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第37話 馬鹿にされる男
しおりを挟む歓喜の声を上げる群集の中心で、顔を真っ赤にしながら慌てふためく千代ちゃんを見ていると、あぁ なんて男は単純なんだろうと思うんだ。
男の子みんな、えっちなことが大好きなんだ!
みんな盛り上がっちゃってるし、あんな啖呵を切ってちゃ やっぱり辞めますなんて通じないのは千代ちゃんも分かっているはずだがなぁ
「うぅ・・・! 」
股の部分を抑えながら ぷるぷる震えている千代ちゃんに、なんだかドキドキしてきた。おかしいな、俺の心は幼女にしかときめかないはずなんだが・・・ あ、あと童女も
ざわざわ・・・ 早くやれお嬢ちゃん!
見せて貰おうなんて思っちゃいねえよ?!
恥ずかしがりながら答える表情にわしゃ!ゾクゾクするんじゃあー!
ざわざわ・・・
まて、一人マニアックなやつがいたな!
・・・
興奮した群集の醸し出す空気には抗えない。ついに腕相撲が始まった
結果は・・・
どんっ!
「ひぐぅ!」
「へへ、俺様の勝ちだ!」
「「「うぉぉぉおおおお!!!」」」
まぁ、そうなるわな・・・
「は、服部半蔵・・・助けて・・・」
「お前がろくにルールも聞かずに挑戦したのが悪い。パンツの色を答えるべき。以上」
「この薄情者ぉ!ばかばかばかばかぁ!!」
ポカスカ叩いてくるその拳に力はなかった。よかった、俺の言葉はちゃんと伝わってたんだな
ぱーんつ!ぱーんつ!と、ぱんつコールが響き渡る。ここら一帯気持ち悪いよ!なんだよぱんつコールって!俺も混ぜてくれ!ちがう!
しかしまぁ・・・気持ち悪いコールに怯え、涙目になってる友達を、見捨てるわけにはいかんよなぁ
「はぁ、しょうがねぇなあ!まったくもう!!」
「ぐすっ・・・ふぇ?」
「俺がなんとかするから」
千代ちゃんを抱き寄せ、安心させた後 俺は群集に向かって叫んだ。俺の超人的な声帯から発せられるその音量は、ハイになった男達を一瞬で黙らせるのだ!
『黙りやがれこの変態どもぉぉぉぉおおおお!』
ビリビリビリ・・・!
「うるせぇ!お前はその女の何なんだ!」
「雑魚は引っ込んでろ!ぶちのめされてぇのか!?あぁ?!」
「ぱんつ!食べたい!ぱんつ!」
群集の怒りが一気に集まるのを感じる。へへ///ダメだったか・・・ いや、だから最後の変態誰だよ!さっきも似たようなヤツいたぞ?!
「おうおう、兄ちゃん。そのお嬢さんの彼氏かなんかか?女の手前、いいとこ見せようだなんて考えない方が身のためだぜ?」
大男が指をポキポキ 首をバキバキ言わせながら近づいてくる。骨折しろ骨折!
「いいとこ見せようだなんて思ってないし、俺はこいつの彼氏でもない!」
「むぅ・・・」
腕の中でふくれっ面になる千代ちゃんの髪の毛の香りにドキドキするのはなんで!俺ロリコンなのに!しかも、むぅ・・・って!可愛すぎだろこんちくしょう!
「お、お前らだけルールを追加するのは不公平!だから、こっちにも言い忘れてたルールがあることにする!」
「たしかにそうだな。言ってみろ」
やさし!こいつ見た目はゴリッゴリの鬼みたいなのに物分り良すぎ!怖い見た目の奴ほど優しいってのは本当かもしれん
「俺が腕相撲で勝ったら!ぱんつの件は取り消してもらおうか!」
しーん・・・
大男は目を丸くしたあと、ふへ!ふへへへ!と笑い出した。なんだよ、そんなにおかしい事言ってないのに!
ざわざわ・・・ 馬鹿かよアイツ
そんな細い体で勝てるわけねぇだろ!
主人公気取りですかぁ?はは!
ざわざわ・・・
ぐ、ぐぅ!見てろ・・・ 今に思い知らしてやる!超人的な腕力を!
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