208 / 208
第7章 東雲理沙編
200 中学校④
しおりを挟む
林檎と同じ中学校に入ってから、大体半月くらいが経過した。
私と林檎……それから、晴香と菜乃は皆、同じクラスになった。
とは言え、林檎は他にも小学生時代の友人はたくさんいるようで、いつも多くのクラスメイトから話し掛けられている様子だった。
そんな彼女が休憩時間は私にべったりなものだからか、同級生達からは『葛西林檎と特に仲の良い女子生徒』として認識されているようで、親しい友人こそいないものの気兼ねなく声を掛けてくれる人はそれなりにいた。
あとは、昼休憩になると林檎の友人達が声を掛けてくれるので、複数人で昼食を共にすることが多かった。
しかし、時間が経つにつれて次第にクラス内での人間関係が確立されて行き、ここ数日は晴香と菜乃を入れた四人で昼食を食べることが多くなっていた。
中学校では、私の通っていた小学校のように他人に媚びたりせず、自然体で相手と関われる……と、思っていた。
しかし蓋を開けてみれば、小学校の時ほどでは無いが、皆相手の顔色を窺って腹の内を隠して駆け引きを行っていた。
少しでも自分が上位に立てるように。どれだけ相手を蹴落として、クラス内での地位を築けるかと言った腹の探り合いが、笑顔の水面下で日々繰り広げられていた。
「理沙~! おはよ~! 待ったっ?」
けど、そんな環境の中でも……林檎だけは、変わらなかった。
何者も疑わない、無垢な笑顔を浮かべてこちらに駆け寄ってくる彼女の姿に、私は胸の奥が熱くなるのを感じながら「今来た所だよ」と答えた。
小学生の頃に、よく放課後二人で会っていた公園の前。
こうして、毎朝ここで待ち合わせをして登校するのも、すっかり習慣になったな……なんて考えつつ歩いていると、彼女はパッと顔を上げて「そういえば」と口を開いた。
「理沙。昨日の宿題で分かんない所があってさ~。学校に着いたら教えてくれない?」
「良いけど……数学の? 確かに、林檎苦手だもんね」
「う~……全然分かんない。数字が頭の中でグチャグチャになるよぉ~」
両手で自身のこめかみを押さえながら苦悶の表情を浮かべる彼女の姿に、私は思わず笑みを零した。
小学生の頃から知ってはいたのだが、どうやら彼女は勉強が苦手らしい。
数学や英語などの知識を応用するものは勿論のこと、理科や社会などの暗記科目も苦手なようで、入学式の翌日にあった新入生テストでは悲惨な結果となっていた。
私にとって、勉強とは両親の言いつけを守る手段のようなものだったので、今となっては特に必要性を感じてはいなかった。
その為、小学六年生の時のように、中学校でのテストや課題は全て白紙で提出しようとしていたのだが……苦手ながらも努力している林檎の隣でそんなことをするのは何だか憚られ、なんだかんだで、程々にはやっていた。
結果として、新入生テストでは学年内で比較的上位を取り、林檎からは尊敬の眼差しを向けられたものだった。
まぁ、彼女に頼られるのも悪くないか……と、最近では林檎に勉強を教えることも多かった。
今回の宿題も、確かに公式の応用の方法が少し複雑な所があったので、引っ掛かったのはそこだろうか……なんて考えつつ中学校の校舎に差し掛かると、校門の前に何人かの教師が立っているのが見えた。
あれは一体……? と疑問に思っていると、とある学生が教師に呼び止められて何かを言われていた。
「理沙。あれ、何してるんだろ?」
「さぁ……? 何か、注意されてるみたいだけど……」
オズオズと話し掛けてくる林檎に、私はそんな風に答えながらも首を傾げた。
何事も無ければ良いが……と不安に思いつつ、校門を潜った時だった。
「そこの学生、止まりなさい」
バインダーのようなものを片手に持った男性教師が、訝しむように眉を顰めてそう言った。
突然のことに驚きながらも足を止めていると、彼は私達──主に林檎──の姿をジロジロと見つめた後、小さく溜息をついて口を開いた。
「君、その髪色は校則違反だ。明日までに黒に染めて来なさい」
「えッ!? いや、これ元からですよ……!」
教師の言葉に、林檎はビクリと肩を震わせながらもそう反論した。
これは……服装検査と言うやつか。確か、この学校では抜き打ちで行っているとか言ってたっけ?
