上 下
5 / 6

第三話  お友達?ただのファン?

しおりを挟む
   【formいかすみ】 

 コーンと、この高校特有のチャイムが鳴り、一時限目が終わる。
「んん-。なんか疲れたっぽいわあ」
 ふあぁとあくびをした。
 あー。もう、自分でも疲れてるのか疲れてないのか分からん!
 そう思ったとき、クラスの女子が一斉に走ってきた。ん?なんだなんだ⁇
「っ。せーっの!」
 その中でも代表っぽい女の子が声を上げた。
「「「もう一度、ちび体系のいかすみさん、見せてください!!!!」」」
 一瞬、困惑する。いや、一瞬じゃないな。
 三秒くらいボーっとしている。
「ええっ!?は?い、いいけど…?」
「い、いきなりすみません!あ、あの、かわっ、かわいくて…」
「はぁ…。そ、うなんだ。ありがとお⭐てか、タメでいいし、いかすみでいいよー」
 敬語だと、ちょおおおっと気が引けるんだよなぁー。
 敬語禁止っ!!
「「「一生ついていきますうううう」」」
 いや、まぢでなんだ???急になんだ⁇
 つか、敬語禁止って言ったろおお(圧)
「あ、今からちび体系になるね!」
「「「はい…、うん!」」」

    ぽんっ!

 おーはちび体系になった。
「ふぁああああ♥いやぁ、まぢで癒されま…癒されるうぅ↺ありがとおお♥じゃあ、いまからいかすみさ、いかすみの握手会を始めるよおおおー---!」
 は?え?ん?いみふ!
「「「うえええ、うえええええええいいいい!!!やっほぅ↺」」」
 女子がハイテンションだから、周りにいた男子がビビる。ビビりまくる。
「え、こわ…」
「それな…。覚醒したか?」
「じゃあ、いかすみと握手したい人はこっちに並んでねー!はい、ここが最後尾ー!」
 女子がざわざわと代表的な女子が指した最後尾やらに並ぶ。
(どこか危ない気配を感じる※中二病っすね。頭上のイカに逃げるように伝えておこ…。)
「おい、イカっ!これ、逃げたほうがいいやつ。逃げろっ!」
 頭上のイカにしか聞こえないような小さな声で話しかける。
「ぴゅい、ぴゅーん!なーんなーん」
 と言って、イカは少し遠い所へ逃げていった。
「あのお、握手、して、い、いい⁇」
「あっ。いいよー」

 こうして、(いかすみそーめん×)すみそーめんになったおーの握手会が始まった。
 
「やぁだぁー!おててむにむにー!ちょー可愛い…。生まれてきてくれてアリガトウゴザイマス…。」
「こちらこそ、アリガトウゴザイマス…。」
 放課つぶれるや…。ま、でも、喜んでくれてるみたいだし、これはこれでいいよね!
「次の人ー!」
 最後尾にいる、が声をかけた。
 それにしても、ちゃっかり仕切られてんなー。こっちに変な手間がかからないからいいんだけどさ…。


 少し時間がたった後、時計をふと見ると、二時限目の授業の五分前だった。
「あの、申し訳ないんだけど、もう授業だから、席ついたほうがいいと思う…。」
 少し、バツが悪そうに伝える。
 すると。
 おーに握手するはずだった女子がバッと後ろを向いて大声で叫ぶ。

「みんなに伝言!授業まであと五分!自分の席についたほうがいいって!!!」

「「「はーい!」」」
 ……。
 声が大きいのはあの女子だけじゃないんだな。
 みんなが自分の席に戻っていった。
 だから、おーも、ふぉなぱすた人間体系に戻った。

「ねぇねぇ、いかすみ、ちゃん?あの、言いにくいことなんだけど、とととと、友達になってくれないかな?」
 隣の席の女子がおーに話しかけてきた。
「えっ!いいよー!てか、いかすみでいいからね!」
 すると、その女子は少し戸惑った仕草をした後、
「ありがとうっ!よろしく、いかすみ!私の事は、ナホって呼んで!」
 ぱあああっと目を輝かせた。
 へぇー!ナホ……。いい名前だなぁー
「うん、よろしくね!ナホ!」
「今日さ、一緒に帰れる?」
 いいに決まってる。(暇人)
「うん、一緒に帰ろー!」

 
 群がってきた女子に戸惑いつつも、新しい友達ができました!
しおりを挟む

処理中です...