7 / 44
Ⅰ ラブ∞家族
E07 浴衣が艶っぽいね
しおりを挟む
「きゃー! きゃー! おいでよ、澄花ちゃん」
「しーっ。静かにしたらいいと思うぴくよ」
ホテルの五〇三号室は、誰もいなかった海岸に波を打ち寄せるように賑やかになった。
座敷やソファーの周りを虹花一人が落ち着かずにバタバタと駆け回る。
何度も転びそうになりながら、それに付き合う澄花に、止めようとして、自分もミイラ取りになっている劉樹が、可笑しい。
和と蓮花は景色がいいものだから、窓辺から方々の温泉を見下ろす。
ひなぎくは、一人として黙っていられない子ども達に、いつもそうなのか黒樹に訊きたかった。
こうなったのも、黒樹は、本当ならば大人部屋と子供部屋に分けたかったが、方々から反対されたので、七人で一部屋を借りた。
それなりに出費が痛い上、Eカップばいんばいんを眺められずに残念そうにうなだれている。
「虹花ちゃん、全然追い付かないよー。ソファーでポンポンは、ひっくり返りそうだよ」
澄花は、座敷で足を投げ出した。
元々、運動は得意ではない。
「旅の恥はかき捨てって聞いたし。澄花ちゃんも五時には起っきして、リビングで子供番組を見なよ」
「使い方を間違えているぴくよ。都合よく使ってはダメぴく」
バタバタと休まずにいる双子は、疲れ知らずだ。
「あ、ここはおうちじゃないんだった」
虹花が止まれば、澄花も劉樹も止まる。
「そっか。ちょっと寂しい? 私もアパルトマン(アパート)を離れたらお家賃を払えないから、引き払って来たの。二十五歳から三年以上いたから想い出深いな……」
「ひ、ひなぎくさん。うわあああん」
虹花が先に泣き出した。
さっきまではしゃいでいたのに、今度は、ソファーで打ちひしがれている。
「ひなぎくさん……」
澄花もつられた。
大きなくりっとした目から落ちる涙が、ぽっろっぽろと黙って語る。
「私は、もう大学生なのに、ずっとパリにいたせいかしら? 懐かしいというよりも日本に来たことが不思議。お父様が日本へお葬式に来た時、ママン(お母さん)の所に皆いたわ」
蓮花もパリを偲ぶ。
申し訳ないことに、ひなぎくの一言で郷愁を感じさせてしまった子ども達の為に、何かできないか考えていた。
「困ったわねー」
ひなぎくは、フロントにあった素敵な物を思い出した。
早速、女子チームで気晴らしをしようかと思い、声を掛ける。
「皆、お楽しみがあるの。私と一緒にフロントへ行きましょう。ウキウキしちゃうかも知れませんよ」
「ウキウキー? お猿さんみたいな?」
虹花がソファーから顔を起こすと、泣き腫らした目が、幼さを痛々しくしていた。
「それなら、ウッキーでぴくよ」
「もう、劉樹お兄ちゃんは黙ってて!」
虹花にきつく言われて、劉樹は肩をすくめた。
「だって、僕も行きたいのだもの」
「うーん。劉樹お兄ちゃん、好きなお菓子を買おうか? 予算は五百円」
ひなぎくが肩を抱いた。
「えー、五百円もくれるの? まだ、百円がユーロでいくらか知らないけれども嬉しいぴくよ」
「皆も同じ五百円のお楽しみだから、勘弁してね」
ひなぎくのウインクを黒樹は見逃さなかった。
「蓮花ちゃん、劉樹お兄ちゃん、虹花ちゃん、澄花ちゃん、エレベーターで行きましょう。お留守番をお願いします、プロフェッサー黒樹」
エレベーターは直ぐに来て、フロントにニコニコ顔が揃う。
「黒樹様、白咲様、こちらからお選びいただけますか?」
「うわあ! ジャポン(日本)。素敵だわ! 着物、何かの絵で見ました」
部屋に置いてある浴衣ではなくて、フロントに頼むと色々なデザインから選んで、五百円で一泊レンタルできるから嬉しい。
「蓮花さん、気に入ったかしら? 浴衣レンタルよ」
「もう迷い出してしまって、ダメだわ!」
ひなぎくは、頭に手を当てて参っている蓮花を可愛いと思った。
「サイズの小さいのもあるわ。自分で選ぶ?」
かがんで、数点の浴衣をかごごと見せた。
「はい」
二人は、素晴らしいハーモニーで頷く。
「お会計時にご一緒させていただきます」
フロントの女性が、微笑ましそうにしている。
「以上でよろしいですか?」
「はい。お願いいたします」
皆が迷って選んだ浴衣と劉樹の買い物をフロントで会計した。
劉樹は、遠慮したのかおまんじゅうを一個だけだったので、おつりはひなぎくがあげた。
「ここの温泉、源泉かけ流しですって。だから、いい温泉があふれているわ」
