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2章
2.聖社、春祭の宵①
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聖大明神の春祭の日を迎えていた。
袋川に架かる鹿野橋にさしかかると、山車の一行が奏でる祭囃子が聞こえてきた。春の祭らしく晴れやかに響き渡る笛や太鼓の音色に、いやがうえにも胸が高鳴る。橋桁を踏み鳴らして行き交う町人たちの足取りが忙しげになり、誠三郎もその流れにのまれて早足となった。脇を走り抜けた童が、今町の屋台が吉岡往来に入ったが、と叫んだ。屋台とは山車のことである。
注連縄が張り巡らされた往来を進むと、紅緋や黄色に染められた幟がはためく聖神社の参道が見えてきた。先ほどまで照っていた日差しに汗が滲んだ首筋を、青く匂い立つ夕風が撫でていく。急に背筋が冷やりとして、誠三郎は懐手をして身を縮めた。世情の不穏さとは裏腹に伸びやかに広がる茜空の下、賑やかな祭の宵が始まろうとしていた。
城下で『聖さん』と親しまれて信仰を集める聖大明神の春祭、神幸行列は、少年の頃、道場仲間の詫間樊六らと毎年欠かさず訪れた。元服を済ませてからは、誰が言いだしたわけでもなく祭に行くのは子供じみて恥ずかしいとの気風が仲間内で生じて足が遠のいた。祭礼風景の下絵を描こうと思い立ってみれば、神幸行列に出向くのは十五年ぶりであった。
せっかくの祭見物に要之介を誘えばよかったと悔いる思いで、誠三郎は鳥居を潜る。聖さんのある行徳村は、根本の屋敷がある城下西端の鋳物師町をわずかに南西へ下ったところである。城から東寄りにある米村家から根本家に立ち寄っても遠回りにはならない。
寺嶋家を勘当された体となっている要之介は、人の集う所には顔を出しづらいと言うので誘いかねた。このところ要之介は神妙に画業の手伝いをしていると、根本からは聞いている。唇を尖らせた要之介が器用な手つきで絵の具皿を洗い、筆の手入れをしている様を思い浮かべると、つい笑みがこぼれた。
飴や餅菓子、甘酒の売り子が声を張り上げ、的当てや覗きからくりなどの出店が並ぶ境内は、参拝客で溢れかえっている。吉岡街道に差しかかった屋台行列から、笛や鉦の音に合わせた掛け声が流れてきた。
〽えらやっちゃ、こらやっちゃ
前だよ、前だよ
じきに各町内の屋台が社近くに集結して、拝殿前で麒麟獅子舞が奉納される。一日中屋台を押し、あるいは付き従って町を練り歩いた氏子たちも流れ込んで、宵宮の境内は最高潮の賑わいとなる。すでに境内に据えてある屋台は提灯や花笠でびっしり飾りつけられ、多くの親子連れが寄り集まってきていた。金色に塗られた麒麟獅子の頭が拝殿前に供えられ、近づく出番を待っている。神官が灯籠や提灯に火を灯してまわり、境内は明るさを取り戻していった。
因幡の獅子舞は、霊獣である麒麟をかたどった獅子頭を用いる。その獅子頭はよその土地の獅子よりも顔が長く、大きな目と鼻に愛嬌があり滑稽さを醸している。童らは麒麟はともかく、麒麟のあやし役として組になって踊る猩々が怖くて仕方がない。猩々は朱に塗り込められた表情のない面を被り、赤い毛を生やした頭を振り乱して麒麟を従える。誠三郎も幼い頃は猩々が大嫌いで、獅子舞に近づかないようにしていた。今となっては獅子の頭と尾、二者一組で息を合わせ身をくねらせ舞う麒麟獅子の姿、お囃子の荘厳な音色が待ち遠しくてならない。
境内を見渡すと、社殿の裏手では神輿倉にかぶさるように大欅が枝を広げて聳え、東側の透塀には大銀杏が立ちはだかっている。社務所の裏や木陰では、逢い引きをする若い男女が何組も濃い影を成していた。道場仲間で連れだって来ていた頃は、そんな男女を冷やかしては追っ払ういたずらをしていた。そんな悪童は見当たらない。
