然と息がつまる窮屈さがある。しかし彼と一緒に見かけるイレーネは、ディートハルトには見せない穏やかな表情をしていた。
イレーネは騎士や王太子に絡まれたことも、ユリウスに助けられたことも、一言もディートハルトには話さなかった。何かあったのか、という問いかけにも誤魔化して、正直に答えなかった。
『おまえは信用されていないのね、ディートハルト』
グリゼルダの言う通りだろう。別に否定するつもりはなかった。自分でも、そういう態度をとってきたのだからイレーネの反応は至極当然だ。
(それなのに――)
ディートハルトはぐったりとした様子で眠るイレーネの腰を引き寄せ、その寝顔をじっと見つめた。
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