20 / 39
2章
10. 佐治谷、冬の紙漉き唄②
しおりを挟む
すでに日が落ちて、納屋の中では互いの顔が陰って見辛くなった。火鉢を運んできた小柄な娘が、握り飯が載った皿と行灯を抱えて戻ってきた。行灯に火を入れると、頬の赤い娘は目を丸くしてこちらを向いた。
「このところ、うちもよく紙を漉いております。お父っさんは紙を束ねたりしとるから、うちが漉くところをお見せしましょうか」
「年の瀬の忙しいところ、申し訳ない。是非頼む」
「うちの名はあさ、言います。今夜は、家に泊まりんさるんでしょう、握り飯、食べてくださいな」
濃い眉に円らな眸、団子鼻が居座って、父親と面差しの似た娘だった。親切だが、愛嬌はない。綿入れも羽織らず、継ぎの当たった丈の短い着物に素足で下駄を履いている。要之介は汚れた手を皿へ伸ばして、握り飯にかじりついた。飯を喉に詰まらせかけた要之介に、あさという娘はけらけらと笑い声をたてる。誠三郎は水の入った竹筒を差し出した。
「ようけ腹を空かせとるみたいですね。囲炉裏で呉汁が煮えとりますから、あちらで食べんさったらいかがです」
「それはありがたいが、あまり冷え込む前に、紙漉きを見せてもらいたい」
あさは誠三郎の言葉に頷くと、漉き舟の方に向かった。誠三郎があさと並んで漉き舟の前に立つと、要之介は斜め前から覗き込む。
娘は桶の水中から白い紙料の塊を掴み出し、漉き舟の中に入れた。竹竿で水の中を大きくかき回し、紙の元を溶かして濃さを均等にしていく。
「これはサナというもので、とろろあおいの根で作った糊です」
片口に入ったとろみのある糊を、漉き舟の中に注ぎ込んだ。さらに水をかき混ぜる。
屋根の梁から吊り下げている、小振りの畳ほどの大きさがある木枠、簀桁と呼ばれるものを掴んで下ろし、漉き舟の中、紙料の溶け込んだ水中に差し入れた。ぱちゃぱちゃと水面近くで簀桁を素早く揺らし、水から引き上げる。ぽんと軽快な音をたてて、余分な水を捨てた。薄い簾状の簀を、簀桁の木枠から取り上げると、その簀の上に紙が漉きあがっている。
「この漉いたばかりの紙を載せた簀は、あそこの、小屋の隅に重ねて置いてます。そのまま一晩放っておいて、水を切るんです。翌日から重石をして水を絞り、しっかり乾燥させたら出来上がりです」
あさは簀を大事そうに両手で広げ持って、小屋の隅へ運んだ。
あさは漉き舟の前に戻ると、今度は漉きながら唄いだした。
〽因州因幡の 手すきの紙は
殿の御用の納め紙 アリャ 納め紙
紙は手ですく 手は唄ですく
唄はすき娘(こ)さんの心意気 アリャ 心意気
因幡手すき紙 お殿さんに納め
蝶の御紋を許された アリャ 許された
朝も早から 紙ゃすくけれど
晩にゃ殿御に手紙書く アリャ 手紙書く
娘は簀桁を漉き舟の中に差し入れて揺らし、水から引き上げては簀を取り上げるまで、淀みのない手さばきで紙を漉いていく。水面で、簀桁が水と絡み合うぱしゃぱしゃいう音、漉かれた紙から水を切るぽんと鳴る音、あさの唄う紙漉き唄。すべてが溶け合って心地よい調べを奏でていた。
目を閉じて唄を聞いていると、羽衣を纏った天女が紙を漉きながら唄う姿が脳裏に描きだされる。それほどに涼やかで澄んだ歌声であった。疲れと冷えで凝り固まった躰が、ほぐれて安らいでいく。
目を開ければ、田舎臭いと眺めていた娘の横顔がにわかに愛らしく見えてきた。手際のよい動きと妙なる調べに、つい見惚れて聞き入ってしまう。横を見ると、要之介も口を半開きにしたまま放心していた。
「どうだ、面白いものだろう」
「ああ、こうやって紙ができるのか、考えたこともなかった。あさ、と言ったな、俺たちにも、漉かせてくれ」
「慣れんと難しいですが、やってみんさるといいです」
