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第7章 東雲理沙編
198 中学校②
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「それでね、お母さんってばその後……」
「あれ? 林檎?」
これから通うことになる中学校を目前に控えた交差点にて、横断歩道の信号が青になるのを待ちつつ林檎と雑談をしていた時、背後から誰かに声を掛けられた。
その声に林檎が話を中断して振り返るので、私も釣られるように声がした方に視線を向けた。
するとそこには、私達と同じ制服に身を包んだ女子二人が立っていた。
林檎は彼女等の姿を見るとその顔をパッと明るくし、すぐに私と繋いでいる方とは逆の手をブンブンと勢いよく振りながら口を開いた。
「晴香に菜乃! おはよ~!」
「あははっ、おはよう」
「おはよう、林檎。……と……」
林檎が明るい声で挨拶をすると、二人いる女子の内の黒髪をポニーテールにした女子がクスクスと笑いながら挨拶を返し、もう一人のショートヘアの女子も笑みを浮かべて挨拶を返しながら私の方に視線を向けてきた。
それに、私は気取られない程度に林檎と繋いでいた手を離しながら口を開いた。
「あぁ、ごめん。私は東雲理沙。元々は別の小学校に通ってたんだけど……色々あって、林檎とは仲良くさせて貰ってるんだ」
「理沙……って、もしかして、林檎がよく話してた……?」
「……あぁ~! 君があの!」
自分の胸に手を当てながら自己紹介をすると、ポニーテールの女子は静かな声で呟くように言い、ショートヘアの女子はこちらを指さしながら驚いたように言う。
それに林檎が「ちょっ、やめてよ~」と声を上げるのと、横断歩道の信号が青になるのはほとんど同時だった。
ひとまず横断歩道を渡る為に歩き出しつつ「話?」と聞き返してみると、すぐにショートヘアの女子が私の隣に並びながら笑顔で頷いた。
「うん。確か……五年生くらいの時からかな? 毎日のように理沙が~理沙が~って話してきて、もう耳にタコが出来るかと思ったよ」
「そうそう。だから、なんか初対面って感じがしないんだよね」
「……そうなんだ」
続けるように言ったポニーテールの女子の言葉に、私は小さく答えつつ隣を歩く林檎に視線を向けてみると、彼女は申し訳なさそうに自身の胸の前で両手を合わせて「ごめんね?」と口パクで謝ってきた。
……話しぶりから察するに、彼女達は林檎の小学校での友人といったところだろうか?
そして、どうやら林檎は学校で私のことをよく話題に出していたらしい。
……どうして私のことを? というか、一体どんな話をしていたんだ?
色々聞きたいことは山々だが、ひとまず同じように「良いよ」と声に出さず答えていた時、「にしてもさ~」と続く声がした。
「話には聞いてたけど、理沙って本当にクール系っていうか、大人っぽい感じするよね。イメージ通りっていうか」
「確かに、林檎と全然違うタイプだよね~。ぶっちゃけ、一緒にいて疲れない?」
「えっと……」
「もぉ~、理沙に変なこと言わないでよ~」
出会ったばかりの二人から話し掛けられて思わずたじろいでいると、林檎がそんな風に声を上げながら私の腕を抱き締めて軽く引き寄せた。
突然の密着に驚いていると、彼女は私の顔を見上げて困ったような笑顔を浮かべながら「ごめんね理沙」と謝った。