五階の部屋に戻ると、何か色気づいた蓮花は、浴衣を着始めた。
蓮花さんのは、透き通るような肌がきめも美しくきらめく、黒地に蝶の大胆なデザインだ。
「ねえ、ひなぎくさんも後で、一緒に大浴場に行きましょう」
格子戸の前の籐のスツールに腰かけて、今にも絵になりそうだった。
「ちょっと、いい? 蓮花さん。そのまま」
ひなぎくは、デジカメで一枚撮らせて貰った。
「ごめんなさい、話を横切って。温泉はいいわね、蓮花さん。ご一緒しましょう。それから、虹花ちゃんに澄花ちゃんも」
レンタルした子どもの浴衣をひなぎくがにこにこと着せていた。
澄花が水色で紫陽花の柄にし、虹花が薄桃色で縞の柄にした。
「やったー! 広いお風呂なの? ねえ、ひなぎくおばさん」
「ねえー、ひなぎくおばさん」
矢継ぎ早に、虹花と澄花に迫られた。
「先程の案内してくれた方の話だと、四つは屋内に、大浴場、ジャグジー、打たせ湯、サウナ付き。一つは混浴だけど露天風呂もあるらしいわよ。あと、私っておばさんかしら? いやーねー。困ったわー」
バシンと虹花の背中を叩いてしまったら、虹花の縞模様が可笑しくなって、女子チームでは笑い話に花が咲いた。
「では、女子チーム、行って参りますね」
風呂敷に小さなポーチや巾着に各々小銭などを入れて顔をほころばせていた。
「行って来ます。お父様」
「行って来るね。パーパー」
「行って来ます。パパ」
「おう、間もなく行く。ひなぎくちゃんも溺れるなよ。ってか、おっぱEがばいんばいんだから、着られるのなかったか? レンタル浴衣さ。スーツで行く人、初めてだよ」
黒樹が格子戸を開けて景色を眺め、振り返らずに手を振っていた。
「あらあら。基本泳げない人扱いですか。それに、レンタルの五百円は勿体なかったの。困ったわねー」
ひなぎくの困ったが、再び出た。
頬に手を当てて困るのは、ひなぎくの癖だ。
「混浴で会おう。ねー」
黒樹は、振り向いて歯をむき出しにして笑った。
「プロフェッサー黒樹、多少は女の子が好きだとは思っていましたが、からかわれるとは思いませんでしたよ」
ひなぎくは、俯いて首を左右に振った。
「いいじゃないか、ひなぎくちゃん。三十路手前でぴっちぴち」
黒樹は、指を三本出して冷やかした。
「お子さん達も行くのですから、おふざけはよしてくださいね」
ひなぎくは、真面目が直らない。
まあ、真面目は悪いことではないから、直しようがないと黒樹は思っている。
「パーパー、イジメたらダメだよ。澄花ちゃん、いつも強い言葉で汚いこと言われて来たのだから、気を付けないと」
虹花の離れチョップがお披露目された。
「ああ、そうだったな。だが、露天風呂で混浴は漢のロマンなのさ」
顎に手をやり、薄いのにニヒルにしたいのが恥ずかしい。
「父さん、俺でもそんなロマンはないよ。オヤジ臭いな」
和の離れチョップもソファーから投げられた。
「あー、うー! 分かった。ここで待っているから、行って来なさい」
「では、行って参りますね」
ドアの鍵は、黒樹が持った。
「きゃっ。露店風呂で混浴なのですか? ひなぎくさん」
五〇三の部屋を出ると、蓮花が小声で尋ねて来た。
「蓮花さんは、年頃ですもの。止めましょうねー」
ひなぎくは、まだ大学生なら早いだろうと思ったが、早くない大学生もいるので困った。
本人が恥ずかしいのなら、止めるのが賢明だと思った。
「ひなぎくさんは、行きます?」
「どうかしら?」
もう三十路になるのだから、肌を見られる位どうってことはない。
水着でバカンスはできるのだから。
でも、私はバージンなのよね。
そう考えていると、大浴場に着いた。
このノリでは、きゃっきゃうふふが、数分後、女子チームから聞こえる気がした。
「しーっ。静かにしたらいいと思うぴくよ」
ホテルの五〇三号室は、誰もいなかった海岸に波を打ち寄せるように賑やかになった。
座敷やソファーの周りを虹花一人が落ち着かずにバタバタと駆け回る。
何度も転びそうになりながら、それに付き合う澄花に、止めようとして、自分もミイラ取りになっている劉樹が、可笑しい。
和と蓮花は景色がいいものだから、窓辺から方々の温泉を見下ろす。
ひなぎくは、一人として黙っていられない子ども達に、いつもそうなのか黒樹に訊きたかった。
こうなったのも、黒樹は、本当ならば大人部屋と子供部屋に分けたかったが、方々から反対されたので、七人で一部屋を借りた。
それなりに出費が痛い上、Eカップばいんばいんを眺められずに残念そうにうなだれている。
「虹花ちゃん、全然追い付かないよー。ソファーでポンポンは、ひっくり返りそうだよ」
澄花は、座敷で足を投げ出した。
元々、運動は得意ではない。
「旅の恥はかき捨てって聞いたし。澄花ちゃんも五時には起っきして、リビングで子供番組を見なよ」
「使い方を間違えているぴくよ。都合よく使ってはダメぴく」
バタバタと休まずにいる双子は、疲れ知らずだ。
「あ、ここはおうちじゃないんだった」
虹花が止まれば、澄花も劉樹も止まる。
「そっか。ちょっと寂しい? 私もアパルトマン(アパート)を離れたらお家賃を払えないから、引き払って来たの。二十五歳から三年以上いたから想い出深いな……」
「ひ、ひなぎくさん。うわあああん」
虹花が先に泣き出した。
さっきまではしゃいでいたのに、今度は、ソファーで打ちひしがれている。
「ひなぎくさん……」
澄花もつられた。
大きなくりっとした目から落ちる涙が、ぽっろっぽろと黙って語る。
「私は、もう大学生なのに、ずっとパリにいたせいかしら? 懐かしいというよりも日本に来たことが不思議。お父様が日本へお葬式に来た時、ママン(お母さん)の所に皆いたわ」
蓮花もパリを偲ぶ。
申し訳ないことに、ひなぎくの一言で郷愁を感じさせてしまった子ども達の為に、何かできないか考えていた。
「困ったわねー」
ひなぎくは、フロントにあった素敵な物を思い出した。
早速、女子チームで気晴らしをしようかと思い、声を掛ける。
「皆、お楽しみがあるの。私と一緒にフロントへ行きましょう。ウキウキしちゃうかも知れませんよ」
「ウキウキー? お猿さんみたいな?」
虹花がソファーから顔を起こすと、泣き腫らした目が、幼さを痛々しくしていた。
「それなら、ウッキーでぴくよ」
「もう、劉樹お兄ちゃんは黙ってて!」
虹花にきつく言われて、劉樹は肩をすくめた。
「だって、僕も行きたいのだもの」
「うーん。劉樹お兄ちゃん、好きなお菓子を買おうか? 予算は五百円」
ひなぎくが肩を抱いた。
「えー、五百円もくれるの? まだ、百円がユーロでいくらか知らないけれども嬉しいぴくよ」
「皆も同じ五百円のお楽しみだから、勘弁してね」
ひなぎくのウインクを黒樹は見逃さなかった。
「蓮花ちゃん、劉樹お兄ちゃん、虹花ちゃん、澄花ちゃん、エレベーターで行きましょう。お留守番をお願いします、プロフェッサー黒樹」
エレベーターは直ぐに来て、フロントにニコニコ顔が揃う。
「黒樹様、白咲様、こちらからお選びいただけますか?」
「うわあ! ジャポン(日本)。素敵だわ! 着物、何かの絵で見ました」
部屋に置いてある浴衣ではなくて、フロントに頼むと色々なデザインから選んで、五百円で一泊レンタルできるから嬉しい。
「蓮花さん、気に入ったかしら? 浴衣レンタルよ」
「もう迷い出してしまって、ダメだわ!」
ひなぎくは、頭に手を当てて参っている蓮花を可愛いと思った。
「サイズの小さいのもあるわ。自分で選ぶ?」
かがんで、数点の浴衣をかごごと見せた。
「はい」
二人は、素晴らしいハーモニーで頷く。
「お会計時にご一緒させていただきます」
フロントの女性が、微笑ましそうにしている。
「以上でよろしいですか?」
「はい。お願いいたします」
皆が迷って選んだ浴衣と劉樹の買い物をフロントで会計した。
劉樹は、遠慮したのかおまんじゅうを一個だけだったので、おつりはひなぎくがあげた。
「ここの温泉、源泉かけ流しですって。だから、いい温泉があふれているわ」
五階の部屋に戻ると、何か色気づいた蓮花は、浴衣を着始めた。
蓮花さんのは、透き通るような肌がきめも美しくきらめく、黒地に蝶の大胆なデザインだ。
「ねえ、ひなぎくさんも後で、一緒に大浴場に行きましょう」
格子戸の前の籐のスツールに腰かけて、今にも絵になりそうだった。
「ちょっと、いい? 蓮花さん。そのまま」
ひなぎくは、デジカメで一枚撮らせて貰った。
「ごめんなさい、話を横切って。温泉はいいわね、蓮花さん。ご一緒しましょう。それから、虹花ちゃんに澄花ちゃんも」
レンタルした子どもの浴衣をひなぎくがにこにこと着せていた。
澄花が水色で紫陽花の柄にし、虹花が薄桃色で縞の柄にした。
「やったー! 広いお風呂なの? ねえ、ひなぎくおばさん」
「ねえー、ひなぎくおばさん」
矢継ぎ早に、虹花と澄花に迫られた。
「先程の案内してくれた方の話だと、四つは屋内に、大浴場、ジャグジー、打たせ湯、サウナ付き。一つは混浴だけど露天風呂もあるらしいわよ。あと、私っておばさんかしら? いやーねー。困ったわー」
バシンと虹花の背中を叩いてしまったら、虹花の縞模様が可笑しくなって、女子チームでは笑い話に花が咲いた。
「では、女子チーム、行って参りますね」
風呂敷に小さなポーチや巾着に各々小銭などを入れて顔をほころばせていた。
「行って来ます。お父様」
「行って来るね。パーパー」
「行って来ます。パパ」
「おう、間もなく行く。ひなぎくちゃんも溺れるなよ。ってか、おっぱEがばいんばいんだから、着られるのなかったか? レンタル浴衣さ。スーツで行く人、初めてだよ」
黒樹が格子戸を開けて景色を眺め、振り返らずに手を振っていた。
「あらあら。基本泳げない人扱いですか。それに、レンタルの五百円は勿体なかったの。困ったわねー」
ひなぎくの困ったが、再び出た。
頬に手を当てて困るのは、ひなぎくの癖だ。
「混浴で会おう。ねー」
黒樹は、振り向いて歯をむき出しにして笑った。
「プロフェッサー黒樹、多少は女の子が好きだとは思っていましたが、からかわれるとは思いませんでしたよ」
ひなぎくは、俯いて首を左右に振った。
「いいじゃないか、ひなぎくちゃん。三十路手前でぴっちぴち」
黒樹は、指を三本出して冷やかした。
「お子さん達も行くのですから、おふざけはよしてくださいね」
ひなぎくは、真面目が直らない。
まあ、真面目は悪いことではないから、直しようがないと黒樹は思っている。
「パーパー、イジメたらダメだよ。澄花ちゃん、いつも強い言葉で汚いこと言われて来たのだから、気を付けないと」
虹花の離れチョップがお披露目された。
「ああ、そうだったな。だが、露天風呂で混浴は漢のロマンなのさ」
顎に手をやり、薄いのにニヒルにしたいのが恥ずかしい。
「父さん、俺でもそんなロマンはないよ。オヤジ臭いな」
和の離れチョップもソファーから投げられた。
「あー、うー! 分かった。ここで待っているから、行って来なさい」
「では、行って参りますね」
ドアの鍵は、黒樹が持った。
「きゃっ。露店風呂で混浴なのですか? ひなぎくさん」
五〇三の部屋を出ると、蓮花が小声で尋ねて来た。
「蓮花さんは、年頃ですもの。止めましょうねー」
ひなぎくは、まだ大学生なら早いだろうと思ったが、早くない大学生もいるので困った。
本人が恥ずかしいのなら、止めるのが賢明だと思った。
「ひなぎくさんは、行きます?」
「どうかしら?」
もう三十路になるのだから、肌を見られる位どうってことはない。
水着でバカンスはできるのだから。
でも、私はバージンなのよね。
そう考えていると、大浴場に着いた。
このノリでは、きゃっきゃうふふが、数分後、女子チームから聞こえる気がした。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【完結】私、四女なんですけど…?〜四女ってもう少しお気楽だと思ったのに〜
まりぃべる
恋愛
ルジェナ=カフリークは、上に三人の姉と、弟がいる十六歳の女の子。
ルジェナが小さな頃は、三人の姉に囲まれて好きな事を好きな時に好きなだけ学んでいた。
父ヘルベルト伯爵も母アレンカ伯爵夫人も、そんな好奇心旺盛なルジェナに甘く好きな事を好きなようにさせ、良く言えば自主性を尊重させていた。
それが、成長し、上の姉達が思わぬ結婚などで家から出て行くと、ルジェナはだんだんとこの家の行く末が心配となってくる。
両親は、貴族ではあるが貴族らしくなく領地で育てているブドウの事しか考えていないように見える為、ルジェナはこのカフリーク家の未来をどうにかしなければ、と思い立ち年頃の男女の交流会に出席する事を決める。
そして、そこで皆のルジェナを想う気持ちも相まって、無事に幸せを見つける。
そんなお話。
☆まりぃべるの世界観です。現実とは似ていても違う世界です。
☆現実世界と似たような名前、土地などありますが現実世界とは関係ありません。
☆現実世界でも使うような単語や言葉を使っていますが、現実世界とは違う場合もあります。
楽しんでいただけると幸いです。

彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる