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74、後悔
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「うそ……」
ユリウスだと告げられても、イレーネはどこか信じられなかった。
あの時は伸ばしていた髪をざっくりと短く切っていることもだが、背もずいぶんと伸びて、何より纏う空気が以前と違っていた。どこか殺伐として、けれど深く傷つき、疲れ果て、触れた途端脆く崩れ去ってしまいそうな……そんな危うさが今のユリウスにはあった。
(それに目も……)
あの綺麗な緑の瞳は、いまや片目だけになっていた。痛々しく、イレーネは言葉が出ない。
「久しぶりだな」
「……ええ。本当に……」
二人とも、何を言えばいいかわからず、互いを見つめ合った。だがユリウスがふいと視線を逸らすと、彼女はふと気づいたように口にした。
「あの、もしかして姫様にご用がおありだったのですか」
「あ、いや、陛下の方から呼ばれていて」
「……もしかして、お二人はそういう関係で?」
イレーネがそう口にすると、ユリウスはぎょっとしたように大きな体を揺らした。
「まさか! あの方にはすでに心に決めた人間がいる!」
その言葉に今度はイレーネが驚いた。ユリウスはしまった、というように焦った顔をしたので、どうやら内密の出来事だったらしい。
「その、きちんと話すから、とりあえず中へ入っても構わないか」
イレーネは一瞬躊躇した。ユリウスはそういう人間ではないにせよ、異性と二人きりで過ごすのはよくないと思ったから。
「大丈夫だ。何もしない。……陛下も、後から来るとおっしゃっていた」
「そう、ですか……」
この宮殿を訪れる者はほとんどいないと普通なら考えるが、気が動転していたイレーネは、
(たしかに廊下にいて誰かに見られる方が、かえってまずいことになるかもしれない)
と思って、ユリウスを部屋へ招き入れ、彼は静かに扉を閉めた。
イレーネは居心地の悪さを感じながらも、ユリウスの方は落ち着いた様子で長椅子に腰を下ろした。そしてさっそく、グリゼルダの想い人について話し始める。それはユリウスが聖戦へ赴いた後の人生を語る内容でもあった。
「あの戦で、俺たち騎士団は現地民を迫害するという愚行を犯した。俺はその後始末をするために現地に留まり、壊した建物を修復したり、怪我して帰れなくなった騎士たちの世話をしていたんだ」
残ったのはユリウスの意思だったという。彼らしい選択だとイレーネは思った。
「そこで、一人の孤児と出会った。彼の両親は、戦いに巻き込まれて亡くなったという。俺は罪悪感から、少年を引き取って、一緒に暮らし始めた。そして祖国でクーデター……女王陛下が即位したという知らせを聞いて、一度その少年と共に帰ることにした。少年は……彼はその時まだ十四歳だったが、見目麗しい女王陛下に一目惚れした」
「ええ?」
イレーネの反応ももっともだと言いたげにユリウスは頷き、当時のことを思い出してか苦い笑みを浮かべた。
「それまで何事にも興味を示さず、死んだような目で毎日を送っていたというのに、女王陛下に会ってからは、急に生き返ったように剣を習い、強くなるにはどうしたらいいかと俺に尋ねてきた。彼女の護衛になりたいと言われた時には……」
無理だと、正直に伝えたそうだ。夢から覚めて現実を見ろと。
「しかしこれがまた頑固で……しかも陛下も彼に興味を持ち始めたからなおたちが悪い」
「それで、どうなりましたの」
ユリウスは肩を竦めた。
「陛下は私に選んでもらいたいならば、誠意と有能であることを示せとおっしゃって……あちこち諸国を巡って、外交官のような仕事をする羽目になった」
もっとも彼はその時まだ子どもとも言える年齢であったので、ユリウスがあれこれと肩代わりしてやったそうだ。……たぶん、初めから自分にさせる意図だったのではないかと、ユリウスは述べた。
「白の騎士団も解散させられて、諸国を巡礼しようかと考えていたから、ちょうどいいと思われたのだろう。抜け目ない人だよ」
イレーネはその少年……今はもう青年だろうが、グリゼルダに恋心を利用されたようで、そして巻き込まれたユリウスも気の毒に思えた。しかしユリウスが初めに言った言葉を思い出す。