確かに、林檎の髪色は他より少し色素の薄い色をしてはいるが……それでも、暗めの茶髪ぐらいだ。わざわざ染め直す必要があるほど派手な色とは思えない。
しかし教師は「校則は校則だ」と言いながらバインダーに何かを記録しているので、私は「先生」と咄嗟に声を上げた。
「私も葛西さんとは昔からの仲ですが、この髪色は本当に地毛なんです。校則とは言え、そこまで目立つ色でも無いですし、わざわざ染め直す必要なんて無いですよね?」
「では学校の関係者以外がこのような髪色の生徒を見た時にどう思う? 髪を染めた不真面目な学生を規制せず野放しにしていると噂され、学校全体の信頼を損なうことに繋がるんだよ。それに一人でも例外を認めたら、他の学生だって真似をして髪を染め始めるかもしれない。彼女よりも派手な色に染めたり、服装だって乱れて学校全体の風紀が乱れかねない。それを防ぐ為にも、校則違反の例外は認められないよ」
「そんなの……ッ!」
「とにかく、君は明日までに髪を黒に染めてきなさい。必ず生徒指導室に見せに来るように。良いね」
教師の言葉に、林檎はグッと口を噤んだ後、その目を伏せて「……はい」と頷いた。
それに、私は頭の奥に熱が溜まるような感覚を覚えながらも、彼女の手を引いてその場を離れた。
「林檎。あんな奴の言うこと聞く必要なんて無いよ。校則違反なんて言われるほど派手な色じゃないんだし、あんなの無視しちゃいなよ」
校舎内で人気の無い所まで移動した後、私はすぐさまそう告げた。
それに、林檎は一瞬驚いたようにその目を丸くしたが、すぐにその目を伏せながら「でも……」と口を開いた。
「この学校では、それが校則みたいだし……守らないと、内申点、とか……下げられちゃうかも……」
「そんなのッ」
「私、ただでさえ勉強苦手なんだから……せめて、校則ぐらいは守らないと、さ」
そう言って、クシャッ……と今にも泣きそうな笑みを浮かべる彼女の言葉に、私は思わず口を噤んだ。
喉の奥に何かが詰まったような息苦しさを覚えながらも、私は「でもッ」と掠れた声を発した。
「林檎、その髪……好きなんでしょう?」
「……」
「優しいお母さんと同じ髪色だから、気に入ってるって……教えてくれたじゃん」
私の言葉に、林檎は自身の髪に手を当ててぐしゃりと握り締めた。
いつだったか。彼女の髪を触らせて貰っていた時に、笑顔でそう教えてくれたことがあった。
優しくて大好きなお母さんから遺伝したお揃いの髪だから、自分の髪を気に入っているのだと。
誇らしげに、自慢げに話してくれたのを、今でもハッキリと覚えている。
それなのに、校則だからと言って、黒に染めるなんて……──。
「……私だって……染めたくないよ……ッ!」
私の思考に応えるように、林檎は、今にも泣き出しそうな声でそう言った。
その言葉に顔を上げると、彼女は私の制服を掴んで胸元に顔を埋めて続けた。
「嫌だよッ! 私だってッ……この髪色、変えたくないしッ! それに、ただでさえお母さんが頑張って働いて稼いでくれたお金を、そんなことに使いたくないッ!」
「林檎……」
「理沙……私、どうしたら良いのかな……?」
そう言って顔を上げた彼女の瞳は、大粒の涙で潤んでいた。
瞬間、私の中で……何かが切れた。
「……大丈夫だよ。林檎」
自身の中で込み上げる様々な感情を飲み込んで、私は、静かな声でそう言った。
親指で涙を拭って見せれば、林檎は不思議そうな顔で私の目を見つめるので、私は優しく微笑んで見せる。
「私が、何とかして見せるから……林檎は、今のままでいれば良いよ」
「理沙……?」
「林檎のことは、私が守るよ」
学校だろうと、社会だろうと……神様だろうと。
林檎を──かつて私を救ってくれた大切な人を傷付けるのであれば、例え何が相手だろうと、どんな手段を使っても守って見せる。
だって、彼女の笑顔が近くで見られるのならば……私は、それだけで良いのだから。
私と林檎……それから、晴香と菜乃は皆、同じクラスになった。