「急に色々ビックリしたよね? この子達は私と同じ小学校に通ってた晴香と菜乃。私の友達!」
「あぁ、そっか。えっと……私は、渡辺晴香。林檎とは、三年の頃から友達なんだ」
林檎の紹介に、ショートヘアの女子……晴香は納得したように呟くと、すぐにそんな風に自己紹介をして笑顔を浮かべた。
それに、ポニーテールの女子もすぐにハッとしたような表情を浮かべて、口を開いた。
「私は、岡山菜乃。同じく、三年生の頃から林檎と仲良くしてるの。……ごめんね? 急に色々と」
「あぁ、えっと……平気。気にしないで」
オズオズとした様子で謝ってくる菜乃の言葉に、私は戸惑いつつもそう返す。
すると、晴香もすぐに両手を合わせながら「ホントごめん~」と謝罪の言葉を述べた。
「だってまさか、ずっと噂で聞いてた人とこんな所で会えるなんて思わなくて、ついテンション上がっちゃってさぁ」
「あ、はは……そうなんだ」
眉を八の字にして申し訳なさそうに言う彼女の言葉に何とも言えないむず痒さを覚えつつ、私達は中学校の校門を潜った。
校門の先にある生徒玄関ではクラス表が貼り出されているようで、私達と同じ新入生と思しき人だかりが出来ていた。
これはしばらく動けなさそうだな……なんて考えつつ、私は左手で自分の頬を掻きながら小さく嘆息した。
まさか、林檎が学校でそんなに私の話をしていただなんて……今までそんな話聞いたことも無かったから、何だか変な気分だ。
一体どう反応すれば良いのか分からず困惑していると、林檎に抱きしめられている右手の小指が指先で軽く掴まれたのが分かった。
「……林檎?」
「えっ、てかさぁ、理沙の髪って超サラサラだよね~」
右手の感触に思わず林檎の名前を呼んだ時、晴香がそんな風に言いながらこちらに身を乗り出してきた。
突然の言葉に驚きつつも「そう?」と聞き返すと、菜乃が「あっ、それ思ってた」と続けた。
「私も手入れしてるけど、中々こんなに綺麗にならないよ。というか……こんなに綺麗な髪、初めて見たかも」
「ホント羨ましい~。ねね、何かコツとかあるの? シャンプーとかっていつも何使ってる?」
晴香は明るい口調で矢継ぎ早にそう問いかけながら、片手を私の髪に手を伸ばし──
「ダメッ!」
──たところで、ずっと黙っていた林檎がそんな風に声を荒げながら私の体を勢いよく引き寄せ、晴香の手首を掴んで止めさせた。
突然体を強く引っ張られたことで私は驚き、林檎の方につんのめるような姿勢で硬直してしまう。
それは突然手を掴まれた晴香も同じだったようで、私の方に手を伸ばしたような姿勢で硬直しながら「えっと……?」と小さく声を漏らして、自身の手首を掴んでいる林檎に視線を向けた。
林檎はそれに、しばらくの間硬直した後でハッとした表情を浮かべ、すぐに「ご、ごめん!」と謝りながら晴香の手を離した。
「あのッ……理沙、髪とか触られたり、スキンシップ? とかそういうの、苦手だからッ! そんな風に触ったりするの、あんま、良くないっていうか……!」
「えっ……そうだったの!? うわ、理沙ごめん! 知らなくって!」
どこか歯切れの悪い口調で言う林檎の言葉に晴香は驚いたような反応を示し、すぐに私に謝罪してくる。
私はそれにたじろいでしまい、「あ、いや……別に……」とぎこちない反応をしつつ、スクールバッグを肩に掛け直した。
確かに、そういうボディタッチとかはあまり得意では無いけど……そんなこと、林檎に話したことあったっけ?
