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第8話 大人な男
しおりを挟む「なぁー、悪かったって。だから機嫌直してくれよぉ」
ぷぃ!
「はぁー・・・」
先ほど、ずぶ濡れになって大きな木に引っかかっていた幼女ちゃんを救出しました。
服が濡れていては風邪をひくだろうと思い(そもそも天使って風邪ひくのか?)せっせと木の枝を集め、火をおこしました。今は二人で焚き火の周りに座っています。
パキッ・・・パキッ・・・
・・・焚き火って綺麗だよなぁ。落ち着くというか、懐かしいというか。 子供の頃、よく皆で川に遊びにいったよなぁ。そん時にも、皆で焚き火して 魚とか焼いて・・・
あの頃は楽しかったなあ・・・
「ねぇ!聞いてるの!」
!?
「は、はい!なんでせうか?!」
まずい、なにも聞いてなかった。幻想的な気分に浸っちゃってたよ俺。これ以上幼女ちゃんを怒らせるのはヤバい!地獄に落とされかねない!なにを言われても全力で従わなければ!!
「服が濡れて寒いの。あなたの近くにいってもいい?」
「はい、仰せのままに え?」
すくっと幼女は立ち上がると、とてとてっと近づいてきた。そしてそのまま俺の膝の上に座った。おぉーぅまじか・・・
まじかぁぁぁああ!!!???
「わたしがずぶ濡れになったのはあなたのせいなんだから!あなたに暖めてもらうのは、当然のことなの!」
なんだその天界ルール!ありがとう神様!このような天界ルールを作っていただきありがとうございます!
「こ、これで機嫌直してくれるか?」
「まだ!」
まだ?!
これ以上私になにを求めるおつもりなの幼女ちゃん!今のままでもだいぶヤバいよ俺!いや、何がやばいって色々だよ!男ならわかんだろ?いろいろあんだよ!
「あ、頭なでて!」
へ?
「濡れて寒いの!だからあたまなでて!」
意味わかんねぇ。寒いから頭撫でる、意味わかんねえ。けど頼まれたのなら、やってやるしかない!よな・・・?
「じ、じゃー撫でるぞ?」
さわっ
びくっ!
・・・なでなで
・・・やわらけぇ。それに綺麗だ、さすが天使。
幼女を膝の上に乗せて頭を撫でてる。はたから見たなら仲の良い親子に見えるだろうか。
もしかしたらこの天使は、俺が来るまでずーっと1人だったのかもしれない。寂しかったのかもしれない。
だれかに、甘えたかったのかもしれない。
とんっ
ん?
頭を俺の胸に預けて、すーすー寝息を立てている。器用なやつだな、座ったまま寝るなんてよ
気がつけば、周りは薄暗くなっていた。ここ部屋なんだよな?なんで日が暮れてんだ?・・・天界だからか。
天界のめちゃくちゃさに慣れてきている自分がこわいです。なんか俺も眠くなってきちまったな・・・
膝の上の幼女を見る。気持ちよさそうに寝てます、起すと可愛そうだな。まちがえた、可哀想だな
横になったら起きちまうか?だけど俺には背もたれねぇし
こりゃ 寝れねぇな・・・
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