「あの、姫様が心に決めた方というのは……」
ユリウスはふっと困ったように眉を下げて笑った。
「そのまさかだ」
「まぁ……」
「まだ、当分内密にと言われたがね……あるいは、生涯恋人のままかもしれない」
「彼は、納得していますの」
「ああ。外国にいる間、手紙のやり取りもしていたようで……こちらに何度か戻ってきた時も二人で会っていた。それで、無事に想いが通じ合って、覚悟を決めたみたいだ。陛下も、今は本気なようだ。……だから、俺が言えることはもう何もない。せいぜい、陰ながら応援するくらいだ」
イレーネはしばし事実を受けとめるのに時間を要したが、やがて真っ直ぐとユリウスに向き合った。
「わたしも、姫様が選んだ方ならば応援いたしますわ」
イレーネの覚悟の決まった口調と表情にユリウスは驚いたようだが、優しく目を細めた。
「味方がいると、頼もしい」
「その方は、どのような方なんですか」
「ああ。名前はマリウスというんだが……」
それからしばしマリウスと過ごした日々やマリウスとグリゼルダの馴れ初めなどを詳しく教えてもらった。イレーネは時に笑って、熱心に耳を傾け、相槌を打った。
「――と、すまない。つい話しすぎたな」
「いいえ。教えてくださってありがとうございます」
自然と沈黙が落ちて、二人は互いに見つめ合った。イレーネはなんだか焦燥に駆られ、グリゼルダの様子を見てくると立ち上がった。急いで部屋を出ようとするが、ドレス姿で素早く動けず、後ろから歩み寄ってきていたユリウスに呆気なく追いつかれる。
「ぁ……」
イレーネが伸ばそうとした扉の取っ手は、ユリウスに先に掴まれた。彼の体温を背中に感じる。まるで背後から抱きしめるようにユリウスはイレーネを壁に追い詰め、囁いた。
「今夜、女王陛下は来ないだろう」
ここまでくれば、イレーネもそうだろうなと思った。しかし彼女は一体どういう意図で、自分とユリウスを部屋に二人きりにさせたのだろう。そもそも、イレーネのユリウスに対する気持ちを、なぜグリゼルダが知っているのか。
「陛下が即位なされた時……きみが陛下に仕えていたことは知っていたから、今どうしているか聞いたんだ。それで、いろいろ白状させられた」
「……では、わたしのこともお聞きになったはずです」
「ああ……ひどい男だ」
それはディートハルトのことだろうか。
「正直、きみが駆け落ちしたと知った時は妬いた。それほどまでその男のことを愛していたのかと……もし、あの夜俺がきみを攫っていたら、どうなっていたかと想像した」
「――きっとその道を選んだら、あなたは今とても後悔していたはずです」
振り返って告げると、ユリウスは傷ついた顔をした。だがすぐに悲しそうに微笑んだ。彼のそんな表情を見るのが辛くて、イレーネは気まずげに前を向いた。
「そうかもしれない。だがそうでない今も、後悔している。どちらを選んでも、後悔する人生だ」
彼はそう言うと、イレーネの肩に額を当て、寄りかかるようにして抱きしめてきた。
「イレーネ……俺は少し、疲れたよ」
後ろから抱きしめられたイレーネはお腹に回された手に触れて、労わるようにそっと撫でてやった。
「あなたのその目は……戦争のせい?」
纏う雰囲気が変わったのも……
「そう言えるかもしれない。家族を殺された恨みから、刺された」
「……もしかしてマリウスに?」
「いいや、別の人間だ。あの子は優しい。暮らしていた土地を滅茶苦茶にした国の人間をいつしか許し、優しく接してくれるようになったんだから」
それが辛い、と彼は縋りつくようにイレーネに吐露した。
「何もかも放り出して、きみと逃げ出したいと思う自分がいる。きみに会えた今、余計にそう思う。これを弱さだというならば、俺は弱い人間でいい」
ユリウスの本音に、イレーネは胸が痛んだ。きっと彼は、自分が想像できないほど辛く、苦しい経験をしてきたのだろう……。
「……ユリウス様。わたしも、弱い人間ですわ」
「なら、一緒に逃げよう」
逃げよう、と誘われるのは二度目だ。
ハインツと逃げることを決めたのはなぜだったか。どうしてここへ戻ってくることになったのか。
「イレーネ。どうか俺と一緒に逃げてくれ……」