彼女とは出会った時から手を繋いだり体に触れることはしばしばあったし、付き合ってからもそういうことはよくしていたから、そんなスキンシップがどうこうなんてことを改めて話す機会は無かったと思うのだが……。
というか、私がそういうことが苦手なんて言い出したら……──。
「……いや、でも林檎だって、理沙と手繋いで……──」
「あっ、理沙、見て! あっちから行ったらクラス表見えそうじゃない!? 一緒に行ってみようよ!」
菜乃が何やら疑問を口にしたのも束の間。林檎は突然人だかりの一部を指さしてそう言うと、私の手を取って強引に引っ張るようにして歩き出す。
突然のことに驚く暇も無く、私は「ちょっ、林檎!?」と声を上げながらも、彼女に手を引かれるままに人ごみの中へと歩き出した。
「あれ? 林檎?」
これから通うことになる中学校を目前に控えた交差点にて、横断歩道の信号が青になるのを待ちつつ林檎と雑談をしていた時、背後から誰かに声を掛けられた。
その声に林檎が話を中断して振り返るので、私も釣られるように声がした方に視線を向けた。
するとそこには、私達と同じ制服に身を包んだ女子二人が立っていた。
林檎は彼女等の姿を見るとその顔をパッと明るくし、すぐに私と繋いでいる方とは逆の手をブンブンと勢いよく振りながら口を開いた。
「晴香に菜乃! おはよ~!」
「あははっ、おはよう」
「おはよう、林檎。……と……」
林檎が明るい声で挨拶をすると、二人いる女子の内の黒髪をポニーテールにした女子がクスクスと笑いながら挨拶を返し、もう一人のショートヘアの女子も笑みを浮かべて挨拶を返しながら私の方に視線を向けてきた。
それに、私は気取られない程度に林檎と繋いでいた手を離しながら口を開いた。
「あぁ、ごめん。私は東雲理沙。元々は別の小学校に通ってたんだけど……色々あって、林檎とは仲良くさせて貰ってるんだ」
「理沙……って、もしかして、林檎がよく話してた……?」
「……あぁ~! 君があの!」
自分の胸に手を当てながら自己紹介をすると、ポニーテールの女子は静かな声で呟くように言い、ショートヘアの女子はこちらを指さしながら驚いたように言う。
それに林檎が「ちょっ、やめてよ~」と声を上げるのと、横断歩道の信号が青になるのはほとんど同時だった。
ひとまず横断歩道を渡る為に歩き出しつつ「話?」と聞き返してみると、すぐにショートヘアの女子が私の隣に並びながら笑顔で頷いた。
「うん。確か……五年生くらいの時からかな? 毎日のように理沙が~理沙が~って話してきて、もう耳にタコが出来るかと思ったよ」
「そうそう。だから、なんか初対面って感じがしないんだよね」
「……そうなんだ」
続けるように言ったポニーテールの女子の言葉に、私は小さく答えつつ隣を歩く林檎に視線を向けてみると、彼女は申し訳なさそうに自身の胸の前で両手を合わせて「ごめんね?」と口パクで謝ってきた。
……話しぶりから察するに、彼女達は林檎の小学校での友人といったところだろうか?
そして、どうやら林檎は学校で私のことをよく話題に出していたらしい。
……どうして私のことを? というか、一体どんな話をしていたんだ?
色々聞きたいことは山々だが、ひとまず同じように「良いよ」と声に出さず答えていた時、「にしてもさ~」と続く声がした。
「話には聞いてたけど、理沙って本当にクール系っていうか、大人っぽい感じするよね。イメージ通りっていうか」
「確かに、林檎と全然違うタイプだよね~。ぶっちゃけ、一緒にいて疲れない?」
「えっと……」
「もぉ~、理沙に変なこと言わないでよ~」
出会ったばかりの二人から話し掛けられて思わずたじろいでいると、林檎がそんな風に声を上げながら私の腕を抱き締めて軽く引き寄せた。
突然の密着に驚いていると、彼女は私の顔を見上げて困ったような笑顔を浮かべながら「ごめんね理沙」と謝った。
「急に色々ビックリしたよね? この子達は私と同じ小学校に通ってた晴香と菜乃。私の友達!」
「あぁ、そっか。えっと……私は、渡辺晴香。林檎とは、三年の頃から友達なんだ」