とは言え、林檎は他にも小学生時代の友人はたくさんいるようで、いつも多くのクラスメイトから話し掛けられている様子だった。
そんな彼女が休憩時間は私にべったりなものだからか、同級生達からは『葛西林檎と特に仲の良い女子生徒』として認識されているようで、親しい友人こそいないものの気兼ねなく声を掛けてくれる人はそれなりにいた。
あとは、昼休憩になると林檎の友人達が声を掛けてくれるので、複数人で昼食を共にすることが多かった。
しかし、時間が経つにつれて次第にクラス内での人間関係が確立されて行き、ここ数日は晴香と菜乃を入れた四人で昼食を食べることが多くなっていた。
中学校では、私の通っていた小学校のように他人に媚びたりせず、自然体で相手と関われる……と、思っていた。
しかし蓋を開けてみれば、小学校の時ほどでは無いが、皆相手の顔色を窺って腹の内を隠して駆け引きを行っていた。
少しでも自分が上位に立てるように。どれだけ相手を蹴落として、クラス内での地位を築けるかと言った腹の探り合いが、笑顔の水面下で日々繰り広げられていた。
「理沙~! おはよ~! 待ったっ?」
けど、そんな環境の中でも……林檎だけは、変わらなかった。
何者も疑わない、無垢な笑顔を浮かべてこちらに駆け寄ってくる彼女の姿に、私は胸の奥が熱くなるのを感じながら「今来た所だよ」と答えた。
小学生の頃に、よく放課後二人で会っていた公園の前。
こうして、毎朝ここで待ち合わせをして登校するのも、すっかり習慣になったな……なんて考えつつ歩いていると、彼女はパッと顔を上げて「そういえば」と口を開いた。
「理沙。昨日の宿題で分かんない所があってさ~。学校に着いたら教えてくれない?」
「良いけど……数学の? 確かに、林檎苦手だもんね」
「う~……全然分かんない。数字が頭の中でグチャグチャになるよぉ~」
両手で自身のこめかみを押さえながら苦悶の表情を浮かべる彼女の姿に、私は思わず笑みを零した。
小学生の頃から知ってはいたのだが、どうやら彼女は勉強が苦手らしい。
数学や英語などの知識を応用するものは勿論のこと、理科や社会などの暗記科目も苦手なようで、入学式の翌日にあった新入生テストでは悲惨な結果となっていた。
私にとって、勉強とは両親の言いつけを守る手段のようなものだったので、今となっては特に必要性を感じてはいなかった。
その為、小学六年生の時のように、中学校でのテストや課題は全て白紙で提出しようとしていたのだが……苦手ながらも努力している林檎の隣でそんなことをするのは何だか憚られ、なんだかんだで、程々にはやっていた。
結果として、新入生テストでは学年内で比較的上位を取り、林檎からは尊敬の眼差しを向けられたものだった。
まぁ、彼女に頼られるのも悪くないか……と、最近では林檎に勉強を教えることも多かった。
今回の宿題も、確かに公式の応用の方法が少し複雑な所があったので、引っ掛かったのはそこだろうか……なんて考えつつ中学校の校舎に差し掛かると、校門の前に何人かの教師が立っているのが見えた。
あれは一体……? と疑問に思っていると、とある学生が教師に呼び止められて何かを言われていた。
「理沙。あれ、何してるんだろ?」
「さぁ……? 何か、注意されてるみたいだけど……」
オズオズと話し掛けてくる林檎に、私はそんな風に答えながらも首を傾げた。
何事も無ければ良いが……と不安に思いつつ、校門を潜った時だった。
「そこの学生、止まりなさい」
バインダーのようなものを片手に持った男性教師が、訝しむように眉を顰めてそう言った。
突然のことに驚きながらも足を止めていると、彼は私達──主に林檎──の姿をジロジロと見つめた後、小さく溜息をついて口を開いた。
「君、その髪色は校則違反だ。明日までに黒に染めて来なさい」
「えッ!? いや、これ元からですよ……!」
教師の言葉に、林檎はビクリと肩を震わせながらもそう反論した。
これは……服装検査と言うやつか。確か、この学校では抜き打ちで行っているとか言ってたっけ?
