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朝から廊下を歩いていたところ、経過報告、とオースティン様の部屋に捕まった。
彼からの依頼に関しては全く進展がないのだが、雷管石に関しての経緯を話して聞かせる。
「────ということで、雷管石に魔力を込められない原因は分かったんですが、リカルドがその理由を教えてくれなくて」
「『リカルド』?」
相手が聞き上手な所為か、普段の呼び方に戻ってしまった。はっと口元を押さえる。オースティン様は、そんな僕の様子に何かを察したのか、目を見開く。
「リカルド様に、……二人の時だけ、呼び捨てで呼ぶように、って」
ちら、と表情を見ると、目の前の人はなんだか嬉しげだ。見守られるような優しげな眼差しは、弟が時おり浮かべるそれに似ている。
「へえ。じゃあ私も……」
「オースティン様は駄目です」
「リカルドはいいのに?」
「…………まあ、……はい」
すんなり呼び捨てを受け入れてしまった事実を指摘され、しゅんと肩を落とす。リカルドはあっさりと懐に入ってきてしまうから、流されてしまいがちだ。
オースティン様は断られたにも関わらず、正答を選んだかのように機嫌が良い。
「でも、そうかぁ……。リカルドが、雷管石に魔力を込めたくない理由、ねえ」
「オースティン様に、心当たりはありますか?」
目の前の机には、遠方に行ったときのお土産が置かれている。どうぞ、と薦める掌に、つい釣られて手を伸ばした。持ち上げた焼き菓子は小ぶりで、齧ると溶ける。
甘い味から始まるのに、最後に残るのはほろ苦さだ。
「最初に思った事は、リカルドは雷管石を売りたくなかったんだろう、ってことかな」
「え? でも、リカルドって儲けるの好きですよね」
「好きだけれどね。でもほら、うちの弟は採掘関係の仕事場にはよく行くでしょう」
そういえば、と廊下で絡まれて、予定を話していた時のことを思い出す。鉱石を掘りに行く、と、雷管石を集めに行く、は彼が語る予定の中でも数が多かった。
僕がついお菓子に手を伸ばしていると、綺麗な指先が同じ金属の箱から菓子を持ち上げる。
「石、というものが好きだと思うんだよね。今回の雷管石に対しても本人はすごく興奮してて、ああ、じゃあ売らないのかなぁ、って思ってたんだけど」
「でも、売りましたよね?」
返品があったとはいえ、と続けると、オースティン様も首肯した。
「家に価値ある人間でなくてはならない、って思い込んでいるのかな。高額の報酬なんて、その最たるものでしょう」
「……その、リカルドがオースティン様に負い目がある、って話。と、繋がってます?」
「繋がってるよ。あの子はね、私に対して与えられる物をぜんぶ与えようとして。それでいて家には捨てられたくないんだよね。なんで、そこまで卑屈になったのか、はよく分からないけれど」
浮かべられた笑みは苦々しげで、僕は気まずくなって菓子を口に運んだ。さく、さく、と咀嚼音が静かな部屋に満ちる。
こちらが喋るつもりがない事を察したのか、オースティン様は言葉を続けた。
「本当は気に入っていて雷管石が欲しかったけれど、家の為と思って売りに出すことにした。その気持ちが……神術、みたいな形になって場の力も相俟って発揮されてしまった、というのはどうかな? 仮説として」
ごくん、と細かく噛み砕けていない欠片をむりやり呑み込む。ざらざらとした表面が喉を掻いて過ぎていった。
「じゃあ、どうしたらその術は解けるんでしょう」
「うーん。リカルドが石を本心から諦めるか、……でも、私は、解けなくてもいい気がするけどね。解けない間は、弟が好んだ石はずっと彼の物のままだ」
「………………」
あっさりと高価な石を諦めてしまう案に、僕はじとりと彼を見つめる。ごめん、というようにオースティン様は軽く手を振った。
「弟が沢山のものを諦めている姿は、兄としても嬉しいものじゃないよ。今回、彼が石を手元に置く我が儘を望んで、神がそれを叶えたというのなら。────なんか、ほら。背中を押されてる気がしない?」
窓辺から風が吹き込み、カーテンを揺らす。漏れた一条の光が、目の前の人を伝い差した。
光環を纏った人を、神の使いのようだ、とぼうっと眺める。
「…………僕は、どうしたらいいんでしょう」
石に掛かった術を解きたいと望むリカルドと、相反するオースティン様と。双方の言葉と、表情を知っているからこそ、選択肢を選べない。神殿を出て、思い悩んでいた様を見ているのだって、僕にとっては辛かったのだ。
「話をするといいよ。会話はね、良くも悪くも変化を齎すから。悪い結果だって、進まないよりはましだ」
