【18禁】日本一、エッッッッ!なグラビアアイドルが「キミの書いたエロゲシナリオ、二人で演じてみない?」と迫ってくるんだが、それ本気なんです?

マサキ@JJ

文字の大きさ
上 下
3 / 15

普通の恋愛がしたかった

しおりを挟む
シーン02 普通の恋愛がしたかった



 雑踏ひしめく街を歩いている。

 鷹城百合香という、とてつもない美少女と一緒に。

「ふふふっ。本当にみーんな、私たちの方を見てるわね」
「……普通の恋愛がしたかった」
「イクミちゃんの普通ってなぁに?」
「いくみ……ちゃん!?」
「……君付けで呼んで欲しいの?」
「あっ、今は『ちゃん』でお願いします……」
「なら、私のことも百合香って呼んで欲しいな~。ね、ね? 今呼んでみて?」
「……百合香、さん」
「呼び捨て」
「……ゆ、百合香」
「それ! 今後はそれでよろしくね!」

 ここだけ切り取りとラブコメ的青春なんだけどなぁ……。

「それでさ。イクミちゃんの言う普通の恋愛ってなぁに?」
「えっと、何となく話すようになって、友達になって、何回か遊んで、告白して……みたいな?」

 僕は悩みながら、たどたどしくそう答えた。

「それって充分、特別じゃない?」
「僕にとっては特別だけど、普通はこういう感じじゃないの? よくわからないけど……」
「どうしても普通がいいの?」
「……そう、だね。僕の家はいろいろ特殊だから『普通』に凄く憧れる」
「ふーん……」

 鷹城さんこと百合香が何か考え込んでいる。

 彼女も『普通』とは言いがたい自分の家について思いを巡らせているのだろうか。

「イクミちゃんって兄妹はいるの?」
「えっと、双子の妹と……」
「イクミちゃんの妹さん!? しかも双子!? 絶対かわいい! 会いたい!」
「だめ!」

 でも、本当はウチの妹、ユリカの大ファンなんだよなぁ。でも、悪い予感しかしないから黙っておこう。

「う~。けちー」

 兄もいるけれど、それについて語るタイミングを失ってしまった。

「ま、『普通』の家って方が珍しいんじゃない?」
「だから、憧れるんだ」

 親がちゃんと子供を愛してくれる家に。

「ごめん、家の話はあんまりしたくない……」
「ううん。私の方こそ嫌なこと聞いてごめんね。でも、悩み事とか苦しい事があったら何でも言って欲しいな~。独りだと、つらい気持ちがどんどん大きくなっちゃうでしょ? ね?」

 優しげに彼女が笑う。

 その笑顔に、また心臓を射貫かれた。

「あ、ありがとう、鷹城さ――」
「ゆ、り、か」
「……ありがとう、百合、香」
「真っ赤になっちゃってかわい~! ガマンできないからセクハラしちゃう!」
「ひゃあ!」

 突然、百合香に後ろから抱きつかれ、お腹をさわさわされた。

 色々とアレな道具を押し込んでいるショルダーバッグを落としそうになった。

 中には、いろいろとエッチな道具が入っている。

 中身をぶちまけたら大変なことになってしまうので、それだけは防いだ。

「わぁ~! お腹もスベスベ~」
「みんな見てるから!」
「じゃあ、二人きりならセクハラしていいのね?」
「二人きりでもダメ!」
「……これからもっと凄いことをしようとしてるのに?」

 耳元で囁かれて、ぞわぞわっとした。

「それとこれとは別だから……!」
「も~。けちー」

 百合香は渋々離れてくれた。

 自分の背がもっと高くてカッコよければ、こんな目に遭うこともなかっただろう。

 恋愛映画みたいなドラマティックなものじゃなく、ごく普通の、ありきたりな恋愛がしたかった。

 なのに、そういう過程をすっ飛ばして、僕はこれから彼女にお尻の処女を奪われるわけで……。

 せめて痛くありませんように。

 僕は大きくため息を吐いて、そう願うばかりだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

疲れる目覚まし時計

にのみや朱乃
恋愛
(性的描写あり) 朝、僕が布団の中でまどろんでいると、姉さんが起こしに来た。 まだ時間が早いから寝ようとする僕を、姉さんが起こそうとする。 その起こし方がとても特殊で……。

教え子に手を出した塾講師の話

神谷 愛
恋愛
バイトしている塾に通い始めた女生徒の担任になった私は授業をし、その中で一線を越えてしまう話

好感度MAXから始まるラブコメ

黒姫百合
恋愛
「……キスしちゃったね」 男の娘の武田早苗と女の子の神崎茜は家が隣同士の幼馴染だ。 二人はお互いのことが好きだったがその好き幼馴染の『好き』だと思い、恋愛の意味の『好き』とは自覚していなかった。 あまりにも近くにいすぎたからこそすれ違う二人。 これは甘すぎるほど甘い二人の恋物語。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

マッサージ

えぼりゅういち
恋愛
いつからか疎遠になっていた女友達が、ある日突然僕の家にやってきた。 背中のマッサージをするように言われ、大人しく従うものの、しばらく見ないうちにすっかり成長していたからだに触れて、興奮が止まらなくなってしまう。 僕たちはただの友達……。そう思いながらも、彼女の身体の感触が、冷静になることを許さない。

処理中です...