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「はい。何食べる?」
あの後駅前のファミレスにきていた。
木下と一緒にメニューをのぞき込む。
「ドリンクバー頼む派?」
「頼む派。」
「おけー。」
何食べようかなあ。
ハンバーグいいなあ。パスタ…んー…
「ははっ」
「え、なに。」
急に木下が笑い始めた。
「いや、めちゃくちゃ真剣に悩むなと思って」
「…馬鹿にしてる?」
「いや!してないって!
何で悩んでたの?」
「ハンバーグかパスタ。」
「じゃあ俺ハンバーグ。半分こしよ。」
「まじ?いいの?」
「うん。俺も食べたかったし。チーズのやつでしょ?」
なんてベタな。
うわ。これ実際に言われると割と嬉しいんだ。
「よくチーズってわかったね。」
「めちゃくちゃ見てたからね。おいしいよねチーズ。」
ちょっと恥ずかしいけど、こういうところがモテるんだろうなあと思う。
注文もスマートにしてくれるしめちゃくちゃイケメン。
「飲み物取りに行こ。」
「うん。」
木下はオレンジジュース、俺はコーラで祝杯をあげる。
「いやあ、本当にありがとうね。まさか一発でクリアできるなんて思ってなかったから。
マジで数学わかんなくてさあ、ほんとに助かったわ。」
改めてお礼を言われる。律儀だよなあ。こういうところ。
「いや、俺も英語マジでわかんなかったから助かったし。ありがとな。」
かという俺も助けてもらったのでお互いにぺこぺこ。
「お役に立てたならなによりだよ。ていうかクリスマスに再テストなんてひどいよね。
俺予定いれようとしてたのにさあ。」
胸がざわつく。
予定いれようとしてたんだ。
「はあ…佐々木と佐藤と朝からクリスマスフェスタ行こうって話してたのに…
あれね?そこのショッピングモールでやってるやつ。」
「そう…なんだ。」
あっぶねえー。めちゃくちゃほっとした。彼女いるのかと思ったじゃん…。
自分がなれるわけでもないのにほっとする。
「まあ夜から合流はするんだけどさあ。」
「そうなんだ。時間大丈夫?準備とか。」
「まだ昼だし大丈夫!」
「そう。ならよかった。」
「夜イルミネーションやるでしょ。あそこの広場で。それだけ合流する。」
「イルミネーション…」
うらやましい。佐々木と佐藤が。ずるい。友達ってずるい。
「和田くんも行く?]
「へっ。」
急な言葉にびっくりして声が裏返る。
「なにその声。」
「誘われると思ってなかったから。」
「いや、行きたそうな顔してたから。すき?イルミネーションとか。」
「まあ、嫌いではない。」
急に行くなんて佐々木と佐藤はいやかなあとか邪魔だろうなあとかは思ったけど、
行けるもんなら行きたいじゃん?
でも行きたい!なんていう勇気と陽気さは持ち合わせてないのですかした返事をしてしまう。
「じゃあ行こうよ。」
「佐々木達はいいの?俺がいても。」
「うん。人数増えてうれしいと思う。」
俺だったら部外者が入ってきたらめちゃくちゃいやだけど、やっぱ陽キャってすごいな。
こちら的にはうれしい限りだけど。
「今連絡したけどいいって。」
「仕事が早いな。じゃあ、お邪魔させてもらいます。」
心の中でガッツポーズ。
同性が好きなことは恋において不利でしかない。いつも苦しい事ばかりだ。
ただその代わりこうして警戒されにくい事は利点である。
もちろんそれにかこつけてアピールなんてしないし、しようなんて思ってもいないけれど、
これから木下に彼女さんができて、同じ土俵に上がれもしなかったことを悔やむくらいなら
これくらいの甘えは許してほしい。
「うん。おいでおいで!楽しみだな~。」
「そうだね。誘ってくれてありがとう。」
「うん!」
イルミネーションが相当楽しみなのか上機嫌な木下。わかりやすくて面白い。
「ハンバーグ遅いな…」
「そんなもんだよ。ちょっと待てよ。」
楽しみすぎて急にせかし始めた。少しかわいい。
この後無事にハンバーグは到着して、俺のパスタと半分こして食べた。
どっちも食べれて幸せ~っていってる木下はかわいかった。
楽しみだなあイルミネーション。
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5/20.一部訂正しました。大きな内容の変更はございません。
あの後駅前のファミレスにきていた。
木下と一緒にメニューをのぞき込む。
「ドリンクバー頼む派?」
「頼む派。」
「おけー。」
何食べようかなあ。
ハンバーグいいなあ。パスタ…んー…
「ははっ」
「え、なに。」
急に木下が笑い始めた。
「いや、めちゃくちゃ真剣に悩むなと思って」
「…馬鹿にしてる?」
「いや!してないって!
何で悩んでたの?」
「ハンバーグかパスタ。」
「じゃあ俺ハンバーグ。半分こしよ。」
「まじ?いいの?」
「うん。俺も食べたかったし。チーズのやつでしょ?」
なんてベタな。
うわ。これ実際に言われると割と嬉しいんだ。
「よくチーズってわかったね。」
「めちゃくちゃ見てたからね。おいしいよねチーズ。」
ちょっと恥ずかしいけど、こういうところがモテるんだろうなあと思う。
注文もスマートにしてくれるしめちゃくちゃイケメン。
「飲み物取りに行こ。」
「うん。」
木下はオレンジジュース、俺はコーラで祝杯をあげる。
「いやあ、本当にありがとうね。まさか一発でクリアできるなんて思ってなかったから。
マジで数学わかんなくてさあ、ほんとに助かったわ。」
改めてお礼を言われる。律儀だよなあ。こういうところ。
「いや、俺も英語マジでわかんなかったから助かったし。ありがとな。」
かという俺も助けてもらったのでお互いにぺこぺこ。
「お役に立てたならなによりだよ。ていうかクリスマスに再テストなんてひどいよね。
俺予定いれようとしてたのにさあ。」
胸がざわつく。
予定いれようとしてたんだ。
「はあ…佐々木と佐藤と朝からクリスマスフェスタ行こうって話してたのに…
あれね?そこのショッピングモールでやってるやつ。」
「そう…なんだ。」
あっぶねえー。めちゃくちゃほっとした。彼女いるのかと思ったじゃん…。
自分がなれるわけでもないのにほっとする。
「まあ夜から合流はするんだけどさあ。」
「そうなんだ。時間大丈夫?準備とか。」
「まだ昼だし大丈夫!」
「そう。ならよかった。」
「夜イルミネーションやるでしょ。あそこの広場で。それだけ合流する。」
「イルミネーション…」
うらやましい。佐々木と佐藤が。ずるい。友達ってずるい。
「和田くんも行く?]
「へっ。」
急な言葉にびっくりして声が裏返る。
「なにその声。」
「誘われると思ってなかったから。」
「いや、行きたそうな顔してたから。すき?イルミネーションとか。」
「まあ、嫌いではない。」
急に行くなんて佐々木と佐藤はいやかなあとか邪魔だろうなあとかは思ったけど、
行けるもんなら行きたいじゃん?
でも行きたい!なんていう勇気と陽気さは持ち合わせてないのですかした返事をしてしまう。
「じゃあ行こうよ。」
「佐々木達はいいの?俺がいても。」
「うん。人数増えてうれしいと思う。」
俺だったら部外者が入ってきたらめちゃくちゃいやだけど、やっぱ陽キャってすごいな。
こちら的にはうれしい限りだけど。
「今連絡したけどいいって。」
「仕事が早いな。じゃあ、お邪魔させてもらいます。」
心の中でガッツポーズ。
同性が好きなことは恋において不利でしかない。いつも苦しい事ばかりだ。
ただその代わりこうして警戒されにくい事は利点である。
もちろんそれにかこつけてアピールなんてしないし、しようなんて思ってもいないけれど、
これから木下に彼女さんができて、同じ土俵に上がれもしなかったことを悔やむくらいなら
これくらいの甘えは許してほしい。
「うん。おいでおいで!楽しみだな~。」
「そうだね。誘ってくれてありがとう。」
「うん!」
イルミネーションが相当楽しみなのか上機嫌な木下。わかりやすくて面白い。
「ハンバーグ遅いな…」
「そんなもんだよ。ちょっと待てよ。」
楽しみすぎて急にせかし始めた。少しかわいい。
この後無事にハンバーグは到着して、俺のパスタと半分こして食べた。
どっちも食べれて幸せ~っていってる木下はかわいかった。
楽しみだなあイルミネーション。
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5/20.一部訂正しました。大きな内容の変更はございません。
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