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結局、昨日は寝台でも一緒で、まったく眠れなかった。隈の浮いた部分を揉んでいると、朝食の場で向かいに座った人物が口を開く。
「ティリアさん。寝不足ですか?」
問いかけてきたガウナーは皿に朝食を綺麗に盛り付け、口に運んでいた。昨日の朝食もそうだが、体格の割に量は食べない質のようだ。
大神官はといえば、水しか口にしていない。
「旅行みたいでそわそわしてしまって。大神官様は、お食事は……」
「ああ。心配いらない、ちょっと気分が悪くてな」
ガウナーは、スープ皿を大神官の前に押し遣る。
押し付けられた当人は有り難がる様子もなく、受け取ってのろのろと口に含んだ。
「アーキズさんは、気持ちのいい食べっぷりですね」
「習慣で早朝から剣を振っていたので、腹が減ってしまって」
昨夜の幼馴染みは私と違って、早々に深い呼吸へと移り、眠ってしまったようだ。
しかも早朝に目を覚まし、剣の訓練を終えた後、体調がいい、と言いながら今は大量の食事を腹に入れている。
「ガウナーさんも、食べる方だと思ったんですが……。そこまで多くは召し上がらないんですね」
アーキズが問い返す言葉に、あはは、とガウナーは苦笑する。
「体格はいいんですが、食に興味が薄くて」
確かに、体格には見合わない食事量だった。表情の作り方といい、武芸の技量といい、違和感ばかりが降り積もっていく。人間として、色んなものがあべこべだ。
だが、私たちは追求する術を持たないまま、朝食を終えた。
その日は昼過ぎで、祝福を予定していた箇所を回り終えてしまった。予定を早めることができたとしても、宿は確保してある。
予定の宿へ荷物を運び、午後は観光でも、という話になった。
「────四人で観光を?」
「はい。アーキズさんは腕っ節が強そうですし、一緒に来ていただけると助かります」
ガウナーからの提案に、私たちは訝しみつつも頷いた。
幼馴染みが勝てないだろうと踏んでいる相手だ。自分で守ればいいのに、私たちを動かそうとするのが疑問だった。
しかも言葉の端々から、腕に自信がない、という主張が窺える。
「行ってみたい場所はありますか?」
アーキズが問うと、ガウナーはぱっと顔を輝かせた。馬車の中で車窓を見ていた時のような表情だった。
観光冊子を捲った青年神官は、展望塔、と図示された場所を指差す。
「ここに行ってみたいんです」
「宿からだと、……乗合馬車で行きましょうか」
大神官はうんざり、といった表情だが、反論することはない。
私は彼に近づくと、そっと尋ねる。
「あの。朝もあまり召し上がっていないようでしたし、気分が悪ければ宿で休まれては?」
「平気だ。飲まず食わずも慣れている」
大神官は長々と息を吐き出すと、真白い髪を掻き上げた。
彼が指で触れた場所から、髪色が暗褐色に染まっていく。真白い髪では市街に紛れることは難しいが、今のありふれた髪色なら只の神官に見える。
「それも神術ですか?」
「ああ。乗り合い馬車の中で、大神官がどうの、と騒がれても面倒だろう?」
ナーキアが近いだけあって、この街では神官の姿を見掛けることがある。今の姿なら、観光のあいだ街に紛れることも容易いだろう。
四人で乗り合い馬車の発着場へと移動し、馬車に乗り込んだ。予想していた通り、誰もこちらを注視してはいない。
ガウナーはまた楽しそうに、車窓からの風景を眺めていた。
「ガウナーさんは、高いところがお好きなんですか?」
「はい。自然が作り出す高所も、人工物としての高所もどちらも好きです」
「そう、ですか。神殿の方だと、ほら、天は神の所有物ですし。人工物で高所に辿り着こう、というのは、不遜、とお考えになりませんか」
私が尋ねると、ガウナーは更に嬉しそうな顔になった。言葉の音が跳ねる。
「よくお分かりですね」
「えっ」
当たってしまった、と口元に手を当てる。私の様子を見て青年神官は愉快そうに笑うと、コンコンと手の甲にある骨で窓を小突いた。
「まことに不遜ですよ。だから愛おしい。自然を切り開き、街を作り、それでも飽き足らず神の領地へ人工物でずかずかと踏み込んでいく。そう創られた場所を見るのが、とても愉しいんです」
「は、ぁ……。神官にしては、珍しい感性をお持ちなんですね」
「よく言われます」
自然に近くなった距離に割り入るように、アーキズの腕が伸びた。私の腰が抱かれ、幼馴染みの方へと引き寄せられる。
自然とガウナーとの間に、距離を作ることになってしまった。
「どうしたの? アーキズ」
「いや。…………建物の間に、花壇が見える」
取って付けたような理由だったが、特に追求したりもしなかった。彼が指さした方向へと視線を向ける。
「アーキズ、最近は花の育成に力を入れているものね」
「ああ。生産物としてもそうだが、観光資源としても使いたいと思っていてな」
会話の間も力は強く、手は腰に回ったままだ。その方が楽なような気がして、彼の肩にもたれ掛かった。
びく、と相手の肩が揺れる。
「…………重かった?」
食事量には気をつけているが、と恐るおそる尋ねる。
「いや。軽い」
「そう? しばらく、肩、借りてもいい?」
「いい」
大きな身体は馬車の揺れを受け止め、ついつい眠くなってしまう。うとうとと微睡みを彷徨う私を、アーキズはずっと支え続けてくれた。
馬車が目的地に辿り着くと、ゆっくりと揺らされ、起こされる。
「行くぞ」
自然に掌は私の背に回り、四人で乗り合い馬車を降りた。
展望塔まではもう少し距離があり、街並みを眺めながら歩き出す。観光冊子を持ち、先を進んでいく神官組の背を眺めながら歩いていると、隣を歩いていた幼馴染みの手が掠める。
不自然に、何度も手が触れた。
「────?」
隣を見上げると、アーキズの目元は染まっていた。伸びてきた手が、私の手を取る。
きゅ、と握り込まれると、冬の気温の中でも温かかった。
ほんの少しだけ意識をして、魔力の境界を崩す。相手の魔力が流れ込んでくるのを、胸をときめかせながら受け入れた。
展望塔に辿り着くと、さほど待つこともなく内部へと案内される。塔の中央には大型の魔術装置があり、人を入れた箱ごと昇降するような仕組みだった。
四人で乗り込むと、ぐん、と上向きの力が掛かった。魔術で強化された硝子越しに、街が下に降りていく。
足がそわそわするような感覚に、つい隣にいたアーキズの腕を抱え込んだ。
「怖いか?」
「うん……」
きゅ、と服を握り締めると、彼は空いた手でぽんぽんと私の腕を叩く。
ガウナーは馬車の車窓よりも興味深そうに街を見下ろしており、大神官はそんな世話係の姿を見て苦笑している。
そういえば、世話係と言う割には大神官は身の回りのことは自分で行っている。更に世話係が同行する意味が分からなくなった。
魔術装置を降りると、一気に最上階に辿り着いていた。係員から案内を受け、硝子張りの展望室へと入る。
「う、わぁ…………!」
今まで見上げていた建物が、遙か下にある。硝子に近寄り、ぺたぺたと手で触れる。
硝子の内側と外側には術式が埋め込まれており、衝撃を加えても割れないよう構成されていた。
私の隣では、ガウナーが同じように硝子に触れている。彼はやっぱり楽しそうに、眼下にある街を眺めていた。
背後を振り返ると、こちらを眺める大神官の姿がある。むしろ、大神官の方が世話係、と言われた方がまだ頷けた。
展望室を一周すると、端のほうには飲食のできる休憩区画が設けられ、机と椅子もあった。
複数の果汁を混ぜた飲み物を全員分頼み、運ばれてきたカップを受け取る。乗合馬車を降りて歩いたからか、しばらく休憩したい気分だった。
皆、そうだったのだろう。誰からともなく会話が持ち上がる。
「ティリア。アーキズが祟られた経緯の、神像を壊した一件についてなんだが、経緯を聞かせて貰えないか? 神殿の書類にも補償金額の記載に箇条書きにされている程度で、詳しくは知らないんだ」
「そう、なんですか」
アーキズに話してもいいか視線を投げると、頷き返される。
私はカップを傾けて喉を湿らせ、口を開いた。
私がまだ魔術学校に入る前、齢は十を数える頃だっただろうか。貴族家の子息だけを集め、夏の間だけ一緒に過ごす催しのようなものがあった。
寮ではアーキズと、幼馴染みよりも位の低い貴族の息子二人と同室になった。
その頃から、私はオメガではないかと疑われるほど背が低く、肉付きも悪かった。貧乏貴族であることも相俟って、当然のように辛く当たられるようになった。
その度にアーキズが庇ってくれたが、陰口は止まず、一瞬でも幼馴染みが離れようものなら集中砲火のように小突かれた。
その日は、神殿へ学習のために訪れていた。
神官が神話を読み聞かせ、講義のようなものを行ってくれ、神殿を見て回るための自由時間が与えられた。
『ティリア。一緒に行こう』
『うん!』
幼馴染みと二人の時間を楽しみにしていたが、それを引率をしていた人物に止められた。ばらばらで動くと集める時に手間だから、と寮の部屋単位で動くよう指示された。
楽しいはずの見学は、一気につまらなくなった。
事あるごとにからかいの言葉を投げかけられ、その度にアーキズが応戦する。言われっぱなしの自分が情けなく、幼馴染みに頼り切っている事が心苦しかった。
神殿の内部を見終えて、庭園へと移動する。
私を苛めている二人は付いてくる私たちを気にすることなく、ずかずかと植物を掻き分けて進んでいく。
その時、ふと、開けた場所に出た。
植物で隠されていたかのようなその区画には、ひっそりと、小さな神像が置かれていた。人の背丈ほどのそれは、想像上の神を模したらしい、精巧な彫刻であった。
『何これ、ぼろぼろだな』
『汚ねえの』
先導していた二人は、私に向けるような罵倒の言葉を像へと投げかける。隣で幼馴染みのむっとした表情を浮かべたのが、やけに印象的だった。
二人のうち、体格の大きな一人が、近くにあった岩を拾い上げる。ぼとぼとと泥を振って落としながら、にたりと笑みを浮かべてこちらに歩み寄った。
『なあ、フィロス。この汚い像を壊したらさ。俺ら、寮の部屋、別の部屋に移ってやるよ』
『え……?』
押しつけられた土汚れのある岩を受け取ってしまったのは、彼の提案が魅力的に映ったからだ。
もう、酷い言葉を投げかけられる事もない。大好きな幼馴染みと平穏に過ごせる日々は、腐った甘い果実のように濁った匂いを漂わせた。
その時、隣から腕が伸びた。
私が持っていた岩が奪い取られ、幼馴染みは岩を持ったままずかずかと神像へと近寄っていく。
大きく振りかぶられた腕を、止めるには遅かった。
『アーキズ……!!』
大きな音を立て、腕の部分が砕け落ちる。二度、三度と叩き付けられていく内に、神像は粉々に砕けていった。
ぜい、ぜい、と真っ赤になった幼馴染みが荒い息を零す。その剣幕に、持ちかけた側が気圧されていた。
『何だよ。…………冗談じゃん』
『冗談?』
ぎろり、と彼らしくない鋭い視線が、いじめっ子の顔を射貫いた。
その時だった。黒い雲が空を覆い、ぱらぱらと雨が降る。全員が天を見た、その時に、稲光が注ぎ落ちた。
『いゃぁああぁぁ……ッ!』
閃光は近くの樹木へ直撃し、周囲が白に満ちた。
砕け、倒れた木が傾くのを見るや否や、幼馴染みは岩を捨て、私へと覆い被さる。
病院で目を覚ました時、全く無事だったのは私だけだった。
同じ場所にいた三人はそれぞれに傷を受け、事態を引き起こした二人は、数年の間、後遺症に悩まされたそうだ。
そして幼馴染みは雷管石へ力を込めることが叶わなくなり、番を得られなくなった彼の事を、周囲は『ニュクス神に祟られた』人間だと語るようになった。
話を聞き終えた神官二人は、しばらく無言で視線を交換する。
神殿の書類には、ここまでの細かな事情は書かれていなかっただろう。アーキズが悪く思われないよう、言葉を選んで語ったつもりだ。
視線を宙に投げながら、大神官はカップを傾ける。
「んー……?」
「どうかしましたか?」
「いや。ニュクス神って、そういう事情があって像を壊した、ような人相手に祟るような性質をしてないんだよ」
「はぁ」
「しかも、神像、って言ってたけど、あれ、像の造形の元になったのは俺なんだ。ニュクス神じゃない」
え、と私とアーキズは口を揃えた。思い返してみれば、あの像はニュクス神にしては体型が細く、神官服に似た服を纏っていたように思う。
まじまじと大神官を眺めれば、確かに面影があった。
「だから更に妙な気がしてな。さっきから事情を聞こうとしてるんだけど、答えがない」
「事情を聞く?」
「魔術師で例えるなら、俺は神様との間に、常時、通信魔術が起動しているような状態なんだよ」
通信魔術とは、遠くにいる人物と会話を交わすために用いる魔術のことだ。
常時、通信魔術が起動しているという事は、普段は頭の中で語りかければ返事がある、ということだろう。
「まあ、ニュクス神も、神にしてはまだ若い。衝動に駆られることもあるんでしょう」
ガウナーの方はといえば、話が面白かったようで、機嫌が良くなったように思える。
だが、大神官は眉根を寄せ、肩に力が入りっぱなしだ。
「でもなぁ。解決の手掛かりを掴まないと。……俺には分からないが、貴族としては、雷管石を使って神殿が相性良しと認めた相手、ってのはやっぱり特別に扱われるものなんじゃないか? 結婚相手を見つけていて安心はしたが、それでも、ティリアは解決したいよな。この件」
大神官の態度は、初対面の時よりも軟化している。出会った時から心配されている様子ではあったが、今は尚のこと表情に出ていた。
自分の像を壊されても腹を立てないあたり、思っていたよりも優しい人なのかもしれない。
「そう、ですね。私は結婚相手ではありますが、父が勘当されたアーキズを助けるために纏めた縁談上での、結婚相手なんです。だから、私を庇ってくれた大切な幼馴染みに、ふさわしい番が見つかってほしい。…………です」
角が立たないよう言ったつもりだったが、その場がしんと静まり返った。遠くで、魔術装置の動作音が響いている。
アーキズは青ざめ、大神官は苦い顔をし、ガウナーの顔には喜色が浮いている。
三者三様の反応を気まずく思いながら、首を傾げる。
「ど、どうかしましたか……?」
「え。……ええ、っと…………」
大神官は私とアーキズを交互に見ると、アーキズに向かって自らを指差し、ぱくぱくと口の動きで何事か伝えている。
幼馴染みは顔色を落としたまま、ゆっくりと左右に首を振った。二人のやりとりを、ガウナーは面白そうに眺めている。
「あのさ。ちなみに、だけど」
「はい」
「アーキズに相応しい番が見つかったら、二人は離婚するのか?」
「勿論です」
私の答えに、隣でごん、と小気味よい音がする。
幼馴染みの額は机の平面に口づけており、彼の両手はずるずると机の表面を張った。ガウナーは我慢できない、といった様子で、何故か腹を抱えてけたけたと笑っている。
大神官の顔は、苦い野菜を口いっぱいに突っ込まれたようだ。
「運命の番は、それほど重いものです。……なのに私が、アーキズから、大事な幼馴染みから、その機会を奪ってしまった。ずっと、申し訳なく思っています」
「…………そこまで、気にしなくてもいい」
「そんなこと、できない。だってアーキズだったら、うちみたいな貧乏な家じゃなくて、私みたいな見窄らしい相手じゃなくて。もっと良い番と出会えたはずだよ」
ぽつん、と声を落とす。消え入りそうな声だったが、静かなその場所ではやけに良く響いた。
「ごめんね。私が、……像を壊せばよかった」
幼馴染みの大きな手が、ぽたぽたと水滴の落ちる私の手を包み込む。
彼は祟られて尚、私を恨んだりはしなかった。与えられた運命を、ただ受け入れていた。
「俺は、後悔していない。祟りがこのままでも構わない」
「でも……!」
「いいんだ。あの時、お前を守ってやりたかった。神への畏れよりも、その気持ちが勝った。何かを守るための代償なら、甘んじて受ける」
見返しても、彼の瞳は揺らがない。また涙が浮いて、頬を伝っていった。
彼は懐から四角布を取り出し、私の目元に当てた。昔から変わらない、優しい仕草だった。
絶対に、彼の祟りが静まったら、彼に相応しい番ができたら、笑って見送ろう。きっと、全力で祝福しよう。
私は何度も謝罪を繰り返し、落ち着いてからようやく宿に帰ることができた。
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