一際掛け声勇ましく一台の屋台が境内に乗り込んできた。今町の舟形屋台、今一丸である。押し寄せて取り囲む見物人に混じって、誠三郎も屋台に近寄った。今一丸が境内に入ってくると、樊六らと先を争って近づいては、舷側に寄りかかったり舟底を叩いたりして氏子に怒鳴られたものだった――。
懐かしさに胸が疼いて、目を閉じる。
なぜに長い間、ここに絵を描きに来なかったのか。
じっとしていられなかった。画帳を懐から取り出すと、矢立てから抜き出した筆を走らせる。大欅を背景に、舷側に提灯を隙間なく並べて飾られた今一丸を描きはじめた。その画題で一枚の下絵を描き終えると、拝殿を背景に舟形屋台を別の角度から描くべく、西の社務所寄りに移った。
「絵をお描きなさるなんて、風雅ですね。えらくお上手です」
小柄な商人が隣から声をかけてきた。この年で藩絵師見習いであるとも言えず、風流人を気取る藩士の振りをする。
「絵を描くのは勤めの合い間の気晴らしでござる。剣を振るう方が得意であるが、どうですかな、剣技をご覧になるか」
「それはそれは……、勿体ない、剣の方は御免被りますが」
四十を越えたかに見える商人は、誠三郎の腰の大小に目を走らせ、後ずさりして離れていく。冗談がきつかったかと苦笑いして、拝殿の下絵に戻って筆を取り直した。
要之介が米村家の離れを去ってから、誠三郎は根本の屋敷の他では己の絵に専念することがない。小畑稲升の役宅では師の下絵を本画へと写したり、彩色を分担して任されるのが主で、各々自身の絵に取り組むことは少ない。自室では悶々と焦るばかりで、無心に絵と向き合うことができずにいた。
今宵は小下絵を一枚仕上げ、次に大画面に向けての詳細な下図に取りかかっていた。絵の具の調合まで考慮して、面相筆で必要な色の名を記していく。灯篭の火に照り映える社の銅板瓦、その重なり合う一枚ごとの影までを描き込んでいった。
背景の拝殿を描き上げて帳面から顔を上げた誠三郎は、神輿倉に身を寄せて立つ、編み笠を深く被った三人連れの侍に目を留めた。夕闇迫る人混みの中でも、侍らの野袴が旅塵にまみれており、しきりに辺りを窺っている気配が見てとれる。
見物人に混じって華やかな屋台を眺めてはいるが、侍たちの佇まいは祭囃子に浮かれているようには見えない。絵の中心に今一丸を描いていく合間に、誠三郎は侍連れの周囲に目を走らせた。
出店を行き交う人波を縫って、一人の若い男が侍たちに近づき、声をかけた。その若侍は旅姿ではないが三人連れと懇意のようで、輪になって話しはじめる。若者は月代を流行りの狭剃りにして、着姿は中級藩士の子息といった風体である。誠三郎は舟形屋台の仕上げに取りかかっていたが、時折男たちに目を奪われた。宵宮の境内にいる侍連れは珍しく、他には見当たらない。
しばし額を寄せて話し合っていた四人だが、南参道、北参道へと二手に分かれて散らばっていく。その姿を闇に見失ってから、誠三郎は下絵を一気に仕上げた。
続々と境内に各町内の屋台が乗り込み、すべての屋台が揃った。氏子の総代が拝殿に上がると、厳かに神事が執り行われる。拝殿正面では鉦の音が鳴り響く中、麒麟獅子舞の奉納が始まった。猩々に先導され、麒麟獅子は頭と尾を振り立てて舞う。怖いと言って泣き出す子や歓声を上げる子、獅子舞を見ずに出店に夢中の若者連れ。
獅子舞の情景を、誠三郎は様々な角度から描いていく。宵闇が藍から墨色へと濃くなるにつれ、灯篭の火が揺らめく中で獅子が身をくねらせる姿は荘厳さを増し、幽玄な趣を帯びてきた。
金色に塗られた獅子頭は燈火を映して煌めき、朱色の錦の胴体は色を深めて蠢いては夜を彩っていく。絢爛でありながら無常を感じさせる光景に魅入られて、気づけば筆が止まっていた。
――獅子舞の光景に呼び覚まされたのは、目にした情景の美の要素を凝縮して研ぎ澄ませ、さらなる至高の美に高めて画紙に描き取りたいと希う絵師としての本願であった。脳天から躰、手足の爪先まで痺れが突き抜けた後、誠三郎は無心に筆を走らせる。
袋川に架かる鹿野橋にさしかかると、山車の一行が奏でる祭囃子が聞こえてきた。春の祭らしく晴れやかに響き渡る笛や太鼓の音色に、いやがうえにも胸が高鳴る。橋桁を踏み鳴らして行き交う町人たちの足取りが忙しげになり、誠三郎もその流れにのまれて早足となった。脇を走り抜けた童が、今町の屋台が吉岡往来に入ったが、と叫んだ。屋台とは山車のことである。
注連縄が張り巡らされた往来を進むと、紅緋や黄色に染められた幟がはためく聖神社の参道が見えてきた。先ほどまで照っていた日差しに汗が滲んだ首筋を、青く匂い立つ夕風が撫でていく。急に背筋が冷やりとして、誠三郎は懐手をして身を縮めた。世情の不穏さとは裏腹に伸びやかに広がる茜空の下、賑やかな祭の宵が始まろうとしていた。
城下で『聖さん』と親しまれて信仰を集める聖大明神の春祭、神幸行列は、少年の頃、道場仲間の詫間樊六らと毎年欠かさず訪れた。元服を済ませてからは、誰が言いだしたわけでもなく祭に行くのは子供じみて恥ずかしいとの気風が仲間内で生じて足が遠のいた。祭礼風景の下絵を描こうと思い立ってみれば、神幸行列に出向くのは十五年ぶりであった。
せっかくの祭見物に要之介を誘えばよかったと悔いる思いで、誠三郎は鳥居を潜る。聖さんのある行徳村は、根本の屋敷がある城下西端の鋳物師町をわずかに南西へ下ったところである。城から東寄りにある米村家から根本家に立ち寄っても遠回りにはならない。
寺嶋家を勘当された体となっている要之介は、人の集う所には顔を出しづらいと言うので誘いかねた。このところ要之介は神妙に画業の手伝いをしていると、根本からは聞いている。唇を尖らせた要之介が器用な手つきで絵の具皿を洗い、筆の手入れをしている様を思い浮かべると、つい笑みがこぼれた。
飴や餅菓子、甘酒の売り子が声を張り上げ、的当てや覗きからくりなどの出店が並ぶ境内は、参拝客で溢れかえっている。吉岡街道に差しかかった屋台行列から、笛や鉦の音に合わせた掛け声が流れてきた。
〽えらやっちゃ、こらやっちゃ
前だよ、前だよ
じきに各町内の屋台が社近くに集結して、拝殿前で麒麟獅子舞が奉納される。一日中屋台を押し、あるいは付き従って町を練り歩いた氏子たちも流れ込んで、宵宮の境内は最高潮の賑わいとなる。すでに境内に据えてある屋台は提灯や花笠でびっしり飾りつけられ、多くの親子連れが寄り集まってきていた。金色に塗られた麒麟獅子の頭が拝殿前に供えられ、近づく出番を待っている。神官が灯籠や提灯に火を灯してまわり、境内は明るさを取り戻していった。
因幡の獅子舞は、霊獣である麒麟をかたどった獅子頭を用いる。その獅子頭はよその土地の獅子よりも顔が長く、大きな目と鼻に愛嬌があり滑稽さを醸している。童らは麒麟はともかく、麒麟のあやし役として組になって踊る猩々が怖くて仕方がない。猩々は朱に塗り込められた表情のない面を被り、赤い毛を生やした頭を振り乱して麒麟を従える。誠三郎も幼い頃は猩々が大嫌いで、獅子舞に近づかないようにしていた。今となっては獅子の頭と尾、二者一組で息を合わせ身をくねらせ舞う麒麟獅子の姿、お囃子の荘厳な音色が待ち遠しくてならない。
境内を見渡すと、社殿の裏手では神輿倉にかぶさるように大欅が枝を広げて聳え、東側の透塀には大銀杏が立ちはだかっている。社務所の裏や木陰では、逢い引きをする若い男女が何組も濃い影を成していた。道場仲間で連れだって来ていた頃は、そんな男女を冷やかしては追っ払ういたずらをしていた。そんな悪童は見当たらない。
一際掛け声勇ましく一台の屋台が境内に乗り込んできた。今町の舟形屋台、今一丸である。押し寄せて取り囲む見物人に混じって、誠三郎も屋台に近寄った。今一丸が境内に入ってくると、樊六らと先を争って近づいては、舷側に寄りかかったり舟底を叩いたりして氏子に怒鳴られたものだった――。
懐かしさに胸が疼いて、目を閉じる。
なぜに長い間、ここに絵を描きに来なかったのか。
じっとしていられなかった。画帳を懐から取り出すと、矢立てから抜き出した筆を走らせる。大欅を背景に、舷側に提灯を隙間なく並べて飾られた今一丸を描きはじめた。その画題で一枚の下絵を描き終えると、拝殿を背景に舟形屋台を別の角度から描くべく、西の社務所寄りに移った。
「絵をお描きなさるなんて、風雅ですね。えらくお上手です」
小柄な商人が隣から声をかけてきた。この年で藩絵師見習いであるとも言えず、風流人を気取る藩士の振りをする。
「絵を描くのは勤めの合い間の気晴らしでござる。剣を振るう方が得意であるが、どうですかな、剣技をご覧になるか」
「それはそれは……、勿体ない、剣の方は御免被りますが」
四十を越えたかに見える商人は、誠三郎の腰の大小に目を走らせ、後ずさりして離れていく。冗談がきつかったかと苦笑いして、拝殿の下絵に戻って筆を取り直した。
要之介が米村家の離れを去ってから、誠三郎は根本の屋敷の他では己の絵に専念することがない。小畑稲升の役宅では師の下絵を本画へと写したり、彩色を分担して任されるのが主で、各々自身の絵に取り組むことは少ない。自室では悶々と焦るばかりで、無心に絵と向き合うことができずにいた。
今宵は小下絵を一枚仕上げ、次に大画面に向けての詳細な下図に取りかかっていた。絵の具の調合まで考慮して、面相筆で必要な色の名を記していく。灯篭の火に照り映える社の銅板瓦、その重なり合う一枚ごとの影までを描き込んでいった。
背景の拝殿を描き上げて帳面から顔を上げた誠三郎は、神輿倉に身を寄せて立つ、編み笠を深く被った三人連れの侍に目を留めた。夕闇迫る人混みの中でも、侍らの野袴が旅塵にまみれており、しきりに辺りを窺っている気配が見てとれる。
見物人に混じって華やかな屋台を眺めてはいるが、侍たちの佇まいは祭囃子に浮かれているようには見えない。絵の中心に今一丸を描いていく合間に、誠三郎は侍連れの周囲に目を走らせた。
出店を行き交う人波を縫って、一人の若い男が侍たちに近づき、声をかけた。その若侍は旅姿ではないが三人連れと懇意のようで、輪になって話しはじめる。若者は月代を流行りの狭剃りにして、着姿は中級藩士の子息といった風体である。誠三郎は舟形屋台の仕上げに取りかかっていたが、時折男たちに目を奪われた。宵宮の境内にいる侍連れは珍しく、他には見当たらない。
しばし額を寄せて話し合っていた四人だが、南参道、北参道へと二手に分かれて散らばっていく。その姿を闇に見失ってから、誠三郎は下絵を一気に仕上げた。
続々と境内に各町内の屋台が乗り込み、すべての屋台が揃った。氏子の総代が拝殿に上がると、厳かに神事が執り行われる。拝殿正面では鉦の音が鳴り響く中、麒麟獅子舞の奉納が始まった。猩々に先導され、麒麟獅子は頭と尾を振り立てて舞う。怖いと言って泣き出す子や歓声を上げる子、獅子舞を見ずに出店に夢中の若者連れ。
獅子舞の情景を、誠三郎は様々な角度から描いていく。宵闇が藍から墨色へと濃くなるにつれ、灯篭の火が揺らめく中で獅子が身をくねらせる姿は荘厳さを増し、幽玄な趣を帯びてきた。
金色に塗られた獅子頭は燈火を映して煌めき、朱色の錦の胴体は色を深めて蠢いては夜を彩っていく。絢爛でありながら無常を感じさせる光景に魅入られて、気づけば筆が止まっていた。
――獅子舞の光景に呼び覚まされたのは、目にした情景の美の要素を凝縮して研ぎ澄ませ、さらなる至高の美に高めて画紙に描き取りたいと希う絵師としての本願であった。脳天から躰、手足の爪先まで痺れが突き抜けた後、誠三郎は無心に筆を走らせる。
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