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11、王太子
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それから、ユリウスとどこかで顔を合わせると、お互い微笑み合い、行き先が途中まで同じであれば、話すようにもなった。
彼は修道士でもあるからか、それとも根が紳士的であるからか、常にイレーネのことを気遣い、優しかった。おかげでイレーネはさほど緊張せず、親しみを持って彼と接することができた。
「王都はやはり華やか場所だな。おまけに食事も上手い。つい食べ過ぎてしまう」
「わかりますわ。でも、少し食べ過ぎてしまっても、騎士の方ならたくさん動いて、その分消費できると思いますけれど」
ユリウスは笑って、なるほどと頷いた。
「だが我々は神に仕える身でもある。暴飲暴食はよくないとされているんだ」
「まぁ。そうでしたの。でしたら、他のみなさんも耐えていますの?」
成人男性に質素な食事は辛いだろうとイレーネは同情した。
「いや、みんななんだかんだ言って肉や魚をたらふく食べている。他のことならば我慢できるが、食事だけはどうも……たまに規則通りの食事だけで終えることがあるんだが、そうすると決まって夜中に食べ物の夢を見てしまって、大きな音にハッと目が覚めるんだ」
「音?」
こちらを振り返り、彼は悪戯っぽく目を細めた。
「そう。自分のかく腹の悲鳴でね」
「まぁ」
イレーネはついその時の彼の姿を想像してしまい、笑みを零した。笑い事ではないとユリウスは真剣な顔をして言ったが、彼は絶対にイレーネを笑わせようとした。この前も、そういうことがあった。
(真面目な方だと思っていたけど……砕けた一面もおありなのね)
イレーネがそんなことを考えていると、ユリウスはふと足を止めた。不思議に思って彼の横顔を見上げる。視線の先を辿ると、一人の貴族が数名の女性たちに囲まれて通り過ぎていくところだった。
「あと少しで、戦が始まるというのに……」
聖戦だなんだともてはやされているが、貴族たちにとっては変わらぬ日常を送り続ける。その事実の一端を垣間見たユリウスの瞳は失望を隠しきれないようであった。
「私たちはこの戦いで聖地を奪還できれば、平和が我が国にもたされると信じている。だが時々、本当にそうなのか、ここにいるとわからなくなってしまうんだ」
視線に気づいたイレーネの方を振り向き、ユリウスは寂しそうに微笑んだ。
イレーネは彼の言った言葉が日を跨いでも忘れられず、繰り返し思い出してはあれこれと物思いに耽った。
「おや、見ない顔だね」
だから見るからに高貴そうな雰囲気を纏った男性――この国の王太子、ヴィルヘルムに声をかけられるという隙を与えてしまった。いや、イレーネはきちんと端に寄って、彼が通り過ぎるのを待っていた。そして彼の両腕にはイレーネよりもうんと魅力的な女性が寄り添っていた。
まさか声をかけられるとは思ってもいなかったのだ。
「顔を上げて、もっとよく見せてごらん」
王太子にそう言われ、イレーネが逆らうことなどできない。
おずおずと顔を上げれば、興味深そうに自分を見つめる金色の瞳とぶつかった。
「どこの子だろう? 最近入った子かな?」
「……グリゼルダ殿下に仕えております」
「ああ、あの子」
なるべく顔を覚えられたくないと視線を下げれば、頬に触れられる。身じろぎしても、ヴィルヘルムは気にしたふうもなく、しげしげと眺めてくる。
「ほんのり垂れた目がいいね。あの子のもとにきみみたいな子がいるなんて知らなかったな」
「殿下」
扇で口元を隠していた女性の一人が彼の耳元で何か囁く。嫌な予感がした。
「へぇ。あの男爵の……ディートハルトの婚約者か」
イレーネを見つめる目が変わった。あの騎士たちと同じ、何かを征服しようとする目に。腰を屈めていたヴィルヘルムはスッと姿勢を戻した。そのままイレーネに興味を失ってくれればよかったが、彼はイレーネの腕を掴んで立たせようとした。
