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36、確かめ合う
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「イレーネ……」
ハインツはイレーネを抱き寄せると、「よかった……」と呟いた。
「おまえがもう帰りたいって言ったらどうしようって思ってた……」
「帰りたい、ってわたしが言ったらどうするつもりだったんですか」
抱擁を解き、どこか落ち込んだ様子で彼はぼそぼそと話す。
「……わかんね。俺がすべて一人で実行したことです、娘さんはただ脅されてついてきただけです、って言って、送り返そうと思ってた……」
でもやっぱり、と彼は続ける。
「いろいろごねて考え直してもらうか、それがダメなら無理矢理連れて行ったかもしれない……」
俺はおまえを手放したくないから、と付け加えて、彼は黙り込んだ。イレーネはなんだかそんなことを言うハインツが不思議に思えてきた。
「ハインツ様は、いつからそんなふうにわたしのことを想うようになってくれたんですか?」
「な、なんだよ、急に……」
イレーネに改まって問われ、ハインツは狼狽える。たしかに駆け落ちまでしておいて今さらこんなことを聞くのはおかしな話かもしれない。だがイレーネは知りたかった。
「だって、最初は嫌われていると思っていたので……」
「は? 俺がおまえを?」
「ええ……なんだか今思えば、すごく怒っていらっしゃる様子でしたし」
「あれは……おまえがどうの、っていうより、親父に勝手に結婚相手決められて、おまえはこれくらいしかできないんだからしっかりしろって弟や使用人たちの前で説教されて……正直、むしゃくしゃして、腹が立ってた」
「つまり、八つ当たりも兼ねてわたしのもとへ訪れたと」
それで傷心していたイレーネを抱いたというわけだ。ハインツはばつの悪そうな顔をして、悪かったと謝った。
「あの時、とても怖かったし、ショックでした」
「本当に、悪かった」
「その後も、たくさんいやらしいことなさって……」
「そうだな……でも、イレーネも気持ちよさそうにいっぱい喘いで、いや、俺が悪かったです。ごめんなさい」
本当に反省しているのかとイレーネはじっとりとした目でハインツを見たが、やがておずおずと彼の肩口に額を当てた。
「でも、不思議なんです……あなたのこと、いつしかそんなに嫌いではないと思うようになっていた……」
「イレーネ……俺も……おまえのこと、いつの間にかすげえ好きになってた……」
そこでイレーネは顔を上げて、微笑んだ。
「あなたはわたしの身体が好きになったのではなくて?」
「もちろんそれもある」
あっさり認めた彼に呆れると、何だよと不満そうな顔をされた。
「言っとくけど、嫌いなやつを抱けるほど俺はできていないぞ」
「でも、初めてお会いした時は抱くことができたのでしょう?」
「だから嫌ってない。初対面で何とも思ってなかったし、何ならけっこう可愛いって思ったよ」
……何だろう。全然心に響いてこない。
冷めた顔をするイレーネに、ハインツは目を逸らしながら言葉を重ねた。
「おまえにはよくわかんねぇかもしれねぇけど、あの時の俺はおまえを抱いて、慰められたし、癒されていたんだよ」
「そう、なんですか」
「そうだよ。家族の中で絶対的な父親に役立たずだって宣告されて、出来のいい弟には憐憫の眼差し向けられるし、俺のこと好きだと思っていた女たちが実はみんな財産目当てで、婚約者が決まったならもう用はないって振られるし、使用人たちは裏で陰口のオンパレードやらで、もう俺の人生って一体何だよ、って軽く絶望してたんだ」
本人の口から改めて聞かされると、確かに踏んだり蹴ったりの人生に思えた。
(わたしも、同じかもしれない……)
ディートハルトに都合よく利用されて、目的が達成されたら捨てられて、父親には責められて……ハインツと同じように絶望していた。
だから彼に抱かれることで……どう言えばいいかわからないが、ああ、自分はこの人に必要とされている――たとえそれが肉欲を満たすための行為だとしても、イレーネは心のどこかで安心したのかもしれない。まだ自分は誰かに見放されていないと。
「おまえの柔らかいおっぱいとか太股に挟まれて、汗ばんだ肌で縋りつく様とか、どろどろに溶けた顔で俺を見る目とか、俺のものを一生懸命咥える――」
「ハインツ様」
「……とにかく、おまえも気持ちよくなってる姿見てると、すごい興奮したし、嬉しかった。なんか、親父に見放されたことも、弟に対する劣等感とか、ぜんぶ、まぁいっかって思えるようになっていったんだ」
おまえのおかげだったんだよ、と言われてイレーネは驚いた。そう思えるのは、ずっとハインツの本来の性格によるものだと思っていた。
「まぁ、俺もそんな神経質な方じゃないけど……でも、イレーネ抱かなかったら、もっと立ち直り遅かったと思うし、変な方向に暴走してた可能性もある」
「変な方向……」
「そ。それこそ、酒に溺れたり、賭け事に失敗にして、挙げ句の果てには殺人とか犯罪に手を染めて、堕ちるところまで堕ちてたかもな」
イレーネは外出すること自体控えるよう言われていた。たとえ街へ出かけることができても、教会へ行くぐらいで、どんなことをして遊べばいいかわからなかった。
でもハインツのように日頃から街を出歩き、お酒や異性との付き合い方も知っていたら、ストレスの捌け口に利用したかもしれない。行き場のない不平不満をすべて忘れるために溺れようとしたかもしれない。
「そのぶん、おまえにはずいぶん嫌な思いさせちまったけど……」
「……最初は、嫌でした」
女遊びで慣れているせいか、ハインツは痛みは与えなかった。でもやはりどこか強引で、言葉でイレーネの心を抉ったりもした。だけど――
「わたしも、あなたのことがそんなに嫌いではないと思い始めて……それからは、身体を繋げることも、苦痛ではありませんでした」
「それ、本当?」
ハインツがイレーネを抱き寄せ、真剣な表情で確かめてくる。彼女は彼の頬に手を添えながら、微笑んだ。
「ええ。その……気持ちよかったです」
「イレーネ……」
ハインツはグッと何かを堪えるように顔を歪めると、イレーネの唇にかぶりついてきた。彼女は驚きつつ、そっと口を開いて彼を招き入れた。
ハインツは息を荒げながら、イレーネの咥内を貪り、彼女が途切れ途切れに甘い声を漏らすと、もう我慢できないというように寝台へと押し倒した。
ハインツはイレーネを抱き寄せると、「よかった……」と呟いた。
「おまえがもう帰りたいって言ったらどうしようって思ってた……」
「帰りたい、ってわたしが言ったらどうするつもりだったんですか」
抱擁を解き、どこか落ち込んだ様子で彼はぼそぼそと話す。
「……わかんね。俺がすべて一人で実行したことです、娘さんはただ脅されてついてきただけです、って言って、送り返そうと思ってた……」
でもやっぱり、と彼は続ける。
「いろいろごねて考え直してもらうか、それがダメなら無理矢理連れて行ったかもしれない……」
俺はおまえを手放したくないから、と付け加えて、彼は黙り込んだ。イレーネはなんだかそんなことを言うハインツが不思議に思えてきた。
「ハインツ様は、いつからそんなふうにわたしのことを想うようになってくれたんですか?」
「な、なんだよ、急に……」
イレーネに改まって問われ、ハインツは狼狽える。たしかに駆け落ちまでしておいて今さらこんなことを聞くのはおかしな話かもしれない。だがイレーネは知りたかった。
「だって、最初は嫌われていると思っていたので……」
「は? 俺がおまえを?」
「ええ……なんだか今思えば、すごく怒っていらっしゃる様子でしたし」
「あれは……おまえがどうの、っていうより、親父に勝手に結婚相手決められて、おまえはこれくらいしかできないんだからしっかりしろって弟や使用人たちの前で説教されて……正直、むしゃくしゃして、腹が立ってた」
「つまり、八つ当たりも兼ねてわたしのもとへ訪れたと」
それで傷心していたイレーネを抱いたというわけだ。ハインツはばつの悪そうな顔をして、悪かったと謝った。