あさは漉き舟の正面を空けて、要之介の場所を作った。
要之介が漉いた後、誠三郎も漉き舟の前に立った。簀桁に手を据えるのを手伝う娘の掌は、よく見ると真っ赤に腫れ上がっている。霜焼けになった上、罅が切れているのだ。痛みがあろうに、あさは笑って水に手を浸していた。誠三郎が水中に手を入れると刺すほどの冷たさで、思わず簀桁を放しそうになった。あさは横からしっかりと、簀桁を掴んでくれる。
「お侍さんはそんなんで、勤まりんさるんか?」
大口を開けて笑い、凍らんばかりの水中で真っ赤な手で簀桁を揺らす。こうするんです、と言いながら、誠三郎の手に己の手を重ねて捨て水の調子を取り、紙を漉き上げるあさの逞しさに、誠三郎は懐かしさを覚えた。女中のきくは六十過ぎだが、罅が切れた手に膏薬を塗ってやろうと言っても、痛くないから要らん、慣れていると笑う。その赤い手で誠三郎は育てられたのだ。
「寒中にも、紙を漉くのか」
「寒ければ寒いほど、いい紙ができると言います。紙の元を晒す水が冷たければ冷たいほど、白く冴えた紙になるんです。うちら百姓は冬場、こうして稼がんと食べていかれんです。世の中は尊皇、攘夷とか言いんさって、うちはよくわかりませんが、世の仕組みが変われば、暮らしが楽になるいうんは、本当のことですか?」
誠三郎は咄嗟に応えることができない。佐治谷のごとき山里にまで、世情のうねりが届いていた。それほど激しく時勢が動いている。
尊皇攘夷は一時代を風靡した御題目だが、日ノ本から異人を排すべしという攘夷思想はもはや時流にそぐわぬとして、開国を是とし異国から多くの知識や利益を得ようとする動向に変じていた。百姓の暮らしを根本から変えようと真摯に考えている尊皇志士がどれほどいるかは、誠三郎は疑わしく思っている。
「いずれ世は、尊皇派が良い方へ変えるはずよ。だが今は中道派が藩を統べておる。尊皇を口にするのは、止めておくがいい。己の身は己で守らんとな」
誠三郎は十六本松での仕置きを思いだして、素っ気なく言い放った。紙を二枚漉き終えると、要之介が入れ代わりに漉き舟の前に立った。
「もう少し漉かせてくれ」
あさは眉を八の字に寄せて、小屋の入り口を見やった。
すっかり外は闇が下りている。せがむごとき顔になった要之介を振り返ると、ぎこちない辞儀をした。
「支度ができてますんで、そろそろ夕飯を召し上がってください。その後でまた漉きんさればいいです」
「そうしよう。手間をかけて悪いな」
誠三郎が言うと、要之介はしぶしぶ漉き舟から離れた。あさに案内されて納屋を出て、隣の茅葺きの家に入った。
大根と里芋を煮て、擂り下ろした大豆を流し入れた味噌仕立ての呉汁が夕飯である。珍しくもないが、百姓家の囲炉裏端で食べると、冷え切った腹に染みるように旨かった。せっかく躰が芯からほぐれて温まったので、紙漉きはやめてそのまま休むことにした。
古びて生地がほつれた夜着を貸してもらう。横になると、要之介はすぐに鼾をかきはじめた。
夜更けに目が覚めた。あまりに顔が冷たく、夜着に潜り込もうとした誠三郎は、己と要之介との間になにか気配を感じた。暗さに目が馴れてくると、あさという娘が要之介に寄り添って綿入れにくるまって横になっているのがわかった。
二人がまぐわった余韻は残ってない。あさは十四というから、気に入った男の傍で添い寝しているだけなのだろう。いや、あの艶のある歌声からして、色欲をすでに持っていても不思議はない。要之介は深い寝息をたてている。
誠三郎は気になって目が冴え、寝返りを打ち続けた。
隣に動きがあり、耳を澄ませる。
あさは起きあがって要之介の隣を去り、奥の間に戻っていった。要之介の気配に乱れはない。
聞き慣れていた要之介の小刻みな鼾に聞き入っているうち、誠三郎に波のごとく眠りが訪れた。
「このところ、うちもよく紙を漉いております。お父っさんは紙を束ねたりしとるから、うちが漉くところをお見せしましょうか」
「年の瀬の忙しいところ、申し訳ない。是非頼む」
「うちの名はあさ、言います。今夜は、家に泊まりんさるんでしょう、握り飯、食べてくださいな」
濃い眉に円らな眸、団子鼻が居座って、父親と面差しの似た娘だった。親切だが、愛嬌はない。綿入れも羽織らず、継ぎの当たった丈の短い着物に素足で下駄を履いている。要之介は汚れた手を皿へ伸ばして、握り飯にかじりついた。飯を喉に詰まらせかけた要之介に、あさという娘はけらけらと笑い声をたてる。誠三郎は水の入った竹筒を差し出した。
「ようけ腹を空かせとるみたいですね。囲炉裏で呉汁が煮えとりますから、あちらで食べんさったらいかがです」
「それはありがたいが、あまり冷え込む前に、紙漉きを見せてもらいたい」
あさは誠三郎の言葉に頷くと、漉き舟の方に向かった。誠三郎があさと並んで漉き舟の前に立つと、要之介は斜め前から覗き込む。
娘は桶の水中から白い紙料の塊を掴み出し、漉き舟の中に入れた。竹竿で水の中を大きくかき回し、紙の元を溶かして濃さを均等にしていく。
「これはサナというもので、とろろあおいの根で作った糊です」
片口に入ったとろみのある糊を、漉き舟の中に注ぎ込んだ。さらに水をかき混ぜる。
屋根の梁から吊り下げている、小振りの畳ほどの大きさがある木枠、簀桁と呼ばれるものを掴んで下ろし、漉き舟の中、紙料の溶け込んだ水中に差し入れた。ぱちゃぱちゃと水面近くで簀桁を素早く揺らし、水から引き上げる。ぽんと軽快な音をたてて、余分な水を捨てた。薄い簾状の簀を、簀桁の木枠から取り上げると、その簀の上に紙が漉きあがっている。
「この漉いたばかりの紙を載せた簀は、あそこの、小屋の隅に重ねて置いてます。そのまま一晩放っておいて、水を切るんです。翌日から重石をして水を絞り、しっかり乾燥させたら出来上がりです」
あさは簀を大事そうに両手で広げ持って、小屋の隅へ運んだ。
あさは漉き舟の前に戻ると、今度は漉きながら唄いだした。
〽因州因幡の 手すきの紙は
殿の御用の納め紙 アリャ 納め紙
紙は手ですく 手は唄ですく
唄はすき娘(こ)さんの心意気 アリャ 心意気
因幡手すき紙 お殿さんに納め
蝶の御紋を許された アリャ 許された
朝も早から 紙ゃすくけれど
晩にゃ殿御に手紙書く アリャ 手紙書く
娘は簀桁を漉き舟の中に差し入れて揺らし、水から引き上げては簀を取り上げるまで、淀みのない手さばきで紙を漉いていく。水面で、簀桁が水と絡み合うぱしゃぱしゃいう音、漉かれた紙から水を切るぽんと鳴る音、あさの唄う紙漉き唄。すべてが溶け合って心地よい調べを奏でていた。
目を閉じて唄を聞いていると、羽衣を纏った天女が紙を漉きながら唄う姿が脳裏に描きだされる。それほどに涼やかで澄んだ歌声であった。疲れと冷えで凝り固まった躰が、ほぐれて安らいでいく。
目を開ければ、田舎臭いと眺めていた娘の横顔がにわかに愛らしく見えてきた。手際のよい動きと妙なる調べに、つい見惚れて聞き入ってしまう。横を見ると、要之介も口を半開きにしたまま放心していた。
「どうだ、面白いものだろう」
「ああ、こうやって紙ができるのか、考えたこともなかった。あさ、と言ったな、俺たちにも、漉かせてくれ」
「慣れんと難しいですが、やってみんさるといいです」
あさは漉き舟の正面を空けて、要之介の場所を作った。
要之介が漉いた後、誠三郎も漉き舟の前に立った。簀桁に手を据えるのを手伝う娘の掌は、よく見ると真っ赤に腫れ上がっている。霜焼けになった上、罅が切れているのだ。痛みがあろうに、あさは笑って水に手を浸していた。誠三郎が水中に手を入れると刺すほどの冷たさで、思わず簀桁を放しそうになった。あさは横からしっかりと、簀桁を掴んでくれる。
「お侍さんはそんなんで、勤まりんさるんか?」
大口を開けて笑い、凍らんばかりの水中で真っ赤な手で簀桁を揺らす。こうするんです、と言いながら、誠三郎の手に己の手を重ねて捨て水の調子を取り、紙を漉き上げるあさの逞しさに、誠三郎は懐かしさを覚えた。女中のきくは六十過ぎだが、罅が切れた手に膏薬を塗ってやろうと言っても、痛くないから要らん、慣れていると笑う。その赤い手で誠三郎は育てられたのだ。
「寒中にも、紙を漉くのか」
「寒ければ寒いほど、いい紙ができると言います。紙の元を晒す水が冷たければ冷たいほど、白く冴えた紙になるんです。うちら百姓は冬場、こうして稼がんと食べていかれんです。世の中は尊皇、攘夷とか言いんさって、うちはよくわかりませんが、世の仕組みが変われば、暮らしが楽になるいうんは、本当のことですか?」
誠三郎は咄嗟に応えることができない。佐治谷のごとき山里にまで、世情のうねりが届いていた。それほど激しく時勢が動いている。
尊皇攘夷は一時代を風靡した御題目だが、日ノ本から異人を排すべしという攘夷思想はもはや時流にそぐわぬとして、開国を是とし異国から多くの知識や利益を得ようとする動向に変じていた。百姓の暮らしを根本から変えようと真摯に考えている尊皇志士がどれほどいるかは、誠三郎は疑わしく思っている。
「いずれ世は、尊皇派が良い方へ変えるはずよ。だが今は中道派が藩を統べておる。尊皇を口にするのは、止めておくがいい。己の身は己で守らんとな」
誠三郎は十六本松での仕置きを思いだして、素っ気なく言い放った。紙を二枚漉き終えると、要之介が入れ代わりに漉き舟の前に立った。
「もう少し漉かせてくれ」
あさは眉を八の字に寄せて、小屋の入り口を見やった。
すっかり外は闇が下りている。せがむごとき顔になった要之介を振り返ると、ぎこちない辞儀をした。
「支度ができてますんで、そろそろ夕飯を召し上がってください。その後でまた漉きんさればいいです」
「そうしよう。手間をかけて悪いな」
誠三郎が言うと、要之介はしぶしぶ漉き舟から離れた。あさに案内されて納屋を出て、隣の茅葺きの家に入った。
大根と里芋を煮て、擂り下ろした大豆を流し入れた味噌仕立ての呉汁が夕飯である。珍しくもないが、百姓家の囲炉裏端で食べると、冷え切った腹に染みるように旨かった。せっかく躰が芯からほぐれて温まったので、紙漉きはやめてそのまま休むことにした。
古びて生地がほつれた夜着を貸してもらう。横になると、要之介はすぐに鼾をかきはじめた。
夜更けに目が覚めた。あまりに顔が冷たく、夜着に潜り込もうとした誠三郎は、己と要之介との間になにか気配を感じた。暗さに目が馴れてくると、あさという娘が要之介に寄り添って綿入れにくるまって横になっているのがわかった。
二人がまぐわった余韻は残ってない。あさは十四というから、気に入った男の傍で添い寝しているだけなのだろう。いや、あの艶のある歌声からして、色欲をすでに持っていても不思議はない。要之介は深い寝息をたてている。
誠三郎は気になって目が冴え、寝返りを打ち続けた。
隣に動きがあり、耳を澄ませる。
あさは起きあがって要之介の隣を去り、奥の間に戻っていった。要之介の気配に乱れはない。
聞き慣れていた要之介の小刻みな鼾に聞き入っているうち、誠三郎に波のごとく眠りが訪れた。
21
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
織田信長IF… 天下統一再び!!
華瑠羅
歴史・時代
日本の歴史上最も有名な『本能寺の変』の当日から物語は足早に流れて行く展開です。
この作品は「もし」という概念で物語が進行していきます。
主人公【織田信長】が死んで、若返って蘇り再び活躍するという作品です。
※この物語はフィクションです。
梅すだれ
木花薫
歴史・時代
江戸時代の女の子、お千代の一生の物語。恋に仕事に頑張るお千代は悲しいことも多いけど充実した女の人生を生き抜きます。が、現在お千代の物語から逸れて、九州の隠れキリシタンの話になっています。島原の乱の前後、農民たちがどのように生きていたのか、仏教やキリスト教の世界観も組み込んで書いています。
登場人物の繋がりで主人公がバトンタッチして物語が次々と移っていきます隠れキリシタンの次は戦国時代の姉妹のストーリーとなっていきます。
時代背景は戦国時代から江戸時代初期の歴史とリンクさせてあります。長編時代小説。長々と続きます。

永き夜の遠の睡りの皆目醒め
七瀬京
歴史・時代
近藤勇の『首』が消えた……。
新撰組の局長として名を馳せた近藤勇は板橋で罪人として処刑されてから、その首を晒された。
しかし、その首が、ある日忽然と消えたのだった……。
近藤の『首』を巡り、過去と栄光と男たちの愛憎が交錯する。
首はどこにあるのか。
そして激動の時代、男たちはどこへ向かうのか……。
※男性同士の恋愛表現がありますので苦手な方はご注意下さい
蘭癖高家
八島唯
歴史・時代
一八世紀末、日本では浅間山が大噴火をおこし天明の大飢饉が発生する。当時の権力者田沼意次は一〇代将軍家治の急死とともに失脚し、その後松平定信が老中首座に就任する。
遠く離れたフランスでは革命の意気が揚がる。ロシアは積極的に蝦夷地への進出を進めており、遠くない未来ヨーロッパの船が日本にやってくることが予想された。
時ここに至り、老中松平定信は消極的であるとはいえ、外国への備えを画策する。
大権現家康公の秘中の秘、後に『蘭癖高家』と呼ばれる旗本を登用することを――
※挿絵はAI作成です。
鎌倉最後の日
もず りょう
歴史・時代
かつて源頼朝や北条政子・義時らが多くの血を流して築き上げた武家政権・鎌倉幕府。承久の乱や元寇など幾多の困難を乗り越えてきた幕府も、悪名高き執権北条高時の治政下で頽廃を極めていた。京では後醍醐天皇による倒幕計画が持ち上がり、世に動乱の兆しが見え始める中にあって、北条一門の武将金澤貞将は危機感を募らせていく。ふとしたきっかけで交流を深めることとなった御家人新田義貞らは、貞将にならば鎌倉の未来を託すことができると彼に「決断」を迫るが――。鎌倉幕府の最後を華々しく彩った若き名将の清冽な生きざまを活写する歴史小説、ここに開幕!
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる