きさらぎ駅

水野華奈

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暗闇の中の建物

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________
____


深い闇の中、息遣いと手から伝わるぬくもりだけが互いを確認する唯一の方法。


逃げてる私達。


それしか術は無かった。


絶対的な深い闇の中では、彼等が有利。
それは降りる前から分かっていた事なのに、現実を突きつけられて絶望する。


成す術が全くないまま、走り、逃げ、闇に隠れることしかできない。




「ごめんね、私が行こうなんて言ったから…」


「謝るなって。電車乗ったのも降りたのも自分の意志だっただろ」




そうだけど……。
納得いかない。




「今はどこかに隠れて現状把握しよう、立ち位置もわからきゃ地理もわからないんじゃすぐに追い込まれる」

「うん…」



匠の言うとおりだ。
悔やんでる場合じゃない。


手探りで進んでいく。
右も左も……前も後ろも全く分からないままに。

それでもむやみやたらに進んで壁にぶち当たるのを願った。




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感想 1

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