林檎の紹介に、ショートヘアの女子……晴香は納得したように呟くと、すぐにそんな風に自己紹介をして笑顔を浮かべた。
それに、ポニーテールの女子もすぐにハッとしたような表情を浮かべて、口を開いた。
「私は、岡山菜乃。同じく、三年生の頃から林檎と仲良くしてるの。……ごめんね? 急に色々と」
「あぁ、えっと……平気。気にしないで」
オズオズとした様子で謝ってくる菜乃の言葉に、私は戸惑いつつもそう返す。
すると、晴香もすぐに両手を合わせながら「ホントごめん~」と謝罪の言葉を述べた。
「だってまさか、ずっと噂で聞いてた人とこんな所で会えるなんて思わなくて、ついテンション上がっちゃってさぁ」
「あ、はは……そうなんだ」
眉を八の字にして申し訳なさそうに言う彼女の言葉に何とも言えないむず痒さを覚えつつ、私達は中学校の校門を潜った。
校門の先にある生徒玄関ではクラス表が貼り出されているようで、私達と同じ新入生と思しき人だかりが出来ていた。
これはしばらく動けなさそうだな……なんて考えつつ、私は左手で自分の頬を掻きながら小さく嘆息した。
まさか、林檎が学校でそんなに私の話をしていただなんて……今までそんな話聞いたことも無かったから、何だか変な気分だ。
一体どう反応すれば良いのか分からず困惑していると、林檎に抱きしめられている右手の小指が指先で軽く掴まれたのが分かった。
「……林檎?」
「えっ、てかさぁ、理沙の髪って超サラサラだよね~」
右手の感触に思わず林檎の名前を呼んだ時、晴香がそんな風に言いながらこちらに身を乗り出してきた。
突然の言葉に驚きつつも「そう?」と聞き返すと、菜乃が「あっ、それ思ってた」と続けた。
「私も手入れしてるけど、中々こんなに綺麗にならないよ。というか……こんなに綺麗な髪、初めて見たかも」
「ホント羨ましい~。ねね、何かコツとかあるの? シャンプーとかっていつも何使ってる?」
晴香は明るい口調で矢継ぎ早にそう問いかけながら、片手を私の髪に手を伸ばし──
「ダメッ!」
──たところで、ずっと黙っていた林檎がそんな風に声を荒げながら私の体を勢いよく引き寄せ、晴香の手首を掴んで止めさせた。
突然体を強く引っ張られたことで私は驚き、林檎の方につんのめるような姿勢で硬直してしまう。
それは突然手を掴まれた晴香も同じだったようで、私の方に手を伸ばしたような姿勢で硬直しながら「えっと……?」と小さく声を漏らして、自身の手首を掴んでいる林檎に視線を向けた。
林檎はそれに、しばらくの間硬直した後でハッとした表情を浮かべ、すぐに「ご、ごめん!」と謝りながら晴香の手を離した。
「あのッ……理沙、髪とか触られたり、スキンシップ? とかそういうの、苦手だからッ! そんな風に触ったりするの、あんま、良くないっていうか……!」
「えっ……そうだったの!? うわ、理沙ごめん! 知らなくって!」
どこか歯切れの悪い口調で言う林檎の言葉に晴香は驚いたような反応を示し、すぐに私に謝罪してくる。
私はそれにたじろいでしまい、「あ、いや……別に……」とぎこちない反応をしつつ、スクールバッグを肩に掛け直した。
確かに、そういうボディタッチとかはあまり得意では無いけど……そんなこと、林檎に話したことあったっけ?
彼女とは出会った時から手を繋いだり体に触れることはしばしばあったし、付き合ってからもそういうことはよくしていたから、そんなスキンシップがどうこうなんてことを改めて話す機会は無かったと思うのだが……。
というか、私がそういうことが苦手なんて言い出したら……──。
「……いや、でも林檎だって、理沙と手繋いで……──」
「あっ、理沙、見て! あっちから行ったらクラス表見えそうじゃない!? 一緒に行ってみようよ!」
菜乃が何やら疑問を口にしたのも束の間。林檎は突然人だかりの一部を指さしてそう言うと、私の手を取って強引に引っ張るようにして歩き出す。
突然のことに驚く暇も無く、私は「ちょっ、林檎!?」と声を上げながらも、彼女に手を引かれるままに人ごみの中へと歩き出した。
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