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序章
七
しおりを挟む「はぁ……はっ…はぁ……」
息が上がっているのは運動不足からだ。
これは間違いない。
酸欠気味になってようやく駅の光が見えてきた。
変わり映えしない真っ白な駅。
それが何だかホッとさせる。
「駅にいれば安全なんだよね?」
誰に問うでもなく呟いた。
改札を通ってホームに一人佇む。
心細くて、紛らわせるために、私は携帯を取り出してネットにアクセスする。
普段から使い込んでいるネットで、つぶやきを書き込んだ。
『電車で寝過ぎて、不思議な駅にいます。少し駅の外を探索したけど人間じゃない者を見ちゃうし怖い』
呟いたと同時に少し心が落ち着いた。
よくわからないけど不満や心配事を書き込めば誰かしら励ましてくれるし、逆に楽しい事や嬉しいことなら一緒に喜んでくれたりする。
気持ちを共有できるから、少し落ち着くのだ。
少しして、自身の呟きにコメントがついた。
『ドジッ子め(笑)駅名は?近かったら迎えに行けるよ、人間じゃない者ってなんだよ!!』
車通勤してる同僚からだった。
自然と返事を急ぐ。
『きさらぎ駅ってところ!此処おかしいんだよ、助けて』
同僚が迎えに来てくれるなら助かった……。
寝過ごしたとはいえ都内のはずだ。
怖くて朝まで電車を待ってるなんてできない。
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