「来なさい」
「殿下。わたしは……」
ヴィルヘルムは微笑んだ。
きみに拒否権はない。そういう笑みだ。
イレーネは真っ青になった。縋るように両脇の女性たちに助けを求める。だが彼女たちは面白げに――あるいは王太子の情けを授けてもらうことに嫉妬を覚え、何も言わずにイレーネを見るだけだった。
「さぁ、早く」
(そんな……)
差し出された手を、自分は拒めない。この後王太子がどうするか。一つしかない結末にイレーネが絶望した時――
「あら、何をしているの。お兄様」
眩い金色の髪を品よく垂らし、淡青色のドレスに身を包んだ女性が凛とした声で言い放った。
「おや、グリゼルダ」
王太子の手が、スッと引っ込められる。グリゼルダはすたすたと歩み寄ってくると、ぴたりと兄の目の前で立ち止まり、ちらりとイレーネに目をやった。
「私の侍女に、何かご用で?」
「いいや。端に寄って俯いていたからね。具合が悪いのではないかと思って、声をかけただけよ」
へぇ、とグリゼルダの目が細められる。彼女も扇で口元を隠しているぶん、目で雄弁に兄の主張が白々しいと訴えていた。
「私はてっきり、またお兄様の悪癖が出たのかと思いましたわ」
「悪癖とは、これまたひどい言い草だね」
「そうかしら。私の侍女はみな、お兄様の体調を心配されていたようですから」
後ろに控えて居る侍女の顔が、全員強張った。
「それは僕ではなくて、父上に仕えている騎士たちじゃないかな」
「まぁ、そうでしたの。でも私はお兄様もだと思いますわ」
「そう。でも誰であれ、みんな善意で心配しているだけだよ」
「……では、善意で情けをかけたと?」
「もちろん」
笑顔で言い切った兄に、グリゼルダは一瞬不快そうな、嫌悪の色を露わにした。だがすぐに諦めたように肩を竦め、もういいというように目を閉じた。
「お兄様と話していると、疲れてしまいますわ」
「そうか。なら部屋へ戻るといい。僕も用事があってね。もう行くよ」
「ご婦人方を戦の決め事に参加させるのですか」
「いいや。そういうのは父上の仕事だ。僕の仕事は花をめでるだけ」
「……そうですの」
妹の目にも、王太子はにこやかに微笑むだけだった。
「ではね、失礼するよ。きみも、またね」
王太子はイレーネに目をやると、青い目を細めた。
「ああ、そうだ。後でマルガレーテのもとへも行くから、その時にきみの婚約者にも会えるかもしれない」
そうも付け加えると、じゃあねと背を向けた。
彼は修道士でもあるからか、それとも根が紳士的であるからか、常にイレーネのことを気遣い、優しかった。おかげでイレーネはさほど緊張せず、親しみを持って彼と接することができた。
「王都はやはり華やか場所だな。おまけに食事も上手い。つい食べ過ぎてしまう」
「わかりますわ。でも、少し食べ過ぎてしまっても、騎士の方ならたくさん動いて、その分消費できると思いますけれど」
ユリウスは笑って、なるほどと頷いた。
「だが我々は神に仕える身でもある。暴飲暴食はよくないとされているんだ」
「まぁ。そうでしたの。でしたら、他のみなさんも耐えていますの?」
成人男性に質素な食事は辛いだろうとイレーネは同情した。
「いや、みんななんだかんだ言って肉や魚をたらふく食べている。他のことならば我慢できるが、食事だけはどうも……たまに規則通りの食事だけで終えることがあるんだが、そうすると決まって夜中に食べ物の夢を見てしまって、大きな音にハッと目が覚めるんだ」
「音?」
こちらを振り返り、彼は悪戯っぽく目を細めた。
「そう。自分のかく腹の悲鳴でね」
「まぁ」
イレーネはついその時の彼の姿を想像してしまい、笑みを零した。笑い事ではないとユリウスは真剣な顔をして言ったが、彼は絶対にイレーネを笑わせようとした。この前も、そういうことがあった。
(真面目な方だと思っていたけど……砕けた一面もおありなのね)