確かに、林檎の髪色は他より少し色素の薄い色をしてはいるが……それでも、暗めの茶髪ぐらいだ。わざわざ染め直す必要があるほど派手な色とは思えない。
しかし教師は「校則は校則だ」と言いながらバインダーに何かを記録しているので、私は「先生」と咄嗟に声を上げた。
「私も葛西さんとは昔からの仲ですが、この髪色は本当に地毛なんです。校則とは言え、そこまで目立つ色でも無いですし、わざわざ染め直す必要なんて無いですよね?」
「では学校の関係者以外がこのような髪色の生徒を見た時にどう思う? 髪を染めた不真面目な学生を規制せず野放しにしていると噂され、学校全体の信頼を損なうことに繋がるんだよ。それに一人でも例外を認めたら、他の学生だって真似をして髪を染め始めるかもしれない。彼女よりも派手な色に染めたり、服装だって乱れて学校全体の風紀が乱れかねない。それを防ぐ為にも、校則違反の例外は認められないよ」
「そんなの……ッ!」
「とにかく、君は明日までに髪を黒に染めてきなさい。必ず生徒指導室に見せに来るように。良いね」
教師の言葉に、林檎はグッと口を噤んだ後、その目を伏せて「……はい」と頷いた。
それに、私は頭の奥に熱が溜まるような感覚を覚えながらも、彼女の手を引いてその場を離れた。
「林檎。あんな奴の言うこと聞く必要なんて無いよ。校則違反なんて言われるほど派手な色じゃないんだし、あんなの無視しちゃいなよ」
校舎内で人気の無い所まで移動した後、私はすぐさまそう告げた。
それに、林檎は一瞬驚いたようにその目を丸くしたが、すぐにその目を伏せながら「でも……」と口を開いた。
「この学校では、それが校則みたいだし……守らないと、内申点、とか……下げられちゃうかも……」
「そんなのッ」
「私、ただでさえ勉強苦手なんだから……せめて、校則ぐらいは守らないと、さ」
そう言って、クシャッ……と今にも泣きそうな笑みを浮かべる彼女の言葉に、私は思わず口を噤んだ。
喉の奥に何かが詰まったような息苦しさを覚えながらも、私は「でもッ」と掠れた声を発した。
「林檎、その髪……好きなんでしょう?」
「……」
「優しいお母さんと同じ髪色だから、気に入ってるって……教えてくれたじゃん」
私の言葉に、林檎は自身の髪に手を当ててぐしゃりと握り締めた。
いつだったか。彼女の髪を触らせて貰っていた時に、笑顔でそう教えてくれたことがあった。
優しくて大好きなお母さんから遺伝したお揃いの髪だから、自分の髪を気に入っているのだと。
誇らしげに、自慢げに話してくれたのを、今でもハッキリと覚えている。
それなのに、校則だからと言って、黒に染めるなんて……──。
「……私だって……染めたくないよ……ッ!」
私の思考に応えるように、林檎は、今にも泣き出しそうな声でそう言った。
その言葉に顔を上げると、彼女は私の制服を掴んで胸元に顔を埋めて続けた。
「嫌だよッ! 私だってッ……この髪色、変えたくないしッ! それに、ただでさえお母さんが頑張って働いて稼いでくれたお金を、そんなことに使いたくないッ!」
「林檎……」
「理沙……私、どうしたら良いのかな……?」
そう言って顔を上げた彼女の瞳は、大粒の涙で潤んでいた。
瞬間、私の中で……何かが切れた。
「……大丈夫だよ。林檎」
自身の中で込み上げる様々な感情を飲み込んで、私は、静かな声でそう言った。
親指で涙を拭って見せれば、林檎は不思議そうな顔で私の目を見つめるので、私は優しく微笑んで見せる。
「私が、何とかして見せるから……林檎は、今のままでいれば良いよ」
「理沙……?」
「林檎のことは、私が守るよ」
学校だろうと、社会だろうと……神様だろうと。
林檎を──かつて私を救ってくれた大切な人を傷付けるのであれば、例え何が相手だろうと、どんな手段を使っても守って見せる。
だって、彼女の笑顔が近くで見られるのならば……私は、それだけで良いのだから。
0
お気に入りに追加
208
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
女子高生、女魔王の妻になる
あかべこ
ファンタジー
「君が私の妻になってくれるならこの世界を滅ぼさないであげる」
漆黒の角と翼を持つ謎めいた女性に突如そんな求婚を求められた女子高生・山里恵奈は、家族と世界の平穏のために嫁入りをすることに。
つよつよ美人の魔王と平凡女子高生のファンタジー百合です。
君は今日から美少女だ
藤
恋愛
