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第40話 意味わかんないんだけど男
しおりを挟むギリギリギリ・・・!
「ぐわぁぁぁあああ!」
「どうした侍、お前も魔力をまといな この腕へし折るぜ!」
「服部半蔵!なにしてる、はやく魔力を纏えばか!」
う、うるせぇな!俺だって纏えるもんならまといたいよ!
魔力を纏った大男の力は、んもう信じられないぐらい強くなってしまった。こらあかん・・・まじで!くぅぅ・・・!
「一気に形勢逆転だぁ!逆に追い詰められる侍!あと少しでテーブルについてしまうぞぉ?!」
ざわざわ・・・ 頑張れー!侍ぃー!
負けんじゃねーぞ!女守るんだろーが!
たのむからはやく魔力を纏ってくれぇぇえ!
ざわざわ・・・!
「んぐ!んぎぎぎぎぃ・・・!」
ぐぐぐ・・・っ!
「ふへへへへ! おらぁ!」
ずんっ!!
「~~~っ!~~~っ!くぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!」
「一気に畳み掛けるチャンピオン!たまらない、これは持ちこたえられないかぁぁぁあ!?」
やべぇぇぇぇえ!千代ちゃんのファーストキスが!俺のせいで・・・こんな、こんな不細工にぃぃ・・・っ!
絶体絶命の大ピンチ!誰もが男の敗北を悟った!
が!
「負けるな!服部ぃ!」
だきっ!
「おふっ?!」
感極まった千代ちゃんが背中から抱きついたその時、男は感じとった!
むにゅう!
こ、この感触は!?大きくて、柔らかくて・・・!いつも俺に勇気と力を与えてくれる・・・!
「・・・へへ」
ぐぐぐっ!
「な、なんだこの力はぁ!」
ギリギリ・・・!
「まさか!こんなことってありますか!?魔力を纏ったチャンピオンが、纏っていない侍に押し返されているぅぅう!」
『うぉぉぉおおおお!!!』
「一気に互角まで押し返したぁ!」
「く、くそ!この男の・・・ どこにこんな力がぁ!」
「ばーかばーか!人を見かけで判断すんじゃねーよばーか!」
ギリギリ・・・!
し、しかし!中心からまったく動かねぇ!もっと・・・もっとパワーがいる・・・っ!
「ち、千代ちゃん!」
「なに?!」
「もっと・・・俺に密着してくれないか?!」
「ふぇ!?な、ななななんでそんな・・・」
「いいから!はやくしろぉ!」
「うぅ・・・ こ、こう?」
ぶにゅう・・・
はは、やっぱ千代ちゃん・・・!いい匂いもするし、可愛いし!なにより柔らかいし大きいし!
すぅーーーーー!
「千代ちゃんのおっぱい最高だぜぇぇぇぇぇえ!」
「「「えぇぇぇぇぇえええ!?」」」
ぐぐぐ~~っ!
どん!
「勝ったぞぉぉぉぉおおおお!」
『う、うぉぉぉおおおお!!!』
「な、なんと!いきなり卑猥な単語を叫びだした男、謎のパワーアップ!そのままチャンピオンを倒してしまったぁぁああ!」
「はぁ・・・はぁ・・・ ば、馬鹿な 俺様の本気パワーが、こんな男に・・・!?」
「けっ!お前なんかなぁ 魔力を纏うまでもねぇんだよ!雑魚は大人しくトイレの掃除でもしてな!」
くぅぅう、きもちー!勝者は俺だ、敗者に何を言っても許される!きもちー!
「千代ちゃん!勝ったよ!俺、勝ったっ・・・ぐあ?!」
ゴゴゴゴゴ・・・
「ち、千代、ちゃん・・・? なんで、俺の首を締めてる?!」
「き、貴様ァ・・・!」
うそ・・・!俺勝ったのに?てっきり抱きつかれる展開かと思ってたのに・・・!振りかぶるな、おおきく振りかぶるなぁー!
「この、変態がぁぁぁぁぁあ!」
ぱっしーん!
「ほげぇぇぇぇぇえええ!」
キュイーン!
「ほげ!はが!おが!ばぶ!・・・ぐふっ」
ざわざわ・・・ す、すげぇ・・・
ビンタだけで、あんな所まで吹き飛ばしやがった!
生きてるか?大丈夫かあの侍!
ざわざわ・・・
男をビンタで吹き飛ばした後、我に戻った女は己の行動を悔やんでいた。
「あぁ・・・また私は!またやってしまった・・・っ!」
遠くで倒れている男にダッシュで向かう中、女は思う
自分のために戦ってくれたのに、命をかけて守ってくれたのに・・・!なのに私は、おっぱい最高と言われただけで怒り、ビンタしてしまった。違うのに・・・!そうじゃないのに・・・!
服部半蔵は!私の胸を褒めてくれただけなのに!
「だ、大丈夫か 服部半蔵?!」
「ち、千代ちゃん・・・?暴力は、暴力はっ!いけない・・・よ?」
がくっ・・・
「服部半蔵・・・?服部?!」
つーっと、男の口から血が流れる。よく見ると、頭からもかなりの出血があった
あぁ、どうしよう!私のせいで服部が死んじゃう!そ、そうだ。さっきみたいに私の胸で!
自分の胸を揉んでみる。た、たしか 私の胸が背中に当たった時から服部の力は高まっていたよね・・・
ポロポロ涙が流れる。感情が昂る。私は暴力女だ・・・最低な女だ・・・!
「服部ぃ・・・!私の胸、触っていいからぁ!頼むから起きてよぉ・・・!ぐすっ!」
必死の願い。しかし、男の耳に届くことはなく。虚しく、ただ響き渡「え、揉んでいいの?まじで!」
もみっ!
「・・・へ?」
もみもみっ!
「ひゃう!」
ずざー!っと後ろに下がる。胸を抱えて座り込むその姿は、俺の心を魅了する
まーた怒られるのかなぁ?なんて思っていると、千代ちゃんがポロポロ泣き出した。
えぇ?!いつものふざけた感じじゃなかったの?!
「ご、ごめん千代ちゃん!触っていいって言うもんだからつい・・・!ほんとごめん!」
「ぐすっ・・・!よかったぁ!服部生きてた・・・!」
「は、はぁ?俺が千代ちゃんのビンタで死ぬわけな」
だきつきっ!
「むふぉ!ち、千代ちゃん?!」
「ごめんなさい・・・!また私、服部に暴力振るっちゃった・・・!ほんとにごめんなさい・・・うぅ!」
な、なんだなんだ?!なぜこんなことになった?!意味わかんないんだけど!
意味わかんないんだけどぉぉぉおお!
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