『イレーネ。俺と逃げて、一緒に――』
ユリウスだと告げられても、イレーネはどこか信じられなかった。
あの時は伸ばしていた髪をざっくりと短く切っていることもだが、背もずいぶんと伸びて、何より纏う空気が以前と違っていた。どこか殺伐として、けれど深く傷つき、疲れ果て、触れた途端脆く崩れ去ってしまいそうな……そんな危うさが今のユリウスにはあった。
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「……ええ。本当に……」
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「あの、もしかして姫様にご用がおありだったのですか」
「あ、いや、陛下の方から呼ばれていて」
「……もしかして、お二人はそういう関係で?」
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「まさか! あの方にはすでに心に決めた人間がいる!」
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「その、きちんと話すから、とりあえず中へ入っても構わないか」
イレーネは一瞬躊躇した。ユリウスはそういう人間ではないにせよ、異性と二人きりで過ごすのはよくないと思ったから。
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「そう、ですか……」
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(たしかに廊下にいて誰かに見られる方が、かえってまずいことになるかもしれない)
と思って、ユリウスを部屋へ招き入れ、彼は静かに扉を閉めた。
イレーネは居心地の悪さを感じながらも、ユリウスの方は落ち着いた様子で長椅子に腰を下ろした。そしてさっそく、グリゼルダの想い人について話し始める。それはユリウスが聖戦へ赴いた後の人生を語る内容でもあった。
「あの戦で、俺たち騎士団は現地民を迫害するという愚行を犯した。俺はその後始末をするために現地に留まり、壊した建物を修復したり、怪我して帰れなくなった騎士たちの世話をしていたんだ」
残ったのはユリウスの意思だったという。彼らしい選択だとイレーネは思った。
「そこで、一人の孤児と出会った。彼の両親は、戦いに巻き込まれて亡くなったという。俺は罪悪感から、少年を引き取って、一緒に暮らし始めた。そして祖国でクーデター……女王陛下が即位したという知らせを聞いて、一度その少年と共に帰ることにした。少年は……彼はその時まだ十四歳だったが、見目麗しい女王陛下に一目惚れした」
「ええ?」
イレーネの反応ももっともだと言いたげにユリウスは頷き、当時のことを思い出してか苦い笑みを浮かべた。
「それまで何事にも興味を示さず、死んだような目で毎日を送っていたというのに、女王陛下に会ってからは、急に生き返ったように剣を習い、強くなるにはどうしたらいいかと俺に尋ねてきた。彼女の護衛になりたいと言われた時には……」
無理だと、正直に伝えたそうだ。夢から覚めて現実を見ろと。
「しかしこれがまた頑固で……しかも陛下も彼に興味を持ち始めたからなおたちが悪い」
「それで、どうなりましたの」
ユリウスは肩を竦めた。
「陛下は私に選んでもらいたいならば、誠意と有能であることを示せとおっしゃって……あちこち諸国を巡って、外交官のような仕事をする羽目になった」
もっとも彼はその時まだ子どもとも言える年齢であったので、ユリウスがあれこれと肩代わりしてやったそうだ。……たぶん、初めから自分にさせる意図だったのではないかと、ユリウスは述べた。
「白の騎士団も解散させられて、諸国を巡礼しようかと考えていたから、ちょうどいいと思われたのだろう。抜け目ない人だよ」
イレーネはその少年……今はもう青年だろうが、グリゼルダに恋心を利用されたようで、そして巻き込まれたユリウスも気の毒に思えた。しかしユリウスが初めに言った言葉を思い出す。
「あの、姫様が心に決めた方というのは……」
ユリウスはふっと困ったように眉を下げて笑った。
