魂の輪廻から外されました

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第67話 修行の始まり

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目を開けるとそこは、崖であった


ここは密林か?背後には生い茂るジャングル。目の前には見上げるほどの崖。

ここがヴァン管轄の世界・・・


「ようこそ、我が世界へ」


ひらりと回り、優雅にお辞儀。なるほどヴァンパイアと言うのは優雅な動きが似合うもんだな。


けど、お城は?ヴァンパイア城はどこ?


キョロキョロ周りを見渡してもお城は見当たらない。あるのはジャングルと、アホみたいに高い崖


「ヴォール。何を探しているんだ?」

「いや、お城。ヴァンパイア城ですよ。まさかないんですか?」

「舐めるなよ、これでもヴァンパイアの始祖だぞ。お城くらいあるわい」

「じゃあ、どこに?」


ヴァンが崖の上を指でさす。まさかな、三百mは余裕であるぞこれ


「さっそく鍛錬を始めるぞ」

「嘘でしょ!これ登るの?!」

「これくらい出来ないでどうする。俺は先に行ってるからな」


ぴょんぴょんと、華麗に崖を蹴り登ってゆくヴァン。唖然と見上げていると上から声が聞こえてきた


「そこのジャングルは夜になると獰猛な魔獣がわんさかでるからー!早く登らないと大変なことになるぞー!」

「殺す気かよ!マクアさんもなんとか言ってやってください!」

「私は先に行ってます」

「マクアさんまで?!」


そ、そうか。マクアさんも悪魔だしこれくらい楽勝なのか?ツノ様をボコボコにした時も、人間離れした動きしてたし・・・

てか、俺もヴァンパイアになったんだし、もしかしたら余裕なのか・・・?


なんてことを考えているうちに、マクアさんが登る体制を取り始めた。やばい、置いていかれるぞこれ!

マクアさん!まってー!置いていかないでー!


ぴょん!


・・・?


ぴょんぴょん!


小さく跳ねてる。可愛い。


あ、こっちきた。なんだろ。なにか言いたいことでもあるのかな?


ぐえっ?!


「どうしましょう!魔力が出ませんー!」

「うがが!く、首絞めてるし!そんなこと俺に言われても・・・!」


あ、なんかこの感じ懐かしい。千代ちゃん元気にしてるかな。

てか!ツノ様に俺の願い聞いてもらってねぇ!



・・・



三十分後。俺たちの現状


 検証の結果、やはり俺の身体能力は上がっていた。ヴァン程ではないが、時間をかけて登れば不可能ではなさそうだ。

問題はマクアさん。魔力が出ないとのことで、その身体能力は普通の女の子レベルにまで落ちてしまっている。


さて、どうしたものかな。今のところ太陽は真上でギラギラ輝いているから、時間はたっぷりありそうだ


「マクアさん、やっぱり俺がマクアさんを背負って登るしかないですわ」


どよーんと体育座りしているマクアさんに話しかける。


「・・・ご迷惑をおかけします」

「いいですよこれくらい!さ、俺の背中に乗ってください」


ほれ、としゃがむ。のそりと起き上がり、マクアさんが俺の背中に掴まった。


「よいしょっと」

「重くないですか?」

「軽いですよ。大丈夫です」


重さは大丈夫。問題は手だな、左手は落ちないようにマクアさんを支えるため使えない。結果、崖上りで使えるのは右手と両足だけってことか


それにしても・・・


「じゃあ、行きますね」


手がかりになりそうな岩を探して、手をかける。次に足場を見つけて足をかける


集中集中・・・集中・・・できねえ!!!


あかんよこんなに密着されたらぁ!すっげーいい匂いするしさぁ!大きくないけど二つの膨らみが背中を刺激するしさぁ!左手で支えるために触れてる太ももは柔らかいしさぁ!


おんぶって、こんなにもエロい行為だったのかよぉ?!
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