イレーネがそんなことを考えていると、ユリウスはふと足を止めた。不思議に思って彼の横顔を見上げる。視線の先を辿ると、一人の貴族が数名の女性たちに囲まれて通り過ぎていくところだった。
「あと少しで、戦が始まるというのに……」
聖戦だなんだともてはやされているが、貴族たちにとっては変わらぬ日常を送り続ける。その事実の一端を垣間見たユリウスの瞳は失望を隠しきれないようであった。
「私たちはこの戦いで聖地を奪還できれば、平和が我が国にもたされると信じている。だが時々、本当にそうなのか、ここにいるとわからなくなってしまうんだ」
視線に気づいたイレーネの方を振り向き、ユリウスは寂しそうに微笑んだ。
イレーネは彼の言った言葉が日を跨いでも忘れられず、繰り返し思い出してはあれこれと物思いに耽った。
「おや、見ない顔だね」
だから見るからに高貴そうな雰囲気を纏った男性――この国の王太子、ヴィルヘルムに声をかけられるという隙を与えてしまった。いや、イレーネはきちんと端に寄って、彼が通り過ぎるのを待っていた。そして彼の両腕にはイレーネよりもうんと魅力的な女性が寄り添っていた。
まさか声をかけられるとは思ってもいなかったのだ。
「顔を上げて、もっとよく見せてごらん」
王太子にそう言われ、イレーネが逆らうことなどできない。
おずおずと顔を上げれば、興味深そうに自分を見つめる金色の瞳とぶつかった。
「どこの子だろう? 最近入った子かな?」
「……グリゼルダ殿下に仕えております」
「ああ、あの子」
なるべく顔を覚えられたくないと視線を下げれば、頬に触れられる。身じろぎしても、ヴィルヘルムは気にしたふうもなく、しげしげと眺めてくる。
「ほんのり垂れた目がいいね。あの子のもとにきみみたいな子がいるなんて知らなかったな」
「殿下」
扇で口元を隠していた女性の一人が彼の耳元で何か囁く。嫌な予感がした。
「へぇ。あの男爵の……ディートハルトの婚約者か」
イレーネを見つめる目が変わった。あの騎士たちと同じ、何かを征服しようとする目に。腰を屈めていたヴィルヘルムはスッと姿勢を戻した。そのままイレーネに興味を失ってくれればよかったが、彼はイレーネの腕を掴んで立たせようとした。
「来なさい」
「殿下。わたしは……」
ヴィルヘルムは微笑んだ。
きみに拒否権はない。そういう笑みだ。
イレーネは真っ青になった。縋るように両脇の女性たちに助けを求める。だが彼女たちは面白げに――あるいは王太子の情けを授けてもらうことに嫉妬を覚え、何も言わずにイレーネを見るだけだった。
「さぁ、早く」
(そんな……)
差し出された手を、自分は拒めない。この後王太子がどうするか。一つしかない結末にイレーネが絶望した時――
「あら、何をしているの。お兄様」
眩い金色の髪を品よく垂らし、淡青色のドレスに身を包んだ女性が凛とした声で言い放った。
「おや、グリゼルダ」
王太子の手が、スッと引っ込められる。グリゼルダはすたすたと歩み寄ってくると、ぴたりと兄の目の前で立ち止まり、ちらりとイレーネに目をやった。
「私の侍女に、何かご用で?」
「いいや。端に寄って俯いていたからね。具合が悪いのではないかと思って、声をかけただけよ」
へぇ、とグリゼルダの目が細められる。彼女も扇で口元を隠しているぶん、目で雄弁に兄の主張が白々しいと訴えていた。
「私はてっきり、またお兄様の悪癖が出たのかと思いましたわ」
「悪癖とは、これまたひどい言い草だね」
「そうかしら。私の侍女はみな、お兄様の体調を心配されていたようですから」
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「まぁ、そうでしたの。でも私はお兄様もだと思いますわ」
「そう。でも誰であれ、みんな善意で心配しているだけだよ」
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「もちろん」
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