「あの時、とても怖かったし、ショックでした」
「本当に、悪かった」
「その後も、たくさんいやらしいことなさって……」
「そうだな……でも、イレーネも気持ちよさそうにいっぱい喘いで、いや、俺が悪かったです。ごめんなさい」
本当に反省しているのかとイレーネはじっとりとした目でハインツを見たが、やがておずおずと彼の肩口に額を当てた。
「でも、不思議なんです……あなたのこと、いつしかそんなに嫌いではないと思うようになっていた……」
「イレーネ……俺も……おまえのこと、いつの間にかすげえ好きになってた……」
そこでイレーネは顔を上げて、微笑んだ。
「あなたはわたしの身体が好きになったのではなくて?」
「もちろんそれもある」
あっさり認めた彼に呆れると、何だよと不満そうな顔をされた。
「言っとくけど、嫌いなやつを抱けるほど俺はできていないぞ」
「でも、初めてお会いした時は抱くことができたのでしょう?」
「だから嫌ってない。初対面で何とも思ってなかったし、何ならけっこう可愛いって思ったよ」
……何だろう。全然心に響いてこない。
冷めた顔をするイレーネに、ハインツは目を逸らしながら言葉を重ねた。
「おまえにはよくわかんねぇかもしれねぇけど、あの時の俺はおまえを抱いて、慰められたし、癒されていたんだよ」
「そう、なんですか」
「そうだよ。家族の中で絶対的な父親に役立たずだって宣告されて、出来のいい弟には憐憫の眼差し向けられるし、俺のこと好きだと思っていた女たちが実はみんな財産目当てで、婚約者が決まったならもう用はないって振られるし、使用人たちは裏で陰口のオンパレードやらで、もう俺の人生って一体何だよ、って軽く絶望してたんだ」
本人の口から改めて聞かされると、確かに踏んだり蹴ったりの人生に思えた。
(わたしも、同じかもしれない……)
ディートハルトに都合よく利用されて、目的が達成されたら捨てられて、父親には責められて……ハインツと同じように絶望していた。
だから彼に抱かれることで……どう言えばいいかわからないが、ああ、自分はこの人に必要とされている――たとえそれが肉欲を満たすための行為だとしても、イレーネは心のどこかで安心したのかもしれない。まだ自分は誰かに見放されていないと。
「おまえの柔らかいおっぱいとか太股に挟まれて、汗ばんだ肌で縋りつく様とか、どろどろに溶けた顔で俺を見る目とか、俺のものを一生懸命咥える――」
「ハインツ様」
「……とにかく、おまえも気持ちよくなってる姿見てると、すごい興奮したし、嬉しかった。なんか、親父に見放されたことも、弟に対する劣等感とか、ぜんぶ、まぁいっかって思えるようになっていったんだ」
おまえのおかげだったんだよ、と言われてイレーネは驚いた。そう思えるのは、ずっとハインツの本来の性格によるものだと思っていた。
「まぁ、俺もそんな神経質な方じゃないけど……でも、イレーネ抱かなかったら、もっと立ち直り遅かったと思うし、変な方向に暴走してた可能性もある」
「変な方向……」
「そ。それこそ、酒に溺れたり、賭け事に失敗にして、挙げ句の果てには殺人とか犯罪に手を染めて、堕ちるところまで堕ちてたかもな」
イレーネは外出すること自体控えるよう言われていた。たとえ街へ出かけることができても、教会へ行くぐらいで、どんなことをして遊べばいいかわからなかった。
でもハインツのように日頃から街を出歩き、お酒や異性との付き合い方も知っていたら、ストレスの捌け口に利用したかもしれない。行き場のない不平不満をすべて忘れるために溺れようとしたかもしれない。
「そのぶん、おまえにはずいぶん嫌な思いさせちまったけど……」
「……最初は、嫌でした」
女遊びで慣れているせいか、ハインツは痛みは与えなかった。でもやはりどこか強引で、言葉でイレーネの心を抉ったりもした。だけど――
「わたしも、あなたのことがそんなに嫌いではないと思い始めて……それからは、身体を繋げることも、苦痛ではありませんでした」
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