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37、抑えきれない気持ち*
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乱雑な手つきでイレーネの上着や下着をまくり上げ、露わになった白い肌に目をぎらつかせ、そのまま飢えた野良犬のように柔らかな双丘に顔を埋め、むしゃぶりついてきた。
「んっ、ぁ……」
本当なら、イレーネは止めなくてはならなかった。ネリーたちを部屋の外で待たせ、中で自分たちがこんなことをし始めるなんて非常識にもほどがある。でも、やめてと言えなかった。ハインツが自分を求める気持ちはわかったし、嬉しかった。自分も彼が欲しかった。
ハインツは硬く勃ち上がった蕾からちゅぷっと音を立てて舐め終わると、身体を起し、イレーネの膝を立たせて大きく左右に開かせた。
そうするとスカートがお腹の方にずり落ちてきて、隠すべき箇所が丸見えになってしまう。彼女は脚を閉じようとしたが、ハインツが阻止するように股の間にいるので、叶わない。彼は顔を近づけ、荒い息を吹きかけ、今度は下の口を丹念に舐めしゃぶり始めた。
「あっ、ハインツさまっ……」
彼は返事の代わりに中へ舌を捩じ込み、蜜襞を舐めて愛液をあふれさせていく。そしてさらにその奥へ突き進もうと、顔ごと押しつけてきて、イレーネを身悶えさせた。せめて声だけは外へ漏らさぬようにと歯を食いしばり、身体を震えさせることで耐えよう努力する。
「んっ、ぁっ――」
しかしイレーネの身体が飢えていたからか、それともハインツの舌使いが絶妙であったからか、彼女はすぐに、そして何度も達してしまった。
「はぁ、はぁ……」
ハインツはまだ足りないというように舐め続けるが、そろそろ彼女はやめてほしいと彼の名前を小さな声で呟いた。
「どうした?」
「……もう、いれて」
イレーネのおねだりに、ハインツはいつも意地悪していた時の表情で笑った。
「もう欲しいの?」
「ええ……ハインツさまがほしいんです……」
「うん、いいよ……俺も、イレーネが欲しくてたまらない……」
ハインツはもどかしげに服を脱ぎ捨て、蜜口に昂りをあてがうと、一気に挿入してきて、悩ましげに悶えるイレーネに覆い被さった。
「んっ、んむぅ、ふぅ、」
激しく口づけしながら、ハインツは腰を動かしてくる。ばちゅばちゅと耳に届く淫らな音も興奮を煽り、イレーネは手足を彼の身体に絡ませて、ハインツはがっしりと拘束するようにして、互いに絡み合った。
「イレーネ、イレーネ……」
ハインツは何度もイレーネの名前を呼びながら、イレーネの気持ちがいいと思うところをたくさん突いてきた。そうすれば彼女はハインツのものをきつく咥えるので、結果的にハインツの気持ちがいいことにも繋がり、二人はいよいよ一つの道へたどり着こうとしていた。
「イレーネ、もう、いきそうだよ、はぁ、まだおまえと、いっしょに、いたいのにっ」
「あっ、んっ……ふ、ぅっ……ハインツさま、わたし、だめ……ハインツさま……っ」
イレーネが譫言のようにハインツの名前を繰り返すと、彼は目を細め、イレーネの汗だくの額や頬に口づけを落としていく。
「かわいいよ、イレーネ……おまえがかわいくて、仕方ないよ……」
一緒にいこう、とハインツがイレーネをきつく抱きしめ、身体を揺らし始める。奥を執拗に攻め、子宮の入り口に亀頭の先端が吸いつく。疼痛が甘い痺れのようにイレーネに快感をもたらし、ハインツの肉棒をきゅうっと締めつけた。
「あぁ、もうでるっ――」
「ぁ、ぁっ、んっ――」
瞼の裏で閃光が弾けた。何も考えられなくなって、ただハインツの力強い抱擁と、奥へ注がれ続ける熱い飛沫を感じていた。絶頂の余韻で、ハインツの肌で撫でられるだけでびくびくと震えてしまう。互いの乱れた息がすぐそばで聴こえる。
やがて呼吸も落ち着いてくると、心地よい疲労に襲われて、もうこのまま眠ってしまいたくなった。
だが、さすがにそろそろネリーたちを呼び戻さなければならない。
(あと……)
「ハインツ様……避妊薬、持っていますか」
イレーネの言葉にハインツはぱちりと目を開け、不機嫌さを示すように眉根を寄せた。
「なんで?」
「だって……今は子どもができたらまずいです」
どこか一か所に落ち着くまではまだ妊娠するべきではないと思った。そう述べれば、ハインツはなんだ、と納得して表情を緩めた。
「俺との子が欲しくない、ってことじゃないんだな」
「あ、違います……」
そういう意味にとられたのかとイレーネは慌てて弁解した。
「まだ、完全に逃げ切れたわけではないですし……だから決してハインツ様の子が欲しくないというわけじゃ、」
そこまで言って、ハインツがにやにやしていることに気づいた。
「ハインツ様」
「いいよ、続けて? 俺との子が、なに?」
「もう、いいです」
くるりと彼に背を向ける形で寝返りを打てば、ごめんと笑いながら後ろから抱きしめられる。
「イレーネが俺との子を産んでもいいって思ってくれているなら、すげぇ嬉しい……俺も、おまえに産んでほしいから……おまえと、家族になりたいから……」
最後自信のなさそうに呟かれた言葉にイレーネは胸が締めつけられる。肩口に顔を埋め、甘えるように身体をすり寄せて、お腹に回されていた手をイレーネは強く握りしめた。
「ええ。わたしも、ハインツ様と家族になりたい……」
「ほんとう?」
「はい」
ハインツは震える声で、ありがとうと言った。
「んっ、ぁ……」
本当なら、イレーネは止めなくてはならなかった。ネリーたちを部屋の外で待たせ、中で自分たちがこんなことをし始めるなんて非常識にもほどがある。でも、やめてと言えなかった。ハインツが自分を求める気持ちはわかったし、嬉しかった。自分も彼が欲しかった。
ハインツは硬く勃ち上がった蕾からちゅぷっと音を立てて舐め終わると、身体を起し、イレーネの膝を立たせて大きく左右に開かせた。
そうするとスカートがお腹の方にずり落ちてきて、隠すべき箇所が丸見えになってしまう。彼女は脚を閉じようとしたが、ハインツが阻止するように股の間にいるので、叶わない。彼は顔を近づけ、荒い息を吹きかけ、今度は下の口を丹念に舐めしゃぶり始めた。
「あっ、ハインツさまっ……」
彼は返事の代わりに中へ舌を捩じ込み、蜜襞を舐めて愛液をあふれさせていく。そしてさらにその奥へ突き進もうと、顔ごと押しつけてきて、イレーネを身悶えさせた。せめて声だけは外へ漏らさぬようにと歯を食いしばり、身体を震えさせることで耐えよう努力する。
「んっ、ぁっ――」
しかしイレーネの身体が飢えていたからか、それともハインツの舌使いが絶妙であったからか、彼女はすぐに、そして何度も達してしまった。
「はぁ、はぁ……」
ハインツはまだ足りないというように舐め続けるが、そろそろ彼女はやめてほしいと彼の名前を小さな声で呟いた。
「どうした?」
「……もう、いれて」
イレーネのおねだりに、ハインツはいつも意地悪していた時の表情で笑った。
「もう欲しいの?」
「ええ……ハインツさまがほしいんです……」
「うん、いいよ……俺も、イレーネが欲しくてたまらない……」
ハインツはもどかしげに服を脱ぎ捨て、蜜口に昂りをあてがうと、一気に挿入してきて、悩ましげに悶えるイレーネに覆い被さった。
「んっ、んむぅ、ふぅ、」
激しく口づけしながら、ハインツは腰を動かしてくる。ばちゅばちゅと耳に届く淫らな音も興奮を煽り、イレーネは手足を彼の身体に絡ませて、ハインツはがっしりと拘束するようにして、互いに絡み合った。
「イレーネ、イレーネ……」
ハインツは何度もイレーネの名前を呼びながら、イレーネの気持ちがいいと思うところをたくさん突いてきた。そうすれば彼女はハインツのものをきつく咥えるので、結果的にハインツの気持ちがいいことにも繋がり、二人はいよいよ一つの道へたどり着こうとしていた。
「イレーネ、もう、いきそうだよ、はぁ、まだおまえと、いっしょに、いたいのにっ」
「あっ、んっ……ふ、ぅっ……ハインツさま、わたし、だめ……ハインツさま……っ」
イレーネが譫言のようにハインツの名前を繰り返すと、彼は目を細め、イレーネの汗だくの額や頬に口づけを落としていく。
「かわいいよ、イレーネ……おまえがかわいくて、仕方ないよ……」
一緒にいこう、とハインツがイレーネをきつく抱きしめ、身体を揺らし始める。奥を執拗に攻め、子宮の入り口に亀頭の先端が吸いつく。疼痛が甘い痺れのようにイレーネに快感をもたらし、ハインツの肉棒をきゅうっと締めつけた。
「あぁ、もうでるっ――」
「ぁ、ぁっ、んっ――」
瞼の裏で閃光が弾けた。何も考えられなくなって、ただハインツの力強い抱擁と、奥へ注がれ続ける熱い飛沫を感じていた。絶頂の余韻で、ハインツの肌で撫でられるだけでびくびくと震えてしまう。互いの乱れた息がすぐそばで聴こえる。
やがて呼吸も落ち着いてくると、心地よい疲労に襲われて、もうこのまま眠ってしまいたくなった。
だが、さすがにそろそろネリーたちを呼び戻さなければならない。
(あと……)
「ハインツ様……避妊薬、持っていますか」
イレーネの言葉にハインツはぱちりと目を開け、不機嫌さを示すように眉根を寄せた。
「なんで?」
「だって……今は子どもができたらまずいです」
どこか一か所に落ち着くまではまだ妊娠するべきではないと思った。そう述べれば、ハインツはなんだ、と納得して表情を緩めた。
「俺との子が欲しくない、ってことじゃないんだな」
「あ、違います……」
そういう意味にとられたのかとイレーネは慌てて弁解した。
「まだ、完全に逃げ切れたわけではないですし……だから決してハインツ様の子が欲しくないというわけじゃ、」
そこまで言って、ハインツがにやにやしていることに気づいた。
「ハインツ様」
「いいよ、続けて? 俺との子が、なに?」
「もう、いいです」
くるりと彼に背を向ける形で寝返りを打てば、ごめんと笑いながら後ろから抱きしめられる。
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「ええ。わたしも、ハインツ様と家族になりたい……」
「ほんとう?」
「はい」
ハインツは震える声で、ありがとうと言った。
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