「そのまさかだ」
「まぁ……」
「まだ、当分内密にと言われたがね……あるいは、生涯恋人のままかもしれない」
「彼は、納得していますの」
「ああ。外国にいる間、手紙のやり取りもしていたようで……こちらに何度か戻ってきた時も二人で会っていた。それで、無事に想いが通じ合って、覚悟を決めたみたいだ。陛下も、今は本気なようだ。……だから、俺が言えることはもう何もない。せいぜい、陰ながら応援するくらいだ」
イレーネはしばし事実を受けとめるのに時間を要したが、やがて真っ直ぐとユリウスに向き合った。
「わたしも、姫様が選んだ方ならば応援いたしますわ」
イレーネの覚悟の決まった口調と表情にユリウスは驚いたようだが、優しく目を細めた。
「味方がいると、頼もしい」
「その方は、どのような方なんですか」
「ああ。名前はマリウスというんだが……」
それからしばしマリウスと過ごした日々やマリウスとグリゼルダの馴れ初めなどを詳しく教えてもらった。イレーネは時に笑って、熱心に耳を傾け、相槌を打った。
「――と、すまない。つい話しすぎたな」
「いいえ。教えてくださってありがとうございます」
自然と沈黙が落ちて、二人は互いに見つめ合った。イレーネはなんだか焦燥に駆られ、グリゼルダの様子を見てくると立ち上がった。急いで部屋を出ようとするが、ドレス姿で素早く動けず、後ろから歩み寄ってきていたユリウスに呆気なく追いつかれる。
「ぁ……」
イレーネが伸ばそうとした扉の取っ手は、ユリウスに先に掴まれた。彼の体温を背中に感じる。まるで背後から抱きしめるようにユリウスはイレーネを壁に追い詰め、囁いた。
「今夜、女王陛下は来ないだろう」
ここまでくれば、イレーネもそうだろうなと思った。しかし彼女は一体どういう意図で、自分とユリウスを部屋に二人きりにさせたのだろう。そもそも、イレーネのユリウスに対する気持ちを、なぜグリゼルダが知っているのか。
「陛下が即位なされた時……きみが陛下に仕えていたことは知っていたから、今どうしているか聞いたんだ。それで、いろいろ白状させられた」
「……では、わたしのこともお聞きになったはずです」
「ああ……ひどい男だ」
それはディートハルトのことだろうか。
「正直、きみが駆け落ちしたと知った時は妬いた。それほどまでその男のことを愛していたのかと……もし、あの夜俺がきみを攫っていたら、どうなっていたかと想像した」
「――きっとその道を選んだら、あなたは今とても後悔していたはずです」
振り返って告げると、ユリウスは傷ついた顔をした。だがすぐに悲しそうに微笑んだ。彼のそんな表情を見るのが辛くて、イレーネは気まずげに前を向いた。
「そうかもしれない。だがそうでない今も、後悔している。どちらを選んでも、後悔する人生だ」
彼はそう言うと、イレーネの肩に額を当て、寄りかかるようにして抱きしめてきた。
「イレーネ……俺は少し、疲れたよ」
後ろから抱きしめられたイレーネはお腹に回された手に触れて、労わるようにそっと撫でてやった。
「あなたのその目は……戦争のせい?」
纏う雰囲気が変わったのも……
「そう言えるかもしれない。家族を殺された恨みから、刺された」
「……もしかしてマリウスに?」
「いいや、別の人間だ。あの子は優しい。暮らしていた土地を滅茶苦茶にした国の人間をいつしか許し、優しく接してくれるようになったんだから」
それが辛い、と彼は縋りつくようにイレーネに吐露した。
「何もかも放り出して、きみと逃げ出したいと思う自分がいる。きみに会えた今、余計にそう思う。これを弱さだというならば、俺は弱い人間でいい」
ユリウスの本音に、イレーネは胸が痛んだ。きっと彼は、自分が想像できないほど辛く、苦しい経験をしてきたのだろう……。
「……ユリウス様。わたしも、弱い人間ですわ」
「なら、一緒に逃げよう」
逃げよう、と誘われるのは二度目だ。
ハインツと逃げることを決めたのはなぜだったか。どうしてここへ戻ってくることになったのか。
「イレーネ。どうか俺と一緒に逃げてくれ……」
『イレーネ。俺と逃げて、一緒に――』
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