高校一年生の恵也は友人たちと過ごす時間がずっと続くと思っていた。しかし日常は一瞬にして恵也の考えもしない形で変わることになった。女性になってしまった恵也は戸惑いながらもそのまま過ごすと覚悟を決める。しかしその覚悟の裏で友人たちの今までにない側面が見えてきて……
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが集団お漏らしする話
赤髪命
大衆娯楽
※この作品は「校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話」のifバージョンとして、もっと渋滞がひどくトイレ休憩云々の前に高速道路上でバスが立ち往生していた場合を描く公式2次創作です。
前作との文体、文章量の違いはありますがその分キャラクターを濃く描いていくのでお楽しみ下さい。(評判が良ければ彼女たちの日常編もいずれ連載するかもです)
声楽学園日記~女体化魔法少女の僕が劣等生男子の才能を開花させ、成り上がらせたら素敵な旦那様に!~
卯月らいな
ファンタジー
魔法が歌声によって操られる世界で、男性の声は攻撃や祭事、狩猟に、女性の声は補助や回復、農業に用いられる。男女が合唱することで魔法はより強力となるため、魔法学園では入学時にペアを組む風習がある。
この物語は、エリック、エリーゼ、アキラの三人の主人公の群像劇である。
エリーゼは、新聞記者だった父が、議員のスキャンダルを暴く過程で不当に命を落とす。父の死後、エリーゼは母と共に貧困に苦しみ、社会の底辺での生活を余儀なくされる。この経験から彼女は運命を変え、父の死に関わった者への復讐を誓う。だが、直接復讐を果たす力は彼女にはない。そこで、魔法の力を最大限に引き出し、社会の頂点へと上り詰めるため、魔法学園での地位を確立する計画を立てる。
魔法学園にはエリックという才能あふれる生徒がおり、彼は入学から一週間後、同級生エリーゼの禁じられた魔法によって彼女と体が入れ替わる。この予期せぬ出来事をきっかけに、元々女声魔法の英才教育を受けていたエリックは女性として女声の魔法をマスターし、新たな男声パートナー、アキラと共に高みを目指すことを誓う。
アキラは日本から来た異世界転生者で、彼の世界には存在しなかった歌声の魔法に最初は馴染めなかったが、エリックとの多くの試練を経て、隠された音楽の才能を開花させる。
さくらと遥香
youmery
恋愛
国民的な人気を誇る女性アイドルグループの4期生として活動する、さくらと遥香(=かっきー)。
さくら視点で描かれる、かっきーとの百合恋愛ストーリーです。
◆あらすじ
さくらと遥香は、同じアイドルグループで活動する同期の2人。
さくらは"さくちゃん"、
遥香は名字にちなんで"かっきー"の愛称でメンバーやファンから愛されている。
同期の中で、加入当時から選抜メンバーに選ばれ続けているのはさくらと遥香だけ。
ときに"4期生のダブルエース"とも呼ばれる2人は、お互いに支え合いながら数々の試練を乗り越えてきた。
同期、仲間、戦友、コンビ。
2人の関係を表すにはどんな言葉がふさわしいか。それは2人にしか分からない。
そんな2人の関係に大きな変化が訪れたのは2022年2月、46時間の生配信番組の最中。
イラストを描くのが得意な遥香は、生配信中にメンバー全員の似顔絵を描き上げる企画に挑戦していた。
配信スタジオの一角を使って、休む間も惜しんで似顔絵を描き続ける遥香。
さくらは、眠そうな顔で頑張る遥香の姿を心配そうに見つめていた。
2日目の配信が終わった夜、さくらが遥香の様子を見に行くと誰もいないスタジオで2人きりに。
遥香の力になりたいさくらは、
「私に出来ることがあればなんでも言ってほしい」
と申し出る。
そこで、遥香から目をつむるように言われて待っていると、さくらは唇に柔らかい感触を感じて…
◆章構成と主な展開
・46時間TV編[完結]
(初キス、告白、両想い)
・付き合い始めた2人編[完結]
(交際スタート、グループ内での距離感の変化)
・かっきー1st写真集編[完結]
(少し大人なキス、肌と肌の触れ合い)
・お泊まり温泉旅行編[完結]
(お風呂、もう少し大人な関係へ)
・かっきー2回目のセンター編[完結]
(かっきーの誕生日お祝い)
・飛鳥さん卒コン編[完結]
(大好きな先輩に2人の関係を伝える)
・さくら1st写真集編[完結]
(お風呂で♡♡)
・Wセンター編[不定期更新中]
※女の子同士のキスやハグといった百合要素があります。抵抗のない方だけお楽しみください。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる