インビの箱

今曽カリン

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インビの箱 映画館編6

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沙織の表情がふと不安げになった。
後ろを向きはしないが、時々後ろを伺うような仕草を見せる。忠信はキチンと止め直されている沙織のブラウスのボタンに指をかけた。
「やっ」
小声で沙織が漏らした。慌てて忠信の手を掴んでボタンを外されるのを止めようとする。人差し指と中指を掴まれた。が、忠信は親指と薬指で器用にボタンを次々と外してしまった。ノーブラの谷間が露わになる。忠信は下からそーーーっと胸の膨らみに手を這わせた。乳房の重さを確かめるようにタプタプと下から持ち上げゆすった。そのたびにブラウスが両脇へ流れていく。そして、乳房が露わになった。
「ほおおお~」
後ろの年配男性が声を静かに漏らした。沙織の立派な乳房に感嘆しているようだ。彼は後ろから沙織の身体をのぞき込んでいた。沙織は顔を耳まで真っ赤にしてバっと左右のブラウスを引き寄せて胸を隠してしまった。忠信は右手を上げ、男性を制するように手のひらををかざし「申し訳ないが手は出さないで」という気持ちを伝えた。それを見て年配男性は苦笑いしながら頷き、降参したように両手を上げ首を左右に振って自分の席に引っ込み腰を掛けた。忠信は沙織のブラウスを少し引っ張り、左右の乳首が隠れる程度に引っかけた。沙織はホッとしたようだ。後ろの男性はよく見ると老人、と言ってもよい年齢だった。その控えめな態度に忠信も少し安心した。

忠信はハンドタオルを取り出すと、沙織のおしりの下に敷こうとした。それに気づいた沙織はそのハンドタオルの上に座り直した。その従順な様子はまるで何も知らない少女のようだった。

忠信は自分の席から滑り降りると、しゃがんだまま沙織の前に移動した。そして既に太ももまで下りてきているショーツを引っ張ると、沙織の右足を抜き、また左脚の太ももに戻して置いた。沙織はそのショーツを左手でギュっと握りしめた。忠信は、また沙織の足の間に身体を割り込ませた。そして、ポケットからブルーのミニローターを取り出した。このミニローターはワイヤレスで遠隔操作も可能、「ミニ」と言いながら普通のミニローターの倍は大きく、振動も電気マッサージ機並みまで調節可能、なのにとても静かという優れものだった。リモコンのスイッチを左手に持ち、ローターを持つ右手を足の間に侵入させる。途中何度も太ももの裏にそっと這わせる。「ブブブブ」と低い音がかすかに聞こえる。明らかに今までと違うその感触に、彼女がハッと驚いている。固まっている沙織を尻目に、忠信はそのままローターを進ませて股間に当てた。振動を感じた瞬間、彼女の背に力が入って少し背筋が伸びた。割れ目の谷間の始まりにローターを当て、上下に動かし小さな突起に刺激を与えた。沙織は目を閉じた。どういう事かわかったようだが、今は快感を静かに楽しんでいるようだ。忠信は足の付け根に押し当てたり、彼女の薄い陰毛が少しごわつく恥丘の上部へそっと当てたりして、彼女が振動に慣れてしまわないようローターをしばらく当てたら別の場所へ、とあちこちへ這わせた。見上げると沙織はうっとりした表情で目を閉じている。それを見て忠信は、彼女の敏感な突起の上部の付け根にローターを当てた。少し力を入れグッと押し当てる。彼女の両足が少し持ち上がった。しばらくそのままにした。少しずつ彼女の足が下へ戻り、身体から力が抜ける。彼女がリラックスし始めたのを見て撮った忠信は、押し当てたままリモコン操作でローターの振動を一段強くした。彼女が少し頭を動かし両足がまたぴょん、と上がった。そのまま動きを停止した。彼女が振動に慣れ始め、徐々に快感を掘り起こされるまで待つ。彼女の腰がゆっくりと動き始めた。ほんの少しずつだが、ローターに腰をこすり付けるように動かしている。ふと見上げると、後ろの老人がまた彼女にほとんど覆いかぶさるようにして覗き込んでいた。沙織が身体をくねらせる、その色っぽい様を心から楽しんでいるようだ。満面の、なんともいえない卑猥な笑顔で沙織を眺めている。色事に年齢は関係ないか。忠信はおかしみを感じながら、ローターの振動をもう一段上げた。「ブブブブブブブ」という音が「ブゥーーーーーーン」という低く強い音に変わる。彼女の身体がビクッとはねた。目を強く閉じて与えられる快感に集中している。後ろの老人のせいで「帰る」と言い出さないか心配だったが、見られるだけなら構わないようだ。
「ブーーーーン」「ブーンブンブーーーン」丁寧に陰核の周りをなぞり、時々強く押し当てると、ローターの音がくぐもった音に変わる。ゆっくりと膣口に押し当てると、軽い抵抗感があった後、するっと中へ飲み込まれた。
「ふうんっ」
小さく声が漏れる。小動物が甘えるようなかわいらいしい声だ。内またに力を込め全身が強張った。忠信はローターを動かさず、そのままじっと動かさなかった。空いた指でそっとあちこち撫でる。
「ふうううううううう」
太目のローターを挿入したまま、彼女の緊張がほぐれていく。徐々に彼女の足から力が抜けていく。腰、背中、腕や肩からも力が抜けていくのがわかる。彼女の腰が少しずり落ちて来た。首を少し傾けるように椅子に預け、全体的にダラっとした様子になった。ゆっくりとローターを出し入れする。入口を円を描くようになぞる。またゆっくり出し入れする。膣の奥からゴポッゴプッと音をたてて愛液が溢れてくる。忠信は、片手でポケットを探りコンドームを出した。ふるふる揺れている乳房に顔を埋め、鼻と口で乳首を露出させ唇と舌で挟み、転がし吸い付いた。その間に両手で素早くコンドームを取り付けた。もうすでに痛いほど勃起している陰茎へ取付終わると、そっとローターを外し、彼女の両足の間を進み腰を掴んで前に出し陰茎を彼女の膣口にあてがった。そのままグっと少し前へ進めると周囲の肉ごと少しへこむ感じでまだ入らない。腰を引きまた押すと今度は愛液のぬめりでほんの少し入った感があるがまた少し腰を引く。さっきより少し奥へ推し進めまた少し引く。ゆっくり繰り返した。また引く。「ぬぽ」っと音がして陰茎が抜ける。膣口が小さく口を開けたままになっている。すぐにまた押し込んで今度は陰茎の半分ほどを埋めたところで止まった。そういえば、沙織と一体になるのはこれが初めてだ。そう思うと陰茎に力が入った。
「はあああああっ」
快感に声が漏れた。強く自身の陰茎に力を込めて沙織のなかの暖かさとそのヌメり、優しく忠信をつつむその内部のデコボコした形状を楽しむ。
「ふあああああああああっ」
沙織も声を漏らした。忠信は根本までぐーっと差し込んだ。
「あっあっあっ」
陰茎の前進がわかったのだろう。沙織がまた声を漏らした。
忠信はその態勢のまま動かず、陰茎だけ力を入れたり抜いたりした。力を入れると、沙織の体内で陰茎が膨らむ。今、忠信は過去に経験が無いほど自分の陰茎が大きく硬い気がした。陰茎にぐっと力を込める度に沙織が
「あっあっ」
と声を漏らす。しばらくは沙織の奏でる妙なる音楽をそのままで楽しんだ。
やがて沙織の腰を掴むと、持ち上げるようにして動かした。
『膝が痛いのが難点だな。』
などと思いながらも、沙織の腰を上下に動かした。沙織の体内で陰茎が上下に動きあちこちに当たるのがわかる。
「ああっ!ああっ!ああっ!」
動きに合わせて沙織が声を上げる。もう遠慮はないようだった。ふと見ると、後ろの老人が両手を伸ばして沙織の乳首を触っていた。つまんでやさしくひねったりしているようだ。沙織も両手を老人の手に添えている。快感を一心不乱に受け止めることに忙しく、嫌がるどころか楽しんでいるようだ。老人と目が合うと、ひょい、と頭を下げてきた。忠信は苦笑して笑みを返すと、老人は満面の笑みになった。許しが出たのが嬉しかったのだろう。沙織の胸を一段と熱を込めて愛撫し始めた。忠信は沙織の細い腰をがっしりと掴んだまま、上下に、左右に、円を描いて、と動かし続けた。
「あんっ!ああ!あああん!」
動きに合わせて沙織の声がリズミカルに発せられる。老人も沙織のことがかわいくて仕方ないようだ。声が上がるたびに喜んでいる。三人でしばらくそのまま楽しんだ。


END
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