缶に残ったお菓子を薦められるが、僕はもういい、と首を振った。
ならば、とオースティン様は脇に置いてあった蓋を閉める。蓋には小さな鳥が止まり木で羽を休めている様が模られていた。色味も可愛らしく、自分なら高価すぎて買い求めないような土産の品だ。
「あげるから、持って帰って食べて。念のため言うけど、箱は返さなくていいからね」
「え……? あの、でも…………」
「美味しくなかった?」
「美味しかったです! さくさくで甘くて、牛酪の味がたっぷりで」
つい菓子を褒めてしまうと、オースティン様はにっこりと笑って箱を差し出してきた。あわあわと手を振るのだが、有り難く押し付けられてしまう。
僕は箱を抱えると、きゅっと握りしめた。食べた後は何を仕舞おう。
「お菓子、よく食べる?」
「以前から、リカルドがお土産に、ってお菓子をくれていたんですけど。最近は石の調査で会うことが多いから、更に食べるようになりました」
「それはいいね。ロシュはもっと食べたほうが風邪を引かないと思うよ」
「僕も、もうちょっと頑丈な身体が欲しいです」
オメガの体質の所為か肉付きの悪い身体は、体調を崩しやすいのが難だった。いい機会だから、栄養価の高い食事を与えられる今のうちに身体を大きくしておきたい。
ありがとうございます、と礼を言い、立ち上がった。
揃って廊下へと出て、あ、と声を上げる。
「…………またか?」
地を這うような声は、リカルドの口から放たれていた。じとりと睨め付けるような視線が兄へと向けられ、受けた側は慣れているかのように、あはは、と笑っている。
僕は咄嗟にオースティン様の前に進み出る。
「あの……! 僕が相談に乗ってもらって、いて……」
きつい視線は僕に対して向けられた事のないもので、段々と声が萎んでいく。丸まった肩を見かねてか、彼は息を吐いて、眼差しの緊張を解いた。
「今度は、ロシュの方が相談か。……仲が良いんだな」
視線が、僕の抱いている菓子缶へと落ちた。
ふい、と視線を逸らしてしまう姿に、ぐう、と鎖骨の下が締まる。振り返り様に浮かべた表情、彼の下がってしまった眉は、突き放された者の無力感を突きつけてくる。
何か言いたくて、口を開いても、言葉にはならない。会話が変化を齎すと言われて、無言で見送るしかない自分が歯痒かった。
朝から廊下を歩いていたところ、経過報告、とオースティン様の部屋に捕まった。
彼からの依頼に関しては全く進展がないのだが、雷管石に関しての経緯を話して聞かせる。
「────ということで、雷管石に魔力を込められない原因は分かったんですが、リカルドがその理由を教えてくれなくて」
「『リカルド』?」
相手が聞き上手な所為か、普段の呼び方に戻ってしまった。はっと口元を押さえる。オースティン様は、そんな僕の様子に何かを察したのか、目を見開く。
「リカルド様に、……二人の時だけ、呼び捨てで呼ぶように、って」
ちら、と表情を見ると、目の前の人はなんだか嬉しげだ。見守られるような優しげな眼差しは、弟が時おり浮かべるそれに似ている。
「へえ。じゃあ私も……」
「オースティン様は駄目です」
「リカルドはいいのに?」
「…………まあ、……はい」
すんなり呼び捨てを受け入れてしまった事実を指摘され、しゅんと肩を落とす。リカルドはあっさりと懐に入ってきてしまうから、流されてしまいがちだ。
オースティン様は断られたにも関わらず、正答を選んだかのように機嫌が良い。
「でも、そうかぁ……。リカルドが、雷管石に魔力を込めたくない理由、ねえ」
「オースティン様に、心当たりはありますか?」
目の前の机には、遠方に行ったときのお土産が置かれている。どうぞ、と薦める掌に、つい釣られて手を伸ばした。持ち上げた焼き菓子は小ぶりで、齧ると溶ける。
甘い味から始まるのに、最後に残るのはほろ苦さだ。
「最初に思った事は、リカルドは雷管石を売りたくなかったんだろう、ってことかな」
「え? でも、リカルドって儲けるの好きですよね」
「好きだけれどね。でもほら、うちの弟は採掘関係の仕事場にはよく行くでしょう」
そういえば、と廊下で絡まれて、予定を話していた時のことを思い出す。鉱石を掘りに行く、と、雷管石を集めに行く、は彼が語る予定の中でも数が多かった。
僕がついお菓子に手を伸ばしていると、綺麗な指先が同じ金属の箱から菓子を持ち上げる。
「石、というものが好きだと思うんだよね。今回の雷管石に対しても本人はすごく興奮してて、ああ、じゃあ売らないのかなぁ、って思ってたんだけど」
「でも、売りましたよね?」
返品があったとはいえ、と続けると、オースティン様も首肯した。
「家に価値ある人間でなくてはならない、って思い込んでいるのかな。高額の報酬なんて、その最たるものでしょう」
「……その、リカルドがオースティン様に負い目がある、って話。と、繋がってます?」
「繋がってるよ。あの子はね、私に対して与えられる物をぜんぶ与えようとして。それでいて家には捨てられたくないんだよね。なんで、そこまで卑屈になったのか、はよく分からないけれど」
浮かべられた笑みは苦々しげで、僕は気まずくなって菓子を口に運んだ。さく、さく、と咀嚼音が静かな部屋に満ちる。
こちらが喋るつもりがない事を察したのか、オースティン様は言葉を続けた。
「本当は気に入っていて雷管石が欲しかったけれど、家の為と思って売りに出すことにした。その気持ちが……神術、みたいな形になって場の力も相俟って発揮されてしまった、というのはどうかな? 仮説として」
ごくん、と細かく噛み砕けていない欠片をむりやり呑み込む。ざらざらとした表面が喉を掻いて過ぎていった。
「じゃあ、どうしたらその術は解けるんでしょう」
「うーん。リカルドが石を本心から諦めるか、……でも、私は、解けなくてもいい気がするけどね。解けない間は、弟が好んだ石はずっと彼の物のままだ」
「………………」
あっさりと高価な石を諦めてしまう案に、僕はじとりと彼を見つめる。ごめん、というようにオースティン様は軽く手を振った。
「弟が沢山のものを諦めている姿は、兄としても嬉しいものじゃないよ。今回、彼が石を手元に置く我が儘を望んで、神がそれを叶えたというのなら。────なんか、ほら。背中を押されてる気がしない?」
窓辺から風が吹き込み、カーテンを揺らす。漏れた一条の光が、目の前の人を伝い差した。
光環を纏った人を、神の使いのようだ、とぼうっと眺める。
「…………僕は、どうしたらいいんでしょう」
石に掛かった術を解きたいと望むリカルドと、相反するオースティン様と。双方の言葉と、表情を知っているからこそ、選択肢を選べない。神殿を出て、思い悩んでいた様を見ているのだって、僕にとっては辛かったのだ。
「話をするといいよ。会話はね、良くも悪くも変化を齎すから。悪い結果だって、進まないよりはましだ」
缶に残ったお菓子を薦められるが、僕はもういい、と首を振った。
ならば、とオースティン様は脇に置いてあった蓋を閉める。蓋には小さな鳥が止まり木で羽を休めている様が模られていた。色味も可愛らしく、自分なら高価すぎて買い求めないような土産の品だ。
「あげるから、持って帰って食べて。念のため言うけど、箱は返さなくていいからね」
「え……? あの、でも…………」
「美味しくなかった?」
「美味しかったです! さくさくで甘くて、牛酪の味がたっぷりで」
つい菓子を褒めてしまうと、オースティン様はにっこりと笑って箱を差し出してきた。あわあわと手を振るのだが、有り難く押し付けられてしまう。
僕は箱を抱えると、きゅっと握りしめた。食べた後は何を仕舞おう。
「お菓子、よく食べる?」
「以前から、リカルドがお土産に、ってお菓子をくれていたんですけど。最近は石の調査で会うことが多いから、更に食べるようになりました」
「それはいいね。ロシュはもっと食べたほうが風邪を引かないと思うよ」
「僕も、もうちょっと頑丈な身体が欲しいです」
オメガの体質の所為か肉付きの悪い身体は、体調を崩しやすいのが難だった。いい機会だから、栄養価の高い食事を与えられる今のうちに身体を大きくしておきたい。
ありがとうございます、と礼を言い、立ち上がった。
揃って廊下へと出て、あ、と声を上げる。
「…………またか?」
地を這うような声は、リカルドの口から放たれていた。じとりと睨め付けるような視線が兄へと向けられ、受けた側は慣れているかのように、あはは、と笑っている。
僕は咄嗟にオースティン様の前に進み出る。
「あの……! 僕が相談に乗ってもらって、いて……」
きつい視線は僕に対して向けられた事のないもので、段々と声が萎んでいく。丸まった肩を見かねてか、彼は息を吐いて、眼差しの緊張を解いた。
「今度は、ロシュの方が相談か。……仲が良いんだな」
視線が、僕の抱いている菓子缶へと落ちた。
ふい、と視線を逸らしてしまう姿に、ぐう、と鎖骨の下が締まる。振り返り様に浮かべた表情、彼の下がってしまった眉は、突き放された者の無力感を突きつけてくる。
何か言いたくて、口を開いても、言葉にはならない。会話が変化を齎すと言われて、無言で見送るしかない自分が歯痒かった。
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